給湯器 ノーリツとリンナイの違い 価格寿命サポート早わかり

ノーリツとリンナイは家庭用ガス給湯器の代表的メーカーです。本稿では両社の違いと共通点を中立に整理し、価格や寿命、サポート体制、設置や機能選びの実務的な観点をまとめます。特定モデルを断定的に優劣づけるのではなく、使用条件と施工品質が体感差を大きく左右する前提で解説します。

  • ノーリツとリンナイの機能と性能の違い
  • 価格相場とランニングコストの考え方
  • 号数や設置方式など適合確認の要点
  • 交換の流れとサポート体制のチェック

給湯器のノーリツとリンナイ比較

この件に関する総合的な情報は、で詳しく解説しています。

性能と湯温安定性の違い

性能と湯温安定性の違い

ノーリツとリンナイはいずれも瞬間式ガス給湯器で、通水量と目標温度に応じて燃焼量(ガスと空気の比率)をインバータ制御し、熱交換器で湯を作ります。体感の安定性に直結するのは、機器そのものの制御アルゴリズムだけでなく、最低出湯量(機器が連続燃焼を維持できる最小流量)、給水圧、配管径・配管抵抗、混合栓の構造、節水シャワーの絞り具合など現場条件の影響が大きい点です。たとえば節水シャワーで流量が落ちると、最低出湯量を下回って着火と消火を繰り返し、温度がふらつくことがあります。両社のエコジョーズ(潜熱回収)モデルは、低負荷域でも比較的滑らかな制御が得られやすい一方で、凝縮水(ドレン)の排水経路確保が必須です。ふろ機能では「学習制御」により浴槽の放熱・使用パターンに合わせて保温やたし湯の頻度を最適化します。総じて、同クラス・同号数での純粋な機器差は限定的で、適切な号数選定と設定温度・吐水量のチューニングが安定性の鍵となります。設置後は、給水圧の確認、リモコンでの湯温固定(例:シャワーは40℃固定で混合栓側を全開に近づける)など運用面の見直しでも改善が見込めます。なお、寒冷期は給水温度が下がるため、同じ吐水温度でも必要熱量が増え、余裕の少ない号数では温度追従が鈍ることがあります。この場合、シャワーヘッドの流量を一段落とすか、上位号数への更新を検討すると安定に寄与します。

観点 ノーリツ リンナイ 補足
微少流量の着火 機種により低流量に追従 機種により安定着火を重視 最低出湯量と水圧が鍵
同時給湯の余裕 24号以上で余裕を確保 24号以上で安定しやすい まず号数設計が最重要
ふろ自動の制御 学習制御でたし湯最適化 復帰速度や追いだきを調整 フルオートで差が出やすい

メモ:湯温が不安定な場合、先に混合栓や節水シャワーの特性、配管抵抗、設定温度の見直しを行うと改善することがあります。

静音性と使用感の比較

静音性と使用感の比較

運転音の主因は送風機(ファン)と燃焼音、次いで配管・筐体の振動伝達です。カタログの騒音値は両社とも同程度の帯域に収まり、実使用での体感差は設置環境によるところが大きいのが実情です。具体的には、屋外壁掛けで反射面(塀・壁)が近い、マンションのPS扉内で共鳴しやすい、躯体に振動が伝わりやすい固定方法になっている、といった条件で「音が大きい」と感じやすくなります。浴室側では循環ポンプ作動音や配管内の流体音が耳に届くケースがあり、保温運転中の断続的な動作を「音の増加」と捉えることもあります。近年モデルは、燃焼負荷をきめ細かく制御して不要な高回転を避ける、筐体補剛や制振材の最適化、ポンプの駆動制御改善などで低騒音化が進んでいます。実務上の改善策としては、①設置場所の見直し(反射面との離隔や向き)、②据付金具の固定強度と防振スペーサーの活用、③PS内の排気経路や扉の通気改善、④浴室側の配管固定の緩み補正、⑤保温材の補修・追加などが有効です。なお、夜間の運転音配慮が必要な集合住宅では、ふろ自動のタイマー時刻や保温設定(自動保温の強さ)を最適化することで、感じる頻度を抑えられる場合があります。静音性はカタログ値だけで判断せず、設置条件と運用設定の両輪で考えることが重要です。

