マンションの給湯器交換を安く安全に行うには?費用相場と失敗しない業者選びのコツ

マンションの給湯器交換を安く安全に行うには?費用相場と失敗しない業者選びのコツ

こんにちは。給湯器修理.comです。

濱本 孝一

この記事の監修者

濱本 孝一

株式会社 生活水道センター 代表取締役

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号

株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。

マンションにお住まいで「最近お湯の出が悪い」「給湯器の交換時期かもしれないけれど、費用が心配」とお悩みではありませんか。給湯器の不具合は突然やってきますが、いざ交換となると、誰に頼めばいいのか、費用は誰が負担するのか、そしてどうすれば安全かつ費用を抑えられるのか、わからないことばかりだと思います。長年、数多くのマンションで給湯器の設置や修理に携わってきた現場の視点から、皆様の疑問を一つひとつ丁寧にひも解いていきます。

この記事でわかること

  • マンションの給湯器交換費用は誰が負担するのか、賃貸と分譲の違い
  • 給湯器交換にかかる一般的な費用相場と、少しでも安く抑えるためのコツ
  • マンション特有の設置環境に合わせた適切な機種の選び方と工事の流れ
  • 悪徳業者を避け、安全で信頼できる優良業者を見極めるためのポイント

マンションの給湯器交換費用は誰が負担する?賃貸と分譲の違いとは?

マンションの給湯器交換費用の負担者は、お住まいの形態によって異なります。賃貸マンションの場合は原則として大家さんや管理会社が負担しますが、分譲マンションの場合は所有者である自己負担となるのが一般的です。ただし、契約内容やマンションの管理規約によって例外的なケースも存在するため、まずは契約書や規約をしっかりと確認することが最も重要です。

賃貸マンションの場合:原則として貸主(大家・管理会社)が負担

賃貸マンションにお住まいの場合、給湯器は「お部屋に最初から備え付けられている設備」という扱いになります。そのため、経年劣化や自然故障による給湯器の交換費用は、原則として貸主である大家さんや管理会社が負担することになります。入居者様がご自身のポケットマネーから数十万円の交換費用を出す必要は、基本的にはありません。

しかし、ここで現場から一つ強い注意点をお伝えします。「お湯が出なくてパニックになり、自分で勝手に業者を呼んで交換してしまった」というケースが後を絶ちません。ある冬の夜、私たちが駆けつけた賃貸マンションの現場でも、入居者様がご自身で手配した後に管理会社へ事後報告をしたところ、「指定業者以外での工事は認められない」「勝手に設備を変更したため費用は負担できない」とトラブルになってしまったことがありました。

注意:勝手な手配はトラブルの元

賃貸物件で給湯器の調子がおかしいと感じたら、どんなに急いでいても、まずは管理会社や大家さんに連絡を入れてください。多くの場合、管理会社が提携しているガス会社や設備業者が手配されます。

ただし、入居者様の故意や過失(例えば、物をぶつけて壊してしまった、凍結防止の電源を意図的に抜いていて配管を破裂させたなど)による故障の場合は、修理や交換の費用が入居者負担となることもあります。一般的な経年劣化であれば心配はいりませんが、日頃から設備を大切に扱うことは大前提となります。お湯が出ないという緊急事態は本当に焦るものですが、深呼吸をして、まずは契約書に記載されている緊急連絡先へ電話をかけるようにしてください。

分譲マンションの場合:原則として自己負担になることが多い

一方で、分譲マンションにお住まいの場合は状況が大きく異なります。分譲マンションにおいて、給湯器は一般的に「専有部の設備」として扱われます。つまり、お部屋の所有者であるご自身の資産の一部という認識になるため、故障時の修理費用や交換費用は、原則として全額自己負担となります。

現場でよく遭遇する勘違いとして、「給湯器は玄関横の廊下(パイプシャフト内)にあるから、共用部分だと思っていた。だから管理組合が費用を出してくれるはずだ」というものがあります。確かにパイプシャフト自体は共用部分ですが、その中に設置されている給湯器本体や、そこから室内へ引き込まれている配管の一部は専有設備とみなされるのが一般的です。先日お伺いした築15年の分譲マンションでも、お客様が「管理組合に電話したら自分で直してと言われて驚いた」とおっしゃっていました。

分譲マンションでの給湯器交換を安く済ませるためには、所有者ご自身で複数の業者から相見積もりを取り、価格と施工品質のバランスを見極める必要があります。ガス会社、ホームセンター、インターネット専門の給湯器交換業者など、選択肢は多岐にわたります。自己負担だからこそ、最初から1社に絞らず、最低でも3社程度から見積もりを取って比較検討することを強くおすすめします。

契約内容や規約によって負担者が異なる場合があるため要確認

「賃貸は貸主負担、分譲は自己負担」というのが基本ルールですが、マンションという集合住宅の特性上、例外も存在します。そのため、最終的な判断を下す前には、必ず賃貸借契約書やマンションの管理規約を確認する必要があります。

