給湯器の651エラーが出たらどうする?原因と対処法・修理費用をプロの現場から徹底解説

給湯器の651エラーが出たらどうする?原因と対処法・修理費用をプロの現場から徹底解説

こんにちは。給湯器修理.comです。

濱本 孝一

この記事の監修者

濱本 孝一

株式会社 生活水道センター 代表取締役

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号

株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。

この記事でわかること

  • エラー651の根本的な原因とメーカーごとの違い
  • 安全に試せるリセット手順と応急処置の裏技
  • 水量サーボや基板の交換にかかる修理費用の相場
  • 修理か交換かの判断基準と信頼できる業者の選び方

給湯器のエラー651とはどのような故障ですか?

給湯器のエラー651は、お湯の量を自動調整する水量サーボという部品や、それを制御する電装基板に異常が起きた際に表示される故障サインです。ノーリツやリンナイなど主要メーカー共通の警告で、お湯が出ない等の症状が出ます。設置から7〜10年経過した機器で、部品のサビやモーターの固着により発生しやすい傾向があります。

エラーコード651が意味する「水量サーボ」の異常とは

給湯器のリモコンに突然「651」という数字が点滅し、お湯が出なくなったり、お風呂の自動湯はりが途中で止まってしまったりすると、本当に焦ってしまいますよね。私自身、これまで数え切れないほどの修理現場に足を運んできましたが、お客様から「いきなりお湯が水になった!」「お風呂に入ろうとしたらエラーが出て動かない!」という切羽詰まったお電話をいただく原因として、非常に多いのがこのエラー651です。

このエラーが意味しているのは、給湯器内部にある「水量サーボ(水量調整弁)」という部品、あるいはその部品に指令を出している「電装基板」の異常です。水量サーボとは、簡単に言えば「お湯の量を自動でコントロールする水栓」のようなものです。給湯器は、入ってくる水の温度や設定されたお湯の温度に合わせて、内部で火力を調整すると同時に、この水量サーボのモーターを動かして「通す水の量」を絶妙に絞ったり開いたりしています。冬場など水温が極端に低い時期は、水をたくさん通しすぎると火力が追いつかずにぬるくなってしまうため、水量サーボがグッと水を絞って熱いお湯を作るわけです。

この水量サーボが、長年の使用による水垢の付着やサビ、あるいはモーター部分の経年劣化によって固着し、動かなくなってしまうと、給湯器のコンピューターが「お湯の量が制御できない!」と判断して安全装置を働かせます。その結果として表示されるのが、エラー651なのです。現場で給湯器のフロントカバーを開け、水量サーボを取り外してみると、ギアの部分が真っ赤に錆びついてピクリとも動かなくなっているのをよく目にします。こうなってしまうと、部品そのものを交換するしかありません。

ノーリツやリンナイなどメーカーによる違いはありますか?

給湯器のトラブルに直面した際、「うちの給湯器はノーリツだけど、ネットに書いてあるリンナイの対処法と同じでいいの?」と疑問に思う方も多いなります。現場でもよく「メーカーによってエラーの意味が違うんじゃないか」とご質問を受けます。

結論から申し上げますと、給湯器のエラー651に関しては、ノーリツ、リンナイ、パロマ、パーパスなど、国内の主要なガス給湯器メーカーにおいて共通の規格として扱われています。つまり、どのメーカーの給湯器をお使いであっても、リモコンに「651」と表示された場合は「水量サーボ(水量制御関連)の異常」を指していると考えて間違いありません。これは、業界全体で基本的なエラーコードを統一し、メンテナンスや修理の際の混乱を防ぐための措置です。

ただし、メーカーや機種によって、給湯器内部の部品の配置や、水量サーボの形状、さらには一緒に制御されている「バイパスサーボ」と呼ばれる別の温度調整部品との連動方式には細かな違いがあります。例えば、ノーリツのエコジョーズ機種とリンナイの従来型機種では、同じエラー651でも、分解して部品を取り外す際の手順や、テスターで電圧を測るピンの位置が異なります。そのため、私たちプロの修理業者は、各メーカーのサービスマニュアルを頭に入れ、現場の機種に合わせて適切な診断を行っています。お客様ご自身で「メーカーが違っても原因は同じだから」と安易に内部構造を触るのは避けていただくのが賢明です。