価格相場と本体代の目安

価格相場と本体代の目安

費用は「本体」「リモコンセット」「標準工事費」「追加部材・追加工事」の4要素で構成されます。本体は給湯専用 < ふろ給湯(オート/フルオート) < 給湯暖房機の順に高額になり、さらに同じ機能でもエコジョーズは従来型より高くなるのが一般的です。リモコンは台所・浴室のセットが標準で、インターホン機能や大型表示・音声案内の有無で価格差が出ます。工事費は「同等機種の入替」「既存配管・配線の流用」「排気方式の変更なし」が最も安定し、配管位置変更、PS金具の交換、電源新設、ドレン排水新設(エコジョーズ必須)などがあると加算されます。追加部材では、配管カバー、据置台、排気カバー、凍結対策部材、暖房配管用の化粧カバーなどが代表例です。相場は販売経路と在庫に大きく左右され、同クラス・同等条件ならメーカー差よりも販売条件(キャンペーン、在庫放出、工期の混雑度)の影響が強く表れます。見積り段階では、①本体型式とガス種(13A/LP)、②リモコン型式、③工事範囲(撤去・処分含む)、④追加部材の品名と数量、⑤ドレン排水の施工方法、⑥保証条件(年数・窓口)を型番ベースで明記してもらい、複数社で同条件比較を行うと透明性が上がります。省エネによるランニングコスト差まで踏まえて総額で判断するのが、過不足のない選定につながります。参考として、家庭の省エネ全般の考え方は資源エネルギー庁の情報が整理されています(資源エネルギー庁 家庭の省エネ)。

年間ランニングコスト比較

年間ランニングコスト比較

ランニングコストは「機器効率 × 使用量 × エネルギー単価」の掛け算で決まります。両社とも高効率なエコジョーズ(潜熱回収)を主力に据えており、理論上は従来型よりガス消費が抑えられますが、実益は世帯人数や入浴頻度、設定温度、給水温度(季節差)に大きく左右されます。たとえば4人家族で毎日ふろ自動+シャワーを同時利用するケースでは、給湯量が多く潜熱回収が効きやすいため、年間のガス使用量差が体感しやすい一方、単身でシャワー短時間中心の場合は効果が小さく見えることがあります。また、設定温度を高めにして混合栓側で絞る運用は、最低出湯量付近の断続燃焼を招きやすく、結果として効率が下がる場合があります。省エネを重視するなら、①必要十分な号数を選び過大能力を避ける、②シャワーヘッドの流量特性(極端な節水は温度変動の原因)を見直す、③給湯温度は用途別に最適化し混合栓での絞りすぎを減らす、④ふろ自動の保温時間を生活パターンに合わせて短縮する――といった運用最適化が有効です。さらに、断熱浴槽や保温フタ、断熱配管の補修は「一次投資は小さく、効果が長く続く」対策として費用対効果が高い傾向です。ガス単価は地域・契約で異なるため、過去1年分の検針票から月別の使用量と単価を拾い、現状の給湯負荷(風呂の頻度、同時使用の有無)を仮定して試算すると、機種変更で得られる削減規模が把握できます。なお、電気を併用する温水暖房(床暖房・浴室暖房乾燥)や追い焚きの頻度が高い家庭では、給湯専用機よりも「給湯暖房機」の運用比率がコストに与える影響が大きくなります。エネルギー価格の変動リスクを踏まえ、短期の料金差よりも5〜10年の総費用で比較する視点が実務的です。

