給湯器とは?仕組みや種類、湯沸かし器との違いを解説
「給湯器とは何ですか?」と聞かれて、すぐに答えられる方は少ないかもしれません。私たちの生活に欠かせないお湯を供給してくれる大切な設備ですが、その仕組みや種類については意外と知られていないものです。この記事では、給湯器とは何かという基本的な疑問から、給湯器と湯沸かし器の違い、さらには電気を使うタイプやオール電化住宅での役割まで、幅広く解説します。マンションやアパートにお住まいの方、給湯器とエコキュートの違いや、電気給湯器とエコキュートの違いが気になる方にも分かりやすく説明します。また、給湯器の種類や見分け方、その仕組みを図解を交えて紐解いていくので、自宅の給湯器がどれかわからないという方もご安心ください。給湯器と風呂給湯器の違いは何ですか?といった細かな疑問にもお答えし、あなたの「知りたい」を解決します。
- 給湯器の基本的な仕組みと役割
- 湯沸かし器やエコキュートとの明確な違い
- 設置場所や燃料別の種類と見分け方
- 自分に合った給湯器を選ぶための基礎知識
目次
給湯器とは?基本的な仕組みと役割を解説
- 給湯器の基本的な仕組みを図解
- 給湯器の主な役割とは?
- 給湯器と湯沸かし器の決定的な違い
給湯器の基本的な仕組みを図解

給湯器とは、水道管から取り込んだ水を、ガスや電気、石油などのエネルギーを使って加熱し、お湯に変えて家中の必要な場所へ供給する設備のことです。</蛇口をひねるとすぐにお湯が出るのは、この給湯器が常に待機し、水の流れを検知して瞬時に燃焼(または通電)を開始するからです。
その仕組みは、非常にシンプルに表現すると以下のようになります。
給湯器の基本的な流れ
- 給水: 水道管から冷たい水が給湯器内部に取り込まれます。
- 水流検知: 家の中の蛇口が開かれ、水が流れるのをセンサーが検知します。
- 加熱: センサーの信号を受け、ガスバーナーが着火(ガス給湯器の場合)または電気ヒーターが作動(電気給湯器の場合)し、熱交換器を通る水を加熱します。
- 給湯: 温められたお湯が、配管を通ってキッチンや浴室、洗面所などの蛇口へ送られます。
この一連の動作が瞬時に行われることで、私たちはいつでも快適にお湯を使うことができるのです。特にガス式の「瞬間式」と呼ばれるタイプは、必要な時だけお湯を作るため、エネルギー効率が良いとされています。
給湯器の主な役割とは?

給湯器の最も重要な役割は、家全体に安定してお湯を供給することです。具体的には、以下のような場所でお湯が使えるようにする役割を担っています。
- キッチン: 食器洗いや料理
- 浴室: シャワーや浴槽へのお湯はり
- 洗面所: 洗顔や手洗い
このように、一台の給湯器で複数の場所(水栓)へ同時にお湯を供給できるのが大きな特徴です。この方式を「セントラル給湯方式」と呼びます。給湯器の能力は「号数」で表され、この数字が大きいほど一度にたくさんのお湯を供給する能力が高くなります。
号数は「水温+25℃のお湯を1分間に何リットル出せるか」を示しています。例えば、16号なら16リットル、24号なら24リットルのお湯を1分間に出せる計算になります。家族の人数やライフスタイルに合わせて適切な号数を選ぶことが大切です。
給湯器と湯沸かし器の決定的な違い

「給湯器」と「湯沸かし器」、どちらもお湯を作る機械ですが、その役割と仕組みには明確な違いがあります。一番の違いは、お湯を供給する範囲です。
前述の通り、給湯器は家全体にお湯を供給する「セントラル給湯方式」です。一方、湯沸かし器(特に瞬間湯沸かし器)は、キッチンのシンクの上など、お湯を使いたい場所のすぐ近くに設置し、その場所だけでお湯を供給する「局所給湯方式」の機器を指します。
それぞれの違いを以下の表にまとめました。
| 項目 | 給湯器 | 湯沸かし器(瞬間湯沸かし器) |
|---|---|---|
| 役割 | 家全体(複数箇所)へお湯を供給 | 設置した場所(1箇所)のみにお湯を供給 |
| 給湯方式 | セントラル給湯方式 | 局所給湯方式 |
| 主な設置場所 | 屋外の壁や地面(一部屋内に設置するタイプもある) | 屋内のキッチン壁面など |
| 特徴 | パワフルで、お風呂とキッチンで同時にお湯を使える | コンパクトで設置が比較的容易。配管が短くお湯が早く出る |
| 注意点 | 本体価格や設置費用が比較的高価になる傾向がある | 屋内設置型は換気に注意が必要な場合がある |
簡単に言えば、家全体の蛇口からお湯が出るなら「給湯器」、キッチンの特定の蛇口からしかお湯が出ない小型の機器なら「湯沸かし器」と考えると分かりやすいでしょう。
【種類別】給湯器の見分け方と特徴
- 熱源(燃料)による種類の違い(ガス・電気・石油)
- 機能による種類の違い(給湯専用・オート・フルオート)
- 設置場所による種類の違い(屋内・屋外)
熱源(燃料)による種類の違い(ガス・電気・石油)