旧型機種で表示される「エラー65」との関係

もう一つ、現場でたまに遭遇するのが「エラー65」という表示です。「651じゃなくて、65と出ているんですが…」というご相談を受けることがあります。特に、ご高齢のお客様がお住まいの古い戸建て住宅などで、設置から15年以上経過しているような年式の古い給湯専用機(お湯を出すだけのシンプルな給湯器)をお使いの場合によく見られます。

  • エラー651: 現在主流の3桁表示が可能なリモコンでの水量サーボ異常
  • エラー65: 液晶画面が小さく2桁しか表示できない旧型リモコンでの水量サーボ異常

実はこれ、意味としてはエラー651と全く同じです。昔の給湯器のリモコンは、液晶画面の表示領域が狭く、数字を2桁までしか表示できない仕様のものが多く存在しました。そのため、3桁の「651」を表示できず、末尾を省略して「65」と表示させていたのです。ですから、もしご自宅の給湯器リモコンに「65」と点滅している場合も、原因は水量サーボの不具合だとお考えください。

ただし、現場の肌感覚として、エラー65が表示されるような旧型機種の場合、水量サーボの部品交換だけで済むケースは稀です。すでにメーカー側での部品の製造や保有期間(通常は製造終了から10年)が過ぎており、取り寄せが不可能なことがほとんどだからです。仮に奇跡的に部品の在庫があったとしても、他の電装基板やバーナー部分も寿命を迎えている可能性が高く、修理した数ヶ月後にまた別の場所が壊れるという「イタチごっこ」になりがちです。そのため、エラー65が出た場合は、修理ではなく最新機種への交換を前提に動くことを強くおすすめしています。

エラー651が出た給湯器は自分で直すことができますか?

根本的な修理は専門業者による部品交換が必要ですが、一時的な復旧ならリモコンの電源を入れ直すリセット操作で直るおそれがあります。ただし、給湯器内部のカバーを開けての分解やDIY修理は、ガス漏れや感電の危険があるため絶対に行わないでください。応急処置として浴槽に水を張り追い焚きのみ使えるケースもあります。

リセット操作による一時的な復旧手順

シャンプーの途中で急にお湯が水に変わってしまったら、パニックになってしまいますよね。そんな時、業者を呼ぶ前にご自身で安全に試せる唯一の対処法が「リモコンのリセット操作」です。パソコンやスマートフォンがフリーズした時に再起動するのと同じで、給湯器も内蔵されているコンピューターの一時的な誤作動(バグ)であれば、このリセット操作でケロリと直ってしまうことが実は結構あるんです。現場に向かう車の中で、お客様に電話越しにリセットをお願いしたところ、「あ、直りました!お湯出ました!」とほっとした声を聞くことも少なくありません。

正しいリセットの手順は以下の通りです。

  1. お湯の蛇口をすべて閉める: キッチン、洗面所、お風呂のシャワーなど、開いているお湯の蛇口をすべて確実に閉めてください。お湯を出したままリセットすると、給湯器に負荷がかかります。
  2. リモコンの運転スイッチを「切」にする: リモコンの電源ボタンを押し、画面の表示(エラーコードや時計など)を消します。
  3. 10秒ほど待つ: すぐにオンにするのではなく、内部の基板の電気が完全にリセットされるまで、深呼吸をして10秒ほど待ってください。
  4. 再度、運転スイッチを「入」にする: 電源ボタンを押し、設定温度が正常に表示されるか確認します。
  5. お湯を出してみる: 蛇口をひねり、お湯が安定して出るか、再びエラー651が点滅しないかを確認します。

もし、落雷の後や、大雨の日などに一時的なノイズを拾ってエラーが出ただけであれば、この操作で完全に復旧します。しかし、水量サーボの部品自体が物理的に壊れている場合は、何度リセットしてもすぐにお湯が止まり、再び「651」が点滅してしまいます。その場合は、残念ながら部品の寿命と判断せざるを得ません。

応急処置としてお湯を使う裏技(追い焚き機能の活用)

「リセットしてもダメだった。でも、どうしても今日はお風呂に入りたい!」という状況、ありますよね。夜遅くて業者が来られない、あるいは週末で修理の予約が数日後になってしまった場合などです。そんな時に、現場のプロとしてこっそりお教えしている応急処置の裏技があります。それが「追い焚き機能の独立活用」です。