例えば、分譲マンションであっても「分譲リース」として他人に貸し出している物件の場合、入居者から見れば賃貸ですが、所有者(オーナー)から見れば分譲です。この場合、入居者が大家(所有者)に連絡し、大家が自己負担で交換を手配することになります。また、非常に稀なケースではありますが、分譲マンションの管理組合が、大規模修繕工事のタイミングに合わせて全戸の給湯器を一括で交換する決議を出すこともあります。この場合は、修繕積立金から費用が捻出されたり、一括発注によるスケールメリットで通常よりかなり安い費用で交換できたりすることがあります。

管理規約の確認ポイント

特に分譲マンションの場合、給湯器の「色」や「設置方法」について管理規約で厳密に定められていることがあります。外観の統一感を保つため、給湯器のフロントパネルをマンションの外壁と同じ色に塗装しなければならない(特注色指定)というルールがある物件も少なくありません。

もし特注色の指定がある場合、通常の給湯器よりも納期が数週間から1ヶ月程度長くかかり、塗装費用も上乗せされます。私自身、標準色の給湯器を持参して現場に到着したところ、管理員さんから「うちは指定色じゃないと設置させないよ」と止められ、お客様にご説明して出直した苦い経験があります。費用負担の所在を確認すると同時に、マンション独自のルールがないかどうかも、事前に管理組合や管理会社へ確認しておくことが、スムーズで安い交換工事への第一歩です。

マンションの給湯器交換費用はいくら?安く抑えるための相場とは?

マンションの給湯器交換費用の相場は、一般的な従来型で約10万〜15万円、省エネタイプのエコジョーズで約15万〜20万円が目安です。費用には本体代、リモコン代、標準工事費、古い機器の廃材処分費が含まれます。設置場所の特殊性や繁忙期(冬場)の割増しによってトータル費用が変動するため、複数業者から見積もりを取り、内訳を細かく比較することが大切です。

給湯器交換にかかる料金の内訳と一般的な相場レンジ

マンションの給湯器を交換する際、提示される見積もり金額が妥当かどうかを判断するためには、料金の内訳を正しく理解しておく必要があります。給湯器の交換費用は、大きく分けて以下の4つの要素から構成されています。

  1. 給湯器本体の価格:メーカー希望小売価格から、業者の割引率(50%〜80%OFFなど)が適用された金額です。
  2. リモコンの価格:台所用、浴室用のリモコンセット代です。本体とは別売りになっていることがほとんどです。
  3. 標準工事費:既存機器の取り外し、新しい機器の設置、ガス・水道・追い焚き配管の接続、通信線の接続、試運転にかかる作業費です。相場は3万〜5万円程度です。
  4. 既存機器の処分費:取り外した古い給湯器を産業廃棄物として適正に処分するための費用です。

これらを踏まえたうえで、一般的なマンション用給湯器(壁掛け型・PS設置型)の交換費用の相場を以下の表にまとめました。あくまで一般的な目安であり、正確な情報は各業者の見積もりをご確認ください。

給湯器の種類・機能 従来型の費用相場 エコジョーズの費用相場
給湯専用(追い焚きなし) 約7万〜10万円 約10万〜14万円
ふろ給湯器(オート・追い焚きあり) 約11万〜15万円 約14万〜18万円
ふろ給湯器(フルオート・追い焚きあり) 約13万〜17万円 約16万〜22万円
温水暖房付(床暖房・浴室乾燥対応) 約20万〜25万円 約25万〜35万円

※上記は20号〜24号サイズの一般的な目安です。最終的な判断は専門業者にご相談ください。

見積もりを見る際は、「工事費コミコミ」と書かれていても、どこまでが標準工事に含まれているかを確認が必要です。現場で配管の延長が必要になったり、ガス可とう管の交換が必要になったりした場合に、追加費用が青天井で請求されないよう、「追加費用一切なし」を明記している業者を選ぶのが安心です。

時期や繁忙期による費用の変動と安く依頼するタイミング

給湯器の交換費用は、実は一年を通じて一定ではありません。季節によって需要が大きく変動するため、見積もり金額や値引き率にも影響が出ることがあります。現場の肌感覚として、給湯器の交換を最も安く、かつ希望通りの日程で依頼できるのは「春から秋口(4月〜10月)」の閑散期です。

逆に、最も避けるべきなのは真冬の12月〜2月です。気温が下がると水温も下がり、給湯器は設定温度までお湯を沸かすためにフルパワーで稼働します。この過酷な稼働が引き金となり、寿命を迎えていた給湯器が一斉に悲鳴を上げて壊れるのが冬場なのです。この時期は私たち施工業者も連日深夜まで駆けずり回るほどの繁忙期となり、メーカーの在庫も一瞬で枯渇します。

現場のリアルな声:冬場のパニック

冬場に「お湯が出ない!」というSOSをいただいても、「申し訳ありません、最短でお伺いできるのが2週間後になります」とお答えせざるを得ない心苦しい場面が何度もありました。在庫が少ないため、値引き交渉に応じる余裕が業者側にないのも実情です。

マンションの給湯器交換を安く済ませたいのであれば、完全に壊れてお湯が出なくなる前に、秋口の涼しくなってきたタイミングで予防的に交換してしまうのが最も賢い選択です。閑散期であれば業者もスケジュールに余裕があり、丁寧な現地調査や、他社との価格競争を通じた値引き交渉にも応じてもらいやすくなります。