保証とサポート体制の差

保証とサポート体制の差

保証は一般に「メーカー保証(本体1年が基本、条件により2〜3年)」+「販売店や外部の延長保証(5・7・10年など)」の二層構造です。重要なのは、どの範囲が対象か(熱交換器・基板・リモコン・出張費・作業費)と、故障時の窓口が誰か(メーカー直・販売店・保証会社)を契約前に明文化しておくことです。両社とも全国にサービス拠点を展開していますが、実際の到着時間は地域の人員配置や繁忙期(冬季)で変動します。施工店が一次対応できる体制か、初期不良時の交換や仮設機の用意があるかも満足度を分けるポイントです。延長保証は「修理上限金額」「回数制限」「自然故障限定/消耗品除外」など細則の差が大きく、価格だけでなく条件の読み込みが不可欠です。メンテナンス面では、ふろ配管の洗浄、フィルター清掃、ドレン排水の詰まり点検(エコジョーズ)、凍結予防の通電・通水など、ユーザー側で実施できる保守が多く、これらの継続が故障率と体感性能の両方を左右します。万一のトラブルに備えて、①購入書類(型式・製造番号・設置日)、②保証書と延長保証の約款、③施工写真(配管経路・ドレン処理・排気部材)を保管し、④リモコンのエラーコード表示の見方を家族で共有しておくと、連絡から復旧までの時間が短縮できます。安全面の留意としては、排気異常やガス臭に関するアラートを軽視せず、自己修理を避けて速やかに専門窓口へ連絡する体制づくりが重要です(安全全般の基礎情報はNITE が参考になります)。

寿命の目安と交換時期

寿命の目安と交換時期

ガス給湯器の設計上の耐用はおおむね10年前後が目安とされますが、これは絶対ではなく、使用環境(沿岸部の塩害、寒冷地の凍結ストレス、粉塵の多い場所)、給水水質(スケール付着)、保守状況により短くも長くもなり得ます。寿命接近のサインとしては、①着火が遅い・失火が増える、②湯温のふらつきやぬるさ、③エラーコードの頻発、④異音・異臭、⑤ドレン排水の漏れ・詰まり(エコジョーズ)が代表的です。修理か交換かの判断は、故障部位と見積額、部品供給期間(生産終了後も一定年数で終了)で決まります。熱交換器や基板の高額修理が必要、あるいは部品供給終了間際なら、突発停止のリスクと工事待ちの不便を避けるため計画交換が合理的です。交換の適期は、①繁忙期前の秋、②家族構成やライフスタイルが変わるタイミング(同時給湯が増える等)、③リフォームや給排水工事と同時――のいずれかに合わせると、費用・工期の両面で有利になりやすいです。更新時は、現状の不満(湯温変動、同時使用の不足、騒音、光熱費)を棚卸しし、号数や機能グレード、設置方式、ドレン処理を含めて最適化すると、単なる「壊れたから同等交換」より満足度が上がります。なお、長寿命化には、年1回程度の点検(吸排気経路・ドレン・フィルター)、凍結が見込まれる夜間の通電・通水、直射日光・降雪からの保護、浴槽配管の定期洗浄など、日常の小さな手当てが有効です。エラー表示が出た場合は写真を残し、復電・復帰操作の可否を取扱説明書に沿って確認したうえで、無理をせず専門窓口へ連絡しましょう。

給湯器のノーリツとリンナイ選び

号数の選び方16号20号24号

号数の選び方16号20号24号

号数は「1分間に何リットルのお湯を、設定温度差で安定供給できるか」を示す実用指標で、体感の快適性に直結します。一般的な目安として16号は単身〜2人で同時使用が少ないケース、20号は2〜3人でシャワー+台所の同時使用がときどき発生するケース、24号は家族世帯で同時給湯が常態化し浴槽の自動湯はりを重視するケースに適します。重要なのは「水温差(ΔT)」と「季節」です。冬は給水温度が10℃程度まで下がる地域もあり、同じ42℃設定でも必要な加熱量が増えるため、余裕のない号数だとシャワー圧や湯温の安定性が損なわれます。階数・配管長・配管径も加味しましょう。高層階や細径配管、長い配管経路では圧力損失が大きく、実効流量が下がります。こうした住環境ではワンランク上の号数を選ぶと、同時使用時の落ち込みを緩和できます。また、節水シャワーの選定にも注意が必要です。極端に流量を絞るタイプは最低出湯量を下回って着火・消火を繰り返し、温度のフラつきやすさにつながることがあります。家族構成の変化も織り込むべきポイントです。子どもの成長や在宅勤務の増加で日中の使用が増えるなら、導入時に24号へアップしておくと余裕が生まれます。逆に浴槽をあまり使わない・シャワー単独中心なら20号でも十分な場面は多く、初期費用とランニングのバランスが取りやすくなります。選定手順は①現状の不満(同時使用時のぬるさ、湯はり時間、圧の低下)を具体化、②冬期の最大使用シーンを想定、③将来の家族構成や入浴習慣の見込みを反映、④階数・配管条件・地域水温を加味――の順で条件整理を行い、候補号数を比較します。最終判断では、ふろ自動の有無(ふろ回路があると給湯と暖房で負荷が重なる)や温水暖房の併設予定も加味し、余裕を持たせつつ過大能力は避けるのがコツです。

