給湯器の901エラーが出たらどうする?原因と自分でできる対処法・修理費用をプロが解説

給湯器の901エラーが出たらどうする?原因と自分でできる対処法・修理費用をプロが解説

こんにちは。給湯器修理.comです。

濱本 孝一

この記事の監修者

濱本 孝一

株式会社 生活水道センター 代表取締役

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号

株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。

この記事でわかること

  • 給湯器に901エラーが表示される根本的な原因と仕組み
  • 業者を呼ぶ前に自分で試せる安全な確認とリセット手順
  • 901エラーの修理にかかる費用の内訳と一般的な相場
  • 修理か新品交換かを賢く判断するための使用年数の目安

寒い冬の朝や、一日の疲れを癒やそうとお風呂に入ろうとした矢先、リモコンに突然「901」という見慣れない数字が点滅してお湯が出なくなる。このようなトラブルに直面すると、「今日お風呂に入れるのか?」「修理にいくらかかるのか?」と、とても不安な気持ちになりますよね。私も長年、給湯器の設置や修理の現場に立ってきましたが、この901エラーでパニックになってお電話をいただくお客様を数え切れないほど見てきました。

実はこの901エラー、給湯器が完全に壊れてしまったわけではなく、強風や積雪といったお天気の影響で一時的に安全装置が働いているだけのケースも非常に多いのです。正しい知識を持っていれば、業者を呼ばずにご自身で解決できることもあります。しかし一方で、間違った対処をしてしまうと、最悪の場合は一酸化炭素中毒や火災といった重大な事故に繋がる危険性も秘めています。

この記事では、給湯器の設置・修理の現場で数多くのトラブルを解決してきたプロの視点から、給湯器の901エラーが意味する内容や、安全にできる初期対応、そしてどうしても業者を呼ばなければならない場合の費用相場や注意点について、実体験を交えながら徹底的に解説します。今まさに目の前でお湯が出なくて困っているあなたの不安を、少しでも早く解消するお手伝いができれば幸いです。

給湯器のエラーコード「901」はどういう意味?表示される理由

給湯器の901エラーは給排気閉塞異常や燃焼異常を知らせる警告サインです。機器が新鮮な空気を取り込めず不完全燃焼を防ぐために安全装置が働いた状態で表示されます。リンナイやノーリツなど主要メーカー共通で給排気系のトラブルを意味しており強風や積雪などの外的要因で一時的に発生するケースが非常に多いです。

901エラーは「給排気閉塞異常」や「燃焼異常」の可能性を示すサイン

給湯器のリモコンに表示される「901」というエラーコードは、専門用語で「給排気閉塞異常」や「燃焼異常」と呼ばれる状態を示しています。少し難しく聞こえることもありますが、簡単に言えば「給湯器がうまく深呼吸できていない状態」です。

給湯器の中でガスを燃やしてお湯を作るためには、新鮮な空気(酸素)を取り込み、燃えた後の排気ガスを外へ逃がす必要があります。人間が息を吸って吐くのと同じですね。この空気の通り道である給排気口が何らかの理由で塞がれてしまうと、給湯器内部で酸素が足りなくなり、正常な燃焼ができなくなります。

現場での経験をお話しすると、ある冬の朝、「お湯が出ない!」と慌てた様子のお客様からご依頼を受け、急行したことがあります。現場に到着して給湯器の排気口(煙突のような部分)を確認すると、なんとそこにクモの巣がびっしりと張られ、枯れ葉が絡みついて完全に塞がっていました。給湯器は非常に賢い機械なので、「このままガスを燃やし続けたら不完全燃焼を起こして危険だ」と自己判断し、安全装置を働かせて強制的にストップします。その結果としてリモコンに表示されるのが、この901エラーなのです。つまり、901エラーは機器があなたを危険から守ってくれた証拠とも言えます。

ノーリツ・リンナイなどメーカーによって意味に違いはある?

