【プロが解説】給湯器のエラー113が出たらどうする?原因と自力でできる対処法
【プロが解説】給湯器のエラー113が出たらどうする?原因と自力でできる対処法
こんにちは。給湯器修理.comです。
株式会社 生活水道センター 代表取締役
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号
株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。
この記事でわかること
- 給湯器のエラーコード113が意味する症状と根本的な原因
- 業者を呼ぶ前に自宅で安全に試せる復旧手順とリセット方法
- 修理と交換の判断基準や具体的な費用相場の目安
- エラーを未然に防ぐための日常的なメンテナンス方法
給湯器にエラーコード113が表示される意味や主な症状とは?
給湯器のエラー113は主に「暖房側の点火不良」を意味します。床暖房や浴室乾燥機などの暖房機能が作動する際、ガスにうまく火がつかない状態です。ガスメーターの遮断や悪天候が原因のことも多く、お湯張りや追い焚きができないといった症状が起きます。まずはガスの供給状態を確認することが問題解決の第一歩です。
エラー113は「暖房側の点火不良」を示す可能性が高い
現場で「リモコンに113という数字が点滅しているんですけど……」と焦ったお声でお電話をいただくことがあります。そんなとき、私はまず「床暖房や浴室暖房乾燥機はお使いですか?」とお尋ねするようにしています。なぜなら、エラーコード113は給湯器の中でも特に「暖房回路」の点火不良を知らせるSOSサインだからです。

一般的に、ご家庭に設置されている多機能な給湯器(熱源機と呼ばれるタイプ)の内部には、シャワーや台所でお湯を使うための「給湯側バーナー」と、床暖房や浴室乾燥機に温水を循環させるための「暖房側バーナー」という、二つの燃焼システムが搭載されています。このうち、暖房側のバーナーにガスが供給されてもうまく着火しない、あるいは火がすぐに消えてしまう現象が起きると、安全装置が働いてエラー113が表示される仕組みになっています。
お客様のお宅へ修理に伺い、給湯器のフロントカバーを外して内部を確認すると、給湯側の部品はピカピカで綺麗な状態なのに、暖房側の点火プラグ(イグナイター)だけがススで真っ黒に汚れ、劣化している……という光景を何度も目にしてきました。普段から床暖房を頻繁にお使いになるご家庭ほど、この暖房側への負荷が大きくなり、エラー113に直面しやすい傾向があります。
ガスの供給が止まっている際に表示されるケース
「暖房側の故障ですね」と決めつけるのは少し早計です。実は、給湯器本体にはまったく異常がないのにエラー113が表示されるケースが非常に多く存在します。それが「家全体にガスの供給が止まっている」という状況です。

給湯器はガスを燃やしてお湯を作りますから、大元のガスが来ていなければ当然火はつきません。システム上、暖房機能を使おうとしたタイミングでガスが来ていないと、給湯器は「暖房側で火がつかない!」と判断し、エラー113を出してしまうのです。
かつて、真冬の夜に「お風呂も床暖房も使えなくて凍えそうです!」とパニック状態のお客様から緊急の依頼を受けたことがあります。大急ぎで駆けつけ、ふと外のガスメーターを見てみると、赤いランプがチカチカと点滅してガスを遮断していました。原因は、長時間のガスヒーター使用による安全装置の作動でした。メーターの復帰ボタンを押して3分待つだけで、無事にエラー113は消え、お湯も暖房も復活。「なんだ、給湯器が壊れたわけじゃなかったんですね……」と、お客様が安堵のあまりへたり込んでしまったのを今でも鮮明に覚えています。このように、エラー113が出たからといって必ずしも給湯器の故障とは限らないのです。
お湯が出ない・追い焚きできないなどの代表的な症状
エラー113が表示されると、具体的にどのような困りごとが起きるのでしょうか。最も代表的な症状は、やはり「床暖房が暖まらない」「浴室乾燥機から温風が出ない」といった暖房機能の停止です。しかし、それだけにとどまりません。

給湯器は非常にデリケートかつ安全性を最優先に設計された機器です。そのため、暖房側で点火不良という異常を検知すると、万が一のガス漏れや不完全燃焼を防ぐために、給湯器全体のシステムにロックをかけてしまうことがよくあります。その結果、暖房だけでなく、シャワーのお湯が出なくなったり、お風呂の自動湯張りや追い焚き機能まで一切使えなくなったりするのです。
「床暖房のエラーだと思っていたら、お風呂にも入れなくなってパニックになった」というお声は現場で本当によく耳にします。特に冷え込む冬場にこの連動ストップがかかると、生活に直結する大きなストレスとなります。エラーが表示されたら、まずはどの機能が使えてどの機能が使えないのかを落ち着いて確認することが、その後のスムーズな対応につながります。
なぜ給湯器のエラー113が起きる?考えられる4つの主な原因とは?
