ノーリツ給湯器のエラー140が出た?修理代の相場と安全な対処法をプロが解説

ノーリツ給湯器のエラー140が出た?修理代の相場と安全な対処法をプロが解説

こんにちは。給湯器修理.comです。

濱本 孝一

この記事の監修者

濱本 孝一

株式会社 生活水道センター 代表取締役

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号

株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。

寒い冬の夜、あるいはお風呂に入ろうとしたその瞬間、リモコンの画面に突然「140」という数字が点滅し、お湯が水に変わってしまった。そんな経験をして、今まさに焦りと不安を抱えながらこの記事にたどり着いたのではないでしょうか。

現場で毎日給湯器と向き合っている私からすると、ノーリツ給湯器のエラー140は決して珍しいトラブルではありません。しかし、このエラーは「過熱防止装置の作動」という非常に重要な安全に関わる警告サインです。お客様からは「とりあえずお湯を出したい」「修理代はいくらかかるの?」「自分で直せないの?」といった切実なご相談を数多くいただきます。

この記事では、給湯器修理の現場を知るプロの視点から、エラー140の本当の意味や、気になる修理代の相場、そして絶対にやってはいけない危険な対処法まで、包み隠さずお伝えします。突然のトラブルでパニックになりそうな時こそ、まずは落ち着いて正しい知識を身につけ、最適な解決策を見つけていきましょう。

この記事でわかること

  • ノーリツ給湯器のエラー140が意味する危険性と根本的な原因
  • 故障箇所によって数千円から10万円前後まで変わる修理代のリアルな相場
  • 自分でリセットしたり分解したりすることがなぜ危険なのかという理由
  • 修理で延命すべきか新品に交換すべきかを見極めるプロの判断基準

ノーリツ給湯器のエラー140とは何が起きているの?

ノーリツ給湯器のエラー140は、本体内部で異常な高温を検知し過熱防止安全装置が作動して運転を強制停止したことを知らせる警告です。主に内部の温度ヒューズの断線や熱交換器の詰まりが原因で発生します。放置すると火災や一酸化炭素中毒の危険があるため、お湯が出ないからと無理に再起動せず早急な点検が必要です。

エラー140(140点滅)が意味する「過熱防止装置の作動」について

ノーリツの給湯器リモコンに「140」という数字が点滅しているとき、給湯器の内部では一体何が起きているのでしょうか。結論から言うと、これは「過熱防止装置が作動しました」という給湯器からの緊急停止のサインです。

給湯器は、ガスや灯油を燃やして水を温め、お湯を作り出す機械です。その内部では非常に高温の炎が燃え盛っていますが、通常は安全な温度範囲にコントロールされています。しかし、何らかの異常が発生して機器内部が設定以上の異常な高温になってしまうことがあります。このまま放置すれば、給湯器の部品が溶けたり、最悪の場合は火災に発展したりする恐れがあります。

それを未然に防ぐために、給湯器には「温度ヒューズ」や「ハイリミットスイッチ」といった過熱防止のための安全装置が組み込まれています。機器内部の温度が危険な領域に達した瞬間、これらの安全装置が自らを犠牲にして(ヒューズが断線するなどして)電気回路を遮断し、強制的にガスの供給を止めて火を消します。この「安全装置が働いて緊急停止した状態」こそが、エラー140の正体なのです。

現場でお客様の給湯器のフロントカバーを開けると、焦げ臭い匂いが漂ってくることがあります。これはまさに、内部で異常過熱が起きていた証拠です。エラー140は単なる「ちょっとした不具合」ではなく、「これ以上動かすと危険だから無理やり止めました」という非常にシビアな状態であることを、まずはご理解いただきたいと思います。

なぜエラーが起きる?考えられる主な原因(温度ヒューズ断線・熱交換器の異常など)

では、なぜ給湯器内部が異常過熱し、エラー140が出てしまうのでしょうか。現場で診断を行う際、私たちが主に疑う原因はいくつかあります。ここでは代表的なものを詳しく解説します。

