電気給湯器の選び方|ガスとの違いや電気代を徹底解説
▶ 関連記事: 給湯器業者の選び方で失敗しない!プロが教える悪質業者の見極め
目次
【プロが解説】電気給湯器の選び方とは?ガスとの違いや電気代を徹底比較して疑問を解決
こんにちは。給湯器修理.comです。
株式会社 生活水道センター 代表取締役
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号
株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。
毎日当たり前のように使っているお湯ですが、いざ給湯器の調子が悪くなったり、交換の時期が近づいたりすると、「うちの給湯器ってどれを選べばいいの?」と迷ってしまう方は非常に多いです。
この記事でわかること
- 自宅の給湯器が電気かガスかを見分ける簡単な方法
- 電気給湯器とガス給湯器の仕組みの違いやメリットとデメリット
- 気になる電気代とガス代の比較やコストを抑えるコツ
- 失敗しない電気給湯器の選び方と交換費用の相場
給湯器の交換は、十数年に一度の大きな買い物です。だからこそ、ご自身のライフスタイルに合った最適な一台を選んでいただきたいと、現場に出るたびに強く感じています。長年、給湯器の設置や修理の現場に携わってきたプロの目線から、カタログだけではわからないリアルな情報をお届けしますので、ぜひ最後までお付き合いください。
自宅の給湯器は電気?ガス?わからない時の見分け方
「お湯が出なくなったので見に来てほしい」というSOSのお電話をいただいた際、私が必ず最初にお伺いするのが「現在お使いの給湯器はガスですか?それとも電気ですか?」という質問です。しかし、驚くほど多くのお客様が「えっと……どっちだろう?」と戸惑われます。
普段は家の外にある機械をまじまじと見る機会なんてありませんから、わからなくて当然です。現場に到着して確認してみると、「ガスだと思っていたら電気温水器だった」というケースも珍しくありません。給湯器の修理や交換をスムーズに進めるためには、まずご自宅の設備を正しく把握することが第一歩です。ここでは、どなたでも簡単にできる見分け方をご紹介します。
外観と設置場所での見分け方(大きなタンクの有無など)
一番確実で手っ取り早いのは、ご自宅の外周をぐるっと回って、給湯器本体の外観を確認していただくことです。電気給湯器とガス給湯器は、見た目に決定的な違いがあります。
電気給湯器(エコキュートや電気温水器)の最大の特徴は、背の高い大きな貯湯タンクがあることです。まるで大型の冷蔵庫やロッカーのような四角い箱が屋外にドンと置かれていれば、それはほぼ間違いなく電気給湯器です。エコキュートの場合は、このタンクに加えて、エアコンの室外機のような形をした「ヒートポンプユニット」が隣に設置されています。現場でお客様に「あの大きな箱みたいな機械ですよ」とお伝えすると、「ああ、あれか!」とすぐに納得していただけます。
一方、ガス給湯器は非常にコンパクトです。外壁に壁掛けされていたり、地面に据え置きされていたりしますが、サイズはスーツケースの半分程度から、大きくても小型のキャビネットくらいです。また、ガス給湯器の近くには必ずガスメーターやガスボンベ(プロパンガスの場合)が設置されているのも特徴です。もし、外壁に小さな四角い箱がくっついているだけなら、それはガス給湯器と判断して良いなります。
リモコンの表示や本体のメーカー名・型番で確認する方法
「夜暗くて外に出られない」「雨が降っていて見に行きたくない」という場合は、家の中にあるリモコン(台所やお風呂場にある操作パネル)を見るだけでもヒントが得られます。
電気給湯器のリモコンには、特有のボタンや表示があります。例えば、「深夜電力」や「沸き上げ」「タンク湯量」といった、お湯を貯めることに関する表示があれば、それは電気給湯器です。エコキュートの場合、リモコンの液晶画面にタンク内の残り湯量が目盛りで表示されることが多いので、とてもわかりやすいです。私が現場にお伺いした際も、リモコンの「残湯量ゼロ」の表示を見て「ああ、お湯を使い切ってしまったんですね」と原因がすぐに判明することがよくあります。
