給湯器の寿命を延ばすメンテナンス方法と点検ポイント
給湯器の寿命を延ばす方法は?故障を防ぐコツと交換サイン

こんにちは。給湯器修理センター、運営者の「佐藤 裕」です。
給湯器は決して安い買い物ではないので、できるだけ長く使い続けたいと思うのは当然ですよね。でも、普通に使っているつもりでも、知らず知らずのうちに寿命を縮めてしまう使い方をしているケースは意外と多いんです。ある日突然お湯が出なくなって慌てないためにも、正しい知識を持っておくことが大切です。
この記事では、今日から実践できる給湯器の寿命を延ばすための具体的なテクニックや、万が一の故障を防ぐためのメンテナンス方法について、私の経験を交えて分かりやすく解説します。
- 給湯器の寿命を縮めてしまうNGな使用習慣
- 故障の原因になりやすい入浴剤の正しい選び方
- 自分で簡単にできる定期的なメンテナンス手順
- 修理か交換かを判断するための具体的なサイン
給湯器の寿命を延ばすための正しい使い方
給湯器は精密機器ですが、日々のちょっとした心がけ一つで、その寿命は大きく変わります。ここでは、今日からすぐに実践できる、給湯器に優しい使い方とメンテナンスの基本についてお話しします。
意外と知らないやってはいけないこと
皆さんは、キッチンで洗い物をする際、シングルレバーの水栓をどのように使っていますか?実は、このレバー操作に給湯器の寿命を縮める大きな要因が潜んでいることがあります。
無意識の「お湯出し」に注意!
レバーが「お湯」の位置にある状態で、ほんの数秒だけ水を出す。この操作を繰り返すと、給湯器は「点火→即消火」という動作を頻繁に繰り返すことになります。
この「点火と消火」の繰り返しは、点火プラグや制御基板などの部品に大きな負荷をかけます。お湯を使うつもりがない時は、レバーをしっかりと「水」の位置に戻してから蛇口を開ける癖をつけることが大切です。これだけで、無駄な着火回数を減らし、部品の消耗を抑えることができます。
また、シャワーを浴びている最中に、こまめに止めすぎるのも考えものです。節水は大切ですが、あまりに頻繁にオンオフを繰り返すと、給湯器内部の温度変化が激しくなり、熱交換器という重要な部品に負担がかかってしまいます。ある程度まとめて使うように意識するのも、寿命を延ばす一つのテクニックです。
故障を防ぐ入浴剤の選び方と注意点
お風呂のリラックスタイムに入浴剤は欠かせませんが、給湯器、特に「追い焚き機能」付きのタイプをお使いの場合は、入浴剤選びに注意が必要です。
避けるべき入浴剤の成分
- 硫黄(イオウ)成分:配管や熱交換器(銅製)を腐食させる原因になります。
- 塩分(ソルト系):金属部品のサビを促進させます。
- 濁り湯・酸化チタン:配管内や循環ポンプに沈殿し、詰まりや故障の原因になります。
「温泉の素」のような硫黄分を含むものや、バスソルトなどの塩分を含むものは、配管を痛める可能性が高いため、追い焚き機能付きの給湯器では使用を避けたほうが無難です。また、濁り湯タイプも、成分が循環フィルターや配管内に蓄積しやすいので注意が必要です。
基本的には、各給湯器メーカーが推奨している「中性」で「透明」なタイプの入浴剤を選ぶのが最も安全です。パッケージの裏面を見て、「風呂釜を痛めません」といった表記があるか確認してみてくださいね。
定期的な掃除とメンテナンスの方法
給湯器は屋外に設置されていることが多いため、どうしても汚れが溜まりやすい環境にあります。特に注意したいのが、排気口周辺です。
排気口がクモの巣やホコリ、枯れ葉などで塞がれてしまうと、不完全燃焼を起こしたり、内部に熱がこもって故障の原因になったりします。月に一度くらいは外に出て、給湯器の周りに物が置かれていないか、排気口が塞がれていないかを目視でチェックしましょう。

また、浴槽にある「循環アダプター(フィルター)」の掃除も重要です。ここが髪の毛や湯垢で詰まると、お湯がうまく循環せず、追い焚きができなくなったり、設定温度にならなかったりします。週に一度はフィルターを取り外し、歯ブラシなどで軽く洗ってあげるだけで、給湯器への負担を大幅に減らせますよ。

