【プロが比較】ノーリツとリンナイの給湯器はどっちを選ぶべき?特徴や違いを徹底解説
【プロが比較】ノーリツとリンナイの給湯器はどっちを選ぶべき?特徴や違いを徹底解説
こんにちは。給湯器修理.comです。
株式会社 生活水道センター 代表取締役
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号
株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。
この記事でわかること
- ノーリツとリンナイの給湯器を比較した結論
- 両メーカーのシェア率と機能的な特徴の違い
- 故障率や耐久性に関する現場のリアルな実情
- ネット上の評判や口コミの正しい捉え方
ノーリツとリンナイの給湯器はどちらを選ぶべき?
結論から言うと、どちらを選んでも基本的な給湯性能に差はありません。現在お使いのメーカーをそのまま選ぶのが一番確実です。ただし、入浴時の衛生機能や快適性にこだわるならノーリツ、部品の耐久性や品質の安定感を求めるならリンナイというように、ご家庭が重視するポイントで適したメーカーは変わってきます。
結論から言うと「どちらが良い」と一概には言えない理由
給湯器の交換工事にお伺いすると、お客様から「プロの目から見て、ノーリツとリンナイの給湯器を比較したらどっちが良いの?」とよく質問されます。お気持ちは非常によくわかります。安い買い物ではありませんし、10年近く毎日使うものですから、絶対に失敗したくないですよね。

しかし、現場で数え切れないほどの給湯器を設置・修理してきた私からお答えすると、「どちらのメーカーが圧倒的に優れている」と一概に決めることはできません。なぜなら、お湯を沸かすという給湯器の基本性能において、ノーリツもリンナイも世界トップクラスの技術力を持っており、その実力はほぼ互角だからです。
例えるなら、自動車のトヨタとホンダのような関係です。どちらも安全に走る、曲がる、止まるという基本性能は完璧に満たしていますが、エンジンのフィーリングや内装のデザイン、運転支援システムといった「味付け」の部分で違いがありますよね。給湯器も全く同じで、お湯を安定して供給するという根幹の部分に差はなく、付加価値となる細かな機能や、部品の製造に対するアプローチの仕方にそれぞれの個性が出ています。
実際、私たちが現場で古い給湯器を取り外し、新しい給湯器を取り付ける際も、配管の接続位置や機器のサイズ感などは両社とも非常によく似た規格で作られています。そのため、「ノーリツだからお湯が熱くなりやすい」「リンナイだから水圧が強い」といった基本的な性能の差を感じることはありません。まずは「どちらを選んでも、お湯を使う生活において失敗することはない」という安心感を持っていただければと思います。
各ご家庭の利用状況や設置環境によって適したメーカーが変わる傾向
基本性能に差がないとはいえ、ご家庭のライフスタイルや設置環境によって、どちらのメーカーがより適しているかは変わってきます。ここで重要になるのが、「お風呂の時間をどのように過ごしたいか」という視点です。

例えば、小さなお子様がいるご家庭や、ご家族が多くて入浴時間がバラバラになりがちなご家庭の場合、ノーリツの給湯器が非常に喜ばれる傾向にあります。ノーリツは「おふろの時間を豊かにする」というコンセプトに力を入れており、お湯張り後にUV(紫外線)ランプで浴槽のお湯を除菌する機能や、微細な泡で体を温めるマイクロバブル機能など、入浴時の快適性や衛生面を高める機能が充実しています。後から入るお父さんが「お湯がなんだか濁っている気がする」と不満に思うようなケースでは、ノーリツの除菌機能が大活躍します。
一方で、リンナイの給湯器は「とにかく毎日安定してお湯を使いたい」「機器の耐久性や信頼性を最優先したい」という質実剛健さを求めるご家庭にぴったりです。リンナイは給湯器の内部で使われる小さな部品から自社で製造する割合(内製化率)が非常に高く、品質のバラつきが少ないという特徴があります。私が現場で修理を行う際も、リンナイの機器は内部の構造が非常に理にかなっており、メンテナンスがしやすいと感じることが多いです。