エラー651は、あくまで「新しく水からお湯を作って蛇口やシャワーから出す」ための水量サーボの故障です。実は、浴槽に溜まったお湯を循環させて温め直す「追い焚き」の回路は、水量サーボとは別のポンプと経路を使っていることが多いのです。

【お風呂に入るための裏技手順】

1. シャワーや自動湯はり機能は諦め、浴槽に直接「水の蛇口」から、またはホースを使って水を溜めます。(※追い焚きの循環アダプターより5cm以上高い位置まで必ず溜めてください。水が少ないと空焚き防止の別エラーが出ます)
2. 水が溜まったら、リモコンの「追い焚き」ボタンを押します。
3. 給湯器が燃焼を開始し、浴槽の水を温め始めます。水から沸かすため通常より時間がかかりますが(夏場で30分、冬場で1時間程度)、温かいお湯に浸かることができます。

この裏技をお伝えすると、絶望していたお客様から「なるほど!なんとかお風呂に入れました、ありがとう!」と大変喜ばれます。ただし、これはあくまで給湯器の機種や故障の度合い(電装基板まで壊れていないこと)に依存するため、必ずしも全てのケースで成功するわけではありません。また、水から追い焚きをするとガス代が通常より多くかかるため、あくまで修理業者が来るまでの一時しのぎとしてお使いください。

何度もリセットを繰り返すことの危険性

リセットでお湯が出るかもしれない、と聞くと、エラーが出るたびに何度も何度も電源のオンオフを繰り返してしまう方がいらっしゃいます。お気持ちは痛いほどよくわかります。「さっきはこれで3分間だけお湯が出たから、シャンプーを流す間だけでも…!」と必死になるのは当然です。しかし、プロの視点から言わせていただくと、この「過度なリセットの繰り返し」は絶対にやめていただきたいNG行動です。

なぜ危険なのか。それは、給湯器の「電装基板(コンピューター)」に致命的なトドメを刺してしまう恐れがあるからです。水量サーボのモーターがサビや異物でガッチリ固着して動けない状態のとき、リセットをしてお湯を出そうとすると、基板は「モーターよ、動け!」と懸命に電気を送り続けます。しかしモーターは物理的に動けないため、行き場を失った電気が異常な過電流となって基板に逆流してしまいます。

現場で実際にあったケースですが、お客様がエラーを消すために一晩で20回以上リセットを繰り返した結果、給湯器の中から「パチン!」という小さな破裂音がして、リモコンの電源すら入らなくなってしまったことがありました。カバーを開けて基板を見ると、過電流によって電子部品が見事に黒焦げにショートしていました。本来なら水量サーボの交換(約2万円)だけで済んだはずの修理が、高額な電装基板の交換(プラス3万円以上)まで必要になり、お客様も私も顔を見合わせてため息をつくしかありませんでした。リセットを試すのは、多くても2〜3回までにとどめてください。それでもエラー651が再発する場合は、潔く諦めて専門業者を呼ぶのが、結果的に一番安上がりで安全な解決策です。

エラー651のまま給湯器を使い続けても安全ですか?

エラー651は水量制御の不具合であり、直ちにガス爆発や一酸化炭素中毒を引き起こす危険性は低いですが、そのまま使い続けるのは安全上おすすめしません。無理に稼働させると、モーターの異常電流が電装基板に流れ込み、数万円単位の高額な基板ショートなど連鎖的な故障を招く恐れがあります。早めの点検依頼が重要です。

直ちには危険ではないが放置は厳禁な理由

「エラーが出ているけど、お湯の温度が少し不安定なだけで、一応シャワーは使えるからこのまま使っちゃおう」と考える方もいらっしゃることもあります。確かに、エラー651の原因である水量サーボの不具合は、ガスが漏れたり、不完全燃焼を起こして一酸化炭素が発生したりするような、命に関わる直截的な危険(例えばエラー111や140など)とは種類が異なります。そのため、エラーが出た瞬間に家が爆発するのではないか、といった過度な心配は不要です。