エコキュートの寿命とお手入れのコツ
電気でお湯を沸かすエコキュートの場合、貯湯タンクの水抜きメンテナンスが非常に重要です。タンクの底には、水道水に含まれる微細な不純物が長年かけて沈殿していきます。
この沈殿物をそのままにしておくと、お湯が臭くなったり、お風呂の栓に汚れが詰まったりする原因になります。半年に1回程度、メーカーの取扱説明書に従って「タンクの水抜き」を行い、底に溜まった汚れを排出してあげましょう。
ヒートポンプユニットも忘れずに
室外機(ヒートポンプユニット)の背面にある空気の吸い込み口が、ホコリやゴミで詰まっていないかも確認してください。ここが塞がると効率が悪くなり、電気代が上がるだけでなく、故障のリスクも高まります。
凍結防止の水抜きと温度設定の重要性
冬場、特に寒冷地や急激に気温が下がった日に多いのが、給湯器の凍結による破損です。水は凍ると体積が増えるため、配管を破裂させてしまうことがあります。
最近の給湯器には「凍結防止ヒーター」などの機能がついていますが、これは電源が入っていないと作動しません。冬場は絶対にブレーカーを落とさないようにしてください。また、マイナス4度を下回るような極寒の予報が出ている時は、お湯の出る蛇口から、鉛筆の芯くらいの太さで水を出しっぱなしにする等の対策が有効です。
長期間家を空ける場合は、取扱説明書に従ってしっかりと「水抜き」を行うことが、最大の防御策になります。
給湯器の寿命を延ばす限界と交換のサイン
どんなに大切に使っていても、機械である以上、いつかは寿命がやってきます。ここでは、修理で粘るべきか、思い切って交換すべきかの判断基準や、危険なサインについて解説します。
寿命が近づいた時の症状と前兆
給湯器が寿命を迎える前には、いくつかのサインが現れることが多いです。以下のような症状が出始めたら、そろそろ交換の時期が近づいていると考えてください。

- お湯の温度が安定せず、熱くなったり冷たくなったりする。
- 給湯器本体から、「ボンッ」という着火音や、異音が大きくなった。
- 排気口から黒い煙が出ている、または排気がガス臭い。
- 給湯器の下や配管のつなぎ目から水漏れしている。
特に、異音や水漏れ、異臭は危険な兆候です。これらの症状が見られた場合は、無理に使わずに一度専門業者に見てもらうことを強くおすすめします。
10年を目安に交換時期を判断する理由
一般的に、給湯器の設計上の標準使用期間は「10年」とされています。これは、家庭用製品を安全に使える目安となる期間です。

10年を過ぎると、パッキンの硬化や基板の劣化など、目に見えない部分での摩耗が進み、故障のリスクが急激に高まります。また、メーカー側での部品保有期間(生産終了から約10年)が終わってしまうことも多く、故障しても「部品がないので修理できない」と言われてしまうケースが非常に多いのです。
設計標準使用期間について
多くのメーカーや業界団体は、標準的な使用条件の下で安全に使用できる期間として10年を設定しています。この期間を過ぎると、経年劣化による事故の恐れもあるため、点検や取り替えが推奨されています。
(出典:一般社団法人 日本ガス石油機器工業会『長期使用製品 安全点検制度についてのご案内』)
よくあるエラーコードと適切な対処法

リモコンに数字のエラーコードが表示された時は、まず取扱説明書を確認しましょう。よくあるコードには以下のようなものがあります。
| コード | 一般的な内容 | 対処法 |
|---|---|---|
| 111 | 点火不良 | ガス栓が開いているか確認。天候が回復するのを待つ。 |
| 140 | 過熱防止装置作動 | 危険な状態の可能性あり。業者へ連絡。 |
| 888 | 点検時期のお知らせ | 故障ではありませんが、点検(有償)を受ける時期です。 |
特に「888」や「88」という表示は、使用開始から約10年が経過したことを知らせるサインです。故障ではありませんが、安全のために点検を受けるか、交換を検討する良いきっかけと言えます。自分でリセットして使い続けるのは、安全上のリスクがあるためおすすめできません。

賃貸物件での故障対応と費用負担
賃貸アパートやマンションにお住まいの場合、給湯器は基本的に「大家さん(貸主)」の持ち物です。そのため、経年劣化による自然故障であれば、修理や交換の費用は貸主側が負担するのが原則です。

ただし、勝手に業者を呼んで修理してしまうと、後から費用を請求できなかったり、トラブルになったりすることがあります。不具合を感じたら、まずは必ず管理会社や大家さんに連絡し、指示を仰ぐようにしてください。
給湯器の寿命を延ばすための総まとめ
給湯器の寿命を延ばすために最も大切なのは、日々の「無駄な点火を防ぐこと」と「適切な環境での使用」です。シングルレバーの使い方を意識し、入浴剤に気を配り、時々フィルターを掃除してあげる。これだけのことで、10年後も元気に動いてくれる可能性はぐっと高まります。
とはいえ、10年を超えた機器はいつ壊れてもおかしくありません。「まだ使えるから」と無理をするのではなく、エラーコードや異変を感じたら早めに対処することが、結果的に安全で快適な生活を守ることにつながります。