追い焚き機能とフルオート

追い焚き機能とフルオート

ふろ機能は「給湯専用」「オート」「フルオート」の3階層で理解すると整理が容易です。給湯専用は蛇口側で浴槽へ給湯する最小構成で、浴槽温度の維持や自動湯はりは行いません。オートは自動湯はり・自動保温・追い焚きに対応し、設定湯量・湯温で浴槽を管理できます。フルオートはオート機能に加え、入浴による温度・水位低下を検知して自動たし湯まで行うため、家族の入浴タイミングが分散しても快適を保ちやすいのが利点です。実務的な比較ポイントは①循環金具・追い焚き配管の有無と清掃性、②浴槽の断熱性能、③入浴スケジュールのバラつき、④安全機能(やけど防止・凍結予防)です。フルオートは利便性が高い反面、たし湯を積極的に行うため水道・ガス消費がやや増える傾向があり、浴槽断熱や保温フタの品質が効いてきます。高断熱浴槽+短時間入浴が中心なら、オートでも満足度は高く、初期費用を抑えられます。清掃面では、循環金具のフィルター清掃や配管洗浄を定期化することで臭い・ぬめり・熱効率低下を防げます。高齢者や子どもがいる家庭では、音声案内や見やすい表示、湯はり時の自動停止精度、ブザー音量の調整など、リモコン側のユーザビリティが実際の満足度を左右します。さらに、ふろ自動の「保温モード」や「予約運転」の使い方でランニングコストは大きく変動します。保温時間を生活パターンに合わせて短縮し、入浴直前に急速昇温させる運用に切り替えるだけでも、無駄な循環・加熱を減らせます。まとめると、分散入浴・見守りが必要・快適優先ならフルオート、シンプル運用・省エネ優先ならオート(または給湯専用+高断熱浴槽)という棲み分けが基本軸になります。

設置方式と排気の確認

設置方式と排気の確認

設置方式は屋外壁掛け、屋外据置、PS(パイプスペース)扉内、屋内(FF・FE)など多様で、建物条件と安全基準に適合させることが最優先です。屋外壁掛けは施工性とメンテ性に優れますが、隣地境界や窓、吸気口との離隔、反射面との位置関係を守らないと、排気の再吸込みや騒音・熱影響の原因になります。PS扉内は共用部規約と防火・排気基準の制約が強く、枠金具・排気カバー・延長ダクトの構成まで型式適合を取る必要があります。屋内設置の場合はFF(強制給排気)やFE(強制給気・自然排気)の方式選定が鍵で、排気ガスが屋内へ漏れないルート設計と気密が必須です。エコジョーズ機では凝縮水(ドレン)処理が新たな検討項目になります。凍結リスクを回避しつつ、雨水や排水設備に適切に合流させ、他設備へ逆流・臭気が起きないよう勾配・トラップを確保します。外観面は配管カバーやベントキャップの選定で美観を維持し、将来の点検口やドレン清掃のアクセスも確保しましょう。さらに、沿岸部・積雪地域・強風地域・高所など環境要因に応じて、耐候性の高い部材、雪害・落氷対策、転倒防止金具、防風スクリーン、凍結防止ヒーターの追加が必要になる場合があります。施工の良し悪しは体感性能にも直結します。排気ショートの防止、振動伝達を抑える固定、配管保温の徹底、配線・アースの適正化、試運転での燃焼・漏れ・ドレンの総合確認――これらの品質管理ができる施工店を選ぶことが、メーカー差以上に満足度を左右する現実的な決め手です。見積り時は「設置方式・排気方式・ドレン処理・離隔条件・付帯部材」を図面や写真付きで明記してもらうと、工事後の齟齬を防げます。