しかし、だからといって放置して使い続けるのは厳禁です。給湯器は、水とガスと電気を緻密なバランスで制御している精密機械です。水量サーボが正常に働かず、水の量が適切にコントロールできない状態で燃焼を続けると、給湯器内部の熱交換器(水を温めるための釜のような部分)に異常な負荷がかかります。水が少なすぎるのに強火で熱し続ければ、内部で沸騰してしまい(異常過熱)、最悪の場合は配管の破裂や水漏れを引き起こすおそれがあります。現場でも、「だましだまし使っていたら、ついに給湯器の下から水がポタポタ漏れてきた」というSOSを受けて駆けつけることがよくあります。安全装置が働いて停止しているのは、これ以上の被害を防ぐための給湯器からのSOSなのです。

電装基板など他の部品へ連鎖的に故障が広がるリスク

先ほど「リセットの繰り返しは危険」というお話をしましたが、エラーを放置して無理やり使い続けることも、同様に他の部品への連鎖的な故障(二次被害)を引き起こす最大のリスク要因となります。

給湯器の内部は、一つの部品が不調になると、それを補おうとして他の部品が無理をして働くようにできています。水量サーボが重くて動きづらい状態のまま放置すると、電装基板は常に高い電圧をかけ続けなければならず、基板上のリレー(スイッチ)やコンデンサが想定以上のスピードで劣化していきます。また、温度調整がうまくいかないため、ガスを調整するガス比例弁という部品も頻繁に動かざるを得なくなり、こちらも寿命が縮みます。

【放置による負の連鎖】
水量サーボの動きが渋くなる ➔ 基板が無理やり電気を送る ➔ 基板が過熱・ショートする ➔ 温度が安定しないためガス比例弁も酷使される ➔ 給湯器全体のシステムが完全にダウンする

私たち修理のプロが現場で一番辛いのは、お客様から「もっと早く呼んでおけばよかった」と後悔の言葉を聞くことです。初期症状の段階で点検をご依頼いただければ、1箇所の部品交換で安く早く直せたものが、放置したせいで基板もガス弁もダメになり、結果的に「修理代が10万円を超えるので、新品に交換するしかありませんね…」という残酷な宣告をしなければならないからです。エラー651は、給湯器が完全に壊れる前の「最後の警告」だと受け止めてください。

絶対にやってはいけないDIY修理と法的リスク

近年、インターネットの動画サイトやブログなどで、「給湯器のエラー651は、自分で水量サーボを買ってきて交換すれば数千円で直せる!」といったDIY(Do It Yourself)修理を推奨するような情報を見かけることがあります。手先の器用な方や、車やバイクの整備が趣味の方であれば、「カバーを開けてネジを数本外し、カプラー(配線)を繋ぎ直すだけなら自分にもできそうだ」と思ってしまうこともあります。

しかし、現場を知る人間として断言します。給湯器の分解や部品交換を、無資格の一般の方がDIYで行うことは極めて危険であり、場合によっては法律違反となります。絶対にやめてください。

給湯器の内部には、ガス管、水道管、そして100V〜200Vの電気配線が複雑に密集しています。水量サーボを交換するためには、給湯器内の水を抜き、配管の接続部を外す必要がありますが、この際に隣接するガス管(可とう管など)に無理な力をかけてしまったり、パッキンの取り付けを少しでも誤ったりすると、目に見えない微量のガス漏れが発生します。ガス漏れに気づかずにフロントカバーを閉め、次に給湯器が着火した瞬間、内部に充満したガスに引火して大爆発を起こす……これは決して大げさな脅しではなく、実際に起きている悲惨な事故のメカニズムです。

さらに法的な観点からも、ガス機器の設置や修理には「液化石油ガス設備士」「ガス消費機器設置工事監督者」、電気配線を伴う場合は「第二種電気工事士」といった国家資格や公的資格が義務付けられています。無資格での作業は法令違反として罰則の対象となる可能性があるだけでなく、DIYでいじった形跡がある給湯器は、メーカーの保証対象外となり、正規の修理受付すら拒否されることがあります。数万円の修理代をケチった結果、家事や人命に関わる大惨事を引き起こしては元も子もありません。安全はお金では買えません。必ずプロの専門業者にお任せください。

給湯器のエラー651の修理費用はいくらくらいかかりますか?