マンション特有の設置環境による追加費用の違い

マンションの給湯器交換で費用が変動する大きな要因の一つが、「設置環境」です。戸建て住宅であれば外壁にポンと掛かっているだけのことが多いですが、マンションの場合はそう単純ではありません。

例えば、玄関横のパイプシャフト(PS)内に給湯器が設置されている場合、扉の枠にぴったりと収めるための「専用の取り付け枠(金枠)」が必要になることがほとんどです。既存の枠をそのまま流用できることもありますが、メーカーや機種が変わると寸法が合わず、新しく数千円〜1万円程度の専用枠を取り寄せる必要があります。

また、排気ガスの方向を変える「排気カバー」の有無も重要です。ベランダ設置の場合、排気ガスが直接隣の部屋のベランダや窓に吹き付けないように、上方向や横方向に排気を逃がす金属製のカバーが取り付けられていることがあります。これも機種ごとに専用品が必要となり、数千円の追加費用が発生します。

私が以前担当したタワーマンションの現場では、給湯器が非常に高い位置に設置されており、通常の脚立では作業ができず、特殊な足場を組む必要があったため高所作業費が追加になったケースがありました。このように、マンション特有の設置状況によって必要な部材や作業手間が変わるため、事前の現地調査(または詳細な写真による判定)が不可欠なのです。

号数や機能(追い焚き・エコジョーズ)による価格差

給湯器の本体価格は、「号数(お湯をつくる能力)」と「機能」によって大きく変わります。マンションの給湯器交換を安く抑えるためには、ご自身の生活スタイルに対してオーバースペックな機種を選ばないことが大切です。

号数には主に16号、20号、24号があります。数字が大きいほど、一度に大量のお湯を沸かすことができます。

  • 16号:単身世帯向け。シャワーと台所を同時に使うと少しお湯の勢いが弱くなることがあります。
  • 20号:2〜3人家族向け。シャワーと台所の同時使用でも、年間を通じて比較的快適に使えます。
  • 24号:4人以上の家族向け。冬場でもシャワー、台所、洗面所など複数箇所で同時にお湯をたっぷり使えます。

もし現在24号が付いていても、お子様が独立してご夫婦2人暮らしになったのであれば、20号にサイズダウンすることで本体価格を数万円安く抑えることが可能です。

また、「オート」と「フルオート」の違いも価格に影響します。オートは「お湯はり・追い焚き・保温」が自動ですが、フルオートはそれに加えて「足し湯」や「配管自動洗浄」まで全自動で行ってくれます。フルオートの方が1万〜2万円程度高くなりますが、本当にその機能が必要かを検討してみてください。

さらに、従来型から省エネタイプである「エコジョーズ」への変更を検討される方も多いなります。エコジョーズは初期費用が従来型より数万円高くなりますが、ガスの使用効率が良いため、毎月のガス代が安くなります。4人家族で毎日お風呂を沸かすようなご家庭であれば、数年で初期費用の差額を回収できる可能性が高いです。しかし、単身赴任などでほとんどシャワーしか使わない場合は、従来型の方がトータルコストで安く済むこともあります。

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費用は機種・設置状況で変わります

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マンションの給湯器交換を安い費用で安全に行う業者選びのポイントとは?

マンションの給湯器交換を安く安全に行うには、ネット専門業者を含めた複数社での相見積もりが有効です。ガス会社は安心感がありますが価格は高めで、ネット業者は安い反面、施工品質に差があります。そのため、見積もり時に追加費用の有無や保証内容を明記し、マンションの施工実績が豊富な業者を選ぶのが確実です。

ガス会社、ホームセンター、ネット専門業者のメリットとデメリット

給湯器の交換を依頼する際、どこに頼むべきか迷う方は非常に多いです。主な依頼先として「契約しているガス会社」「近所のホームセンターや家電量販店」「インターネット専門の給湯器交換業者」の3つが挙げられます。それぞれの特徴を現場目線で解説します。

1. ガス会社(東京ガス、大阪ガスなど)
最大のメリットは「圧倒的な安心感と信頼性」です。マンションのガス設備を熟知しており、万が一の際の対応も迅速です。しかし、デメリットは「価格が最も高い」ことです。メーカー希望小売価格からの値引きが少なく、ネット業者と比較すると数万円から、場合によっては10万円近く高くなることも珍しくありません。費用を安く抑えたい方にとっては、少しハードルが高い選択肢となります。

2. ホームセンター・家電量販店
店舗で実物を見ながら相談できる安心感があり、独自のポイントが貯まるなどのメリットがあります。価格はガス会社よりは安いですが、実際の施工は下請けの設備業者が行うため、中間マージンが発生し、最安値とはなりにくい傾向があります。また、下請け業者の当たり外れがあり、施工当日にどんな職人が来るか分からないという不安要素もあります。

3. インターネット専門業者
マンションの給湯器交換を最も安く済ませるなら、この選択肢が有力です。店舗を持たず、大量仕入れと自社施工によって中間マージンをカットしているため、驚くような割引率を提示してくれます。ただし、業者によって施工品質やアフターフォローに大きな差があるのがデメリットです。ホームページの価格だけを見て飛びつかず、口コミや施工実績、資格の有無をしっかりと確認する必要があります。