エラー113の主な原因は4つです。1つ目は地震やガス漏れ検知によるガスメーターの遮断、2つ目は台風や強風など悪天候による一時的な点火不良、3つ目は給排気口の物理的な詰まりや冬場の凍結、そして4つ目が給湯器内部の点火部品や基盤の経年劣化です。使用年数が10年近い場合は本体故障の確率が高まります。
原因①:ガスメーターの遮断やガス栓の閉め忘れ
エラー113を引き起こす最もポピュラーで、かつお客様ご自身ですぐに解決できる原因が、ガスの供給ストップです。日本のガスメーター(マイコンメーター)は非常に優秀で、少しでも異常を感じ取ると瞬時にガスを遮断する仕組みになっています。

例えば、震度5相当以上の地震が発生したときや、お風呂の自動湯張りをしながらガスコンロで長時間煮込み料理をしたときなど、「普段より不自然に長くガスが使われている」とメーターが判断すると、安全のためにガスを止めます。また、意外と多いのが「ガス栓の閉め忘れ・開け忘れ」です。大掃除の際や、長期間家を空ける前に外のガス栓を閉め、そのまま忘れてしまって給湯器を使おうとした結果、エラー113が出てしまうケースです。
現場でお客様と一緒にガス栓を確認し、「あっ、そういえば昨日主人が閉めたかも……」と笑い話で終わることも少なくありません。まずは大元のガスがしっかり給湯器まで届いているか、ここを疑うのが鉄則です。
原因②:悪天候(台風・大雨・強風)による一時的な点火不良
次に多いのが、自然環境による一時的な影響です。給湯器は屋外に設置されているため、天候のダイレクトな影響を受けます。特に台風が通過している最中や、横殴りの大雨、突風が吹いている日には、エラー113が多発する傾向があります。

給湯器は内部でガスを燃やし、その排気ガスを外へ逃がすための「排気口」を持っています。しかし、強風が正面から排気口に吹き付けると、本来外に出るべき排気ガスが内部に押し戻されてしまいます。すると、給湯器内部の酸素濃度が下がり、火が酸欠状態になって消えてしまうのです。これを専門用語で「逆風による失火」と呼びます。
台風の翌日、私たちの修理窓口には電話が鳴り止まないほどのご相談が寄せられますが、その多くは天候が回復し、風が収まれば自然と直ってしまう一時的なエラーです。「昨日の嵐のせいで機嫌を損ねてしまったんですね」とお客様とお話ししながら、天候が給湯器に与える影響の大きさを現場で痛感しています。
原因③:給排気口の詰まりや凍結によるトラブル
物理的な障害物が原因で点火不良を起こすこともあります。給湯器の給排気口は、新鮮な空気を取り入れ、燃焼後のガスを排出する「呼吸器」のような役割を果たしています。ここが塞がれてしまうと、うまく火がつきません。

よくあるのが、給湯器の前に段ボールや古タイヤ、自転車などを立てかけてしまっているケースです。また、長期間空き家だった物件などでは、排気口の中に鳥が巣を作っていたり、大きなクモの巣や落ち葉がびっしりと詰まっていたりして、それが原因でエラー113が出た現場もありました。カバーを開けた瞬間に鳥の巣が出てきて、私もお客様も思わず後ずさりした思い出があります。
さらに、冬場に特有なのが「凍結」です。厳しい寒波が到来した翌朝、給湯器内部のガスバルブや水を通す配管が凍りついてしまい、正常に動作しなくなることで点火不良を引き起こすのです。これも季節性の強い原因の一つと言えます。
原因④:給湯器本体(イグナイターや基盤)の経年劣化・故障
ガスも来ている、天候も悪くない、排気口も綺麗。それなのにエラー113が消えない場合は、残念ながら給湯器本体の部品が寿命を迎えている可能性が極めて高いです。
ガスに火をつけるためのライターのような役割を果たす「イグナイター(点火プラグ)」や、火がついたことを感知する「フレームロッド(炎検出器)」、そしてそれらを制御する「電装基盤」など、内部には重要な部品がひしめき合っています。これらは長年の使用による熱や湿気で少しずつ劣化していきます。
給湯器の設計上の標準使用期間は「約10年」とされています。設置から7年、8年と経過している場合、目に見えない内部の摩耗が進んでおり、火花が弱くなって着火しなくなっているのです。
もしご自宅の給湯器が10年近く経っているなら、それは単なるエラーではなく「寿命のサイン」こともあります。詳しくは以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
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給湯器の寿命サイン|交換費用と時期を専門家が解説
給湯器のエラー113を自力で直すには?安全な対処法とリセット手順は?
