寒さで給湯器からお湯が出ない!凍結と故障の見分け方・安全な対処法

寒さで給湯器からお湯が出ない!凍結と故障の見分け方・安全な対処法

寒い冬の朝、突然お湯が出なくなると焦ってしまいますが、まずは落ち着いて状況を確認してください。早くお湯を使いたいからと配管に熱湯をかける行為は、破裂の危険があるため絶対NGです。基本は気温上昇による自然解凍を待ちます。本記事では、一時的な「凍結」と給湯器本体の「故障」の見分け方から、安全な応急処置、修理費用の相場まで詳しく解説します。

濱本 孝一

この記事の監修者

濱本 孝一

株式会社 生活水道センター 代表取締役

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号

株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。

【現在の状況に合わせて、まずは以下をご確認ください】

  • 賃貸物件にお住まいの方:ご自身で勝手に業者を呼ぶと費用トラブルになるおそれがあります。まずは本記事内の「賃貸向け:費用負担と連絡先」の項目をご確認ください。
  • お湯も水も両方出ない方:配管が凍結している可能性が高い状態です。「凍結した場合の安全な対処法」をご覧ください。
  • 水は出るが、お湯だけが出ない方:給湯器本体の故障やエラーのおそれがあります。「凍結と故障を見分けるポイント」から確認を進めてください。
  • 【重要】ガス臭い・焦げ臭い・大量の水漏れがある場合:重大な事故につながる恐れがあります。直ちに給湯器の使用を中止し、ご契約のガス会社、物件の管理会社、または専門業者へ至急ご連絡ください。

寒さでお湯が出ない!給湯器の「凍結」と「故障」を見分けるポイント

冬場にお湯が出なくなった場合、それが寒さによる一時的な「凍結」なのか、それとも給湯器本体の「故障」なのかを見極めることが最初のステップとなります。症状の切り分けを行うことで、正しい対処法を選択することができます。

水は出るか・両方出ないかによる症状の切り分け

まずはキッチンの蛇口や浴室のシャワーを開き、「水」と「お湯」のどちらが出るかを確認してください。

  • お湯も水も両方出ない場合:水道管の元栓付近や、給湯器に繋がる給水管全体が凍結している可能性が高いです。寒冷地や、極端な冷え込みがあった朝によく見られる症状です。
  • 水は出るが、お湯だけが出ない場合:給湯器内部の配管(お湯を作るための経路)のみが凍結しているか、給湯器本体が故障して燃焼機能が停止している可能性が考えられます。

リモコンにエラーコードが表示されているか確認する

給湯器の室内リモコンの画面に、数字2桁または3桁の「エラーコード」が点滅していないかを確認してください。エラーコードは給湯器の自己診断機能であり、異常の原因を知らせてくれます。

例えば、点火不良を示すエラーや、給排気の異常を示すエラーが表示されている場合は、凍結ではなく本体の部品故障の可能性が高まります。一方、水が供給されていないことを示すエラー(例:断水検知など)の場合は、配管の凍結が原因で給湯器に水が届いていない状態を示唆しています。表示されているエラーコードの正確な意味については、各給湯器メーカーの公式取扱説明書や公式サイトを必ずご確認ください。

外気温が「マイナス4℃以下」だったかを目安にする

給湯器や配管が凍結しやすい気温の目安として、多くの専門家やメーカーは「外気温がマイナス4℃以下」になった場合を挙げています。お住まいの地域の昨晩から早朝にかけての最低気温を確認してみてください。

ただし、マイナス4℃まで下がっていなくても、給湯器が「北側の日陰に設置されている」「強い北風が直接当たる場所にある」といった環境条件によっては、マイナス1℃〜2℃程度でも凍結するリスクがあります。冷え込みが厳しかった場合は、まずは凍結を疑って対処を検討することが推奨されます。

給湯器が凍結した場合の安全な対処法と応急処置

確認の結果、給湯器や配管の「凍結」が原因であると推測される場合、適切な対処を行うことで復旧させることができます。ここでは二次被害を防ぐための安全な方法を解説します。

基本は気温上昇による「自然解凍」を待つことが推奨される

給湯器メーカーや専門業者が最も推奨している安全な対処法は、「自然解凍を待つこと」です。無理に氷を溶かそうとすると、配管や給湯器内部の部品に急激な温度変化や物理的な負荷がかかり、破損させてしまうリスクがあるためです。