エラー140を引き起こす主な原因

  • 温度ヒューズの断線(経年劣化または異常過熱)
  • 熱交換器(缶体)の詰まりや破損
  • 電装基板の故障・ショート
  • バーナーの異常燃焼

最も多いのは、温度ヒューズの断線です。温度ヒューズは熱交換器(水をお湯に変える釜のような部品)の周囲に張り巡らされた細い線状の部品で、異常な熱を感知すると自らプツンと切れて回路を遮断します。長年使用していると、経年劣化によってそこまで高温になっていないのに切れてしまうこともありますが、多くの場合、本当に内部が高温になって切れています。

その「本当に高温になってしまう原因」の筆頭が、熱交換器の詰まりや劣化です。熱交換器は長年使っていると、水垢(スケール)やスス、サビなどが付着して目詰まりを起こします。すると、お湯にうまく熱が伝わらず、熱が内部にこもってしまい、結果として異常過熱を引き起こします。現場でテスターを使ってヒューズの断線を確認した後、熱交換器を取り外してみると、内部がススで真っ黒に詰まっていたり、ピンホールと呼ばれる小さな穴が開いて水漏れを起こしていたりするケースが非常に多いです。

また、電装基板の故障も原因の一つです。給湯器の頭脳である基板が結露や経年劣化でショートし、温度センサーからの信号を誤認識してエラー140を出すことがあります。さらに、バーナー部分にゴミや虫の死骸が詰まり、炎の形が異常になって一部だけを局所的に熱してしまう(異常燃焼)ことで安全装置が働くこともあります。

このように、エラー140の裏には「ヒューズが切れた」という結果だけでなく、「なぜヒューズが切れるほど熱くなったのか」という根本的な原因が隠れています。だからこそ、表面的な修理だけでは解決しない厄介なエラーなのです。

エラー140を自分でリセットして使い続けても安全なの?

エラー140が出たまま自分でリセットして使い続けるのは大変危険です。一時的にエラーが消えてお湯が出ることもありますが、内部の異常過熱や部品の劣化という根本原因は直っていません。そのまま使用すると予期せぬ熱湯が出て火傷をしたり、最悪の場合は機器周辺の火災やガス漏れに直結する恐れがあるため使用は控えましょう。

一時的に復旧しても根本的な解決にはならない理由

インターネットで「ノーリツ 給湯器 エラー 140」と検索すると、「リモコンの電源を一度切って、もう一度入れると直る」「コンセントを抜き差ししてリセットする」といった情報が出てくることがあります。実際、お客様の中にも「ネットに書いてあった通りにリセットしたら、一時的にお湯が出たからそのまま使っていた」という方が少なからずいらっしゃいます。

確かに、一時的な基板の誤作動や、ちょっとしたエラーであれば、リセット操作によって再びお湯が出るようになることはあります。しかし、エラー140に関しては、リセットして使い続けることは絶対に推奨できません。

なぜなら、先ほどもご説明した通り、エラー140は「過熱防止装置が作動した」という物理的な安全装置の作動を意味しているからです。もし温度ヒューズが完全に断線していれば、リセットしてもエラーは消えません。しかし、ハイリミットスイッチなどの復帰型の安全装置が一時的に作動しただけの場合、温度が下がればリセットで再び動いてしまうことがあります。

問題は、「なぜ異常過熱したのか」という根本原因(熱交換器の詰まりやバーナーの異常など)が全く解決していないことです。リセットして無理やり動かすということは、火災報知器が鳴っているのに、火元を確認せずに報知器のスイッチだけを切って寝てしまうようなものです。根本原因を放置したまま稼働させれば、再び異常過熱を起こし、給湯器に致命的なダメージを与え続けることになります。