水量サーボの交換修理にかかる費用相場は、部品代・技術料・出張費を含めて概ね17,500円から55,000円程度が目安となります。ただし、電装基板まで連鎖的に故障している場合はさらに数万円上乗せされることがあります。設置から10年近く経過している場合は、修理よりも新品への本体交換を検討するのが一般的です。

修理料金の内訳(部品代・技術料・出張費)

いざ業者を呼ぶとなると、一番気になるのは「一体いくらかかるのか?」という費用の問題ですよね。突然の出費は誰にとっても痛手ですから、事前に相場感を把握しておくことは、悪徳業者に騙されないための防衛策としても非常に重要です。

給湯器の修理費用は、どんぶり勘定で決められているわけではなく、主に以下の3つの項目の合計で計算されます。

  • 部品代: 故障している部品(今回は水量サーボや電装基板など)そのものの価格です。メーカーや機種の号数(16号、20号、24号など)、機能(エコジョーズかどうか)によって価格が異なります。
  • 技術料(作業工賃): サービススタッフが現場で行う、故障箇所の診断、分解、部品の交換、組み立て、そして正常に動くかどうかの安全確認テストにかかる技術に対する対価です。作業の難易度や所要時間によって変動します。
  • 出張費: 業者の拠点からお客様のご自宅までの交通費や車両維持費です。遠方の業者を呼ぶと高くなる傾向があります。

現場でお見積もりを提示する際、お客様に「部品代は数千円なのに、なんで合計で2万円以上になるの?」と驚かれることがありますが、プロが専用の計測機器を使い、安全基準に則って確実に修理を行うための「技術料」と、ご自宅まで駆けつける「出張費」が含まれているため、この内訳をご理解いただけるとスムーズです。

水量サーボや電装基板を交換する場合の一般的な相場レンジ

では、具体的にエラー651の修理にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。あくまで一般的な目安となりますが、これまでの現場経験や各メーカーの修理基準に基づく相場レンジは以下の通りです。

交換する部品 費用の目安(部品代+技術料+出張費) 備考
水量サーボのみ 約 17,500円 〜 30,000円 エラー651の最も一般的な修理内容。作業時間は約1時間程度。
電装基板のみ 約 20,000円 〜 40,000円 基板の誤作動が原因の場合。高機能リモコン連動機種は高額になる傾向。
水量サーボ + 電装基板 約 35,000円 〜 55,000円 リセットの繰り返し等で両方が破損している場合。高額になります。

※上記は一般的な相場であり、正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認いただくか、最終的な判断は専門業者のお見積もりにてご判断ください。

現場での肌感覚として、7割程度のお客様は「水量サーボのみ」の交換で直り、2万円台のお支払いで済むことが多いです。しかし、残りの3割ほどは、基板も一緒に交換しなければならない重症ケースです。見積もりをお出しした際、「えっ、5万円もかかるの!? それなら新しいの買ったほうがいいんじゃない?」と悩まれるお客様の姿を何度も見てきました。

時期や繁忙期、設置環境による費用の変動

修理費用は、いつも一定というわけではありません。実は「いつ依頼するか」や「どこに設置されているか」によって、追加の費用が発生するケースがあります。

まず時期についてですが、給湯器のトラブルは圧倒的に「冬場(11月〜2月)」に集中します。水温が下がるため給湯器がフル稼働し、部品に限界が来るからです。この繁忙期は、メーカーのサービスマンも地元の業者もスケジュールがパンパンに詰まっています。そのため、夜間や休日になんとか緊急で来てもらう場合、「夜間割増料金」や「休日出張料金」として数千円が加算されることがあります。

また、設置環境も重要です。戸建て住宅の1階の壁掛けや据え置きであれば問題ありませんが、例えば「マンションの3階以上で、足場がないと作業できない高所」や、「隣の家との隙間が30cmしかなく、人が入り込むのがやっとの狭小スペース」に給湯器が設置されている場合、作業の難易度と危険度が跳ね上がります。現場に到着して「うわっ、これは厳しいな…」と冷や汗をかくこともあります。このような特殊な環境では、安全を確保するための「高所作業費」や「特殊作業費」が追加で請求されることがあるため、依頼時に設置状況を伝えておくことがトラブル防止に繋がります。

修理か本体交換かを判断する目安(使用年数10年が鍵)