日本国内で普及している給湯器の主要メーカーといえば、ノーリツ、リンナイ、パロマ、パーパスなどが挙げられますが、「メーカーが違うとエラーコードの意味も違うのでは?」と疑問に思う方もいらっしゃるなります。結論から言うと、901エラーに関してはどのメーカーでもほぼ同じ意味合いを持っています。

実は、給湯器のエラーコードには業界全体である程度の共通ルールが存在します。3桁の数字のうち、左の2桁が「エラーの種類」を表し、右の1桁が「異常が起きている場所」を表しています。「90」という数字は「給排気系の異常」を意味し、末尾の「1」は「給湯側(お風呂の追い焚きや暖房ではなく、蛇口から出るお湯の系統)」で問題が起きていることを示しています。そのため、ノーリツの取扱説明書には「給湯燃焼異常」、リンナイには「給湯の給排気閉塞異常」と少し表現の違いはあっても、根本的な原因は同じなのです。

また、東京ガスや大阪ガスなどのガス会社名義で販売されている給湯器をお使いの方も多いと思いますが、これらも中身はノーリツやリンナイなどが製造しているOEM製品です。そのため、ガス会社の給湯器であっても、901エラーが出た場合は同様に「給排気のトラブル」と考えて間違いありません。

エコジョーズ特有の事情や天候(強風・大雪)による影響

901エラーの原因として、給湯器本体の故障よりも圧倒的に多いのが「天候による外的要因」です。特に台風が通過した直後や、爆弾低気圧による強風の日、そして大雪が降った翌日などは、私たちの修理受付の電話が鳴り止まなくなるほど、この901エラーが多発します。

なぜ天候が関係するのかというと、強風が給湯器の排気口に直接吹き付けると、排気ガスが外に押し出せず、逆流してしまうからです。内部のセンサーがこれを検知してエラーを出します。また、雪国や大雪の日に多いのが、積もった雪で給湯器の排気口がすっぽりと埋もれてしまうケースです。過去の現場では、屋根からの落雪がちょうど給湯器を直撃し、雪だるま状態になって窒息していたこともありました。

さらに近年普及している「エコジョーズ」と呼ばれる省エネ型の給湯器は、従来の給湯器に比べて排気温度が低く設計されています。そのため、排気ガスを外へ押し出す力が少し弱く、強風の影響をより受けやすいという特徴を持っています。もしあなたがエコジョーズをお使いで、外が台風のような強風であれば、給湯器が壊れたわけではなく、風が収まれば自然と直る可能性が非常に高いと言えます。

現場からのワンポイントアドバイス
マンションの廊下に設置されている給湯器の場合、大規模修繕工事の最中に901エラーが出ることがあります。これは、塗装工事などのために作業員が給湯器に被せたブルーシートや養生ビニールが排気口を塞いでしまっていることが原因です。工事中にお湯が出なくなったら、まずは外に出て給湯器がビニールで覆われていないか確認してみてください。

給湯器の901エラーが出たとき自分でできる対処法は?

まずは給湯器本体の周囲を確認し排気口を塞ぐ雪や荷物などの障害物を取り除いてください。その後リモコンの運転スイッチを一度切り約1分待ってから再投入するリセット操作を行います。これで直れば一時的な天候の影響ですが何度もエラーが再発する場合は内部部品の故障が疑われるため直ちに使用を中止してください。

まずは給湯器の周囲を確認!障害物や雪を取り除く

901エラーが出たときに真っ先にやっていただきたいのは、外に設置されている給湯器本体の目視確認です。先ほども触れた通り、給排気口が物理的に塞がれていることが原因の多くを占めるからです。

現場に行くとよくあるのが、給湯器のすぐ前に古タイヤや段ボール、自転車などを立てかけてしまっているケースです。お客様に伺うと「ちょっと掃除のついでに仮置きしただけなんだけど…」とおっしゃるのですが、給湯器は前面の排気口から熱いガスを吹き出し、周囲から空気を吸い込んでいます。そのすぐ目の前を塞いでしまうと、自分が吐き出した排気ガスをそのまま吸い込んでしまう「ショートサイクル」という現象が起き、酸欠状態になって901エラーを出してしまいます。