対処手順としては、まず給湯器のリモコンの電源を「切(OFF)」にします。(※屋外の給湯器本体の電源プラグは絶対に抜かないでください)。そのまま日中になって気温が上昇し、配管内の氷が自然に溶け出すのを待ちます。天候や設置場所の日当たりにもよりますが、気温が0℃以上に上がれば、数時間から半日程度で自然にお湯が使えるようになることが一般的です。

お急ぎの場合は配管にタオルを巻き「ぬるま湯」で対応を

「どうしてもすぐにお湯を使いたい」「日陰でなかなか自然解凍されない」といった緊急の場合に限り、応急処置として以下の手順で解凍を試みることができます。

  1. 給湯器のリモコンの電源を「切」にします。
  2. 屋外の給湯器本体に向かい、凍結していると思われる給水管(水が入っていく配管)のバルブ付近に乾いたタオルを巻き付けます。
  3. タオルの上から、30℃〜40℃程度の「ぬるま湯」をゆっくりと少しずつかけます。
  4. 氷が溶けて蛇口から水が出るようになったら、配管についた水分を乾いた布でしっかりと拭き取ります。(水分が残っていると、再び凍結する原因になります)。

この方法は比較的安全とされていますが、配管の材質や劣化具合によってはリスクを伴うため、慎重に行う必要があります。

無理な稼働は二次故障のリスクがあるため控える

お湯が出ない状態で、「何度か電源を入れ直せば直るかもしれない」とリモコンのスイッチを何度もオンオフしたり、蛇口をひねったまま放置したりするのは大変危険です。
凍結して水が通らない状態で無理に給湯器を稼働させようとすると、内部のポンプや燃焼装置に過度な負荷がかかり、ヒューズが飛んだり、電子基板がショートしたりする二次故障を引き起こす恐れがあります。凍結が疑われる場合は、操作を止めて静かに待つことが鉄則です。

【注意喚起】水道や給湯器が凍結した際にやってはいけないNG行為

焦りから誤った対処をしてしまうと、給湯器の故障だけでなく、高額な修理費用が発生する事態に発展しかねません。以下の行為は絶対に行わないでください。

配管への「熱湯」かけは破裂の恐れがあり大変危険

最も多く、そして最も危険な失敗例が、早く氷を溶かしたい一心で「熱湯」を直接配管にかけてしまうことです。
金属や樹脂でできている配管は急激な温度変化(熱膨張)に非常に弱く、凍っている状態から一気に熱湯をかけると、耐熱温度を超えて亀裂が入ったり、破裂したりする恐れがあります。配管が破裂すると大量の水漏れが発生し、給湯器の修理費用に加えて、配管工事の多額の費用が追加でかかってしまいます。お湯を使う場合は、必ずタオルを介して「ぬるま湯(30〜40℃)」を使用してください。

ドライヤーの温風を至近距離で当て続けない

ドライヤーの温風を使って解凍しようとする方もいますが、これも注意が必要です。至近距離で長時間、配管の同じ箇所に温風を当て続けると、塩化ビニルなどの樹脂製の配管や、配管を覆っている保温材が熱で変形・溶解してしまう危険性があります。
どうしてもドライヤーを使用したい場合は、配管から十分に距離を離し、一箇所に集中させず全体を温めるように風を当てるなど、細心の注意を払う必要があります。

節電目的で給湯器の電源プラグを抜くのは逆効果になる

「お湯が出ないから、とりあえず電源プラグを抜いておこう」と考えるのは逆効果です。
一般的なガス給湯器には、外気温が下がると自動で作動する「凍結防止ヒーター」や、お風呂の残り湯を循環させて凍結を防ぐ「循環ポンプ」が内蔵されています。これらの機能は、給湯器の電源プラグがコンセントに挿さって通電している状態でのみ作動します。節電目的や故障と勘違いしてコンセントからプラグを抜いてしまうと、これらの保護機能が失われ、かえって凍結を招く原因となります。

なぜ冬の寒さで給湯器が故障しやすいのか?主な原因とメカニズム

冬場に給湯器のトラブルが多発するのは、単なる「凍結」だけが理由ではありません。寒さという環境そのものが、給湯器に大きな負担をかけているメカニズムを理解しておくことが重要です。