火傷や火災のリスクも!現場で見た危険な自己解決の事例

私がこれまでに経験した現場の中で、エラー140を甘く見て自己解決しようとした結果、取り返しのつかない事態になりかけたケースをいくつかご紹介します。

ある冬の日、「お湯が出たり出なかったりして、エラー140が頻繁に出る」というお宅に伺いました。お客様にお話を聞くと、「エラーが出るたびにリモコンの電源をオンオフして、だましだましシャワーを浴びていた」とのことでした。しかし、これが非常に危険な行為でした。熱交換器の温度制御が完全に狂っていたため、設定温度を40度にしているにもかかわらず、突如として60度近い熱湯がシャワーから噴き出す状態になっていたのです。幸いお客様に火傷はありませんでしたが、もし小さなお子様がシャワーを浴びている最中だったらと思うと、背筋が凍る思いでした。

また、別の現場では、DIYが得意だというお客様が「ネットで温度ヒューズを買って自分で交換した」というケースがありました。しかし、給湯器の内部構造は非常に複雑で、素人の方が手を出して良いものではありません。そのお客様は配線の取り回しを誤り、本来触れてはいけない高温部に配線が接触してショートを起こし、基板から発煙してしまっていました。カバーを開けた瞬間、強烈な焦げ臭さと共に基板が黒焦げになっているのを見たときは、本当に火事にならなくて良かったと安堵したものです。

プロからの警告:絶対にやってはいけないこと

  • エラー140が出ているのに、何度もリセットを繰り返して無理やりお湯を出すこと
  • シャワーなど、直接お湯を体に浴びる状態で給湯器のテスト稼働をすること
  • 給湯器のカバーを開け、自分で部品(温度ヒューズなど)を交換しようとすること
  • ガス臭い、焦げ臭いにおいがするのに放置すること(直ちにガス栓を閉めてください)

給湯器の修理には、「ガス機器設置スペシャリスト」や「液化石油ガス設備士」「第二種電気工事士」といった専門の資格と知識が必要です。無資格での修理は法律で禁止されている作業に該当する恐れがあり、何よりお客様ご自身の命に関わる危険があります。「修理代を浮かせたい」というお気持ちは痛いほどわかりますが、安全はお金には代えられません。エラー140が出たら、無理をせず必ず専門業者にご相談ください。

ノーリツ給湯器のエラー140の修理代はいくらかかるの?

ノーリツ給湯器のエラー140の修理代は、故障箇所により約5,000円から最大10万円前後と非常に幅広くなります。温度ヒューズの交換のみなら1万5千円から2万円程度が相場ですが、熱交換器や電装基板など高額部品の交換が必要な重度な故障の場合は5万円から10万円近くになるケースも現場では珍しくありません。

修理費用の相場と料金の内訳(部品代・技術料・出張費など)

お客様から最も多くいただく質問が、「結局、ノーリツ給湯器のエラー140の修理代はいくらかかるの?」というものです。突然の出費ですから、相場を知っておきたいというのは当然の心理ですよね。

修理にかかる費用は、大きく分けて以下の3つの内訳から成り立っています。

  1. 部品代: 交換が必要な部品そのものの価格です。温度ヒューズのような小さな部品なら数千円ですが、熱交換器や基板となると数万円単位になります。
  2. 技術料(作業工賃): プロのサービスマンが故障原因を特定し、安全に部品を交換・調整するための作業費用です。作業の難易度や所要時間によって変動します。
  3. 出張費・故障診断料: お客様のご自宅まで伺うための交通費や車両費、および専用の機器を使ってどこが壊れているかを診断するための費用です。

ノーリツ公式のサポート窓口に依頼した場合でも、民間の専門業者に依頼した場合でも、基本的にはこの3つの合計金額が請求されることになります。ここで注意していただきたいのは、「直らなくても、見積もりだけでも費用が発生するケースがある」ということです。

例えばノーリツ公式の場合、サービスマンが訪問して診断した結果、「部品の保有期間が過ぎていて修理できません」となった場合や、「修理代が高額になるので今回はやめておきます」とお客様がキャンセルした場合でも、出張料(上限3,300円程度)と故障診断料は発生することが規定されています。これは、プロが時間と技術を使って「どこが悪いか」を特定する行為自体に価値があるためです。民間の業者でも同様のケースが多いですが、中には「出張見積もり無料」を掲げている業者もありますので、依頼前に必ず確認をおすすめします。