注意:PS扉内は排気の短絡や可燃物との離隔不足が事故につながります。自己判断での機種変更は避け、資格保有者の現地確認を前提にしましょう。

都市ガスとプロパンの違い

都市ガスとプロパンの違い

ガス種は大きく都市ガス(13A)とプロパンガス(LP)に分かれ、同じ給湯器でも仕様が別モデルとなります。最大の違いは燃料の成分・発熱量・供給方式です。都市ガスは主にメタン系で空気より軽く、地域のガス導管から定圧で供給されます。一方、LPガスはプロパン・ブタンが中心で空気より重く、ボンベ(容器)から蒸発・調整器を経て供給されます。この違いは燃焼設計やノズル口径、ガス弁の制御に直結するため、ガス種の異なる機器をそのまま流用することはできません。引越しやガス会社の切替でガス種が変わる可能性がある場合は、同シリーズで都市ガス版・LP版の両方が流通しているか、将来の機種互換性を見据えて選定しておくと安心です。見積りでは、機器の型式末尾に含まれるガス種表記(例:-13A、-LPG等)と、既存機の銘板表示を照合し、施工店に「ガス種・圧力の現地確認」を依頼しましょう。なお、LPは寒冷地やボンベ設置位置により蒸発不足のリスクがあるため、ボンベ容量・並列数・レギュレーターの性能をガス事業者側で適正化してもらう必要があります。都市ガスでも、地域や時間帯によって供給圧がばらつく場合があり、シャワー圧や同時給湯に影響することがあります。機器側は一定範囲の変動に追従しますが、配管径や長さ、バルブの絞り具合で実効流量は変化します。給湯器の更新を機に、メーターから機器までの配管状態や閉塞、止水栓の不具合を点検すると、体感の改善と安全性の向上につながります。ガス種変更を伴う場合は、配管内の残留ガス抜き、リークチェック、燃焼調整、CO・CO₂排気測定を試運転で記録してもらい、施工報告として保管しておくと後日のトラブル対応がスムーズです。

マンションPS設置の注意

マンションPS設置の注意

マンションのPS(パイプスペース)扉内設置は、戸建て屋外よりも制約が多く、管理規約・防火区画・排気経路・騒音・保守性を総合的に満たす必要があります。まず、既存のPS枠・開口寸法・奥行・扉干渉を採寸し、後継機の筐体寸法・端子位置・配管芯の互換を照合します。機種によっては専用のPS金具・下枠・排気カバー(上方/前方/側方)や延長ダクトが必要で、1つでも欠けると設置不可になることがあります。排気は短絡(吐き出した排気を再吸込み)を避け、扉のルーバーや外気導入との関係を確認します。PS内は音が反響しやすく、夜間の保温運転や追い焚き時に「こもった音」として感じやすいので、防振ワッシャー・固定方法・筐体クリアランスの取り方が実務上の差になります。エコジョーズの場合はドレン排水の経路確保が課題です。床排水が無いPSでは、ドレン中和器の設置、勾配確保、他系統への合流位置とトラップ処理を慎重に設計し、漏れ・臭気・凍結を防ぎます。共用部への影響(漏水時の階下リスク)を考慮し、ホース継手は金属配管・耐熱耐久ホースで確実に固定、点検口から目視できるようにしておくと保守が容易です。電源・アースの引込み、非常停止時の遮断手順、避難経路との干渉も事前にチェックが必要です。見積りでは、「PS専用部材の品名・型番」「排気カバーの形式」「ドレン処理の方式」「保守スペースの確保」「管理組合への事前申請の要否」を明記し、工事後は設置写真と試運転記録(漏れ・燃焼・排気測定・ドレン排水確認)を保管しておくと、保証対応や将来の交換がスムーズになります。