また、マンションのパイプシャフト(玄関横の扉の中など)に設置されている場合、枠のサイズや排気筒の位置などの制約から、「今のメーカーから変えないほうが追加の工事費がかからずに済む」というケースも多々あります。このように、単なる機能の好き嫌いだけでなく、物理的な設置環境もメーカー選びの重要な判断材料となります。
給湯器選びで後悔しないための基本的な考え方
では、最終的にどのように選べば後悔しないのでしょうか。現場のプロとして私がお勧めする最も基本かつ確実な考え方は、「現在お使いのメーカーと同じメーカーを選ぶ」ということです。

「せっかく交換するんだから、違うメーカーも試してみたい」と思うこともありますが、同メーカーへの交換には大きなメリットが3つあります。
1つ目は、リモコンの操作感が変わらないことです。給湯器を新しくすると、キッチンやお風呂場にあるリモコンも新しいものに交換します。メーカーを変えるとボタンの配置や設定のメニュー画面がガラリと変わるため、特にご高齢のご家族がいらっしゃる場合、「お湯の出し方がわからなくなった」と混乱されてしまうケースが少なくありません。同じメーカーであれば、新しい機種になっても基本的な操作ロジックは受け継がれているため、直感的に使いこなすことができます。
2つ目は、交換工事がスムーズに進みやすいことです。同じメーカーの後継機種であれば、水やガスを繋ぐ配管の位置がほぼ同じ場所に設計されていることが多く、余計な延長管や特殊な継手(ジョイント部品)を使う必要がありません。その結果、工事の時間が短縮できるだけでなく、水漏れやガス漏れのリスクを最小限に抑えることができます。
3つ目は、余計な追加費用がかかりにくいことです。先ほども触れましたが、特にマンションのパイプシャフト設置の場合、他メーカーに変えると給湯器本体を固定するための「専用取り付け枠(金枠)」を新しく買い直さなければならないことがあります。この枠だけで数千円〜1万円以上の追加費用が発生してしまうため、コストを抑える意味でも同メーカーへの交換が理にかなっています。
給湯器選びのポイントまとめ
- 基本的には「現在使っているメーカー」を選ぶのが最も安心で低コスト
- お風呂の快適機能(除菌やマイクロバブルなど)を重視するなら「ノーリツ」
- 部品の耐久性や安定した品質を重視するなら「リンナイ」
もちろん、「どうしてもノーリツのUV除菌機能を使いたいから、今のリンナイから変えたい!」というご要望があれば、私たち施工業者はプロとしてしっかりと対応いたします。その際は、配管の取り回しや設置枠の確認など、事前の現地調査を念入りに行わせていただきます。
リンナイとノーリツのシェア率と特徴の違いは何?
国内の給湯器市場はリンナイとノーリツで約80%のシェアを二分しています。リンナイは約45%のトップシェアを誇り、部品の内製化による高い品質安定性が特徴です。一方のノーリツは約35%のシェアを持ち、UV除菌ユニットや自動配管クリーンなど、入浴時の快適性や衛生面を向上させる独自機能に強みがあります。
国内シェアを二分する両社の現状と傾向
日本の給湯器市場において、リンナイとノーリツはまさに「2大巨頭」と呼ぶにふさわしい存在です。パロマやパーパスといった他の素晴らしいメーカーもありますが、戸建て住宅やマンションを問わず、現場にお伺いして既存の給湯器を確認すると、体感として8割以上がこの2社のどちらかです。

リンナイは国内シェアの約45%を占め、業界のトップを走っています。テレビCMなどでもお馴染みかと思いますが、ガスコンロなどの厨房機器と合わせて、ガス機器全般において圧倒的なブランド力を持っています。一方のノーリツも約35%のシェアを持ち、特に「お風呂」という空間に対するこだわりが強いメーカーとして根強い人気があります。
