給湯器のエラー「711」の原因と安全な解除方法・修理費用の目安
給湯器のエラー「711」の原因と安全な解除方法・修理費用の目安
給湯器のリモコンにエラー「711」が表示され、突然お湯が出なくなってお困りでしょうか。このエラーは「ガス電磁弁回路」や「燃焼制御」の異常を示すサインです。まずはリモコンの電源オンオフによるリセット操作をお試しください。一時的に復旧することがありますが、直らない場合は内部故障が疑われます。本記事では、安全な対処法や修理・交換の判断基準を客観的に解説します。
株式会社 生活水道センター 代表取締役
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号
株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。
【お住まいの状況別の初期対応】
修理や交換の手配を進める前に、ご自身の立場によって最初の連絡先が異なります。
- 賃貸物件(アパート・マンション)にお住まいの方:勝手に修理業者を手配せず、まずは管理会社や大家さんへご連絡ください。設備の修繕義務は原則として貸主にあります。
- 持ち家(戸建て・分譲マンション)にお住まいの方:ご自身で給湯器メーカーの公式サポート、または給湯器の修理・交換専門業者へ点検をご依頼ください。
【まずはここから】給湯器のエラー「711」が出た時の安全な解除・リセット方法
給湯器のエラー「711」が表示された場合、まずは安全を確認した上で、簡単なリセット操作を行うことで一時的にお湯が使えるようになるおそれがあります。
【重要】もし「ガス臭い」「焦げ臭い」といった異臭がする場合や、給湯器本体から大量の水漏れが発生している場合は、直ちにすべての操作を中止してください。引火や一酸化炭素中毒の危険があるため、窓を開けて換気を行い、ご契約中のガス会社や管理会社へ至急連絡することが最優先の安全対策です。
リモコンの運転スイッチをオフ・オンして一時的な復旧を試す
安全面に異常がない(異臭や水漏れがない)ことを確認できたら、まずは給湯器のリモコンを使ったリセット操作を試します。手順は非常にシンプルです。
- お湯を出している水栓(蛇口やシャワー)をすべて締めます。
- 給湯器リモコンの「運転スイッチ(電源)」を一度「切(オフ)」にします。
- 数秒待ってから、再度「運転スイッチ」を「入(オン)」にします。
この操作により、一時的なシステムのエラーが解除され、正常にお湯が出るようになるケースがあります。ただし、これはあくまで応急処置であり、根本的な部品の故障が原因である場合は、すぐにお湯を使うと再びエラーコード「711」が表示されます。
改善しない場合のコンセント抜き差し手順(10秒以上待つのが目安)
リモコンのスイッチ操作でエラーが消えない場合、またはすぐに再発する場合は、給湯器本体の電源プラグ(コンセント)の抜き差しによるリセットを試します。
- 屋外(または屋内)に設置されている給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜きます。
- 内部の基板に溜まった電気を放電させるため、10秒以上(できれば1分程度)そのまま待ちます。
- 再度、電源プラグをコンセントにしっかりと差し込みます。
- 室内のリモコンの運転スイッチを入れ、お湯が出るか確認します。
※雨天時や手が濡れている状態でのコンセント操作は、感電のリスクがあるため絶対に行わないでください。
【注意】リセットで直らない場合は内部故障の可能性が高いため使用を控える
上記のリセット操作を行ってもエラー「711」が解消されない場合、機器内部の部品が物理的に故障している可能性が極めて高い状態です。インターネット上の情報を頼りに、ご自身で給湯器のフロントカバーを外し、内部の配線を触ったり部品を分解したりすることは絶対におやめください。
給湯器はガス・電気・水を扱う精密機器であり、無資格者による修理や分解はガス事業法などの関連法令で禁止されている行為に該当する恐れがあるほか、ガス漏れによる爆発や火災などの重大事故を引き起こす危険性があります。リセットで直らない場合は、速やかに専門業者による点検をご検討ください。
給湯器のエラーコード「711」とは?表示される主な原因
そもそも「711」というエラーコードは、給湯器にどのような不具合が起きていることを知らせているのでしょうか。ここでは、技術的な背景や主な原因について客観的に解説します。
ガス電磁弁や燃焼制御回路の異常を示すサインである可能性
エラーコード「711」は、多くの給湯器メーカーにおいて「ガス電磁弁駆動回路の異常」や「燃焼制御回路の異常」を意味するサインとして設定されています。ガス電磁弁とは、給湯器内部でガスの供給を開閉するための重要な部品です。
お湯を沸かすためにガスを燃焼させる際、基板(電子ユニット)からガス電磁弁に対して「ガスを開けなさい」という電気信号が送られます。この信号の送受信や、回路そのものに何らかの不具合が生じ、正常にガスをコントロールできなくなった状態を給湯器が検知し、安全のために運転を停止して「711」を表示します。