エラー651が出た際、お客様から最も多く受ける相談が「これ、修理したほうがいいですか? それとも思い切って買い替えたほうがいいですか?」という究極の二択です。

プロとしてのアドバイスは非常にシンプルです。ご自宅の給湯器の「設置からの使用年数」が、10年未満か、10年以上かで判断してください。

給湯器の設計上の標準使用期間は、各メーカー共通で「約10年」と定められています。10年を過ぎると、水量サーボだけでなく、バーナー、熱交換器、ポンプなど、あらゆる部品が寿命を迎えます。

現場でよくある悲しいケースをご紹介します。設置から12年経った給湯器でエラー651が出たお客様が、「どうしても出費を抑えたいから」と、私の反対を押し切って3万円かけて水量サーボを修理されました。お湯が出るようになって喜んでいただいたのも束の間、わずか3ヶ月後に今度は「エラー111(点火不良)」が発生し、別の部品が壊れてしまいました。結局その時点で修理を諦め、新品への交換(約15万円)を行うことになり、「最初の3万円が完全に無駄になった…お兄さんの言う通りにしておけばよかった」とひどく落胆されていました。

設置から7〜8年であれば、迷わず修理をおすすめします。しかし、10年を超えている場合は、メーカーに修理用の部品在庫がない(供給終了)リスクも高まるため、数万円の修理代をドブに捨てるリスクを回避するためにも、省エネ性能の高い最新機種(エコジョーズなど)への本体交換を検討するのが、長期的に見て最も賢い選択です。

費用は機種・設置状況で変わります

正確な料金は現地確認が確実です。無料見積もり・ご相談を24時間受付中。まずはお気軽にお問い合わせください。

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給湯器の修理や交換はどこに依頼すればいいですか?

設置から1〜2年以内のメーカー保証期間内であれば、無償修理の対象となる可能性が高いため各メーカーのサポート窓口へ依頼してください。保証期間が切れており、使用年数が10年を超える場合は、本体交換も含めて安価に柔軟な対応ができる地元の給湯器専門業者へ相見積もりを取るのがおすすめです。悪徳業者には注意が必要です。

保証期間内ならメーカーのサポート窓口へ

給湯器が壊れた時、パニックになってとりあえずスマホで検索し、一番上に出てきた業者に電話してしまう方が多いのですが、ちょっと待ってください。まずは落ち着いて、お手元の保証書を確認しましょう。

一般的なガス給湯器には、メーカーの無償保証が「1年〜2年」ついています。また、BL認定品(優良住宅部品)であれば2年、さらに購入時に有料の「延長保証(5年・7年・10年)」に加入しているケースも少なくありません。もしこの保証期間内であれば、迷うことなくノーリツやリンナイといった「メーカーの公式サポート窓口(修理受付センター)」に直接電話をしてください。

なぜなら、保証期間内であれば、水量サーボの故障や基板の不具合は、お客様の過失(故意に壊したなど)でない限り、出張費から部品代まですべて無料で修理してもらえる可能性が極めて高いからです。現場でも、私が到着してからお客様が「あ、そういえば延長保証に入ってたかも…」と気づき、慌ててメーカーに連絡し直すということが稀にあります。民間の修理業者が手をつけてしまうと、その時点でメーカー保証が無効になってしまうこともあるため、まずは保証書の確認が鉄則です。

保証切れや10年以上経過している場合は給湯器専門業者へ

一方で、保証期間がすでに切れている場合や、設置から10年以上が経過していて「修理か交換か迷っている」という状況であれば、メーカーではなく、地元の「給湯器専門業者(交換業者)」に相談をおすすめします。

メーカーの修理部門は、あくまで「自社の機械を直すプロ」ですが、新品への交換となると、定価に近い価格での提案になることが多く、費用が高額になりがちです。また、冬場の繁忙期にはメーカーのサービスマンはパンク状態になり、「修理に来れるのが1週間後です」と言われてしまうこともザラにあります。