現場を回っていると、地域や建物の建築時期によって、どちらのメーカーが多く採用されているかの傾向が見えることがあります。例えば、ある時期に分譲された大規模なマンション群では、全戸一括でノーリツが採用されていたり、地元の特定のガス会社がリンナイを強く推奨していたりします。シェアが高いということは、それだけ多くの家庭で過酷な使用環境(真冬の寒波や真夏の猛暑など)に耐えてきた実績があるということでもあります。私たちが修理の際に必要な交換用部品を手配する際も、この2社であれば全国どこでも迅速に部品が届くため、お客様をお待たせする期間を短くできるという大きなメリットがあります。
リンナイの特徴:部品の内製化と安定した品質へのこだわり
リンナイの最大の特徴であり、私たち現場の人間が最も信頼を置いているポイントが、「部品の圧倒的な内製化率の高さ」です。

一般的な工業製品は、様々な下請け工場で作られた部品を最終的に一つの工場で組み立てて完成させます。しかしリンナイは、給湯器の内部で使われる電子基板やガスを燃焼させるためのバーナー、さらにはそれらを固定するための小さなネジ一本に至るまで、可能な限り自社グループの工場で製造するという強いこだわりを持っています。
この「自社で作る」という姿勢がなぜ重要なのか。それは、製品の品質にバラつきが出にくくなるからです。例えば、真冬の凍結で給湯器が故障してしまった現場で、リンナイの給湯器のフロントカバーを開けて内部を点検することがあります。その際、配線の取り回しや基板の防水コーティング、水が通る銅管の溶接の美しさなどを見ると、「本当に丁寧に作られているな」と感心させられます。
また、万が一エラーが発生して修理が必要になった場合でも、リンナイの機器はエラーコードの診断が的確で、どの部品がどう悪くなっているのかが特定しやすいという特徴があります。私たち修理業者にとって「直しやすい機械」であるということは、結果的にお客様の修理費用や作業時間を抑えることにも繋がります。毎日の生活に欠かせないお湯を、とにかく安定して供給し続ける。そんな「当たり前の日常」を裏から支える職人気質のようなものが、リンナイの給湯器には宿っていると感じます。
ノーリツの特徴:入浴の快適性や独自機能への強み
一方のノーリツは、「お風呂の時間をいかに快適で、安心できるものにするか」という点において、他の追随を許さない独自機能を持っています。ノーリツの給湯器を比較検討されるお客様の多くは、この付加価値に魅力を感じていらっしゃいます。

その代表格が「UV除菌ユニット(キレイゴコチ)」です。これは、浴槽のお湯を給湯器内部に循環させる際、強力なUV(紫外線)ランプを照射することでお湯の中の菌の繁殖を抑えるという画期的な機能です。先日交換にお伺いしたお宅では、「主人が帰ってくるのが遅くて、最後にお風呂に入るときにはお湯が少し臭う気がして嫌だったんです。でもノーリツのUV除菌付きに変えてから、最後の一人までお湯が澄んでいて本当に気持ちいい!」と、大変喜んでいただきました。
また、ノーリツは配管の洗浄機能にも力を入れています。「スマート配管クリーン」という機能では、お風呂の栓を抜いたときに、給湯器が自動で新しいお湯を勢いよく流し込み、追いだき配管の中に残った残り湯や汚れを洗い流してくれます。見えない配管の中を清潔に保てるのは、衛生面で非常に大きな安心感がありますよね。
現場のちょっとした小話
ノーリツのリモコンは、音声案内の声が非常に聞き取りやすいとご高齢のお客様から評判です。「お風呂が沸きました」というお馴染みのメロディ(人形の夢と目覚め)は、実はノーリツが発祥なんです。あのメロディを聞くと「あぁ、お風呂だ」とホッとする方も多いのではないでしょうか。視覚だけでなく、聴覚からも安心感を与えてくれる工夫がされています。
さらに、ヒートショック(急激な温度変化による血圧の変動)を防ぐための「見守り機能」や、浴室内の人の動きをセンサーで感知して、入浴中であることを台所のリモコンに知らせる機能など、家族の安全を守るための機能も充実しています。単にお湯を沸かすだけでなく、お風呂という空間全体の質を高めたい方には、ノーリツが強くおすすめできます。
リンナイとノーリツの給湯器で故障率や耐久性に違いはある?