もし給湯器の前に荷物を置いている場合は、最低でも前方60cm以上、できれば周囲に何も置かないように片付けてください。また、冬場であれば排気口周辺に雪が積もっていないか、ツララが下がって塞いでいないかを確認し、安全な範囲で雪かきを行ってください。これだけであっけなくエラーが解消し、通常通りお湯が使えるようになることは珍しくありません。

リモコンのリセット操作で復旧するか試してみる

給湯器の周りに障害物がなく、強風も吹いていないのに901エラーが出た場合、システムの一時的な誤作動のおそれがあります。パソコンやスマートフォンがフリーズしたときに再起動するのと同じように、給湯器も一度リセットをかけることで正常に戻ることがあります。

リセットの手順は非常に簡単です。

  1. 使用中の蛇口(お湯側)をすべて閉める。
  2. お部屋にある給湯器リモコンの「運転スイッチ」を押して電源を「切」にする。
  3. そのまま約1分ほど待機する。
  4. 再度「運転スイッチ」を押して電源を「入」にする。
  5. 蛇口をひねって、お湯が正常に出るか、エラーが消えているか確認する。

私も電話相談を受けた際、まずはこの手順をお伝えしています。数分後にお客様から「直りました!わざわざ来てもらわなくて済んで助かりました!」と喜ばれることも多いです。一時的なセンサーの過敏反応や、ちょっとした突風が原因だった場合は、このリセット操作だけで問題なく使い続けることができます。

リセットを繰り返すのは危険!無理な使用を控えるべき理由

ここで絶対に守っていただきたい重要な注意事項があります。それは、「リセット操作をしてもすぐに901エラーが再発する場合、何度もリセットを繰り返して無理やり使おうとしない」ということです。

エラーが再発するということは、一時的な誤作動ではなく、給湯器の内部で確実に何らかの異常(部品の劣化や故障)が起きているという明確なサインです。それを無視してリセットを繰り返し、だましだまし使い続けるとどうなるでしょうか。

過去にこんな現場がありました。「何度も電源を入れ直せば少しだけお湯が出るから」と、1週間ほど無理やり使い続けていたお客様のお宅です。最終的に全くお湯が出なくなり私たちが呼ばれたのですが、給湯器のカバーを開けて絶句しました。内部で不完全燃焼が繰り返された結果、機器の中が真っ黒なススだらけになり、本来なら小さなセンサーの交換だけで済んだはずの修理が、内部全体の部品がダメになっており全損(本体交換)扱いになってしまったのです。

それだけでなく、不完全燃焼は一酸化炭素を発生させます。一酸化炭素は無色無臭のため、気付かないうちに室内に流れ込むと命に関わる重大な事故を引き起こす恐れがあります。リセット操作はあくまで「最初の1回」だけにとどめ、それでも直らない場合は直ちに使用を中止して、専門業者へ点検を依頼してください。安全はお金には代えられません。

費用は機種・設置状況で変わります

正確な料金は現地確認が確実です。無料見積もり・ご相談を24時間受付中。まずはお気軽にお問い合わせください。

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901エラーで給湯器の修理を依頼する場合の費用相場はいくら?

901エラーの修理費用は部品交換の有無で大きく変わり一般的な相場は7千円から3万円程度です。料金内訳は出張費と技術料に部品代が加わります。ゴミ詰まりの除去程度なら1万円以下で済むこともありますが電装基板やファンモーターの交換が必要な場合は2万円から3万円を超えるケースも多いため見積もりが必須です。

修理料金の内訳と一般的な相場レンジ

いざ業者を呼ぶとなると、一番気になるのは「修理代がいくらかかるのか」ということですよね。給湯器の修理費用は、どんぶり勘定で決められているわけではなく、明確な内訳が存在します。一般的には「出張費+故障診断料+技術料(作業代)+部品代」の合計で計算されます。