また、リモコンの隅や、屋外の給湯器本体の正面に貼られている銘板(シール)には、メーカー名や型番が記載されています。電気給湯器なら「パナソニック」「三菱電機」「日立」「コロナ」「ダイキン」といった家電メーカーの名前が多く見られます。対して、ガス給湯器の場合は「ノーリツ」「リンナイ」「パロマ」「パーパス」などが代表的です。型番をスマートフォンで検索すれば、一発でガスか電気かがわかりますので、修理を依頼する際はこの型番を伝えていただけると、私たち業者は非常に助かります。
【賃貸物件向け】契約内容や管理会社へ確認する際の手順
賃貸アパートやマンションにお住まいの場合、給湯器がどこに設置されているのか自分では見に行けないこともあります。特にマンションでは、玄関横のパイプシャフト(扉付きの配管スペース)の中に隠れていて、外からは見えない構造になっていることが多々あります。勝手に扉を開けて確認するのは少し気が引けますよね。
賃貸物件でガスか電気か迷ったときは、まず毎月の光熱費の請求書や賃貸契約書を確認してみてください。「ガス代」の請求が一切来ていない、あるいは契約書に「オール電化物件」と記載されていれば、電気給湯器が設置されています。
それでもわからない場合や、お湯が出ないなどのトラブルが発生した場合は、ご自身で業者を手配する前に、必ず管理会社や大家さんに連絡してください。賃貸物件の給湯器は建物の付帯設備なので、勝手に修理や交換を行うと後々トラブルになるおそれがあります。現場でも、「管理会社に内緒で呼んじゃったんだけど…」と焦るお客様がいらっしゃいますが、まずは「お湯が出ないので、給湯器の確認と修理をお願いしたい」と管理会社に伝えるのが正解です。彼らは物件の設備台帳を持っているので、すぐにガスか電気かを教えてくれますし、提携している修理業者を手配してくれます。
電気給湯器とガス給湯器の決定的な違いとは?現場から見るメリット・デメリット
「今ガス給湯器を使っているけど、電気に替えた方がいいの?」というご相談は、リフォームの現場で本当によく耳にします。電気給湯器とガス給湯器は、単にエネルギー源が違うだけでなく、お湯を作る仕組みから使い勝手まで全く異なります。
先日も、オール電化への憧れから電気給湯器への交換をご希望されたお客様がいらっしゃいましたが、お話を伺うと「家族が多くて、夜中にも頻繁にお風呂に入る」とのこと。仕組みの違いをご説明した結果、「それなら今のままガスの方が合っているね」とご納得されたことがありました。ここでは、それぞれの違いとメリット・デメリットを客観的に解説します。
仕組みの違い:お湯をどうやって作っているのか
電気給湯器とガス給湯器の最大の違いは、「お湯を貯めておくか、その場で作るか」という点にあります。
電気給湯器(特に主流であるエコキュート)は、電気料金が安い深夜の時間帯を利用して、ヒートポンプという機械で空気の熱を集めてお湯を沸かし、大きなタンクにたっぷり貯めておきます。そして、日中はその貯めておいたお湯を水と混ぜて適温にし、各蛇口へ送るという仕組みです。つまり「貯湯式(ちょとうしき)」です。魔法瓶の大きなお湯のタンクを家に置いているようなイメージですね。
一方、ガス給湯器は「瞬間式(しゅんかんしき)」と呼ばれます。蛇口をひねってお湯を出そうとした瞬間に、給湯器内部のバーナーに火がつき、通過する水を一気に加熱してお湯にします。タンクを持たず、必要な時に必要な分だけお湯を作り出す仕組みです。
この「貯める」か「その場で作る」かの違いが、その後の使い勝手や光熱費に大きく影響してきます。
電気給湯器(エコキュート・電気温水器)のメリットとデメリット
- ランニングコスト(光熱費)が安い
- 火を使わないので火災のリスクが低く安全
- 災害時にタンク内の水を生活用水として使える
電気給湯器、特にエコキュートの最大の魅力は、なんといっても毎月の光熱費を大幅に抑えられることです。深夜の安い電力を使い、さらに空気の熱を利用してお湯を沸かすため、非常に省エネです。また、燃焼を伴わないため、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクがありません。現場でご高齢のお客様とお話しすると、「火を使わないから安心」という声をよく聞きます。さらに、万が一の断水時には、タンク内に貯まっている数十〜数百リットルのお湯(水)を非常用水として取り出せるのは、災害大国の日本において大きな安心材料です。
- 初期費用(本体代・工事費)が高額になりがち
- 設置に広いスペースが必要
- タンク内のお湯を使い切ると「湯切れ」を起こす