見積もり時に確認すべき追加費用と保証内容のチェックポイント

ネット業者などに依頼して安く済ませようとする際、最も警戒すべきなのが「当日の不当な追加請求」です。ホームページには「激安6万円〜!」と書いてあっても、いざ現場で作業が始まると「配管が劣化しているので交換が必要です」「特殊な接続部品が必要でした」と次々に追加料金を加算され、最終的にはガス会社と変わらない金額になってしまった、というトラブルが国民生活センターにも多数寄せられています。

悪徳業者を避けるための防衛策

見積もりをもらう際は、必ず「この金額以外に、当日追加で発生する可能性のある費用は一切ないか?」をメールなどの文面で確認してください。優良な業者であれば、「写真で確認した限り、追加費用は一切かかりません」と明言してくれます。

また、保証内容の確認も必須です。給湯器には「メーカー保証(通常1〜2年)」と、施工業者が独自につける「施工保証(工事の不具合に対する保証)」があります。優良業者の多くは、無料で10年程度の施工保証をつけています。安さばかりをアピールし、保証についての記載が曖昧な業者は、数年後に水漏れなどのトラブルが起きた際に「うちの責任ではない」と逃げてしまう可能性があるため避けるべきです。

マンションの管理規約や指定業者縛りに関する注意点

マンション特有の事情として、業者選びの前に必ず確認しなければならないのが「指定業者の縛り」です。一部の分譲マンションや、厳しい管理会社が入っている賃貸マンションでは、「給湯器の交換は、マンションに出入りしている指定の設備業者(または特定のガス会社)でしか行ってはいけない」という規約が存在することがあります。

これは、マンション全体のガス配管の安全性を担保するためや、外観の統一性を守るためのルールです。もしこの規約を知らずに、自分で見つけた格安のネット業者に依頼して工事をしてしまうと、後日管理組合から「規約違反なので、指定業者でやり直してください」と原状回復を求められるという最悪の事態になりかねません。

私が以前お見積もりにお伺いしたお客様も、私たちが提示した金額に大変満足してくださったのですが、後日「管理組合に確認したら、指定業者以外は立ち入り禁止だと言われてしまいました…」と泣く泣くキャンセルされたことがありました。安い業者を探す努力が無駄にならないよう、まずは管理人さんや管理会社へ「自分で業者を手配して交換しても良いか?」を一本電話で確認しておくことを強くおすすめします。

現場調査を丁寧に行う業者が結果的に安く済む理由

最近は、スマートフォンで既存の給湯器の写真を数枚撮影して送るだけで、現場を見ずに確定見積もりを出してくれる業者が増えました。これはお客様にとっても立ち会いの手間が省けて非常に便利です。しかし、写真だけでは判断できない複雑な設置状況の場合、当日になって「やはり追加の部品が必要です」となるリスクもゼロではありません。

本当に信頼できる業者は、写真判定で少しでも不明確な点があれば、「念のため、一度現地を見させてください」と提案してきます。現地調査では、給湯器の型番だけでなく、ガスメーターの容量、配管のサビ具合、搬入経路の広さ、排気ガスの滞留リスクなどをプロの目で細かくチェックします。

例えば、古い給湯器のガス接続管(可とう管)は、法律上、一度外したら再利用できず新しいものに交換しなければならないケースがあります。現地調査を丁寧に行う業者は、こういった隠れた必須部材もすべて最初から見積もりに含めて提示してくれます。一見すると他社より数千円高く見えることもありますが、「当日になって予期せぬ追加費用を請求されない」という点において、結果的に最も安く、ストレスなく工事を終えることができるのです。

マンションに設置されている給湯器の種類と選び方はどうすればいい?

マンションの給湯器は、設置場所に合わせてPS(パイプシャフト)設置型とベランダ設置型に大別されます。特にPS設置型は、前方排気や後方排気など排気方向の指定が厳密で、適合する機種を選ばないと一酸化炭素中毒の危険があります。ご自宅の現状の設置状況と家族構成に合った号数を選ぶことが失敗しないコツです。

PS設置型(パイプシャフト)とベランダ設置型の違いと特徴

マンションの給湯器を選ぶ際、最も重要なのが「どこに、どのように設置されているか」です。戸建てと違い、マンションはスペースが限られているため、設置方法が非常に細かく分類されています。大きく分けると「PS(パイプシャフト)設置型」と「ベランダ(バルコニー)設置型」の2つです。

PS(パイプシャフト)設置型
玄関を出てすぐの共用廊下にある、メーター類が収まっている鉄扉のスペースをパイプシャフトと呼びます。マンションの給湯器の多くはここに設置されています。PS設置型はさらに、給湯器の顔(フロントパネル)が見えている「標準設置」と、鉄扉の中に完全に隠れていて丸い排気筒だけが顔を出している「扉内設置」に分かれます。PS設置の場合は、決められたスペースにぴったり収める必要があるため、現在ついているメーカーと同じメーカーの後継機種を選ぶのが、最もスムーズで費用(専用枠代など)を安く抑えるセオリーです。