給湯器は、お湯を作るためのエネルギー源によって大きく3つの種類に分けられます。それぞれの特徴を理解することで、ご自宅の給湯器がどのタイプか見分けるヒントになります。
ガス給湯器
都市ガスやプロパンガスを燃料とする、最も普及しているタイプの給湯器です。パワフルで、使いたい時にお湯を沸かす「瞬間式」が主流のため、お湯切れの心配がありません。本体価格も比較的安価なモデルが多いのが特徴です。
電気給湯器(電気温水器・エコキュート)
電気を熱源とします。タンクにお湯を貯めておく「貯湯式」が一般的です。火を使わないため、安全性が高いとされています。特にエコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプ技術を採用しており、従来の電気温水器に比べて消費電力が少なく、非常に省エネ性能が高いのが魅力です。
石油給湯器(灯油ボイラー)
灯油を燃料とする給湯器で、特に寒冷地で多く利用されています。ガスの供給がない地域でも設置でき、ランニングコストが比較的安い傾向にあります。ただし、燃料となる灯油のタンクを設置するスペースが必要で、定期的な給油の手間がかかります。
熱源の見分け方
給湯器本体につながっている配管を見ると、熱源を推測できます。太いガス管が接続されていればガス給湯器、電気の配線のみであれば電気給湯器、灯油タンクからの細い管が接続されていれば石油給湯器である可能性が高いです。
機能による種類の違い(給湯専用・オート・フルオート)

給湯器は、お風呂の機能によっても種類が分かれます。リモコンのボタンを見ると、どのタイプか簡単に見分けられます。
| 種類 | 主な機能 | 特徴 |
|---|---|---|
| 給湯専用 | 蛇口やシャワーへのお湯の供給のみ | 浴槽にお湯をためる際は、手動で蛇口を閉める必要があります。追い焚き機能はありません。 |
| オートタイプ | ・自動お湯はり ・追い焚き ・自動保温 |
ボタン一つで設定した湯量・湯温でお湯はりが完了します。お湯がぬるくなったら追い焚きも可能です。 |
| フルオートタイプ | オートタイプの全機能に加えて ・自動足し湯 ・追い焚き配管自動洗浄 |
浴槽のお湯が減ると自動で足し湯をしてくれます。また、お湯を抜く際に配管を自動で洗浄してくれるため、衛生的です。 |
ご自宅の浴室リモコンに「自動」や「追いだき」のボタンがあればオートまたはフルオートタイプ、「足し湯」のボタンもあればフルオートタイプの可能性が高いです。
設置場所による種類の違い(屋内・屋外)

給湯器は、設置される場所によっても形状が異なります。これは安全性や排気方法に関わる重要な分類です。
- 屋外設置型: 戸建て住宅で最も一般的なタイプ。家の外壁に掛ける「壁掛型」と、地面に置く「据置型」があります。雨風にさらされるため、耐久性の高い設計になっています。
- 屋内設置型: マンションの玄関脇にあるパイプスペース(PS)内や、室内に設置されるタイプ。排気方法によってFF式(強制給排気式)やFE式(強制排気式)などがあり、設置には厳格な基準があります。
特にマンションの場合、設置できる給湯器の種類やサイズが規約で決められていることがほとんどです。交換の際は、必ず管理組合や大家さんに確認しましょう。
給湯器に関するよくある疑問を解決
- 給湯器と風呂給湯器の違いは何ですか?
- 電気給湯器とエコキュートの違いは何ですか?
- 自宅の給湯器がどれかわからない時の確認方法
給湯器と風呂給湯器の違いは何ですか?