一方で、デメリットも無視できません。ガス給湯器に比べて本体価格が高く、基礎工事などが必要になるため、初期費用は高額になります。また、巨大なタンクとヒートポンプユニットを置くための十分なスペースが必要です。そして最も気をつけたいのが「湯切れ」です。急な来客などで想定以上にお湯を使ってしまうと、タンクが空になり、次にお湯が沸くまで水しか出なくなってしまいます。冬場の冷たい水しか出ないお風呂場で震えながらお電話をくださるお客様の対応をするたび、タンク容量選びの重要性を痛感します。
ガス給湯器(エコジョーズなど)のメリットとデメリット
- お湯切れの心配がなく、使いたい時にいくらでも使える
- 本体がコンパクトで設置場所を選ばない
- 初期費用が電気給湯器に比べて安い
ガス給湯器の強みは、なんといっても「お湯切れがない」という圧倒的な安心感です。大家族で立て続けにお風呂に入っても、シャワーを出しっぱなしにしても、ガスが供給されている限りお湯は出続けます。また、非常にコンパクトなので、狭い路地やマンションのベランダなど、限られたスペースにも設置可能です。交換にかかる初期費用もエコキュートの半額以下で済むことが多く、手軽に導入できるのが魅力です。
- プロパンガスの場合は特にランニングコストが高くなりやすい
- 災害時にガスの復旧に時間がかかることがある
- 排気ガスが出るため、設置場所の周囲に配慮が必要
デメリットとしては、ランニングコストの高さが挙げられます。特にプロパンガス(LPガス)をご利用のご家庭では、冬場のガス代の請求書を見てため息をつく方も多いのではないでしょうか。また、大きな地震などの災害時、電気や水道に比べて都市ガスの復旧は最も遅くなる傾向があります。現場でも、「前の地震の時にガスがなかなか復旧しなくてお風呂に入れず苦労したから、今回はエコキュートにしたい」というお声をいただくことがあります。
気になる電気代とガス代を徹底比較!結局どちらがお得?
給湯器の選び方で一番気になるのは、やはり「お金」のことですよね。「電気とガス、結局どっちが安いの?」というご質問は、現場で100回以上は受けてきました。
結論から言うと、「毎月の光熱費(ランニングコスト)は電気給湯器(エコキュート)の圧勝ですが、初期費用を含めたトータルコストはライフスタイルによって変わる」というのがプロとしての見解です。ここでは、具体的な相場を交えながら、電気代とガス代の違いを紐解いていきましょう。
※以下で紹介する金額はあくまで一般的な目安です。お住まいの地域、電力・ガス会社のプラン、季節によって変動しますので、正確な情報は各ご契約の会社へご確認ください。
電気給湯器の電気代相場(エコキュート vs 電気温水器)
電気給湯器と一口に言っても、「エコキュート」と昔ながらの「電気温水器」では、電気代に天と地ほどの差があります。現場で「電気代が高くて困っている」というお宅に伺うと、大半が古い電気温水器をお使いです。
電気温水器は、タンクの中にある巨大な電熱ヒーターで直接お湯を沸かします。電気ポットを巨大化したようなものです。そのため電気を大量に消費し、4人家族の目安で月々約5,000円〜8,000円(年間6万〜10万円弱)の電気代がかかります。
一方、現在の主流であるエコキュートは、空気の熱を利用して少ない電力で効率よくお湯を沸かします。そのため、同じ4人家族でも月々約2,000円〜3,500円(年間2.5万〜4万円程度)に収まることがほとんどです。電気温水器からエコキュートに交換したお客様から、「翌月の電気代を見て、安すぎてメーターが壊れたのかと驚いたよ!」と笑いながらご報告いただいたこともあります。それくらい、エコキュートの省エネ性能は優秀なのです。
ガス給湯器のガス代相場(都市ガス vs プロパンガス)
ガス給湯器のランニングコストは、お住まいの地域で「都市ガス」が通っているか、「プロパンガス(LPガス)」しか使えないかによって大きく変わります。
都市ガスは公共料金として価格が比較的安定しており、4人家族の給湯にかかるガス代の目安は月々約4,000円〜6,000円(年間5万〜7万円程度)です。省エネタイプの「エコジョーズ」を選べば、さらに10〜15%ほどガス代を節約できます。
しかし、プロパンガスの場合は注意が必要です。プロパンガスは自由価格制のため、ガス会社によって料金がバラバラですが、一般的に都市ガスの1.5倍〜2倍の料金設定になっていることが多いです。4人家族の給湯にかかるガス代は、月々約7,000円〜12,000円(年間8万〜14万円以上)になることも珍しくありません。冬場にプロパンガスでお湯をたっぷり使うと、請求額に驚愕することになります。