故障箇所ごとの修理代の違い(温度ヒューズのみ vs 熱交換器・基板交換)

では、具体的にエラー140の修理代はいくらになるのでしょうか。これは「どこが壊れているか」によって天と地ほどの差が出ます。あくまで一般的な目安ですが、現場での感覚も踏まえて相場レンジをまとめました。

故障の状況・交換部品 一般的な修理代の相場レンジ(目安) 現場からのコメント
軽度:
温度ヒューズの断線のみ
15,000円 〜 25,000円程度 経年劣化でヒューズだけが切れたラッキーなケース。作業時間も比較的短く済みます。
中度:
電装基板の故障・交換
30,000円 〜 50,000円程度 基板がショートして誤作動を起こしている場合。部品代が高いためこの価格帯になります。
重度:
熱交換器(缶体)の交換
50,000円 〜 100,000円程度 エラー140の根本原因が熱交換器の詰まりの場合。給湯器の心臓部なので非常に高額です。
最重度:
複数部品の連鎖故障
80,000円 〜 120,000円程度 ヒューズも基板も熱交換器もダメになっているケース。正直、新品への交換を強く推奨します。

※上記の数値はあくまで一般的な目安であり、正確な情報は公式サイト・メーカーをご確認いただくか、最終的な判断は専門業者にご相談ください。

現場に到着してテスターを当て、「あ、ヒューズが切れてるだけですね」とわかったときはお客様も私もホッとします。1万5千円程度の出費でその日のうちにお湯が使えるようになるからです。

しかし、問題は「ヒューズを交換して試運転してみたら、熱交換器の奥から異音がして、またすぐにヒューズが飛んでしまった」というケースです。こうなると、根本原因である熱交換器を丸ごと交換しなければならず、見積もりは一気に5万円以上に跳ね上がります。エラー140は、給湯器の心臓部である熱交換器にダメージがいっている可能性が高いため、「開けてみないと本当の修理代はわからない」というのが、プロとしての正直な見解です。

繁忙期(冬場)や設置環境による修理費用の変動

さらに、修理代は故障箇所だけでなく、時期や設置環境によっても変動することがあります。

まず時期・繁忙期による変動です。給湯器が最も壊れやすいのは、水温が下がり給湯器にフルパワーが要求される冬場(11月〜2月頃)です。この時期は私たち修理業者も電話が鳴り止まないほどの繁忙期となります。一部の業者では、繁忙期料金が加算されたり、夜間・早朝の緊急対応に深夜割増料金(数千円〜1万円程度)がかかったりすることがあります。また、メーカー側でも部品の在庫が枯渇し、「部品を取り寄せるのに1週間かかります」と言われてしまう悲劇も冬場にはよく起こります。

次に設置環境による差です。給湯器が戸建ての1階の壁掛けなど、作業しやすい場所にあれば基本料金で収まります。しかし、「マンションの3階の狭いパイプシャフトの中にある」「戸建ての屋根の上や、脚立が立てられないような狭小スペースに設置されている」といった場合、高所作業費や特殊作業費として追加料金が発生することがあります。現場の作業員が安全を確保するための費用ですので、特殊な場所に設置されている場合は、見積もりの段階で伝えておくとトラブルを防げます。

費用は機種・設置状況で変わります

正確な料金は現地確認が確実です。無料見積もり・ご相談を24時間受付中。まずはお気軽にお問い合わせください。

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メーカー修理と専門業者、どちらに依頼するのが正解なの?