経年劣化や基板の故障など、原因は多岐にわたるケースが多い
エラー「711」が発生する原因は、単一ではありません。主に以下のような箇所でのトラブルが複合的に絡んでいるケースが多く見受けられます。
- 電装基板(コントロールボード)の故障: 信号を出す大元のコンピューター基板が経年劣化や湿気などでショートしている状態。
- ガス電磁弁本体の固着・故障: 部品そのものが劣化し、物理的に動かなくなっている状態。
- 温度ヒューズや各種センサーの断線: 安全装置が作動、あるいは断線している状態。
どの部品が原因となっているかは、専門的な知識を持った作業員がテスターなどの専用機器を用いて診断しなければ特定できません。
ガス漏れなど危険な状態ではないか、安全面での見極め方
「ガスに関するエラー」と聞くと、ガス漏れを心配される方も多いこともあります。基本的には、給湯器は異常を検知した瞬間に安全装置が働き、ガスの供給を強制的に遮断する仕組みになっています。そのため、エラー「711」が出ているだけで直ちにガスが漏れ続けているというわけではありません。
ただし、シャワーや入浴中に突然お湯が冷水に変わることで、急激な温度変化による「ヒートショック」を引き起こすリスクがあります。特に冬場は、血圧の急上昇・急降下が心筋梗塞や脳卒中などの健康被害につながる恐れがあるため(消費者庁なども注意喚起を行っています)、不具合を放置せず早急な対処が求められます。
メーカー別(ノーリツ・リンナイ・パーパス・東京ガス)のエラー711の傾向
エラー「711」は主要な給湯器メーカーで共通して使われているコードですが、メーカーによって取扱説明書に記載されている名称やニュアンスが若干異なります。また、特定のメーカーにおいては特有の背景事情が存在します。
| メーカー | エラー内容の主な名称 |
|---|---|
| ノーリツ (NORITZ) | 燃焼制御回路異常、ガス電磁弁駆動回路異常 |
| リンナイ (Rinnai) | 電子ユニット内ガス電磁弁駆動回路異常 |
| パーパス (PURPOSE) | ガス電磁弁駆動回路異常 |
| パロマ (Paloma) | ガス電磁弁駆動回路異常 |
ノーリツやリンナイにおける「711」の意味合いと共通点
国内シェアの大半を占めるノーリツやリンナイにおいて、「711」はどちらも燃焼制御やガス電磁弁に関わる電気系統の異常を示しています。表現に多少の違いはありますが、「燃焼させるための部品への信号伝達に不具合が起きているサイン」という点では共通しています。現行機種であれば、メーカー公式の修理サポートへ依頼することで、部品交換による対応が可能なケースが多いです。
パーパス(PURPOSE)やパロマ給湯器での対応
パーパスやパロマの給湯器においても、エラー711は同様に「ガス電磁弁駆動回路異常」を意味します。対処法も他メーカーと同様で、まずはリモコンやコンセントのリセットを試します。改善しない場合は、各メーカーの修理受付窓口へ連絡し、基板や電磁弁の点検を依頼する流れとなります。
旧ナショナル(松下製)や東京ガスブランドで頻発するケースの背景
エラー「711」に関して特に注意が必要なのが、10年以上前に製造された旧・松下電器産業(ナショナル/現パナソニック)製の給湯器や、中身が松下製である東京ガスブランドの給湯器を使用しているケースです。
パナソニックはすでに個人向けのガス給湯器事業から撤退しています。そのため、これらの古い機種でエラー711が発生した場合、メーカーに修理用の補修部品(基板や電磁弁など)の在庫がなく、物理的に修理が不可能な状況に直面する可能性が非常に高くなります。この場合、ノーリツやリンナイといった別メーカーの現行機種へ、給湯器本体を丸ごと交換する対応が一般的となります。
費用は機種・設置状況で変わります
正確な料金は現地確認が確実です。無料見積もり・ご相談を24時間受付中。まずはお気軽にお問い合わせください。
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エラー711の修理費用相場と「交換」を検討すべき判断基準
専門業者に依頼した場合、気になるのが費用面です。ここでは、修理にかかる費用の目安と、本体の交換を選択すべきタイミングの基準について解説します。
修理にかかる費用の目安と出張費に関する注意点
エラー711の修理費用は、故障している部品の種類やメーカー、作業の難易度によって大きく変動しますが、概ね10,000円〜60,000円程度が相場と見られています。
- 軽微な電装系の不具合(基板の一部交換など): 約10,000円〜20,000円程度
- ガス電磁弁や燃焼系の主要部品の交換: 約30,000円〜50,000円程度
- 複数の部品(基板+温度ヒューズ+電磁弁など)の交換: 50,000円〜60,000円程度