「給湯器」と「風呂給湯器」、この二つの言葉はしばしば混同して使われますが、厳密には少し意味合いが異なります。
一般的に、「給湯器」は、お湯を作る機能を持つ機器全般を指す広い言葉です。これには、シャワーやキッチンにお湯を供給するだけのシンプルな「給湯専用機」も含まれます。
一方で、「風呂給湯器」は、給湯機能に加えて、浴槽のお湯はりや追い焚きといったお風呂に関連する機能を持つ給湯器を指す場合が多いです。つまり、前述した機能別の種類でいう「オートタイプ」や「フルオートタイプ」がこれにあたります。
まとめ
- 給湯器: お湯を作る機器の総称。
- 風呂給湯器: 給湯器の中でも、特にお風呂の追い焚きなどの機能が付いたものを指すことが多い。
つまり、「風呂給湯器」は「給湯器」という大きなカテゴリの中に含まれる、と理解すると分かりやすいでしょう。
電気給湯器とエコキュートの違いは何ですか?
どちらも電気を使ってお湯を沸かす「電気給湯器」の一種ですが、お湯を作る仕組みが根本的に異なります。この違いが、エネルギー効率、つまり月々の電気代に大きく影響します。
| 項目 | 電気温水器 | エコキュート |
|---|---|---|
| お湯を作る仕組み | 電気ヒーターで水を直接加熱する(電気ポットのような仕組み) | ヒートポンプ技術で空気の熱を集め、その熱で水を温める |
| エネルギー効率 | 使用した電気エネルギー以上の熱は生み出せない(効率100%) | 電気エネルギーに加え、空気の熱エネルギーを利用するため、消費電力の3倍以上の熱エネルギーを生み出すとされる(効率300%以上) |
| メリット | 本体価格が比較的安い。構造がシンプル。 | 省エネ性能が非常に高く、電気代を大幅に節約できる可能性がある。環境にやさしい。 |
| デメリット | エコキュートに比べて電気代が高くなる傾向がある。 | 本体価格が高い。室外機(ヒートポンプユニット)の設置スペースが必要。 |
簡単に言うと、エコキュートは「少ない電気で効率よくお湯を沸かす、省エネ性能に特化した電気給湯器」と言えます。初期費用は高めですが、長期的に見るとランニングコストを抑えられる可能性があります。
自宅の給湯器がどれかわからない時の確認方法
自宅の給湯器の種類や型番、製造年などを知りたい場合、給湯器本体に貼られている「銘板(めいばん)」または「仕様ラベル」を確認するのが最も確実です。
このラベルには、以下のような重要な情報が記載されています。
- メーカー名: ノーリツ、リンナイ、パロマなど
- 品名・型番:「RUF-A2405SAW(B)」のような英数字の羅列。この型番から機能(フルオート、24号など)が分かります。
- 製造年月日: 給湯器がいつ製造されたかを示します。交換時期の目安になります。
- ガス種: 都市ガス(12A・13A)かプロパンガス(LPG)かなど。
- 号数: 16号、20号、24号など、給湯能力を示します。
ラベルの確認場所
給湯器の正面または側面に貼られていることがほとんどです。屋外設置型の場合、経年劣化で文字が読みにくくなっていることもあります。確認する際は、懐中電灯などを使うと見やすい場合があります。
故障や交換を検討する際に、この銘板の情報を業者に伝えると、非常にスムーズに話が進みます。一度、ご自宅の給湯器のラベルを確認しておくことをお勧めします。
【住居別】給湯器の特徴(マンション・アパート・オール電化)
- マンション・アパートにおける給湯器の特徴
- オール電化住宅における給湯器(エコキュートなど)
マンション・アパートにおける給湯器の特徴
マンションやアパートなどの集合住宅では、戸建て住宅とは異なる特徴や制約があります。
設置場所が限られている
最も多いのが、玄関横の扉の中にある「パイプスペース(PS)」に設置されるケースです。このスペースは限られているため、設置できる給湯器のサイズや形状が限定されます。また、ベランダの壁に設置される「壁掛型」もあります。
排気方法に規定がある
特に屋内やパイプスペースに設置する場合、排気ガスを安全に屋外へ排出するための排気方法が厳しく定められています。そのため、後継機種を選ぶ際も、現在設置されているものと同じ排気タイプの製品を選ぶのが基本となります。
交換には確認が必要
給湯器を交換する際は、管理組合の規約を確認する必要があります。設置できる機種や工事に関するルールが定められている場合があるため、自己判断で交換を進めるのは避けるべきです。事前に管理会社や大家さんに相談しましょう。