ベランダ(バルコニー)設置型
お部屋のベランダの壁に掛けられているタイプです。こちらは周囲に障害物が少ないため、比較的サイズの自由度が高く、メーカーの変更も容易なことが多いです。ただし、ベランダの床に直置きされている「据え置き型」や、浴槽のすぐ裏(浴室に隣接した屋外)に設置されている「壁貫通型(ホールインワン)」など、特殊なバリエーションもあるため、ご自宅の給湯器がどこにどうついているか、まずは確認してみてください。

排気バリエーション(前方排気、後方排気など)による適合機種

マンションの給湯器選びで、プロである私たちが最も神経を使うのが「排気の方向」です。給湯器はガスを燃やしてお湯を沸かすため、必ず排気ガスが出ます。この排気ガスを安全に屋外へ逃がすための構造が、マンションの設計によって細かく指定されています。

主な排気バリエーション

  • 前方排気:給湯器の正面からまっすぐ排気が出る標準的なタイプ。
  • 上方排気:給湯器の上部から煙突のような管が伸びて排気するタイプ。
  • 後方排気:給湯器の背面に排気筒が伸びているタイプ。
  • 側方排気:PSの構造上、前方に排気できないため横方向に排気を逃がすタイプ。

もし、本来「上方排気」の機種をつけなければならない場所に、安いからといって「前方排気」の標準機種をつけてしまうとどうなるでしょうか。排気ガスが狭いパイプシャフト内に充満し、最悪の場合、室内に逆流して一酸化炭素中毒を引き起こすという大事故につながります。

そのため、マンションの給湯器交換では「現在と同じ排気バリエーションの機種」を選ぶことが絶対条件となります。ネットのカタログを見て「これが安いからこれにしよう」と素人判断で選ぶのは非常に危険です。必ず、現在の給湯器の型番を業者に伝え、適合する正しい機種を提案してもらってください。

エコジョーズはマンションでも設置できる?ドレン排水の条件

ガス代が安くなることで人気の省エネ給湯器「エコジョーズ」ですが、マンションへの設置には一つ大きなハードルがあります。それが「ドレン排水」の処理です。

エコジョーズは、排気ガスの熱を再利用する仕組みの中で、運転中にエアコンの室外機のようにポタポタと水(ドレン水)が発生します。この水は酸性を含んでいるため、中和器を通したうえで、適切に排水溝へ流さなければなりません。

ベランダ設置型であれば、近くの排水溝にドレン管を這わせるだけで済むことが多いのですが、問題は玄関横のPS設置型の場合です。共用廊下に水を垂れ流すことはできないため、PS内に排水用の配管が通っていないと、原則としてエコジョーズは設置できません。

しかし最近では、浴室の追い焚き配管を利用して、ドレン水を浴室の排水溝へ流す「三方弁方式(ドレンアップ方式)」という特殊な部材を使った設置方法が普及してきました。その結果、PS設置のマンションでもエコジョーズを導入できるケースが増えています。ただし、三方弁などの追加部材費と工事費で数万円のプラスになるため、エコジョーズによるガス代の削減効果と、初期費用の増加分を天秤にかけて、トータルで安くなるかどうかを慎重にシミュレーションする必要があります。

家族構成に合わせた適切な号数(16号、20号、24号)の選び方

前述の通り、給湯器の本体価格は号数によって変わります。マンションの給湯器交換を費用対効果よく行うためには、現在の家族構成やライフスタイルに合わせた号数選びが重要です。

例えば、新築の分譲マンションを購入した当初は夫婦と子供2人の4人家族だったため、標準で「24号」が設置されていたとします。しかし15年が経過し、子供たちが独立して夫婦2人暮らしになった場合、もう24号のパワーは必要ないこともあります。シャワーと台所でお湯を同時に使う頻度が減っているのであれば、「20号」に号数を落とすことで、本体価格を安く抑えることができます。

逆に、中古マンションを購入して入居する場合、前にお住まいだった方が単身者で「16号」がついていたとします。そこに4人家族で入居し、そのまま16号を使い続けると、「誰かがシャワーを浴びている時に台所で洗い物をすると、シャワーがチョロチョロになってしまって寒い!」という不満が出ることになります。この場合は、少し費用をかけてでも24号へ号数をアップ(能力アップ)させるべきです。

号数を変更する場合、ガスメーターの号数(容量)が対応しているかどうかの確認が必要になります。専門業者であれば、現地調査の際にガスメーターの表示(4号メーター、6号メーターなど)を確認し、号数アップが可能かどうかを判断してくれます。

マンションの給湯器交換工事はどのような流れと時間で進むの?