リモコンとスマホ連携

リモコンとスマホ連携

台所・浴室のリモコンは、ふろ自動の操作性、エラーコードの確認、音声案内、タイマー・予約の利便性を左右する重要パーツです。インターホン付きタイプは浴室から台所へ呼び出しができ、見守りや安全面で有効です。表示は大型・高コントラストほど視認性が高く、視力に不安がある家族や浴室の湯気環境でも操作しやすくなります。スマホ連携は、無線リモコンやWi-Fiアダプタを介して外出先から湯はり・追い焚き予約、ガス使用量の確認、見守り通知などを可能にしますが、対応機種と家庭内ネットワーク(2.4GHz帯・電波状況)の要件を満たす必要があります。導入判断のポイントは①家族の入浴時刻が分散しているか、②離れて暮らす家族の見守りが必要か、③停電・通信障害時の運用(手動で使えるか)です。利便性の一方で、常時接続機能は待機電力やセキュリティ管理の負担も伴うため、ルーターのWPA設定、ファームウェア更新、アプリ権限の管理を習慣化しましょう。実務面では、リモコンの型式を機器本体とセットで指定し、配線の断線・誤接続を避けるため既存配線の導通チェックを行います。浴室側は感電・漏電対策として防水パッキンの状態を確認し、取付ベースの歪みやシール切れを放置しないことが肝要です。高齢者や子どもには、音声案内・操作ロック・湯張り時のブザー音量調整が安全面の助けになります。エラー発生時はリモコンのコード表示を写真に残し、電源リセットの可否や取扱説明書の手順で一次切り分けを行うと、サービス手配が迅速になります。スマホ連携機能は便利ですが必須ではありません。屋内の見通し距離が短い住戸やシンプル運用を重視する家庭では、視認性と物理ボタンの押しやすさを優先した方が満足度は高い傾向です。

交換の流れと所要時間

交換の流れと所要時間

給湯器の交換は、①現地調査→②見積り・機種決定→③機器手配→④施工(撤去・設置・接続)→⑤試運転→⑥取扱説明・書類受け渡し、の手順で進みます。現地調査では、設置方式(屋外壁掛け・据置・PS扉内・屋内FF/FE)、排気経路、配管径・配管ルート、電源・アース、ガス種(13A/LP)、凍結リスク、エコジョーズのドレン処理可否、既存リモコン配線の導通などを確認します。見積りは「本体型式(ガス種込み)・リモコン型式・標準工事・追加部材(配管カバー、排気カバー、据置台、PS金具、ドレン部材)・追加工事(配管延長、電源新設、穴あけ、既設処分)・保証条件」を型番ベースで明記してもらい、同条件で複数社比較すると透明性が高まります。機器手配は在庫次第で即日〜数日、繁忙期や型式限定ではさらに延びることがあります。

施工当日は、まず既設機のガス遮断・止水・電源遮断を行い、撤去→新機据付→配管・配線接続→排気部材取付→ドレン配管(エコジョーズ)→気密・漏れ・リークチェック→電装・燃焼調整→湯はり・追い焚き・ふろ自動の動作確認、の順で進行します。標準的な同等交換であれば半日ほど、PS金具交換・排気方式変更・ドレン新設・配管位置変更がある場合は1日を超えることがあります。水・ガス・お湯が使えない時間は工程の中盤〜試運転直前がピークで、生活影響を抑えるには午前開始・家事ピーク時間を避ける計画が有効です。屋外施工では騒音・粉じん・隣地境界への配慮、屋内施工では養生と臭気対策が重要です。完了後は、①試運転記録(燃焼・漏れ・排気・ドレン排水の確認)、②型式・製造番号・設置日、③保証書・延長保証書、④施工写真(配管・排気・ドレン経路・PS内部)、⑤取扱説明と安全上の注意点、⑥旧機の廃棄証憑を受け取り保管します。初期不良や微調整に備え、引渡し後1〜2週間の連絡窓口と対応SLA(到着目安・交換可否)も確認しておくと安心です。なお、同時に断熱フタ・保温チューブ・シャワーヘッドの適正化、浴槽循環金具の清掃・更新を行うと、体感性能と省エネの両面で効果が高い傾向があります。

まとめ 給湯器のノーリツとリンナイ

  • 同等クラス比較では基本性能差は小さく号数選定が体感を左右
  • エコジョーズは本体と工事費が増えるが使用状況次第で燃費向上
  • 静音性の体感差は設置環境と反響条件が影響し最新機種は低騒音
  • 価格は販売条件と在庫による振れが大きくメーカー差は相対的
  • ランニングコストは家族人数設定温度入浴頻度の組合せで決定
  • 保証は基本一年延長五年七年十年が一般的で範囲を事前確認
  • 寿命は十年前後が目安で故障前更新が総コスト抑制に有効
  • 十六号は単身向け二十号は中間二十四号は同時給湯に強い
  • フルオートは自動たし湯まで対応し分散入浴の家庭で有利
  • 設置方式と排気方式とドレン処理の可否を必ず事前確認
  • ガス種の違いは仕様が別で変換や調整の手順を要確認
  • マンションのPSは枠寸法や規約制約が多く適合確認必須
  • リモコンは表示視認性と音声案内の有無が使い勝手を左右
  • 交換手順は調査見積手配施工試運転説明の順で進行
  • 施工品質と現地条件が体感性能と満足度を大きく左右

よくある質問(FAQ)

ノーリツとリンナイ、同じ号数なら性能差はありますか?