自力で直すには、まずキッチンのガスコンロ等でガスが来ているか確認し、止まっていればメーターを復帰させます。その後、給湯器リモコンの運転スイッチを一度切り、再度入れてエラーが消えるか試してください。また外の給湯器周りに荷物がないか確認しましょう。これらで直らなければ専門業者への依頼が必要です。
まず確認すべきは「他のガス機器が使えるか」と「ガスメーター」
エラー113が出たとき、慌てて修理業者に電話をする前に、ご自宅で安全にできる確認作業があります。それが「ガスの供給チェック」です。
一番手っ取り早いのは、キッチンのガスコンロに火をつけてみることです。もしコンロの火もつかないのであれば、家全体にガスが来ていない証拠です。その場合は屋外にあるガスメーター(マイコンメーター)を確認しに行きましょう。メーターの赤いランプが点滅していれば、安全装置が働いてガスを遮断しています。
復帰の手順は簡単です。すべてのガス機器の使用を止め、メーターについている復帰ボタン(黒いキャップがついていることが多いです)を奥までしっかりと押し込み、すぐに手を離します。すると赤いランプの点滅が始まりますので、そのまま約3分間待機してください。この3分間、メーターは「ガス漏れがないか」を懸命にチェックしています。現場でお客様と一緒にこの3分を待つ時間は、いつも独特の緊張感がありますが、ランプの点滅が消えれば無事に復帰完了です。これでエラー113が解消されるケースが非常に多いのです。
リモコンの電源リセット(オンオフ)で復旧するか試す
ガスが正常に来ていることが確認できたら、次は給湯器そのものの「リセット」を試みます。パソコンやスマートフォンの調子が悪いときに再起動するのと同じ感覚です。
手順は以下の通りです。
1. 使用中の床暖房や浴室乾燥機、お湯の蛇口をすべて閉める。
2. 給湯器のリモコンの「運転スイッチ(電源)」を押してオフにする。
3. 10秒ほど待ってから、再度「運転スイッチ」を押してオンにする。
4. エラーコード113の表示が消えているか確認し、お湯や暖房を出してみる。
強風などの一時的な要因で点火に失敗しただけであれば、このリセット作業で何事もなかったかのように復旧します。ただし、リセットをしてもすぐにまたエラー113が出る場合は、内部で確実に異常が起きています。無理に何度もリセットを繰り返すのは危険ですのでやめましょう。
給排気口の周辺をチェックし、障害物があれば取り除く
リセットを試してもダメな場合は、少し面倒ですが屋外に設置されている給湯器本体の様子を見に行ってください。チェックするポイントは「給湯器の周りに空気を遮るものがないか」です。
排気口のすぐ前に、風で飛んできたブルーシートが張り付いていたり、立てかけたスノータイヤが塞いでいたりしませんか? もし障害物があれば、給湯器から60cm以上離れた場所へ移動させてください。新鮮な空気が吸い込めない状態では、何度リセットしても火はつきません。
以前、私が修理に伺ったお宅では、給湯器の排気口の真ん前に立派な鉢植えがズラリと並べられていました。「お花に温かい空気を当ててあげようと思って」とお客様は仰っていましたが、植物にとっても給湯器にとっても良くない環境でした。障害物を取り除き、リセットをかけると無事に復旧。お客様も「こんなことで直るなんて!」と驚かれていました。
凍結が疑われる場合の自然解凍とやってはいけないNG行動
厳しい冷え込みの朝にエラー113が出た場合、配管や内部のバルブが凍結しているおそれがあります。このとき、焦って「絶対にやってはいけないNG行動」があります。それは、凍った配管に直接「熱湯」をかけることです。
急激な温度変化を与えると、金属や樹脂でできた配管が膨張に耐えきれずに「パキッ」と割れてしまいます。現場で、良かれと思って熱湯をかけてしまい、配管が破裂して水浸しになった悲惨な状況を何度も見てきました。こうなると、エラーの復旧どころか高額な配管修理工事が必要になってしまいます。
凍結が疑われる場合の正しい対処法は「気温が上がって自然に解凍されるのを待つ」ことです。どうしても急ぎたい場合は、凍結している配管部分にタオルを巻き、その上から人肌程度の「ぬるま湯(30〜40度)」をゆっくりとかけて温める裏技があります。解けたら、タオルを外して乾いた布でしっかりと水分を拭き取ってください。水分が残っていると、夜に再び凍結する原因になります。
エラー113が直らない場合に確認すべきメーカー別の特徴とは?