両メーカーとも故障率に明確な差はなく、設計標準使用期間(寿命の目安)はどちらも約10年と定められています。現場の感覚としても、特定のメーカーだけが壊れやすいということはありません。ただし、井戸水を使用している環境や、海沿いの塩害地域など、設置される環境によって実際の寿命は大きく左右されます。
故障率に明確な差は公表されていないのが実情
給湯器の交換をご検討中のお客様から、「ネットの口コミを見ると、○○のメーカーはすぐ壊れるって書いてあったんだけど、本当?」と心配そうに聞かれることがあります。結論から申し上げますと、ノーリツとリンナイの間で、故障率や耐久性に明確な優劣はありません。

メーカー側も詳細な故障率のデータは公表していませんが、私が日々現場で修理や交換を行っている肌感覚としても、「リンナイだから壊れにくい」「ノーリツだからよく壊れる」といった偏りは全く感じません。どちらのメーカーの給湯器も、15年以上元気に動き続けているご家庭もあれば、不運にも7〜8年で基板がショートしてしまい交換になるケースもあります。
ではなぜ、インターネット上で「特定のメーカーが壊れやすい」という噂が立つのでしょうか。それは単純に、シェア率が高く販売台数が多いからです。例えば、100万台売れているメーカーと、10万台売れているメーカーがあったとします。仮にどちらも故障率が1%だとした場合、前者は1万人が故障を経験し、後者は1000人しか経験しません。故障して困っている人ほどネットに不満を書き込みやすいため、販売台数が多いノーリツやリンナイの「壊れた!」という口コミが目立ってしまうというカラクリです。
工業製品である以上、どうしても初期不良や個体差(いわゆるハズレ個体)はゼロにはできません。しかし、両社とも厳しい品質管理基準をクリアして出荷されているため、メーカーの違いによる故障率を過度に心配する必要はありません。
寿命(設計標準使用期間)はどちらも約10年が目安
給湯器には、安全上支障なく使用できる期間の目安として「設計標準使用期間」が定められており、ノーリツもリンナイも家庭用給湯器の場合は「約10年」と設定されています。これは法律や業界の基準に基づいたものであり、どのメーカーを選んでもこの年数に違いはありません。
「10年なんてあっという間だ。昔の給湯器はもっと長持ちしたのに」とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。確かに、20年近く前の給湯器は構造がシンプルだったため、長く動くこともありました。しかし現代の給湯器(特にエコジョーズなどの省エネ機種)は、少ないガスで効率よくお湯を沸かすために、内部に複雑なセンサーや精密な電子基板がぎっしりと詰め込まれています。毎日何十リットルもの水とガスを燃焼させ、高温と冷却を繰り返す過酷な環境に置かれているため、どうしても10年程度で部品の摩耗や経年劣化が限界に達してしまうのです。
具体的には、お湯の温度を調整する水量サーボという部品の動きが悪くなったり、燃焼用の空気を送り込むファンモーターから異音がし始めたり、パッキンの劣化によって内部で微小な水漏れが発生し、それが基板にかかってショートを引き起こしたりします。
また、設置されている環境によっても寿命は大きく変わります。例えば、海沿いの塩害地域では外装や内部の金属部品がサビやすくなりますし、温泉水や井戸水を使用している地域では、水に含まれるミネラル成分が配管内に付着して詰まりの原因になります(※井戸水対応の特殊な給湯器を除く)。さらに、排気口の前に障害物があって排気が滞留しやすい環境(ショートサイクル)だと、不完全燃焼を起こしやすく寿命が縮む原因となります。つまり、寿命を決めるのはメーカーの違いよりも、「どのような環境で、どれくらいの頻度で使われているか」という要素の方がはるかに大きいのです。
予期せぬ故障を防ぐために知っておきたい定期点検の重要性
給湯器が完全に壊れてしまうと、特にお湯が必須となる冬場には生活に大きな支障が出ます。「昨日の夜までは普通に使えていたのに、今朝になったら突然お湯が出なくなった!」と、パニックになってお電話をいただくことが冬場は本当に多いです。
このような予期せぬトラブルを防ぐためには、日頃から給湯器の「SOSサイン」を見逃さないことが重要です。給湯器は完全に沈黙する前に、何らかの予兆を出していることがほとんどです。
給湯器の寿命・故障を知らせる初期サイン
- お湯の温度が設定よりも熱くなったり冷たくなったり、安定しない
- お湯を出すときに「ボンッ」という小さな爆発音(着火不良)がする
- 給湯器本体からピーッ、キーッといった普段と違う異音がする
- 排気口の周りが黒くススけている、またはガスの臭いがする
- 給湯器の下のコンクリートがいつも濡れている(微小な水漏れ)
これらの症状が出始めたら、完全に壊れる前に専門業者に点検を依頼するか、交換の準備を始めることを強くお勧めします。「だましだまし使っていればまだ平気だろう」と放置してしまうと、ある日突然基板が焼き切れてしまったり、最悪の場合は不完全燃焼による一酸化炭素中毒などの重大な事故に繋がる危険性もあります。ガス機器のDIY修理は法律で禁止されている部分も多く、非常に危険ですので絶対にやめてください。
また、製造から10年が経過すると、メーカー側での修理用部品の保有期間が終了してしまうことがほとんどです。つまり、小さな部品一つが壊れただけでも「部品がないから修理不可、本体ごとの交換になります」と言わざるを得ないのが現場の実情です。10年を過ぎたら「いつ壊れてもおかしくない時期に入った」と認識し、計画的に交換の予算を組んでおくことが、慌てて悪徳業者に引っかからないための最大の防衛策となります。
優良な業者の選び方については、こちらの記事も参考にしてください。
給湯器交換の比較ポイント解説!優良業者選びのコツ
ノーリツの給湯器に関する「最悪」という評判の真相は?