ライフスタイル別・コストを抑えるおすすめの選び方
では、どのように選べば最もコストを抑えられるのでしょうか。現場の経験から、以下の基準をおすすめしています。
- 現在プロパンガスを使っていて、ガス代の高さに悩んでいる
- オール電化住宅に住んでいる、または太陽光発電を設置している
- 家族の人数が多く、毎日お風呂にお湯を張る
- 初期費用がかかっても、毎月の支払いを安くしたい
特にプロパンガスエリアにお住まいの方は、初期費用をかけてでもエコキュートに交換した方が、数年で元が取れてしまうケースが非常に多いです。
- 都市ガスエリアにお住まい
- 家族の人数が少ない(1〜2人暮らし)、またはシャワーで済ますことが多い
- 初期費用をできるだけ安く抑えたい
- お湯切れを気にせず、いつでも好きなだけお湯を使いたい
都市ガスが使える環境であれば、ガス給湯器(エコジョーズ)は非常にバランスの良い選択です。初期費用が安く、ランニングコストもそこまで跳ね上がらないため、トータルコストで見るとエコキュートと同等か、それより安く済むこともあります。
費用は機種・設置状況で変わります
正確な料金は現地確認が確実です。無料見積もり・ご相談を24時間受付中。まずはお気軽にお問い合わせください。
通話料無料/24時間365日受付
電気給湯器の選び方!失敗しないための4つのポイント
「電気代が安いからエコキュートにしよう!」と決めたとしても、適当にカタログの表紙にあるものを選んでしまうと、後悔することになります。電気給湯器の選び方には、ガス給湯器にはない特有の注意点があるからです。
過去に、「ネットで一番安かったから」という理由で容量の小さいエコキュートを他社で設置し、毎日お湯切れを起こして大クレームになったというお話を別のお客様から聞いたことがあります。そんな失敗をしないために、プロが現場で必ず確認する4つのポイントを解説します。
ポイント1:家族の人数に合わせた「タンク容量」の選び方
電気給湯器の選び方で最も重要なのが「タンク容量」の選定です。電気給湯器は夜間にお湯を貯めるため、1日に使えるお湯の量に上限があります。
一般的な目安は以下の通りです。
- 300L(〜320L)クラス: 2〜3人家族向け。シャワーメインや、あまりお湯を使わないご家庭。
- 370Lクラス: 3〜4人家族向け。最も標準的でよく売れるサイズです。
- 460Lクラス: 4〜5人家族向け。お子様が大きくて朝晩シャワーを浴びるなど、お湯をたくさん使うご家庭。
- 550Lクラス: 5〜7人家族向け。二世帯住宅や、大家族向け。
ここで現場からの強いアドバイスです。「迷ったら、一つ上の容量を選ぶ」ことを強く推奨します。例えば、現在3人家族でも、将来お子様が成長して部活帰りにシャワーを浴びるようになったり、冬場に長風呂をするようになったりすると、370Lでは足りなくなることがあります。お湯切れを起こして昼間に高い電気代でお湯を沸かし直しては、せっかくの省エネが台無しです。「大は小を兼ねる」の精神で、少し余裕を持った容量を選ぶのが正解です。
ポイント2:設置スペースの確認(角型・薄型など)
タンク容量が決まったら、次は「それが家に置けるかどうか」です。エコキュートの貯湯タンクは想像以上に大きいです。現場に搬入する際、通路が狭くてスタッフ数人で冷や汗をかきながらギリギリで運び込んだ経験は数え切れません。
一般的なエコキュートは「角型」と呼ばれる正方形に近い形をしていますが、隣の家との境界や通路など、狭いスペースにしか置けない場合は「薄型」を選ぶ必要があります。薄型は奥行きが45cm程度とスリムなため、狭小地でも設置しやすいのが特徴です。
ただし、薄型は角型に比べて製造コストがかかるため本体価格がやや高く、また保温効率の面で角型にほんの少し劣ることがあります。まずは角型が置けるスペース(およそ幅70cm×奥行き80cm程度)があるかを確認し、無理そうなら薄型を検討しましょう。搬入経路(玄関横から裏庭に回れるかなど)の確認も必須ですので、業者による事前の現地調査は必ず受けてください。
ポイント3:給湯タイプ(フルオート・オート・給湯専用)の違い
給湯器の機能(どこまで自動でやってくれるか)も、毎日の快適さを左右する重要なポイントです。大きく分けて3つのタイプがあります。