901エラーの場合、故障している箇所によって費用は大きく変動します。あくまで一般的な目安ですが、以下のような相場レンジになります。

修理内容・故障箇所 費用の目安(一般的な相場) 備考
異物除去・簡易調整のみ 7,000円 〜 10,000円程度 部品交換なし。清掃と点検のみの場合。
点火プラグ・センサー類の交換 10,000円 〜 15,000円程度 比較的軽度な部品交換。
燃焼ファンモーターの交換 15,000円 〜 25,000円程度 排気を行うための重要なモーターの故障。
電装基板(コンピューター)の交換 20,000円 〜 35,000円程度 制御系の故障。やや高額になる傾向。

現場でお客様からよくいただくご意見に、「部品を交換してないのに、なんでお金がかかるの?」というものがあります。お気持ちは非常によくわかります。しかし、私たちが現場に急行するためのガソリン代や人件費(出張費)、そして専用のテスターを使ってどこが壊れているかを特定する専門的な作業(故障診断料)には、どうしてもコストがかかってしまいます。そのため、結果的に「修理を見送って本体を買い替える」という決断をされた場合でも、数千円規模の出張・診断料は発生することが一般的です。トラブルを防ぐためにも、依頼する前の電話口で「出張費や見積もり費用はいくらかかるか」を必ず確認するようにしてください。

時期や繁忙期(冬場)による修理費用の変動について

給湯器の修理業界には、明確な「繁忙期」が存在します。それはズバリ、冬(11月〜3月)です。冬場は水道水の温度が下がるため、お湯を沸かすために給湯器がフルパワーで稼働し、機器への負担が大きくなって故障が急増するからです。私たちの仕事も、夏場と比べると冬場は目の回るような忙しさになります。

この繁忙期には、いくつか注意すべき点があります。まず、一部の業者では深夜や休日の緊急対応に「割増料金」を設定している場合があり、通常よりも修理費用が数千円高くなることがあります。また、全国的に故障が多発するため、メーカーの部品在庫が品薄になり、部品を取り寄せるのに何日も待たされるケースがあります。

「今日直してくれないと困る!」と焦るお気持ちは痛いほどわかりますが、焦ってインターネットの検索結果の上部に出てきた「24時間最速で駆けつけます!」といった業者に飛びつくと、相場を大きく上回る高額な出張費や特急料金を請求されるトラブルも散見されます。価格の安さやスピードだけをアピールする業者には注意し、地元の信頼できるガス会社や、実績のある専門業者に落ち着いて相談することが、結果的に費用を抑えるコツです。

設置環境(高所・狭所)による追加費用の有無

もう一つ、修理費用を左右する意外な盲点が「給湯器の設置場所」です。一戸建ての庭先や、マンションのベランダなど、足場がしっかりしていて作業スペースが広い場所であれば、基本料金内で作業が可能です。

しかし、現場は常に作業しやすい環境とは限りません。例えば、3階建ての戸建てで、脚立では届かないような外壁の高い位置に給湯器がぶら下がっている場合(高所設置)や、隣の家との隙間が数十センチしかなく、体を斜めにしないと入れないような狭い場所(狭所設置)に給湯器がある場合です。

このような過酷な現場では、作業員の安全を確保するために足場を組んだり、2人体制で作業を行ったりする必要があるため、「高所作業費」や「特殊作業費」といった追加料金が発生します。過去には、屋根の上の傾斜地に設置された給湯器の修理で、命綱をつけて作業したこともありました。ご自宅の給湯器が特殊な場所に設置されている場合は、業者に電話する段階で「かなり高い場所にあります」「人が入るのがやっとの狭い隙間です」と伝えておくと、後々の料金トラブルを防ぐことができます。

注意:安全上の理由で修理を断られることも
著しく危険が伴う設置状況の場合、安全基準を満たせないとしてメーカーや修理業者から作業自体を断られるケースも存在します。正確な情報は公式サイト等をご確認いただき、最終的な判断は現地を視察した専門業者にご相談ください。

901エラーは修理と交換どちらがおすすめ?判断基準とは?