ネット上でノーリツの給湯器が「最悪」と検索されることがありますが、品質が劣っているわけではありません。過去のリコールやエラーコード発生時の不満がネットに残りやすいことが原因です。実際にはシェア率の高さゆえに口コミの母数が多いだけであり、現場から見ても品質は非常に優秀で安心して使えるメーカーです。
ネット上のネガティブな口コミが目立つ理由
スマートフォンで給湯器について調べていると、検索候補に「ノーリツ 給湯器 最悪」「ノーリツ 壊れやすい」といったネガティブなキーワードが出てきて、不安になった方もいらっしゃることもあります。これから高いお金を払って買おうとしている製品に「最悪」なんて言葉がついていたら、誰だって躊躇してしまいますよね。
しかし、現場で長年ノーリツの給湯器を扱ってきたプロの視点から断言します。ノーリツの給湯器が他社と比べて品質が劣っている、あるいは最悪であるという事実は一切ありません。むしろ、非常に高い技術力と安全基準を持った素晴らしいメーカーです。
では、なぜこのような評判が立ってしまうのでしょうか。一つ目の理由は、人間の心理的な行動パターンにあります。人は、製品が正常に動いていて満足しているときには、わざわざネットの掲示板やSNSに「今日もノーリツの給湯器でお湯が出た!最高!」とは書き込みません。お湯が出るのは「当たり前」だからです。
しかし、真冬の凍えるような寒さの中、シャワーを浴びようとしたらお湯が出ず、修理センターに電話しても「混み合っていて訪問は3日後になります」と言われたらどうなります。その怒りや不便さ、不満のやり場として、ネット上に「ノーリツ最悪!すぐ壊れたし対応も遅い!」と強い言葉で書き込んでしまうのです。ノーリツは国内シェアの約35%を占める超メジャー企業ですから、使っている人の絶対数が多く、必然的にこうしたクレームの書き込みも目立ちやすくなります。これはリンナイにも全く同じことが言えます。
過去のリコールやエラー表示の仕組み
二つ目の理由は、過去に行われた部品のリコール(無償点検・部品交換)の記憶や、エラーコードに対するユーザーの誤解です。
ノーリツに限らず、ガス機器メーカーは過去に何度か、特定の製造期間の製品に対してリコールを発表しています。これは「そのまま使い続けると発火などの危険性があるかもしれない」という予防措置であり、メーカーとしての責任を果たすための誠実な対応です。しかし、この「リコールがあった」という事実だけが独り歩きし、「ノーリツ=不良品を出した最悪なメーカー」というレッテルを貼ってネットに書き込む人が一定数存在します。
また、ノーリツの給湯器は安全装置が非常に優秀で、少しでも異常(ガスの圧力低下、排気の詰まり、内部の微小な水漏れなど)を感知すると、すぐに安全のために運転を停止し、リモコンにエラーコード(数字の点滅)を表示させます。
例えば、台風や大雨の日に給湯器の排気口から強い風雨が吹き込むと、安全装置が作動して一時的にお湯が出なくなることがあります。これは「一酸化炭素中毒や機器のショートを防ぐための正常な安全動作」なのですが、事情を知らないお客様からすれば「雨が降っただけで壊れた!最悪だ!」と感じてしまうわけです。私たちプロから見れば、危険な状態で無理やり動き続ける機械よりも、少しでも異常があれば安全側に倒して停止してくれる機械の方が、はるかに信頼できるのです。
実際の現場から見るノーリツ給湯器の信頼性
実際に私たちが現場でノーリツの給湯器を設置したり修理したりする際、その作りの丁寧さにはいつも感心させられます。
例えば、給湯器の心臓部である電子基板。ノーリツの基板は、湿気や虫の侵入によるショートを防ぐために、非常に分厚くしっかりとしたシリコンコーティングが施されています。また、配管の接続部分やセンサー類の配置も、メンテナンスを行う作業者の手が入りやすいように計算されてレイアウトされています。
先日、築12年のマンションでノーリツの給湯器を交換した際のことです。取り外した古い給湯器の内部を確認すると、経年劣化によるサビや汚れはありましたが、ガスを燃焼させるバーナー部分や水漏れを防ぐパッキン類は、12年間毎日使われていたとは思えないほどしっかりとした状態を保っていました。お客様も「一度も故障せずに12年も頑張ってくれたから、次も絶対にノーリツにするわ」と笑顔でおっしゃっていました。
ネット上の極端な「最悪」という言葉に振り回される必要はありません。ノーリツは、私たちが自信を持ってお客様のご自宅におすすめできる、極めて信頼性の高いトップメーカーです。
ノーリツとリンナイの給湯器の交換費用や相場はいくら?