- フルオートタイプ: ボタン一つで「お湯張り」「保温」「追いだき」「足し湯」まで全て自動で行ってくれる最上位機種。現在の主流であり、各メーカーも一番力を入れています。配管の自動洗浄機能などがついているのもこのタイプです。
- オート(エコオート)タイプ: 「お湯張り」までは自動で行いますが、「追いだき」や「足し湯」は手動で行うタイプ。少し価格を抑えたい方に向いていますが、最近はフルオートとの価格差が縮まっており、選ぶ方は減っています。
- 給湯専用タイプ: 蛇口をひねってお湯を出すだけのシンプルな機能。お風呂にお湯を張る時は、自分で蛇口を止める必要があります。単身用の賃貸アパートなどに多く見られます。
特別な理由がない限り、利便性の高い「フルオートタイプ」を選ぶのが圧倒的におすすめです。現場でも、新しく設置するエコキュートの9割以上はフルオートタイプです。冬場に冷めたお湯を自動で温め直してくれる機能は、一度使うと手放せません。
ポイント4:寒冷地や塩害地など住環境への対応
最後に、お住まいの地域の環境に合わせた「特別仕様」の確認です。これを怠ると、給湯器が数年で故障してしまう原因になります。
例えば、冬場に外気温がマイナス10度を下回るような地域(北海道や東北、甲信越などの一部)では、標準仕様のエコキュートでは配管が凍結したり、ヒートポンプが正常に作動しなくなったりします。そのため、必ず「寒冷地仕様」を選ぶ必要があります。
また、海から近い地域(海岸から約300m〜1km以内)にお住まいの場合は、潮風によって金属部品が錆びてしまうため、サビ止めコーティングが施された「塩害地仕様」や「重塩害地仕様」が必要です。地下水や井戸水をご使用のご家庭も、水質によって配管が詰まる恐れがあるため、各メーカーが用意している「井戸水対応モデル」を選ぶ必要があります。
「うちは海から少し離れてるから大丈夫だろう」と自己判断せず、地元の環境をよく知る専門業者に相談して適切な仕様を選んでもらうことが、給湯器を長持ちさせる秘訣です。
あわせて読みたい記事:
エコキュート交換の費用相場は?補助金や工事費を解説
電気給湯器の交換にかかる費用相場と工事の注意点
給湯器の選び方がわかったところで、最後に立ちはだかる壁が「費用」です。電気給湯器(エコキュート)の導入は、決して安い買い物ではありません。「見積もりをとったら想像以上に高くて驚いた」というお客様の声を現場でよく耳にします。
ここでは、費用で後悔しないために、プロの視点から料金の内訳や相場、そして安く抑えるためのコツを赤裸々に解説します。
①料金の内訳と一般的な相場レンジ
エコキュートの交換にかかる費用は、大きく分けて「本体代金」「標準工事費」「追加工事費(必要な場合のみ)」の3つで構成されています。
| 費用の内訳 | 内容 | 一般的な相場目安 |
|---|---|---|
| 本体代金+リモコン・脚部カバー | エコキュート本体(タンク+ヒートポンプ)、操作用リモコン、配管を隠すカバーのセット | 約25万円〜45万円 |
| 標準工事費 | 既存給湯器の撤去・処分、新しい給湯器の設置、給水・給湯・追いだき配管接続、電気配線工事 | 約10万円〜15万円 |
| 追加工事費 | 基礎コンクリートの打ち直し、特殊な搬入(クレーン使用など)、分電盤の交換など | 数万円〜10万円程度(※環境による) |
これらを合計すると、エコキュートから新しいエコキュートへの交換(同等クラス)の場合、総額で約35万円〜55万円程度が一般的な相場レンジとなります。
もし、ガス給湯器から初めてエコキュートに交換する場合は、専用の基礎工事や200Vの電気配線工事が新たに必要になるため、総額で45万円〜65万円程度かかることが多いです。
※数値はあくまで一般的な目安です。業者や選ぶグレードによって大きく変動しますので、最終的な判断は複数業者から相見積もりを取ってご相談ください。
②時期・繁忙期による変動と設置環境による差
給湯器の価格や工事費は、一年中同じというわけではありません。実は、給湯器業界には明確な「繁忙期」が存在します。それは「冬場(11月〜2月)」です。
水温が下がる冬場は、お湯を沸かすために給湯器がフル稼働するため、古い給湯器が一斉に悲鳴を上げて壊れ始めます。この時期は修理や交換の依頼が殺到し、メーカーの在庫も品薄になります。現場の作業員も休みなしで駆け回る状態になるため、工事費の値引きが難しくなったり、希望の機種が数ヶ月待ちになったりすることがあります。先日も、「お湯が出ないのに交換は1ヶ月後と言われた」と途方に暮れるお客様がいらっしゃいました。