水温低下によりお湯を沸かすための過負荷がかかる

給湯器は、水道から送られてくる水をガスや電気の力で加熱して設定温度のお湯を作ります。夏場であれば元の水温が25℃前後あるため、40℃のお湯を作るための加熱エネルギーは少なくて済みます。しかし、真冬になると水道水の温度は5℃前後、寒冷地ではそれ以下まで下がります。
冷たい水を一気に40℃まで温めるためには、夏場とは比較にならないほどのエネルギーを消費し、給湯器内部のバーナーや熱交換器がフル稼働状態となります。この過負荷状態が毎日続くことで、部品の摩耗や劣化が急速に進み、故障を引き起こしやすくなるのです。

設置から10年以上経過している場合は経年劣化の可能性も

一般的な家庭用給湯器の設計標準使用期間(寿命の目安)は、約10年と言われています。設置から10年近く、あるいはそれ以上経過している給湯器の場合、内部の部品はすでに経年劣化を起こしています。
春から秋にかけては気候が穏やかなため、劣化した状態でも騙し騙し稼働できていたものが、冬場になりフル稼働の強い負荷がかかった瞬間に耐えきれなくなり、突然エラーを出して完全に壊れてしまうというケースが非常に多く見られます。自然解凍を試してもお湯が出ない場合、凍結ではなく寿命による故障の可能性を疑う必要があります。

お湯が熱すぎる・冷たいなどの不安定な症状が出る

完全に停止する前兆として、冬場にお湯の温度が安定しなくなることがあります。「設定温度より熱すぎるお湯が出る」「急に冷たい水に変わる」といった症状は、給湯器内部の水量センサーや温度センサーが寒さや劣化によって正常に機能していないサインです。このような症状が頻発する場合は、完全に故障してお湯が使えなくなる前に、専門業者へ点検や交換の相談ををおすすめします。

費用は機種・設置状況で変わります

正確な料金は現地確認が確実です。無料見積もり・ご相談を24時間受付中。まずはお気軽にお問い合わせください。

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給湯器が故障・破裂した場合の修理費用相場とメーカー保証

もし凍結による配管の破裂や、寒さによる過負荷で給湯器が故障してしまった場合、気になるのは修理にかかる費用です。ここでは相場と保証の扱いについて客観的な目安を解説します。

凍結による破損はメーカー保証対象外(有償)になることが多い

給湯器を購入・設置したばかりでメーカーの保証期間内(通常1〜3年、延長保証で最長10年など)であったとしても、注意が必要です。
メーカー保証の対象となるのは、原則として「製品の初期不良」や「通常使用における自然故障」です。寒波による凍結や配管の破裂は「天災」や「外部要因」として扱われることが一般的であり、保証期間内であっても有償修理となる可能性が高いです。詳細な保証規定については、お手元の保証書やメーカーの公式サポート窓口にてご確認ください。

部品交換や配管修理にかかる費用の目安

給湯器の修理費用は、故障した箇所や被害の規模によって大きく変動します。以下は一般的な修理費用の目安です。

故障・修理内容 費用の目安(相場) 備考
配管の軽微な水漏れ・パッキン交換 5,000円 〜 15,000円程度 接続部の緩みや保温材の巻き直しなど
給水管・給湯管の破裂修理(一部交換) 15,000円 〜 30,000円程度 配管の一部を切断し、新しい管を接続する作業
給湯器内部の部品交換(熱交換器など) 30,000円 〜 60,000円程度 内部で凍結・破裂した場合。高額になる傾向
給湯器本体の交換(寿命・全損の場合) 100,000円 〜 250,000円程度〜 設置から10年以上経過している場合は交換が推奨されます

※上記はあくまで目安であり、実際の費用は業者や機種、出張費の有無によって異なります。修理を依頼する際は、必ず事前に見積もりを取り、追加料金が発生しないかを確認してください。

【賃貸向け】アパート・マンションで給湯器が故障・凍結した際の費用負担と連絡先

賃貸物件にお住まいの場合、給湯器のトラブルは「誰が修理費用を負担するのか」という契約上の問題が発生します。自己判断で動く前に、以下のルールを把握しておきましょう。

原則は貸主(大家)負担だが、入居者の過失になるケースに注意

給湯器は賃貸物件に備え付けられた「設備」であるため、経年劣化による自然故障や、通常の生活圏内で発生したトラブルの修理・交換費用は、原則として貸主(大家さん)が負担する義務があります。
しかし、例外として「借主(入居者)の過失」が認められた場合は、入居者に修理費用の負担が求められることがあります。給湯器の凍結において過失とみなされやすい代表的なケースは以下の通りです。