給湯器の設置から10年未満であれば数万円の修理で済ませるのが経済的ですが10年を超えている場合は本体の新品交換をおすすめします。メーカーの部品保有期間が過ぎて修理できないことが多く他の部品も寿命を迎えているためです。交換費用は10万円から20万円程度かかりますが長期的なランニングコストではお得です。

使用年数10年がひとつの目安となる理由

901エラーが出て修理の見積もりを取った際、多くの方が直面する悩みが「数万円払って修理すべきか、いっそ新品に交換すべきか」という究極の選択です。この判断に迷ったとき、私たちがプロとしてアドバイスする明確な基準があります。それが「設置してから何年経っているか」という使用年数です。

給湯器の設計上の標準使用期間(寿命の目安)は、各メーカー共通で「約10年」と定められています。もしお使いの給湯器が設置から3年〜7年程度であれば、今回壊れた部品(例えばファンモーターなど)を交換すれば、その後も長く使える可能性が高いため、修理をおすすめします。

しかし、設置から10年近く、あるいはそれ以上経過している場合は、話が変わってきます。現場での苦い経験をお話ししましょう。あるお客様が、12年使った給湯器の901エラーで、約3万円かけて基板を修理されました。「これでまだしばらく使える」と安心されていたのですが、なんとそのわずか2ヶ月後、今度は水漏れが発生し、熱交換器という別の高額部品が壊れてしまったのです。結局、そのタイミングで新品に交換することになり、「最初の修理代3万円が無駄になってしまった…最初から交換しておけばよかった」とひどく後悔されていました。

10年を超えた給湯器は、人間の体と同じであちこちにガタがきています。一つ直しても、またすぐに別の場所が壊れる「修理の連鎖」に陥るリスクが非常に高いのです。

修理部品の保有期間と将来的な故障リスク

10年を超えた給湯器の修理をおすすめしないもう一つの大きな理由が、「部品の供給問題」です。給湯器メーカーは、製品の生産を終了してから一定期間(通常は10年間)は修理用の部品を保有するよう法律で義務付けられています。しかし、それを過ぎると部品の製造を打ち切ってしまいます。

私たち業者が現場に駆けつけ、「原因は分かりました!この部品を交換すれば直ります!」と意気揚々とメーカーに部品を発注したところ、「その機種の部品は先月で供給終了しました」と無情な回答が返ってくることは日常茶飯事です。その時の気まずさといったらありません。お客様に「申し訳ありません、部品がないので直せません」とお伝えしなければならないのは、プロとしても非常に心苦しい瞬間です。

給湯器の本体交換となると、機種や号数にもよりますが、工事費込みで10万円〜20万円、エコジョーズなどの高機能機種であればそれ以上のまとまった出費になります。決して安い金額ではありませんが、最新の給湯器は10年前のものより省エネ性能が格段に向上しており、毎月のガス代が安くなるというメリットもあります。長期的なランニングコストと、いつまた壊れるか分からないという精神的ストレスを考慮すると、10年選手の場合は思い切って交換する方が賢明な判断と言えるなります。

※給湯器の交換時期や寿命のサインについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

お湯が使えない期間のストレス対策(貸出機などの活用)

「交換することに決めたけれど、新しい給湯器が届くまでの間、お風呂はどうすればいいの?」これが、お客様にとって最大のストレスです。特に冬場に何日も自宅でお湯が使えないのは、想像以上に過酷です。銭湯通いも一日や二日ならイベント気分で楽しいこともありますが、毎日となると時間もお金もかかり、湯冷めして風邪を引いてしまうリスクもあります。

そんな時、良心的な地域密着型の専門業者や給湯器交換業者が提供している素晴らしいサービスがあります。それが「仮設給湯器の貸し出しサービス」です。これは、新しい給湯器が納品されるまでの間、業者が在庫として持っている中古の給湯器を仮で壁に引っ掛け、とりあえずお湯だけは使えるようにしてくれるというものです。

私も過去に、真冬に給湯器が完全に壊れ、納期まで1週間かかると言われて絶望していたご家族のお宅に、貸出機を設置しに行ったことがあります。仮設工事が終わって蛇口から温かいお湯が出た瞬間、奥様が涙ぐんで「本当にありがとうございます、これで子供をお風呂に入れてあげられます」と喜んでくださったことは、今でも忘れられない思い出です。

貸出機の設置には、配管のつなぎ直しなどの作業が発生するため、無料ではなく2万円前後の費用がかかることが一般的ですが、銭湯代やコインランドリー代、そして何より家族全員のストレスを考えれば、十分に価値のあるサービスです。業者選びの際は、「貸出機のサービスはありますか?」と質問してみるのも、優良な業者を見極める一つのポイントになります。

※給湯器交換の具体的な流れや作業時間については、こちらの記事で詳しく解説しています。

賃貸住宅で給湯器の901エラーが出た場合の注意点は?