マンションの給湯器交換工事は、現地調査と見積もりから始まり、工事当日は約3〜4時間で完了するのが一般的です。作業の流れは、周囲の養生、古い給湯器の撤去、新しい機器の設置、ガス・水道配管の接続、そして試運転となります。マンションでは近隣への騒音配慮や、管理組合への事前申請が必要なこともあります。

お問い合わせから現地調査、見積もり提示までのステップ

マンションの給湯器からお湯が出なくなったり、異音が気になり始めたりしたら、まずは業者への問い合わせからスタートします。最近はスマートフォンのLINEや専用フォームから、現在の給湯器の全体写真と型番が書かれたシールの写真を送るだけで、概算の見積もりを出してくれる業者が増えています。

写真での判断が難しい特殊な設置状況(狭小スペース、高所作業、特殊な排気筒など)の場合や、お客様が現地での確認を希望される場合は、業者が訪問して現地調査を行います。この際、プロの作業員は給湯器本体だけでなく、ガスメーターの容量、搬入経路の幅、配管の劣化具合などを細かくチェックします。

現地調査の結果をもとに、正式な見積書が提示されます。ここで提示された金額に納得できれば、契約・発注となります。在庫がある一般的な機種であれば、最短で即日や翌日の工事も可能ですが、マンション特有の排気バリエーション機種や、管理規約による特注色(外壁に合わせた塗装)の指定がある場合は、メーカーへの発注となり、納期に数週間かかることもあります。冬場の繁忙期はさらに時間がかかるため、少しでも調子が悪いと感じたら早めに動くことが、結果的に焦って高い業者に頼む事態を防ぎ、安く済ませるコツです。

工事当日の作業手順(養生、撤去、設置、配管接続、試運転)

いざ工事当日。私たち作業員がマンションに到着してから作業が完了するまでの、具体的な流れをご紹介します。現場のリアルな空気感を感じていただければと思います。

  1. ご挨拶と周囲の養生:まずはインターホンを鳴らし、ご挨拶と本日の作業手順をご説明します。その後、共用廊下や室内(リモコン交換のため)に傷や汚れがつかないよう、ブルーシートや専用のマットで丁寧に養生を行います。
  2. 古い給湯器の撤去:ガスと水道の元栓を閉め、安全を確認してから作業開始です。古い配管を外し、重い給湯器本体(約30kgほどあります)を壁や専用枠から取り外します。この時、配管内に残っていた水がこぼれないよう慎重に作業します。
  3. 新しい給湯器の設置:新しい給湯器を所定の位置に設置します。PS設置の場合、専用の金枠を使って隙間なくしっかりと固定します。少しでも傾いていると、後々振動による異音の原因になるため、水平器を使ってミリ単位で調整します。
  4. 配管の接続とリモコン交換:水道管、お湯の管、追い焚き管、そして最も重要なガス管を接続します。ガス管の接続には「液化石油ガス設備士」や「簡易内管施工士」などの資格が必要です。同時に、室内の台所と浴室に入らせていただき、古いリモコンを新しいものに交換します。
  5. 試運転とガス漏れチェック:すべての接続が終わったら、専用の微圧計やガス検知液を使って、ガス漏れがないか厳密にチェックします。その後、実際にお湯を張り、追い焚きが正常に機能するか、お湯の温度は安定しているかを確認する試運転を行います。

マンションならではの近隣への挨拶と騒音への配慮

戸建ての工事と大きく異なるのが、マンション特有の「近隣への配慮」です。給湯器の交換工事では、古い機器を取り外す際や、新しい機器を固定する際に、電動ドライバーの「ガガガッ」という音や、金属を叩く音など、どうしてもある程度の騒音が発生してしまいます。

特にパイプシャフトは共用廊下に面しており、音が響きやすい構造になっています。そのため、優良な業者であれば、作業を開始する前に両隣や上下階のお部屋へ「本日の午前中、〇〇号室の給湯器交換工事で少し音が出ます。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします」と挨拶回りを行います。

現場の体験談:ご近所トラブルを防ぐために

以前、挨拶をせずに作業を始めてしまった(お客様から「挨拶は不要です」と言われたため)現場で、隣の部屋で夜勤明けで寝ていた方から激しいクレームを受けたことがありました。それ以来、マンションでの工事では、どんなに短時間の作業でも必ず周囲への配慮と声かけを徹底しています。

また、マンションによっては、事前に管理組合へ「工事申請書」を提出し、掲示板に工事のお知らせを貼り出すことが義務付けられていることもあります。これらの手続きを怠ると工事がストップしてしまうこともあるため、事前に管理規約を確認し、必要な手続きを済ませておくことがスムーズな工事の鍵となります。

作業時間の目安と立ち会い時に確認すべきポイント

マンションの給湯器交換にかかる作業時間は、標準的な壁掛け型やPS設置型であれば、おおよそ「3時間〜4時間程度」で完了します。ただし、エコジョーズへの変更でドレン排水の特殊工事(三方弁の設置など)が必要な場合や、高所作業、搬入経路が極端に狭い場合などは、半日(5〜6時間)ほどかかることもあります。

工事中は、ずっと作業員の横に立って見ている必要はありません。お部屋の中でテレビを見たり、家事をしたりしてリラックスしてお待ちください。ただし、最初のご挨拶の時と、最後の手続き(試運転の確認、操作説明、お支払い)の時には必ず立ち会いをお願いしています。

最後の立ち会い時に確認していただきたい重要なポイントは以下の3つです。

  • お湯の温度と勢い:実際に蛇口をひねり、設定した温度の通りにお湯が出ること、シャワーの勢いに問題がないことを確認してください。
  • リモコンの操作方法:新しいリモコンは機能が増えていることがあります。基本的なお湯はりの方法や、エラーが出た時の対処法を作業員に聞いておきましょう。
  • 周囲の清掃状況:作業が終わった後、共用廊下や浴室にゴミや汚れが残っていないかを確認してください。プロの業者は「来た時よりも美しく」を心がけて現場を後にします。

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マンションの給湯器が壊れる前兆や交換すべきタイミングはいつ?