  • 極端な寒波が予報されていたにもかかわらず、凍結防止の対策を怠った。
  • 長期間部屋を不在にする際、水抜き作業を行わなかった。
  • 節電のためにブレーカーを落としたり、給湯器の電源プラグを抜いたりして、自動凍結防止ヒーターを作動させない状態にしていた。

入居者には設備を適切に管理する「善管注意義務」があるため、これらに違反したとみなされると、退去時の敷金から引かれたり、高額な請求を受けたりするリスクがあります。賃貸借契約書の特約事項に凍結に関する記載がないか、確認しておくことを推奨します。

勝手に修理業者を呼ばず、まずは管理会社へ連絡する

お湯が出ないからといって、焦ってご自身でインターネットで見つけた修理業者を呼ぶのは避けてください。賃貸物件では、大家さんや管理会社が提携している指定業者が存在することが多く、勝手に別の業者を手配して修理代を支払った後で請求しても、「事前の相談がなかった」として費用の返還を拒否されるトラブルが多発しています。
トラブルが発生した場合は、必ず最初に管理会社または大家さんに連絡し、状況を伝えて指示を仰ぐことが契約上の原則です。夜間や休日で連絡がつかない場合でも、緊急時対応のサポート窓口が設けられているか、契約書や入居時の案内を確認してください。

今後の寒波に備える!給湯器の凍結を防ぐ事前の予防策

トラブルが一段落した後や、今後の大寒波の予報が出た際に、ご自身でできる効果的な凍結予防策をご紹介します。

少量の水を出し続ける(通水)

最も簡単で効果的な方法が、夜間から早朝にかけて蛇口から少量の水を出しっぱなしにしておくことです。水は流動している状態では凍りにくいという性質を利用します。

  1. 給湯器のリモコンの電源を「切」にします。(※お湯にならないようにするため)。
  2. お湯側の蛇口(キッチンや浴室)を開き、鉛筆の芯ほどの太さ(約4mm程度)の水を出し続けます。

水道代はかかりますが、配管が破裂した際の高額な修理費用に比べればわずかな負担で済みます。冷え込みが厳しい夜には有効な対策です。

長期間不在にする際の「水抜き」手順

冬場に旅行や帰省などで長期間(数日以上)家を空ける場合は、給湯器や配管の中にある水を完全に抜いてしまう「水抜き」が確実な予防策となります。水抜きの手順は給湯器のメーカーや機種によって異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。

  1. 給湯器のリモコンの電源を切る。
  2. ガスの元栓と、水道の元栓(止水栓)をしっかりと閉める。
  3. 室内のすべてのお湯側の蛇口を開け、圧力を抜く。
  4. 給湯器本体の下部にある「水抜き栓(つまみ)」を回して外し、内部の水を完全に排出する。

※誤った手順で行うと故障の原因になるため、必ず実施前に各給湯器メーカーの取扱説明書で正しい手順を確認してください。

トラブルが解決しない場合や水漏れ発生時の次の行動

自然解凍を待ってもお湯が出ない場合や、異常を発見した場合は、速やかに次の行動に移る必要があります。

水漏れを発見したらすぐに止水栓を閉める

凍結した氷が溶けた後、給湯器の周りや配管の継ぎ目からポタポタと水が漏れていないか、必ず目視で確認してください。万が一水漏れを発見した場合は、漏電のリスクを防ぐため、すぐに給水管についている「止水栓(または水道の元栓)」を時計回りに回して閉め、水の供給をストップさせてください。その後、速やかに専門業者へ修理を依頼します。

ガス臭や異常を感じたら使用を中止し専門業者へ

もし給湯器の周囲で「ガス臭い」「焦げ臭いにおいがする」「異常な異音がする」といった症状がある場合は、不完全燃焼や重大な故障を引き起こしている危険があります。直ちに使用を中止し、ご契約のガス会社、または給湯器の専門業者へ至急連絡してください。

給湯器の交換や修理を検討される方は、適正価格で対応してくれる信頼できる業者を選ぶことが重要です。修理と交換の判断基準や、業者の選び方については、以下の関連記事もあわせてご参照いただき、安全で確実な解決にお役立てください。

【次のステップへ】
▶ 設置から10年以上経過している場合は、修理よりも交換が経済的なケースがあります。専門業者への点検依頼をご検討ください。

佐藤 裕

この記事の執筆者

佐藤 裕

株式会社生活水道センター 本部長

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405

株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。

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