その点、給湯器の交換を専門にしている民間業者は、複数のメーカーの機器を大量に仕入れているため、本体価格の割引率が高く(相場より安い価格で提供できることが多い)、またフットワークが軽いため即日や翌日に駆けつけてくれる可能性が高いというメリットがあります。現場でお客様から「メーカーに電話したら1週間お湯が使えないって言われて絶望してたけど、お兄さんのところは次の日に来てくれて本当に助かったよ」と感謝される瞬間は、この仕事をしていて一番のやりがいを感じる時です。ただし、業者を選ぶ際は、必ず「ガス機器設置の有資格者が在籍しているか」「見積もりの内訳が明瞭か」を確認し、できれば2〜3社から相見積もりを取って比較することが大切です。

悪徳業者(点検商法)に騙されないための注意点と対策

ここで、プロとしてどうしてもお伝えしておかなければならない、非常に重要で深刻な問題があります。それは、給湯器のトラブルや経年劣化につけ込む「悪徳業者」の存在です。近年、国民生活センターや消費生活センターへの相談件数が急増しており、私たち真っ当な業者も非常に心を痛めています。

彼らの代表的な手口は「点検商法」です。ある日突然、「ご契約のガス会社から委託されて、給湯器の無料点検に回っています」と作業着姿で訪問してきます。そして、給湯器を少し見ただけで、「あー、奥さん、これ中が錆びててガスが漏れてますよ!このままだと一酸化炭素中毒で死にますよ!今すぐ交換しないと危険です!」と、事実無根の嘘で強烈に不安を煽ります。パニックになったお客様に、相場の2倍〜3倍もする高額な給湯器の交換契約書をその場で書かせ、考える隙を与えずに工事を強行してしまうのです。

現場でお客様から「昨日、怪しい業者が来て危ないって言われたんだけど…」と相談され、私が点検してみると、給湯器は全く異常なくピンピンしていた、ということが何度もありました。怒りで手が震える思いです。

【悪徳業者から身を守るための対策】

  • 突然の訪問には絶対に応じない: 正規のガス会社や自治体が、事前の連絡なしに突然点検に来ることはありません。絶対に家や敷地に入れないでください。
  • その場で即決・サインしない: 「今日なら安くする」「今すぐやらないと危険」と急かされても、「家族と相談する」とキッパリ断り、その場でお引き取り願いましょう。
  • クーリング・オフ制度を活用する: 万が一、強引に契約させられてしまった場合でも、訪問販売であれば契約書面を受け取ってから8日以内はクーリング・オフ(無条件解約)ができるおそれがあります。

もし少しでも「怪しい」「騙されたかもしれない」と思ったら、一人で悩まずに、すぐに局番なしの「188(消費者ホットライン)」に電話して、お住まいの地域の消費生活センターに相談してください。焦っている時ほど、冷静な判断が必要です。

給湯器の651エラーに関するよくある質問(FAQ)

ここでは給湯器の651エラーに関して、お客様から現場でよくいただく質問にお答えします。お湯が全く使えなくなるのかという疑問や、業者を呼ぶ前の事前確認事項、絶対にやってはいけないNG行動など、トラブル発生時に知っておくべき情報をまとめました。焦らずに適切な初期対応をとるための参考にしてください。

エラー651が出ている間、お湯は全く使えないのでしょうか?

エラー651が出ている間でも、お湯が全く使えなくなるとは限りません。水量サーボの故障箇所によっては、キッチンのシャワーだけはお湯が出たり、浴槽に水を張っておけば「追い焚き」機能だけは独立して使用できたりするケースがよくあります。

給湯器の内部構造は意外と複雑で、すべての機能が一つにまとまっているわけではありません。例えば、お風呂の「自動湯はり」を行うための経路と、キッチンや洗面所に「給湯」するための経路が別々に制御されている機種があります。そのため、自動湯はり用の水量サーボだけが固着してエラー651を出している場合、お風呂の自動ボタンを押すとエラーで止まりますが、キッチンの蛇口をひねれば普通に温かいお湯が出る、という不思議な現象が起きることがあります。

現場でも「お風呂はダメだけど洗い物はできるのよね」という状況をよく見かけます。また、前述したように「追い焚き」機能は全く別のポンプを使っているため、浴槽に水さえ張ってあればお風呂を沸かすことは可能です。ただし、一部が使えるからといって無理に稼働させ続けると、給湯器全体に負担がかかり、最終的には完全に沈黙してしまうリスクがあるため、使えるうちに早めに修理の手配を進めることをお勧めします。

給湯器のカバーを開けて中を確認しても良いですか?