エラー113はリンナイやノーリツなど主要メーカー共通で「暖房の点火不良」を指しますが、内部構造の違いで故障しやすい部品に若干の差があります。リンナイは暖房回路のセンサー敏感度、ノーリツはイグナイターの経年劣化が目立つ傾向です。どのメーカーでも10年経過していれば部品保有期間が終了しているため交換推奨となります。
リンナイ製給湯器におけるエラー113の傾向と対策
国内シェアトップクラスのリンナイ製給湯器でも、エラー113は「暖房側の点火不良」として定義されています。リンナイの熱源機(エコジョーズなど)は非常に精密に作られており、安全センサーの感度が高いのが特徴です。
私の現場経験から言うと、リンナイ製で113が頻発する場合、点火プラグ自体の劣化だけでなく、ガスを送り込む「ガス電磁弁」という部品が固着して開かなくなっているケースをよく見かけます。特に、夏場など長期間暖房機能を使わなかった後、秋口に久しぶりに床暖房をつけようとした瞬間にこのエラーが出やすい傾向があります。部品交換で直ることも多いですが、設置から10年を超えている場合は、他の電磁弁も次々と寿命を迎えるリスクがあるため、慎重な判断が必要です。
ノーリツ製給湯器におけるエラー113の傾向と対策
同じくトップシェアを誇るノーリツ製給湯器においても、エラー113の意味は全く同じ「暖房点火不良」です。ノーリツの機器は耐久性に定評がありますが、長年使用しているとイグナイター(火花を飛ばす部品)の劣化や、フレームロッド(炎を検知する金属棒)にシリコンなどの不純物が付着して白くコーティングされてしまい、火がついているのに「ついていない」と誤検知するケースが見受けられます。
ノーリツ製の給湯器をお使いで、マンションのパイプシャフト(玄関横の扉の中)などに設置されている場合、排気環境がシビアなため内部に湿気やホコリが溜まりやすく、これが点火不良を引き起こす引き金になることもあります。
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マンションのノーリツ給湯器交換|費用相場と業者選びの3つのコツ
パロマやパーパスなど他メーカーでの表示と共通点
パロマやパーパスといった他メーカーの給湯器でも、エラーコードの「113」は業界で統一された規格に基づいているため、意味するところは同じ「暖房点火不良」です。メーカーが違っても、ガスメーターの確認やリセット手順、給排気口のチェックといった基本的な初動対応は変わりません。
パーパス製の給湯器の修理に伺った際、お客様が「マイナーなメーカーだから部品がないのでは……」と心配されていましたが、給湯器の構造自体は各社似通っています。ただし、どのメーカーであっても共通して言える厳しい現実があります。それは「製造終了から10年が経過すると、メーカーが修理用の部品を保有しなくなる」というルールです。エラー113が出た際、ご自宅の給湯器の銘板シールを見て製造年を確認し、10年を超えていれば、メーカーを問わず「本体の交換時期」と捉えるのが賢明です。
給湯器エラー113の修理と交換、どちらを選ぶべき?費用相場はいくら?