また、注意点として「出張費(故障診断料)」の存在が挙げられます。業者が現地へ出向いて点検を行った結果、「部品がないため修理できない」「高額になるため交換を勧められ、修理を断った」という場合でも、数千円程度の出張費や診断料が請求されるのが一般的です。事前に電話口で出張費の有無や金額を確認しておくことをお勧めします。
設置から約10年経過している給湯器は「交換」を検討する理由
給湯器にエラー711が発生した場合、お使いの給湯器が設置から何年経過しているかが、修理か交換かを見極める重要な判断基準となります。各給湯器メーカーは、安全上支障なく使用できる「設計標準使用期間」を約10年と定めています。
製造から10年を過ぎると、メーカー側での「補修用性能部品(修理に必要な部品)」の保有期間が終了するため、部品が手配できず修理不可となるケースが増加します。また、仮に部品が見つかり数万円かけて修理できたとしても、すぐに別の箇所(水制御系のセンサーや熱交換器など)が経年劣化で寿命を迎え、再び修理費用が発生する「修理の連鎖」に陥るリスクがあります。
修理と交換のメリット・デメリット比較
長期的なコストや安全性を考慮し、10年を一つの目安として合理的な判断を下すことが重要です。
- 設置から7年未満: まだ寿命に余裕があるため、メーカー保証などを活用して「修理」を優先する。
- 設置から7年〜10年: 修理費用(見積もり)と、新品への交換費用を天秤にかけて慎重に比較検討する。
- 設置から10年以上: 安全性と今後の故障リスクを考慮し、原則として新品への「交換」を検討する。
【よくある疑問】エラー「11」や「71」との違いと直し方は?
給湯器のエラーコードには「711」と似た数字が表示されることがあります。ここでは、混同されやすいエラーコードの違いについて触れておきます。
エラーコード「11」(点火不良)の意味と直し方
エラー「11」または「111」は、「点火不良」を意味します。給湯器がガスに火をつけようとしたものの、着火しなかった状態です。これは機器の故障ではなく、外部要因であるケースも多々あります。
- ガスメーター(マイコンメーター)が地震などでガスを遮断していないか確認する。
- ガス栓がしっかりと開いているか確認する。
- プロパンガス(LPガス)の場合、ガス切れになっていないか確認する。
これらを確認し、問題がなければリモコンのリセット操作を行うことで復旧することが多いです。
ノーリツ石油給湯器のエラー「11」が表示された場合の対処
ガス給湯器ではなく、ノーリツ製の「石油給湯器」をお使いの場合、エラー「11」は同じく点火不良(途中失火)を示します。オイルタンク内の灯油が空になっていないか、送油バルブが閉まっていないかを確認してください。灯油が十分にあるのにエラーが出る場合は、内部のストレーナー(フィルター)の詰まりや着火部品の不具合が考えられるため、点検依頼が必要です。
エラー711が解決しない場合の次のステップと相談先
リセット操作を試してもエラー711が解消しない場合、または頻繁に再発する場合は、速やかに専門家へ相談して次の行動に移りましょう。
賃貸物件・持ち家ごとの適切な連絡先
冒頭でも触れましたが、お住まいの環境によって連絡先が異なります。
- 賃貸物件の場合: ご自身で手配した修理費用は自己負担となるトラブルを避けるため、必ず「管理会社」または「大家さん」へ連絡し、指示を仰いでください。
- 持ち家で、設置から10年未満(修理希望)の場合: お使いの給湯器メーカーの公式修理サポート窓口へ連絡し、点検と修理を依頼します。
- 持ち家で、設置から10年以上(交換希望)の場合: メーカーだけでなく、地元のガス会社や「給湯器交換の専門業者」へ連絡し、交換費用の見積もり(相見積もり)を取ることをお勧めします。専門業者はメーカー希望小売価格から大幅な割引を行っていることが多いため、費用を抑えられるおそれがあります。
安全に次の行動を選ぶために
給湯器の故障は生活に直結するため焦ってしまいがちですが、根拠のない「最安値」を謳う業者や、見積もりの内訳が不明瞭な業者には注意が必要です。公的な資格(ガス機器設置スペシャリストなど)を保有しているか、工事後の保証期間が明確に示されているかを確認し、信頼できる依頼先を慎重に選んでください。
【次のステップへ】
エラー711が解消しない場合は、無理に使用を続けず、速やかに点検や交換の見積もりをご検討ください。給湯器の交換に関する詳しい費用相場や、信頼できる業者の選び方については、以下の関連記事もあわせてご参照ください。
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▶ まず読みたい:給湯器からお湯が出ない?原因と9つの対処法を徹底解説
株式会社生活水道センター 本部長
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405
株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。