給湯器の交換費用は、本体・リモコン・標準工事費・処分費を含め、一般的な壁掛け20号のオートタイプで12万〜18万円が相場です。ノーリツとリンナイで本体価格や工事費に大きな差はありません。ただし、エコジョーズへの変更や、冬場の繁忙期、特殊な設置環境では追加の工事費用が発生することがあります。
給湯器交換にかかる料金の内訳とメーカー間の価格差
給湯器の交換を検討する際、最も気になるのが「結局、全部でいくらかかるのか?」という費用面ですよね。給湯器の交換費用は、大きく分けて以下の4つの項目で構成されています。
- 給湯器本体の代金(定価から50%〜80%程度の割引がされるのが一般的です)
- リモコン代金(台所用・浴室用のセット。本体とは別売りになっていることが多いです)
- 標準工事費(古い機器の取り外し、新しい機器の取り付け、ガス・水道配管の接続、リモコン配線、試運転など)
- 既存機器の処分費(取り外した古い給湯器を産業廃棄物として適切に処理する費用)
ここでよくお客様から「ノーリツとリンナイで、値段はどっちが安いの?」と聞かれますが、同等の号数・機能の機種であれば、メーカーによる費用の差はほとんどありません。業者によって仕入れの得意・不得意(リンナイのほうが安く仕入れられるルートを持っている等)があるため、見積もり上で数千円程度の差が出ることはありますが、数万円単位でどちらかのメーカーが劇的に安いということはありません。
一般的な相場レンジと号数・機能による違い
給湯器の費用は、「号数(お湯を出すパワー)」「機能(給湯専用、オート、フルオート)」「省エネタイプ(従来型かエコジョーズか)」の組み合わせによって決まります。以下は、戸建てやマンションのベランダによく設置される「壁掛け型」の一般的な交換費用の相場(本体+リモコン+工事費+処分費の総額)です。あくまで一般的な目安として参考にしてください。
| 号数(目安) | 機能 | 従来型(非エコジョーズ) | エコジョーズ(省エネ型) |
|---|---|---|---|
| 16号(単身〜2人家族) | 給湯専用(追いだきなし) | 約6万〜9万円 | 約9万〜12万円 |
| 20号(2〜3人家族) | オート(自動湯はり・追いだき) | 約12万〜15万円 | 約14万〜18万円 |
| 24号(4人家族以上) | フルオート(オート+自動足し湯等) | 約14万〜18万円 | 約16万〜22万円 |
※上記は一般的な目安です。正確な情報は各施工業者の見積もりをご確認ください。
マンションにお住まいで、玄関横の扉(パイプシャフト)の中に給湯器が設置されている場合は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
マンションのノーリツ給湯器交換|費用相場と業者選びの3つのコツ
時期・繁忙期による変動と設置環境による差
給湯器の交換費用は、依頼する時期によっても変動することがあります。給湯器業界の最大の繁忙期は、水温が下がり給湯器に最も負荷がかかる「冬場(10月〜2月)」です。この時期は修理や交換の依頼が殺到し、業者のスケジュールがパンパンになるため、値引き率が渋くなったり、希望の機種がメーカー欠品を起こして入荷待ちになったりすることがあります。
逆に、春から夏にかけての閑散期は、業者もスケジュールに余裕があるため、キャンペーンなどで少し安く交換できるチャンスがあります。「まだ壊れていないけど、もう10年経つな」という場合は、夏場のうちに余裕を持って交換しておくのが、費用を抑える賢いコツです。
また、設置環境によって追加費用が発生するケースも現場ではよくあります。例えば以下のような場合です。
- エコジョーズへの変更:従来型から省エネ型のエコジョーズに変更する場合、お湯を沸かす際に出る酸性の水(ドレン水)を排水溝まで導くための「ドレン排水管工事」が必須となります。この工事費として、数千円〜1万5千円程度が追加でかかります。