修理か交換かは「使用年数」で判断します。設置から7年未満なら部品交換(約1.5万〜3万円)がお得ですが、10年を超えると他の部品も壊れやすいため本体交換(約15万〜25万円)が確実です。費用は本体代、標準工事費、撤去費で構成され、冬の繁忙期やマンションの特殊設置環境では相場より高くなる傾向があります。
修理で済むケースと交換を検討すべき「10年の壁」
エラー113が自力で直らず、いよいよ業者を呼ぶとなったとき、お客様が最も悩まれるのが「修理で安く済ませるか、思い切って新品に交換するか」という問題です。プロとして私がいつもアドバイスするのは、「使用年数」を基準に判断してください、ということです。
目安として、給湯器を設置してから「7年未満」であれば、迷わず修理をおすすめします。この時期なら部品の経年劣化も一部にとどまっており、該当する点火部品や基盤を交換するだけで、その後も長く使える可能性が高いからです。
しかし、設置から「10年以上」経過している場合は、思い切って本体ごと交換することを強く推奨します。なぜなら、給湯器は10年を境に様々な部品がドミノ倒しのように寿命を迎えるからです。今回エラー113の原因となった暖房側の部品を数万円かけて直しても、半年後には今度は給湯側の水漏れが起きたり、基盤がショートしたりと、いわゆる「モグラ叩き状態」に陥るお客様を数え切れないほど見てきました。結果的に、何度も修理代を払うより最初から交換しておいた方が安上がりだった……と後悔される方が多いのが現実なのです。
エラー113の修理費用の内訳と一般的な相場レンジ
もし修理を選択した場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか。給湯器の修理費用は、大きく分けて「部品代」「技術料(工賃)」「出張費」の3つで構成されます。
エラー113の原因が点火プラグ(イグナイター)やフレームロッドといった比較的小さな部品の交換で済む場合、費用はそこまで高額にはなりません。しかし、電装基盤(コンピューター部分)やガス電磁弁などの主要部品が故障していると、部品代だけで跳ね上がります。
あくまで一般的な相場レンジですが、修理費用の目安は以下の通りです。
| 修理内容・交換部品 | 費用の目安(部品代+技術料+出張費) |
|---|---|
| 点火プラグ・フレームロッド交換 | 約 15,000円 〜 25,000円 |
| ガス電磁弁・比例弁の交換 | 約 20,000円 〜 35,000円 |
| 電装基盤(コントロールユニット)交換 | 約 30,000円 〜 50,000円 |
| 点検のみ(異常なし・リセットで復旧) | 約 5,000円 〜 10,000円(出張点検費) |
※上記はあくまで一般的な目安です。正確な金額は業者による現地調査とお見積りをご確認ください。
現場でお見積りを提示した際、「えっ、基盤交換で5万円もするの?」と驚かれるお客様もいらっしゃいます。その際、使用年数が8〜9年経っているようであれば、「あと少しで寿命が来ることを考えると、この5万円を新品交換の資金に回した方が賢明こともあります」と、率直にアドバイスさせていただくようにしています。
給湯器を交換する場合の費用相場と時期・設置環境による差
では、10年を超えていて交換を決断した場合、費用はいくらになるのでしょうか。エラー113が出るような「暖房機能付き給湯器(熱源機)」は、お湯だけを出す単機能の給湯器に比べて構造が複雑なため、本体価格も工事費も高くなります。
交換費用の内訳は「給湯器本体代」「リモコン代」「標準工事費(既存機器の撤去・処分含む)」です。一般的な相場レンジとしては、約15万円〜25万円程度に収まることが多いです。ただし、この金額は以下の条件によって大きく変動します。
- 時期・繁忙期による変動: 冬場(11月〜2月)は給湯器が最も壊れやすい繁忙期です。業者のスケジュールが埋まりやすく、値引き率が渋くなる傾向があります。逆に夏場は比較的安く工事ができることが多いです。
- 設置環境による差: マンションのパイプシャフト設置で特殊な排気カバーが必要な場合や、高所作業車が必要な場所、狭小スペースで作業員が2名必要な場合などは、追加の工事費(1万〜3万円程度)が発生します。
安すぎる業者には注意!