保証期間内の3年未満なら無償修理の可能性が高いノーリツ公式窓口へ依頼するのが正解です。一方、保証切れの場合や即日対応を希望するなら民間の給湯器専門業者も有力な選択肢です。専門業者は独自の割引や柔軟な対応が魅力ですが、業者選びに失敗すると高額請求のリスクがあるため事前の見積もり確認が非常に重要となります。

ノーリツ公式サポート窓口に依頼するメリットとデメリット

給湯器が壊れたとき、真っ先に思い浮かぶのは「作ったメーカーに頼むこと」なります。ノーリツの公式サポート(コンタクトセンター)に修理を依頼するのは、最も王道で安心感のある選択肢です。

ノーリツ公式に依頼するメリット

  • メーカー専属の技術者が来るため、技術力と知識が確実で安心。
  • 純正部品の在庫管理が徹底されており、適合する部品を確実に手配してくれる。
  • 購入から1年〜3年以内のメーカー保証期間内であれば、無償修理になる可能性が高い。

特に、設置から3年未満の新しい給湯器であれば、迷わずノーリツ公式に連絡してください。初期不良や部品の不具合であれば、保証が適用されて修理代がタダになるケースが多いからです。(※ただし、落雷や凍結、お客様の過失による故障は保証対象外となることがあります)

一方で、デメリットも存在します。それは「融通が利きにくいこと」と「古い機種だとあっさり修理を断られること」です。メーカーは規定に厳格なため、冬場の繁忙期には「訪問修理は3日後になります」と順番待ちになることがよくあります。また、設置から10年を超えている機種の場合、サービスマンが訪問しても「部品の保有期間が終了しているため修理できません。買い替えをお願いします」と診断され、修理できないまま出張診断料だけを支払う結果になることも少なくありません。

街の給湯器専門業者に依頼するメリットとデメリット

もう一つの選択肢が、インターネットなどで検索して見つける「街の給湯器専門業者」や「ガス機器の修理・交換業者」です。私たちのような業者もここに含まれます。

専門業者に依頼するメリット

  • フットワークが軽く、「最短即日対応」「夜間対応」などスピード感がある。
  • メーカーが「修理不可」と判断した古い機種でも、独自のルートで部品を探したり、中古部品を使って応急処置をしてくれる場合がある(業者によります)。
  • 修理が高額になる場合、そのまま新品への交換見積もりを出し、メーカーより大幅な割引価格(50〜70%OFFなど)で交換対応してくれる。

保証期間が切れている(設置から5年以上経過している)場合や、「とにかく今夜お風呂に入りたいからすぐ来てほしい!」という緊急時には、専門業者の機動力が大きな助けになります。

しかし、最大のデメリットでありリスクなのが「悪徳業者が紛れ込んでいる可能性があること」です。ニュースなどでも、水回りや給湯器の修理で「数千円〜」というネット広告を見て呼んだら、あれこれ理由をつけられて数十万円の不当な高額請求をされた、という消費者トラブルが後を絶ちません。

優良な業者を見極めるポイントは、「電話口で状況を伝えた際に、大まかな費用相場や最悪のケースの金額を誠実に教えてくれるか」「作業前に必ず明確な見積もりを提示し、納得してから作業を始めるか」です。飛び込み営業をしてくる業者や、「今すぐ交換しないと爆発しますよ!」などと不安を煽るような業者には絶対に依頼してはいけません。

賃貸アパート・マンションにお住まいの方がまずやるべきこと

もしあなたが賃貸アパートやマンションにお住まいで、備え付けの給湯器にエラー140が出た場合、対応方法は全く異なります。絶対に自分で業者を手配してはいけません。まずは「管理会社」または「大家さん」に連絡してください。

賃貸物件に最初から設置されている給湯器は、入居者の所有物ではなく「貸主(大家さん)の設備」です。経年劣化や自然故障による修理代や交換費用は、原則として大家さんが負担する義務があります。

現場でたまにある悲劇が、入居者様が慌てて自分でネットで見つけた業者を呼び、数万円の修理代を自腹で払った後に管理会社へ請求したところ、「私たちが提携している業者を通していない勝手な修理なので、費用は負担できません」と突っぱねられてしまうケースです。これは本当にもったいないですし、トラブルの元になります。

夜間や休日で管理会社と連絡がつかない場合でも、まずはメールや留守電に記録を残し、指示を仰ぐのが鉄則です。もし「ご自身で手配して、後で領収書を送ってください」と言われた場合は、必ずその言質を取り、作業明細と領収書を大切に保管しておきましょう。

※マンションの給湯器交換の流れについて詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

あわせて読みたい:マンションの給湯器交換時間と流れを徹底解説!