賃貸アパートやマンションで901エラーが出た際はご自身で直接修理業者を手配せず必ず大家さんや管理会社に連絡してください。備え付けの給湯器は貸主の所有物であり経年劣化による故障なら修理費用は貸主負担となります。勝手に業者を呼ぶと契約違反となり高額な修理代を自己負担させられるトラブルに繋がります。

勝手に業者を呼ぶのはNG!まずは管理会社へ連絡を

もしあなたが賃貸アパートやマンションにお住まいで、給湯器に901エラーが出た場合、戸建てにお住まいの方とは全く異なる行動をとる必要があります。一番やってはいけないのは、「お湯が出なくて困るから」と、スマートフォンで検索して見つけた修理業者を独断で呼んでしまうことです。

なぜなら、賃貸物件に元々備え付けられている給湯器は、あなた(借主)の持ち物ではなく、大家さんや管理会社(貸主)の所有物だからです。他人の持ち物を勝手に修理・改造することは、賃貸借契約において重大なルール違反となるおそれがあります。

以前、こんなトラブルを耳にしたことがあります。深夜に給湯器が壊れてパニックになった大学生が、ポストに入っていたマグネットの緊急対応業者を呼んでしまいました。業者はその場で修理を行い、学生はなけなしのアルバイト代から約10万円の修理代を支払いました。翌日、管理会社に「修理代を立て替えたので払ってください」と領収書を持って行ったところ、「うちが提携しているガス会社に頼めば無料で直せたのに。勝手にやったことだから全額は払えないよ」と言われ、大揉めになってしまったのです。

このような悲惨なトラブルを防ぐためにも、賃貸でエラーが出た場合は、まず落ち着いて管理会社や大家さんに電話をしてください。夜間や休日で連絡がつかない場合でも、自己判断で動かず、翌朝の営業時間を待つのが鉄則です。

費用負担の原則と入居者の善管注意義務

賃貸物件における設備トラブルの費用負担には、明確な原則があります。給湯器が長年の使用によって自然に壊れた場合(経年劣化)や、天候などの不可抗力による故障であれば、修理費用や交換費用は「貸主(大家さん)」が負担するのが基本です。入居者がお金を払う必要はありません。

ただし、例外もあります。入居者の不注意や過失が原因で故障した場合は、入居者が費用を負担しなければならないケースがあるのです。これを法律用語で「善管注意義務(善良なる管理者の注意義務)違反」と呼びます。

例えば、ベランダに置いてある給湯器の前に、入居者が大量の粗大ごみを積み上げて排気口を塞ぎ、それが原因で901エラーが出て内部がショートしてしまった場合。あるいは、引っ越し作業中に家具を給湯器に激突させて壊してしまった場合などです。これらは「普通に使っていれば起きなかった故障」とみなされ、修理代を請求される恐れがあります。

給湯器の周辺は常に整理整頓し、取扱説明書に沿った正しい使い方を心がけることが、無用な金銭トラブルを回避するための最大の防衛策となります。

給湯器の901エラーに関するよくある質問

901エラーに関してよくいただく質問は自分で分解修理できるか放置しても安全かなどです。結論から言うとガス機器の分解には国家資格が必要で一酸化炭素中毒や爆発の危険があるため絶対におやめください。放置したままの無理な使用も危険です。業者へ連絡する前にリモコン画面や本体の写真を撮っておくとスムーズです。

自分で給湯器を分解して修理してもいいですか?