インターネットで「給湯器交換 激安」と検索すると、相場を大きく下回る価格を提示する業者も存在します。しかし、必要な部材を使い回したり、無資格者が工事を行ったりする悪質なケースもゼロではありません。ガスや電気を扱う工事は、一歩間違えれば命に関わる危険があります。価格だけでなく、施工実績や保証内容をしっかり確認し、最終的な判断は信頼できる専門業者にご相談ください。
賃貸マンションやアパートの場合はまず管理会社へ連絡を
もしあなたが賃貸マンションやアパートにお住まいで、給湯器にエラー113が出た場合、絶対にやってはいけないことがあります。それは「自分で勝手に修理業者や交換業者を手配してしまうこと」です。
賃貸物件に最初から備え付けられている給湯器は、大家さん(貸主)の所有物です。経年劣化による故障であれば、修理費用や交換費用は大家さんが負担するのが原則です。しかし、入居者が管理会社を通さずに勝手に業者を呼んでしまうと、「指定業者じゃないから」という理由で、高額な費用を全額自己負担させられてしまうトラブルが後を絶ちません。
エラーが出たら、まずは焦らずに賃貸借契約書に記載されている管理会社や大家さんに電話をしてください。「給湯器に113というエラーが出て、お湯も床暖房も使えないので、至急業者を手配してください」と伝えれば、適切な対応をしてくれるはずです。
給湯器のエラー113を防ぐために普段からできるメンテナンスとは?
エラー113を防ぐには、給排気口周辺の環境整備が最も効果的です。排気口の前に自転車や段ボールを置かないよう心がけ、月に一度は外観のサビや汚れをチェックしましょう。また台風前には飛来物を片付け、冬場は配管の保温材が破れていないか確認することで、点火不良や凍結といった突然のトラブルを大幅に減らせます。
給排気口周りの定期的な清掃とスペース確保
給湯器は一度設置すると、壊れるまで放置されがちな設備ですが、日々のちょっとした気遣いでエラー113の発生確率をグッと下げることができます。私が現場で見てきた中で、長持ちしているお宅に共通しているのは「給湯器周りがスッキリと片付いている」ということです。
先ほども触れましたが、給湯器は新鮮な空気を吸い込んでガスを燃やします。排気口の前に荷物があると、自分が吐き出した排気ガスを再び吸い込んでしまう「ショートサイクル」という現象が起き、不完全燃焼や点火不良を引き起こします。最低でも、給湯器の正面は60cm、側面は15cm以上のスペースを空けるようにしてください。
また、月に一度で構いませんので、給湯器の外観をサッと確認する習慣をつけてみてください。クモの巣が張っていないか、落ち葉が詰まっていないかを見るだけでも十分なメンテナンスになります。
悪天候が予想される前に行うべき事前対策
台風や暴風雨が近づいているというニュースを見たら、ベランダの物干し竿を片付けるのと同じように、給湯器周りの対策も行ってください。強風で飛ばされたバケツやビニール袋が給湯器に激突したり、排気口に張り付いたりしてエラー113が出るケースは、台風一過の風物詩と言えるほど多いのです。
飛んでいきそうなものは家の中にしまい、給湯器周辺をクリアにしておくこと。そして、もし台風の最中にエラー113が出てお湯が出なくなっても、「今は風が強くて火が消えているだけかもしれない」と冷静に受け止め、天候が回復してからリセットを試す心の準備をしておくことが大切です。
異常音や臭いなど、エラーが出る前の小さなサインを見逃さない
エラー113は、ある日突然表示されることもありますが、実はその前から給湯器が小さな「SOSサイン」を出していることがよくあります。
例えば、お湯を出そうとしたときに、給湯器の方から「ボンッ!」という小さな爆発音(着火遅れによる異常着火音)が聞こえるようになったら要注意です。これは点火プラグの火花が弱くなり、ガスが内部に少し溜まってから遅れて火がついている証拠です。これを放置していると、いずれ完全に火がつかなくなり、エラー113が表示されます。
また、給湯器の近くで「生ガスの臭い」や「酸っぱいような排気ガスの臭い」がする場合も、正常な燃焼ができていない危険な兆候です。これらのサインに気づいたら、エラーが出る前であっても、一度専門業者に点検を依頼をおすすめします。人間の体と同じで、早期発見・早期治療が、結果的に費用を安く抑えるコツなのです。
給湯器のエラー113に関するよくある質問(FAQ)
ここではお客様から現場でよく聞かれるエラー113に関する疑問にお答えします。「そのまま使って平気?」「何度もリセットしていいの?」「業者に何を伝えればいい?」といった不安を解消し、安全かつスムーズにトラブルを解決するためのポイントをまとめました。迷ったときの判断材料としてぜひお役立てください。
エラー113が出たまま使い続けても安全ですか?