同等グレード・同一号数では体感差は小さい傾向です。湯温の安定は最低出湯量や設置環境(配管・水圧・混合栓)に左右されやすく、号数選定と施工品質が満足度を大きく左右します。

価格はどちらが安いですか?

メーカー差よりも販売経路(在庫・キャンペーン・工事条件)の影響が大きいです。同条件の見積書を複数社で比較し、本体・リモコン・工事・追加部材を型番ベースで精査すると透明性が上がります。

寿命は何年くらいですか?

一般に設計上の耐用は10年前後が目安です。沿岸部・寒冷地・粉じん環境・水質などで前後し、エラー頻発や高額修理見積り、部品供給期限接近は交換検討のサインになります。

エコジョーズ(潜熱回収)にすると本当にガス代は下がりますか?

給湯量が多い家庭ほど効果が出やすい設計です。ただしドレン排水(凝縮水)の処理が必須で、工事費が上がる場合があります。使用パターンとガス単価で年間差は変動します。

16号・20号・24号の選び方は?

単身や同時使用なしは16号、2〜3人で同時使用が時々は20号、家族で同時給湯・湯はり重視は24号が目安です。冬期の給水温低下や高層階・長配管はワンランク上を検討します。

都市ガス(13A)とLPガス、機器は共用できますか?

できません。燃焼設計が異なるためガス種専用品です。見積時に既存機の銘板と新機の型式末尾(13A/LPG)を必ず照合してください。

マンションのPS(パイプスペース)でも交換できますか?

できますが、枠寸法・排気方式・専用金具・ドレン処理など制約が多いです。管理規約と現地採寸を前提に、PS対応型式と付属部材の適合確認が必要です。

フルオートとオートの違いは?

オートは自動湯はり・保温・追い焚きに対応、フルオートは入浴で下がった水位・温度を検知して自動たし湯まで行います。分散入浴が多い家庭はフルオートの利便性が高いです。

静音性はどちらが優れていますか?

カタログ帯域は近く、体感差は設置環境(反響・PS内のこもり・固定方法)起因が中心です。防振スペーサーや設置向き、配管固定の見直しで改善するケースが多いです。

エラーが出たときの対処は?

まずリモコンのエラーコードを控え、取扱説明書の手順に沿って一次確認(復電・フィルター清掃等)を実施します。ガス臭・排気異常・漏水を伴う場合は使用を中止し、速やかに専門窓口へ連絡してください。

延長保証は付けたほうが良いですか?

使用頻度が高い・長期使用前提なら有効です。対象範囲(基板・熱交換器・リモコン)や上限金額、出張費・作業費の扱い、窓口(販売店/保証会社)を事前に文面で確認しましょう。

交換工事の所要時間と生活影響は?

同等機種の入替で半日程度が目安です。配管位置変更・PS金具交換・ドレン新設があると延びます。水・ガス・お湯が使えない時間帯を確認し、家事ピークを避けた日程が無難です。

給湯専用からふろ給湯(オート/フルオート)へ変更できますか?

可能ですが、追い焚き配管・循環金具の新設や浴槽側の加工が必要です。構造上の制約やコスト増が見込まれるため、現地調査のうえで可否判断となります。

ドレン排水はどこに流せばよいですか?

エコジョーズのドレンは勾配を確保しつつ排水系へ適切に接続します。屋外直放流は避け、中和器やトラップ処理、凍結対策を含めた施工計画が必要です。

シャワーがぬるくなりやすいのは機器のせいですか?

機器要因だけでなく、節水シャワーで流量が最低出湯量を下回る、混合栓側で絞りすぎる、水圧不足・配管抵抗が大きいなどの現場要因が典型的な原因です。設定温度・流量運用と号数の見直しで改善余地があります。

 

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