結論:絶対にやめてください。ガス機器の分解・修理には専門の国家資格が必要であり、素人の作業は極めて危険です。

「YouTubeの動画を見たら、自分でもカバーを開けて部品を交換できそうだった」「修理代を節約したいから自分で直したい」というお気持ちはわかります。しかし、給湯器はガスと電気と水を扱う非常にデリケートかつ危険な機器です。法令により、ガス管の接続や燃焼部分の修理には「ガス可とう管接続工事監督者」や「液化石油ガス設備士」などの有資格者でなければ行ってはならないと定められています。
万が一、無資格の方が分解してガス漏れを起こせば、大爆発や火災、一酸化炭素中毒といった命に関わる大惨事に直結します。お金を節約するために命を危険に晒すようなことは絶対にせず、プロにお任せください。

エラーが出たまま放置するとどうなりますか?

結論:不完全燃焼による一酸化炭素の発生や、機器の致命的な故障(全損)に繋がるため、放置して使い続けるのは大変危険です。

901エラーは「給排気がうまくいっていない」という警告です。この警告を無視して、エラーが出るたびにリセットを繰り返して無理やりお湯を出し続けると、給湯器内部に大量のススが溜まります。ススが溜まるとさらに空気が吸えなくなり、やがて猛毒の一酸化炭素が発生します。一酸化炭素は無色無臭のため、浴室や室内に流れ込むと気付かないうちに意識を失い、最悪の場合は死に至ることもあります。また、機器内部が焼け焦げてしまい、修理不可能になるケースも多々あります。異常を感じたら、ただちに使用を中止してください。

業者を呼ぶ前に準備しておくことはありますか?

結論:給湯器本体に貼られている「型番シール」の写真と、エラーが出ているリモコン画面の写真をスマートフォンで撮っておくことを強くおすすめします。

私たちがお客様からお電話をいただいた際、一番知りたい情報が「給湯器のメーカーと正確な型番」です。これがないと、どの部品を持って行けばいいのか、そもそも修理可能な年式なのかが判断できません。給湯器の前面や側面には、必ず銀色や白色の銘板シールが貼られており、そこに「GT-C2462AWX」のような英数字の型番が記載されています。
電話口で暗い中、老眼鏡をかけながら一生懸命文字を読んでくださるお客様も多いのですが、見間違いを防ぐためにも、明るい時間にスマートフォンでカシャッと写真を撮っておき、業者にメールやLINEで送れるようにしておくと、その後の手配が驚くほどスムーズに進みます。

給湯器の901エラーに関するまとめと今後の対策

ここまで、給湯器の901エラーについて、その原因から対処法、修理費用、そして賃貸での注意点まで、現場のリアルな実態を交えて詳しく解説してきました。この記事でお伝えしたかった重要なポイントを最後にもう一度整理します。

  • 901エラーは給排気の異常。強風や積雪、障害物による一時的な酸欠状態であることが多い。
  • まずは周囲を確認。給湯器の前の荷物をどかし、一度だけリセット操作を試す。
  • 何度もリセットするのは厳禁。直らない場合は一酸化炭素中毒の危険があるため使用を中止する。
  • 修理費用の相場は7千円〜3万円程度。しかし10年を過ぎている機器は本体交換を検討すべき。
  • 賃貸の場合は勝手に業者を呼ばない。必ず大家さんや管理会社に連絡して指示を仰ぐ。

お湯が出ないというトラブルは、生活の質を著しく低下させ、心に大きな余裕をなくしてしまいます。しかし、901エラーが出たからといって、必ずしも高額な修理代がかかるわけではありません。まずは落ち着いて外の給湯器を確認し、この記事でご紹介した安全な初期対応を試してみてください。

それでも解決しない場合は、決して無理をせず、信頼できる専門業者に点検を依頼してください。「修理か交換か迷っている」「とりあえず見積もりだけ知りたい」といったご相談でも、私たちプロは喜んで対応いたします。あなたの不安な夜が一日でも早く解消され、再び温かいお風呂でリラックスできる日常が戻ることを、心より願っております。

佐藤 裕

この記事の執筆者

佐藤 裕

株式会社生活水道センター 本部長

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405

株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。

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