給湯器のフロントカバーを自分で開けて内部を確認することは、絶対にやめてください。内部にはガス管や200Vの電気配線が密集しており、専門資格を持たない方が触れると、感電やガス漏れ、最悪の場合は火災を引き起こす重大な危険が伴います。

「エラーの原因が水量サーボのサビなら、カバーを開けて潤滑スプレー(クレ556など)を吹きかければ直るんじゃないか?」と考えるDIY好きのお父さんが時々いらっしゃいます。現場に到着すると、すでにカバーが開けられていて、内部がスプレーの油まみれになっているのを見て、私が血の気を引く思いをしたことが何度かあります。

給湯器の内部は火を扱う場所です。そこに引火性の高い潤滑スプレーを吹きかける行為は、自ら時限爆弾を作っているようなものです。また、カバーを固定しているネジを外す際、誤って内部の基板を傷つけてしまったり、配線を引っ張って断線させてしまったりして、本来なら不要だった高額な修理費用が発生してしまうケースも後を絶ちません。給湯器の内部はブラックボックスだと考え、プロの資格を持ったサービスマン以外は絶対に手を触れないでください。お客様の安全が第一です。

修理業者を呼ぶ前に確認しておくべきことはありますか?

業者へ電話をする前に、リモコンに表示されている「エラー番号(651など)」、給湯器本体の銘板シールに記載された「メーカー名」と「型番」、そして「設置からの経過年数」をメモしておきましょう。症状を正確に伝えると手配がスムーズです。

私たち業者がお電話を受けた際、一番困ってしまうのが「なんか給湯器が壊れたみたいでお湯が出ないんです。とにかく早く来てください!」という情報しかない場合です。給湯器の部品は、メーカーや型番によって何百種類も存在します。何の部品を持って現場に向かえばいいのかわからないと、一度現場を訪問して診断し、部品を取り寄せてから後日再訪問する……という二度手間になり、結果的にお客様をお待たせしてしまいます。

【電話の前にメモしておく4つのポイント】

  1. エラー番号: リモコンで点滅している数字(例:651)
  2. メーカー名: ノーリツ、リンナイなど
  3. 型番(品番): 給湯器本体(屋外にある四角い箱)の正面に貼られているシールに記載されている英数字(例:GT-C2462AWXなど)
  4. 症状の詳細: 「自動湯はりはできないがシャワーは出る」「水も出ない」など

特に「型番」は非常に重要です。これさえ教えていただければ、私たちは事務所のパソコンで展開図を確認し、「あ、この機種の651エラーなら、あの水量サーボとOリングを持って行けば一発で直せるな」と準備を整えてから現場に向かうことができます。お客様の「早くお湯を使いたい」というご要望にお応えするためにも、事前確認にご協力をお願いいたします。

まとめ:給湯器の651エラーは焦らず安全第一で対処しよう

今回は、現場のプロの視点から「給湯器の651エラー」に関する原因や対処法、修理費用について徹底的に解説してきました。

突然お湯が使えなくなるトラブルは、生活の質を直撃するため本当にストレスが溜まりますよね。リモコンに見慣れない「651」という数字が点滅した時は、まずは落ち着いてすべての蛇口を閉め、リモコンのリセット操作を1〜2回だけ試してみてください。それで直ればラッキーですが、再発する場合は内部の「水量サーボ」という重要な部品が悲鳴を上げている証拠です。

修理費用の相場は2万円〜3万円程度が目安となりますが、設置から10年という歳月が経過している場合は、修理の連鎖を断ち切るためにも本体交換という決断が必要になってきます。決してご自身でカバーを開けてDIY修理を試みたりせず、安全第一で信頼できる専門業者にご相談ください。また、焦っている心理につけ込む悪徳業者の「点検商法」にはくれぐれもご注意を。

毎日の温かいお風呂や、快適なキッチン仕事を取り戻すために、この記事が皆様の冷静な判断とスムーズなトラブル解決の一助となれば、現場で働く人間としてこれ以上の喜びはありません。無理をせず、プロの力を頼ってくださいね。

佐藤 裕

この記事の執筆者

佐藤 裕

株式会社生活水道センター 本部長

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405

株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。

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