修理か新品への交換か、迷ったときの判断基準は?

給湯器の設置から約10年経過している場合は、修理よりも新品への交換をおすすめします。給湯器の設計標準使用期間は10年とされており、これを超えるとメーカーの部品保有期間が終了し修理できないケースが増えるからです。また1箇所を数万円かけて修理してもすぐ別の部品が壊れる連鎖故障のリスクが非常に高くなります。

設置から10年が寿命のサイン!部品保有期間の壁とは

「修理代が5万円かかるなら、いっそ新品に交換したほうがいいのかな…?」
エラー140の診断結果をお伝えした際、多くのお客様がこの悩みに直面します。プロとして私たちがアドバイスする際の明確な基準、それが「使用年数が10年を超えているかどうか」です。

給湯器には、安全上支障なく使用できる期間の目安として「設計標準使用期間」が定められており、家庭用給湯器の場合は「10年」とされています。給湯器本体にもシールで明記されているはずです。

10年という数字には、明確な理由があります。それはメーカーの「補修用性能部品の保有期間」が製造打ち切りから10年と定められているからです。つまり、設置から10年(機種によってはそれ以上)経過している給湯器が壊れた場合、メーカーの倉庫に修理用の温度ヒューズや熱交換器が残っておらず、物理的に「修理不可能」となる確率が非常に高くなるのです。

もしあなたの給湯器が設置から7〜8年程度で、修理代が2万円程度で済むのであれば、修理してもう少し長く使うのも賢い選択です。しかし、10年を超えている給湯器でエラー140が出た場合、それは単なる一時的な不具合ではなく、機器全体が寿命を迎えている「終わりのサイン」と捉えるべきです。

現場でよくある「修理したのにすぐ別の場所が壊れた」連鎖故障のリアル

なぜ私たちが10年を超えた給湯器の修理をあまりおすすめしないのか。それは、部品がないからという理由だけではありません。現場で何度も目にしてきた「連鎖故障の悲劇」を避けていただきたいからです。

以前、設置から11年経過した給湯器でエラー140が出たお客様がいました。「交換は高いから、どうしても修理で直してほしい」と強く希望され、幸い部品の在庫もあったため、約4万円かけて熱交換器周りの修理を行いました。お湯が出るようになり、お客様も大変喜んでおられました。

しかしそのわずか3ヶ月後、同じお客様から「今度はエラー111(点火不良)が出てお湯が出ない」と悲痛な声で電話がかかってきました。再訪問してみると、今度は電装基板とイグナイター(点火装置)が寿命を迎えて完全に壊れていました。追加の修理代はさらに5万円。結局、お客様は「最初から素直に新品に交換しておけばよかった…」と深く後悔されながら、新品への交換を決断されました。先に払った4万円の修理代は完全に無駄になってしまったのです。

給湯器は、すべての部品が同じように過酷な環境で10年間働き続けています。温度ヒューズが寿命を迎えたということは、基板も、ポンプも、バーナーも、同じように寿命の限界に達しているということです。1箇所だけを新品の部品に換えても、他の古い部品がそれに耐えきれず、次々と連鎖的に壊れていくのは現場の常識です。

プロが教える「修理」か「交換」かの判断チャート

  • 設置から1〜3年: 迷わずメーカー修理へ(保証で無料の可能性大)
  • 設置から4〜7年: 修理代が安ければ修理。5万円を超える重傷なら交換も視野に
  • 設置から8〜9年: 修理は応急処置と割り切る。高額なら迷わず交換
  • 設置から10年以上: 修理はおすすめしません。安全とコストのために新品交換を推奨

エラー140で高額な修理見積もりが出た場合は、長期的なランニングコストと安全性を天秤にかけ、思い切って新しい給湯器への交換(エコジョーズなどの省エネ機種への切り替え)を検討をおすすめします。