マンションの給湯器を交換する最適なタイミングは、設置から約10年が経過し、お湯の温度が安定しない、異音がするなどのサインが出た時です。給湯器の設計上の標準使用期間は10年とされており、これを超えると部品の供給が終了し修理できなくなることが多く、完全に壊れる前に交換した方が結果的に安く済みます。

お湯の温度が安定しない・異音がするなどの危険なサイン

給湯器はある日突然、全くお湯が出なくなることもありますが、多くの場合、完全に壊れる前にいくつかの「SOSサイン」を出しています。これらの前兆を見逃さず、早めに対処することが、冬場のパニックを避け、安い業者をじっくり選ぶための最大の秘訣です。

現場でよくお聞きする、代表的な故障の前兆は以下の通りです。

  • お湯の温度が安定しない:シャワーを浴びている最中に、急に水になったり、また熱くなったりを繰り返す症状です。これは内部の温度センサーや水量サーボが劣化している典型的なサインです。
  • 異音がする:給湯器が着火する際に、普段の「チチチ…ボッ」という音ではなく、「ボンッ!」という小さな爆発のような音がする場合は非常に危険です。内部にガスが滞留してから着火している可能性があり、不完全燃焼のリスクがあります。また、「ピーー」「キーン」という甲高い金属音がする場合は、ファンモーターの寿命が近づいています。
  • 黒い煙が出る・ガスの臭いが強い:排気口から黒いすすが出たり、周囲に強い生ガスの臭いが漂ったりする場合は、ただちに使用を中止してください。一酸化炭素中毒や火災の危険があります。
  • エラーコードが頻発する:リモコンに「111(点火不良)」や「140(温度ヒューズ断線)」などの数字(エラーコード)が頻繁に点滅するようになったら、部品の寿命が近い証拠です。

これらの症状が出始めたら、「まだ使えるから」と騙し騙し使うのではなく、すぐに業者へ点検や見積もりを依頼してください。

設計上の標準使用期間(約10年)を過ぎた給湯器のリスク

給湯器の本体前面には、必ず銘板シールが貼られており、そこには製造年月と「設計上の標準使用期間:10年」という記載があります。これはメーカーが「安全上支障なく使用できる期間」として定めている目安です。

もちろん、10年経ったからといってすぐに壊れるわけではありません。13年、15年と使い続けているご家庭もたくさんあります。しかし、10年を超えた給湯器には大きなリスクが伴います。それは「メーカーの部品保有期間が終了してしまう」ということです。

給湯器メーカーは、製品の生産終了から約10年間は修理用の部品を保管していますが、それを過ぎると部品の供給を打ち切ります。つまり、設置から11年目にちょっとしたセンサーの不具合でお湯が出なくなった場合、本来なら数千円の部品交換で直るはずが、「部品がないので修理できません。本体ごと交換するしかありません」と宣告されてしまうのです。

私自身、現場で「もう少し早く呼んでいただければ部品があったのですが…」とお客様に謝罪しながら、高額な本体交換をご提案せざるを得なかったことが何度もあります。10年という区切りは、給湯器のライフサイクルにおいて非常に重要な意味を持っています。

修理と交換、どちらがトータルで安く済むかの判断基準

給湯器の調子が悪くなった時、「修理で安く済ませるか、思い切って新品に交換するか」は非常に悩ましい問題です。現場のプロとして、私たちがお客様にアドバイスしている判断基準は明確です。それは「設置してからの年数」です。

設置から7年未満の場合:迷わず修理
まだ部品の供給もあり、一度修理すればその後数年は問題なく使える可能性が高いです。メーカーの保証期間内であれば無料で直ることもあります。

設置から7年〜9年の場合:症状と費用による
修理費用が1万〜2万円程度で済む軽い不具合であれば修理をおすすめします。しかし、基盤の交換や熱交換器の交換など、修理費用が5万円を超えるような重症の場合は、数年後の寿命を考慮して、新品への交換を検討し始めた方がトータルコストで安く済むことがあります。

設置から10年以上の場合:迷わず交換
前述の通り、部品がない可能性が高く、仮に一部の部品を交換して直ったとしても、数ヶ月後に今度は別の部品が壊れる「故障の連鎖」が起きる確率が非常に高いです。何度も修理代と出張費を払うくらいなら、最新の省エネ機種に交換してしまった方が、日々のガス代も安くなり、何より「いつ壊れるか」というストレスから解放されます。

冬場の急な故障を避けるための予防的交換のすすめ

マンションの給湯器交換費用を最も安く、かつ満足度の高いものにするための究極のコツは、「完全に壊れる前に、予防的に交換すること」に尽きます。

繰り返しになりますが、給湯器は真冬の最もお湯を使いたい時期に壊れます。お湯が出ない状態での数日間(場合によっては数週間)は、想像以上に過酷です。毎日冷たい水で顔を洗い、重いお風呂セットを持って近所の銭湯へ通い、コインランドリーで洗濯をする…。これらの見えない出費と肉体的な疲労は計り知れません。