結論:エラー113が出た状態での無理な使用はおすすめしません。安全装置が働いて停止しているため、そのまま放置すると不完全燃焼やガス漏れなど重大な事故につながる恐れがあります。
「床暖房は使えないけど、シャワーのお湯はギリギリ出るから、このまま使ってもいいですか?」と聞かれることがあります。しかし、プロの目線からお答えすると、答えは「NO」です。給湯器がエラーを出しているということは、内部のセンサーが『このままガスを燃やし続けるのは危険だ』と判断している状態です。無理に使い続けると、不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生したり、機器が完全にショートして火災の原因になったりするリスクがあります。安全第一で、早めに点検を受けてください。
リセットを何度も繰り返しても大丈夫ですか?
結論:リセットは1〜2回にとどめてください。何度も繰り返すと、未燃焼のガスが内部に溜まり、次に点火した際に小爆発を起こして機器が完全に破損する危険があります。
エラー113が出た際のリセットは有効な手段ですが、それはあくまで「一時的な誤作動」だった場合に限ります。リセットしてもすぐにまたエラーが出る場合、確実に部品が壊れています。それなのに「何度も電源を入り切りすれば、そのうち火がつくかも」と執拗にリセットを繰り返すのは非常に危険です。点火に失敗するたびに、給湯器内部には燃えなかった生ガスが充満していきます。そこに運悪く火花が飛ぶと、「ドカン!」と大きな音を立てて小爆発を起こし、フロントカバーが吹き飛ぶほどの衝撃になることもあります。無理は絶対に禁物です。
業者を呼ぶ前に準備しておくべき情報は何ですか?
結論:業者に連絡する際は、「メーカー名」「型番(品番)」「エラーコード」「使用年数」「現在の症状」の5つをメモしておくと、部品の手配や修理判断が非常にスムーズになります。
現場に向かう私たち修理業者が、電話口で一番知りたいのが給湯器の「型番(品番)」です。給湯器本体の正面に貼られている銀色の銘板シールに、「RUFH-〇〇」や「GTH-〇〇」といった英数字の羅列が記載されています。これが分かれば、内部の構造や使われている部品を事前に特定でき、必要な部品を車に積んで一発で修理を終わらせることができる確率が高まります。また、製造年月もシールに書かれていることが多いので、使用年数も併せて伝えていただくと、「修理か交換か」の的確なアドバイスがしやすくなります。
まとめ:給湯器のエラー113が出たら慌てず原因確認と適切な対処を!
給湯器のエラーコード113は、床暖房や浴室乾燥機など「暖房側の点火不良」を知らせる重要なサインです。寒い時期にお湯や暖房が使えなくなるとパニックになってしまうお気持ちは痛いほどわかりますが、まずは深呼吸をして落ち着きましょう。
ガスメーターが遮断されていないか、キッチンのコンロはつくかを確認し、外の給湯器周りに障害物がないかをチェックしてください。強風などの一時的な要因であれば、リモコンのリセット操作だけであっさりと復旧することも少なくありません。
しかし、使用年数が10年近く経過しており、リセットしてもエラー113が頻発する場合は、給湯器内部の部品が寿命を迎えている可能性が高いです。その際は、無理に使い続けたり何度もリセットを繰り返したりせず、安全のために速やかに専門業者へご相談ください。修理で延命するのか、新しい給湯器に交換して安心を手に入れるのか、ご自身の生活スタイルと費用相場を照らし合わせて、最適な判断をしていただければ幸いです。
給湯器は私たちの快適な生活を陰で支えてくれる大切なパートナーです。少しの気遣いと正しい対処法を知っておくことで、突然のトラブルにも慌てず対応できるはずです。
▶ まず読みたい:給湯器からお湯が出ない?原因と9つの対処法を徹底解説
株式会社生活水道センター 本部長
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405
株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。