逆に、春から夏にかけての閑散期は、業者のスケジュールに余裕があり、キャンペーンなどで本体価格が安くなる傾向があります。給湯器から異音がするなどの寿命のサイン(設置から10年経過など)が出ている場合は、完全に壊れてしまう前の「暖かい時期」に交換を検討するのが、費用を抑える賢い方法です。
また、設置環境によっても費用は変動します。例えば、タンクを設置する場所が土で、基礎コンクリートを一から打たなければならない場合や、家とブロック塀の隙間が狭すぎて、レッカー車を使ってタンクを吊り上げて搬入しなければならない場合などは、数万円の追加費用が発生します。だからこそ、ネット上の「最安値」だけを信じず、必ず現場調査をしてもらうことが重要です。
③補助金制度を活用して費用を抑えるコツ
高額なエコキュートの初期費用を少しでも安く抑えるために、絶対に知っておいていただきたいのが「国や自治体の補助金制度」です。
エコキュートは省エネ性能が非常に高いため、国が推進するカーボンニュートラル(脱炭素)政策の対象となっており、手厚い補助金が出ることがあります。例えば、経済産業省が主導する「給湯省エネ事業」などの補助金制度を活用すれば、条件を満たす高効率エコキュートを設置することで、数万円〜十数万円の補助金が還元されることがあります。(※制度の有無や金額は年度によって異なります)
これに加えて、お住まいの市区町村が独自にエコキュート設置の助成金を出しているケースもあります。現場でお見積もりをお出しする際、「実は補助金が使えるので、実質この金額になりますよ」とお伝えすると、お客様の顔がパッと明るくなるのを何度も見てきました。
ただし、補助金は「予算上限に達し次第終了」となることが多く、また「登録された指定業者で工事を行うこと」などの条件があります。DIYでの設置などは対象外となるばかりか、水漏れや感電の危険があるため絶対におやめください。無理をせず、補助金申請の代行までしっかりサポートしてくれる信頼できる専門業者へ依頼することが、最も安全で確実な費用対策です。
あわせて読みたい記事:
給湯器交換の最適タイミングは?専門家が教える5つのサイン
まとめ:電気給湯器の選び方やガスとの違いを理解して最適な選択を
今回は、給湯器修理の現場で培った経験をもとに、電気給湯器の選び方やガス給湯器との違い、そして気になる電気代や交換費用の相場について徹底的に解説してきました。
改めて、この記事の重要なポイントをまとめます。
- 自宅の給湯器の見分け方は、屋外の大きなタンクの有無やリモコンの表示、型番で確認できる
- 電気給湯器(エコキュート)は光熱費が安く安全だが、初期費用が高く設置スペースが必要
- ガス給湯器はお湯切れがなく初期費用が安いが、プロパンガスの場合はランニングコストが高くなりがち
- 電気給湯器の選び方では、家族の人数に対して「少し大きめのタンク容量」を選ぶのが失敗しないコツ
- 交換費用は35万〜55万円程度が相場だが、補助金を活用したり閑散期を狙うことで賢く抑えられる
給湯器は、毎日のお風呂や洗い物など、私たちの生活の「快適さ」を根底で支えている大切な設備です。電気給湯器とガス給湯器、どちらが優れているというわけではなく、ご家庭のライフスタイルや住環境に合っているかどうかが最も重要です。
「うちの場合はどっちがいいんだろう?」「この見積もりは適正なのかな?」と迷われた時は、一人で悩まず、ぜひ信頼できる専門業者にご相談ください。私たちプロは、お客様の生活がより快適になるよう、現場の知識と経験をフル活用して最適な一台をご提案します。
この記事が、あなたの給湯器選びの不安を少しでも解消し、快適なお湯ライフを手に入れるための参考になれば幸いです。
▶ まず読みたい:給湯器の交換はどこに頼む?費用や寿命、補助金まで解説
株式会社生活水道センター 本部長
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405
株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。
▶ さらに詳しく: 給湯器業者の選び方で失敗しない!プロが教える悪質業者の見極め