オール電化住宅における給湯器(エコキュートなど)
オール電化住宅とは、調理、空調、給湯など、家庭で使うエネルギーをすべて電気でまかなう住宅のことです。そのため、給湯器も必然的に電気を利用するものになります。
主流はエコキュート
オール電化住宅で最も一般的に採用されている給湯器が「エコキュート」です。前述の通り、ヒートポンプ技術によって空気の熱を利用してお湯を沸かすため、非常にエネルギー効率が良いのが特徴です。
深夜電力の活用
エコキュートや電気温水器は、電気料金が割安になる深夜の時間帯にお湯を沸かし、それを断熱性の高いタンクに貯めておき、日中に使用する仕組みが基本です。これにより、日中の電気料金が高い時間帯の電力消費を抑え、光熱費を節約する効果が期待できます。
オール電化住宅では、ガス給湯器を設置することはできません。もしオール電化からガス併用に変更する場合は、新たにガス管を引き込む大掛かりな工事が必要になる可能性があります。
給湯器を選ぶ際の注意点
- 安全な設置と業者選びの重要性
- 定期的なメンテナンスの必要性
安全な設置と業者選びの重要性
給湯器は、ガスや電気、火を扱う精密な機器であり、その設置は私たちの生活の安全に直結します。設置工事には専門的な知識と技術が必要であり、誤った取り付けは重大な事故につながる可能性があります。
資格を持った専門業者への依頼が必須
特にガス給湯器の設置や交換には、「ガス機器設置スペシャリスト」や「液化石油ガス設備士」などの専門資格が必要です。無資格の業者による工事は、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒など、命に関わる事故を引き起こす危険性があると指摘されています。
業者を選ぶ際は、価格の安さだけで判断せず、必要な資格を保有しているか、施工実績が豊富か、万が一の際の保証制度は整っているかなどを必ず確認しましょう。
給湯器の設置や交換に関する判断は、信頼できる専門業者に相談することをおすすめします。複数の業者から見積もりを取り、説明の丁寧さや対応を比較検討することも大切です。
定期的なメンテナンスの必要性
給湯器の寿命は、一般的に10年~15年程度と言われています。しかし、これはあくまで目安であり、使用状況や環境によって異なります。長く安全に使い続けるためには、定期的なメンテナンスが重要です。
経年劣化によるリスク
給湯器も機械である以上、長年使用すると部品が劣化し、性能が低下したり、不具合が発生しやすくなったりします。例えば、熱効率が落ちてガス代や電気代が高くなる、お湯の温度が不安定になる、異音や異臭が発生するなどの症状が現れることがあります。
メーカーによる点検制度
多くのメーカーでは、長年使用した製品に対する点検制度を設けています。これは、経年劣化による事故を未然に防ぐためのものです。メーカーから点検のお知らせが届いた際は、安全のために点検を受けることが推奨されています。
「お湯の出が悪くなった」「運転中に変な音がする」「給湯器本体から水が漏れている」などの異常を感じたら、それは交換のサインかもしれません。大きなトラブルになる前に、早めに専門業者に点検を依頼しましょう。
※本記事の情報は、公開時点での一般的な情報をまとめたものです。個人の状況によって異なる場合がありますので、詳しくは専門家にご相談ください。
給湯器とは何か?仕組みや種類を徹底解説のまとめ
- 給湯器は水道水を加熱し家全体にお湯を供給する設備
- 給湯器はセントラル給湯方式、湯沸かし器は局所給湯方式
- 給湯器の仕組みは給水、検知、加熱、給湯のステップで構成される
- 熱源によってガス、電気、石油の3種類に大別される
- ガス給湯器はパワフルで瞬間式が主流
- 電気給湯器は火を使わず安全性が高いとされ貯湯式が一般的
- エコキュートはヒートポンプ技術で省エネ性能が高い電気給湯器
- 機能によって給湯専用、オート、フルオートの3タイプがある
- 風呂給湯器とは追い焚き機能などが付いた給湯器を指すことが多い
- 設置場所には屋外(壁掛・据置)と屋内(PS設置など)がある
- 自宅の給湯器の詳細は本体の銘板(仕様ラベル)で確認できる
- マンションでは設置場所やサイズ、排気方法に制約があることが多い
- オール電化住宅ではエコキュートなどの電気給湯器が主流
- 給湯器の設置や交換は有資格の専門業者への依頼が不可欠
- 安全のためには定期的な点検やメンテナンスが重要