- 高所作業:ハシゴを使わないと届かない高い壁面に設置されている場合、安全確保のための高所作業費が追加されることがあります。
- 専用枠の交換:マンションのパイプシャフト設置で、メーカーを変えたり本体のサイズが変わったりする場合、隙間を埋めるための専用の金枠(アダプター)が必要になり、部品代が追加されます。
「ネットで『最安値8万円!』と書いてあったのに、見積もりを取ったら15万円と言われた」というトラブルをよく耳にしますが、これは「給湯専用の一番安い機種の価格」をデカデカと載せているだけで、実際にご自宅に必要な「追いだき付きの機種」や「追加工事費」が含まれていなかったというケースがほとんどです。極端な安値に飛びつかず、必ず自宅の設置状況を見てもらった上で、内訳が明記された見積もりをもらうようにしてください。
まとめ:ノーリツとリンナイの給湯器比較で迷ったらどうする?
ノーリツとリンナイの給湯器はどちらも世界トップクラスの品質を誇り、基本的な給湯性能に大きな差はありません。迷った場合は、現在使用しているメーカーと同じものを選ぶのが最も安心で工事もスムーズです。入浴時の機能を求めるならノーリツ、部品の耐久性を重視するならリンナイという基準で検討してみてください。
現在お使いのメーカーを基準に考えるのが基本
ここまで、現場のプロの視点からノーリツとリンナイの給湯器を比較してきましたが、繰り返しになりますが、どちらのメーカーを選んでもお湯を沸かすという基本性能において後悔することはありません。両社とも、日本の厳しい四季の温度変化に耐えうる素晴らしい製品を作っています。
だからこそ、迷ったときの最も確実な判断基準は「今ついているメーカーと同じものを選ぶこと」です。リモコンの使い勝手が変わらず、配管の接続もスムーズで、余計な追加部材の費用もかかりにくい。これが、私たちが現場で数多くの交換工事を行ってきた中で導き出した、最もお客様の負担(ストレスも費用も)が少ない選び方です。
機能面でどうしても譲れないポイントがある場合
もし、「今の給湯器はリンナイだけど、どうしてもノーリツのUV除菌機能(キレイゴコチ)を使ってみたい!」といった強いご希望がある場合は、もちろんメーカーを変更することは可能です。
入浴という毎日のリラックスタイムをより豊かで清潔なものにしたいなら、ノーリツの独自機能は非常に魅力的です。逆に、「とにかく壊れにくくて、安定して長く使えるものがいい」という職人気質な信頼性を求めるなら、部品の内製化にこだわるリンナイが心強いパートナーになるなります。ご家族で「お風呂に何を求めるか」を話し合ってみるのも良いこともあります。
信頼できる施工業者に現地調査を依頼して決める
最終的にどのメーカーの、どの号数の給湯器がご自宅に最適なのかは、プロの目で見てもらうのが一番確実です。「マンションの規約でエコジョーズが付けられない」「今の配管の位置だと、メーカーを変えると大掛かりな工事になる」といった、素人目にはわからない物理的な制約が現場には必ず存在します。
私たちのような専門業者は、お客様のご要望をしっかりとお聞きした上で、設置環境の写真を拝見したり現地調査を行ったりして、最も安全でコストパフォーマンスの高い機種をご提案いたします。「とりあえず見積もりだけ」でも全く問題ありません。給湯器は10年付き合う大切なライフラインです。ぜひ、疑問や不安な点があれば、遠慮なくプロの施工業者にご相談ください。納得のいく給湯器選びができるよう、全力でサポートさせていただきます。
▶ まず読みたい:給湯器の交換はどこに頼む?費用や寿命、補助金まで解説
株式会社生活水道センター 本部長
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405
株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。