さらに、パニック状態で業者を探すため、「とにかく一番早く来てくれるところ」を優先してしまい、相場より数万円も高い見積もりで契約してしまったり、悪徳業者に引っかかってしまったりするリスクが高まります。

設置から10年が経過し、秋口に「少しお湯の温度が揺らぐな」と感じたら、それは給湯器からの最後のメッセージです。そのタイミングで複数の業者から相見積もりを取り、閑散期の安い価格で、自分たちのペースでじっくりと業者を選んで交換する。これが、現場を知る私たちが最も推奨する、賢く安い給湯器の交換方法です。

マンションの給湯器交換に関するよくある質問(FAQ)

マンションの給湯器交換について、お客様からよくいただく質問をまとめました。DIYでの交換の危険性や、利用できる補助金の有無、緊急時の対応スピードなど、費用を安く抑えつつ安全に交換するための疑問にお答えします。少しでも不安な点があれば、無理をせずに専門の施工業者へご相談ください。

給湯器の交換は自分(DIY)で安くできますか?

結論:給湯器の交換はDIYでは絶対にやめてください。ガス管や電気配線の接続には「液化石油ガス設備士」や「第二種電気工事士」などの国家資格が必須です。無資格での作業はガス漏れや火災、一酸化炭素中毒の危険があります。

詳細:インターネットで給湯器本体だけを安く購入し、YouTubeの動画などを見ながら自分で交換しようとする方が稀にいらっしゃいますが、これは法律違反であると同時に、命に関わる非常に危険な行為です。ガス管の接続不良による爆発事故や、排気筒の接続不良による一酸化炭素の室内への逆流など、マンション全体を巻き込む大惨事になりかねません。費用を安く抑えたいお気持ちはわかりますが、安全は何物にも代えられません。必ず有資格者のいる専門業者へご依頼ください。

マンションの給湯器交換で使える補助金はありますか?

結論:マンションの給湯器交換でも、省エネ性能の高い「エコジョーズ」などを導入する場合、国や自治体の補助金が使えることがあります。例えば「給湯省エネ事業」などですが、予算上限や申請条件があるため、事前に業者へ確認しましょう。

詳細:国が推進する省エネキャンペーン(子育てエコホーム支援事業や給湯省エネ事業など)の対象機種(高効率給湯器)に交換する場合、数万円の補助金が還元される制度が実施されている時期があります。また、お住まいの市区町村が独自にエコジョーズ導入に対する助成金を出していることもあります。ただし、これらの補助金は「工事着工前の申請が必要」「あらかじめ登録された事業者での施工が必須」「予算の上限に達し次第終了」といった厳しい条件があることが多いため、見積もりの段階で「補助金を使いたい」と業者へ相談が必要です。

お湯が出ない緊急時、最短でいつ交換してもらえますか?

結論:在庫のある一般的な機種であれば、最短即日〜翌日での交換が可能な業者も多いです。ただし、マンション特有の特殊な排気タイプの機種や、冬場の繁忙期には取り寄せに数日〜数週間かかることもあるため、早めの行動が肝心です。

詳細:お湯が出ないという緊急事態には、私たち施工業者もできる限り最優先で対応するよう努めています。ベランダ設置の標準的な壁掛けタイプなど、業者が常に在庫を抱えている機種であれば、午前中のご連絡でその日の午後には交換が完了することもあります。しかし、PS設置で後方排気などの特殊な機種や、管理規約で色が指定されている場合は、メーカー受注生産となるため納期がかかります。その間、どうしてもお湯が必要な場合は、一時的にお湯だけを出せる「レンタル給湯器(仮設給湯器)」を無料で設置してくれるサービスを行っている業者を選ぶと安心です。

まとめ:マンションの給湯器交換を安く、そして確実に行うために

ここまで、マンションの給湯器交換について、費用の負担者から相場、業者選びのコツ、そして工事の裏側まで、現場の視点から詳しく解説してきました。

マンションの給湯器交換を安く済ませるためのポイントを改めてまとめます。

  • 負担者の確認:賃貸は管理会社へ連絡、分譲は自己負担が基本。管理規約の縛り(指定業者や色指定)がないか事前に確認する。
  • 相場の把握:従来型で10万〜15万円、エコジョーズで15万〜20万円が目安。安すぎる見積もりには「追加費用」の罠がないか警戒する。
  • 相見積もりの徹底:最初から1社に絞らず、ネット専門業者を含めて最低3社から見積もりを取り、保証内容と対応の丁寧さを比較する。
  • 予防的な交換:完全に壊れて冬場にパニックになる前に、設置から10年を目安に、閑散期(春〜秋)を狙って余裕を持って交換する。

給湯器は、私たちの毎日の生活に欠かせない「お湯」を作り出す大切なインフラです。費用を安く抑えることはもちろん大切ですが、それ以上に「安全に、安心して長く使えること」が最も重要です。この記事が、皆様が信頼できる優良業者と出会い、納得のいく価格でマンションの給湯器交換を完了させるための道しるべとなれば幸いです。無理をせず、まずはプロの業者へ気軽に見積もりと相談を依頼してみてください。

佐藤 裕

この記事の執筆者

佐藤 裕

株式会社生活水道センター 本部長

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405

株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。

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