※給湯器の寿命や交換時期についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

あわせて読みたい:給湯器の寿命サイン|交換費用と時期を専門家が解説

よくある質問:ノーリツ給湯器のエラー140と修理代について

ここではノーリツ給湯器のエラー140や修理代に関して、お客様から現場でよくいただく質問にお答えします。修理代の具体的な目安や、自分で部品交換できるのかといった安全性に関わる疑問、さらには修理を見送った場合の出張費や見積もり費用の扱いなど、いざという時に知っておきたい重要なポイントをわかりやすくまとめました。

Q1: エラー140の修理代はいくらくらいかかりますか?

A: 故障箇所によりますが、約5,000円〜10万円前後が目安です。
温度ヒューズの断線のみといった軽度の故障であれば15,000円〜25,000円程度で収まることが多いです。しかし、エラー140は熱交換器の異常や電装基板の故障が原因であることも多く、これらの主要部品を交換する場合は50,000円〜100,000円近い高額な修理代になるケースがあります。正確な金額はプロの診断が必要です。

Q2: 自分で温度ヒューズを買って交換しても良いですか?

A: 絶対におやめください。大変危険な行為です。
給湯器内部の部品交換は、電気やガスに関する専門の資格と知識を持つ者でなければ行ってはいけません。無資格者が配線をいじるとショートして火災を引き起こしたり、ガス漏れや一酸化炭素中毒といった命に関わる重大事故につながる恐れがあります。部品代を節約しようとした結果、家を失っては元も子もありません。必ず専門業者にご依頼ください。

Q3: 修理を依頼しなくても見積もりや出張費はかかりますか?

A: メーカーや業者によっては、修理しなくても出張診断料がかかります。
ノーリツ公式サポートに依頼した場合、サービスマンが訪問して診断を行った結果、「部品がないため修理不可」となったり、お客様が「高額だから修理をやめる」と判断したりした場合でも、出張料(上限3,300円程度)と故障診断料は請求される規定になっています。民間の専門業者の中には「出張見積もり無料」のところもあるため、依頼する前の電話予約の段階で「もし修理しなかった場合、いくらかかりますか?」と必ず確認するようにしましょう。

まとめ:ノーリツ給湯器のエラー140の修理代と正しい向き合い方

ノーリツ給湯器のエラー140の修理代と、その対処法について詳しく解説してきました。突然お湯が出なくなるトラブルは本当に困りますし、なんとか安く早く済ませたいと思うのは当然のことです。

しかし、エラー140は給湯器が「これ以上動かすと危険です!」と体を張って教えてくれている重要なサインです。おさらいとして、この記事の重要なポイントをまとめます。

  • エラー140は過熱防止装置の作動: 温度ヒューズの断線や熱交換器の異常など、内部で危険な高温状態が発生している証拠です。
  • 自己流のリセットやDIY修理は厳禁: 根本原因を直さずに使い続けると、熱湯による火傷や火災、一酸化炭素中毒のリスクがあり大変危険です。
  • 修理代の相場は幅が広い: 部品交換のみの1.5万円程度から、熱交換器交換の10万円前後まで、開けてみないとわからないのが現実です。
  • 10年経過は交換のサイン: 設置から10年を超えている場合は、高額な修理をして連鎖故障のリスクを抱えるより、安全で経済的な新品交換を推奨します。

給湯器は私たちの毎日の生活に欠かせない「ライフライン」です。エラー140が出たときは、焦らず冷静に、まずはノーリツ公式サポートや信頼できる専門業者に点検を依頼してください。そして、提示された修理代と給湯器の使用年数を照らし合わせ、あなたにとって最も安心できる選択をしていただければと思います。

この記事が、給湯器トラブルに悩むあなたの不安を少しでも解消し、安全で快適なお湯のある生活を取り戻す一助となれば幸いです。

佐藤 裕

この記事の執筆者

佐藤 裕

株式会社生活水道センター 本部長

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405

株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。

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