給湯器 室内 デメリットと費用の注意点
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【プロが解説】室内用給湯器のデメリットと費用の注意点!騒音や安全対策も
こんにちは。給湯器修理.comです。
株式会社 生活水道センター 代表取締役
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号
株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。
給湯器の交換や修理を専門に行っていると、「うちの給湯器は室内にあって音が気になる」「交換費用が外置きより高いと言われた」といったご相談をよく受けます。
室内に設置される給湯器(屋内設置型)は、マンションの構造や寒冷地の凍結対策として選ばれることが多いですが、独特のデメリットや設置費用の注意点が存在します。
この記事でわかること
- 室内用給湯器の基本的な仕組みと種類
- 室内に設置するデメリットと安全上の注意点
- 屋内型給湯器の交換にかかる費用の目安
- 騒音対策や電源つけっぱなしの光熱費節約術
室内用給湯器(屋内設置型)とはどのような仕組みですか?
室内用給湯器とは、マンションなど屋外に設置スペースがない場合や、寒冷地の凍結対策として室内に設置されるガス機器です。主に排気を強制的に外へ出すFE式と、給排気の両方を屋外から行うFF式の2種類があります。外観はスリムですが、専用の排気筒が必要になるため、法令に基づく厳格な設置基準が設けられています。
屋内設置型給湯器の主な種類(FF式・FE式など)
室内に設置されるガス給湯器には、燃焼のための空気の取り入れ方と、排気の出し方によって主に2つの種類が存在します。それが「FE式(強制排気式)」と「FF式(強制給排気式)」です。

FE式(Forced Exhaust)は、室内の空気を使ってガスを燃焼させ、発生した排気ガスを内蔵のファンを使って強制的に排気筒(煙突)から屋外へ排出する仕組みです。室内の空気を消費するため、必ず換気扇を回すか、給気口を設けて新鮮な空気を取り入れる必要があります。私が現場で拝見する古い集合住宅の台所などには、このFE式が設置されていることがよくあります。
一方、FF式(Forced Flue)は、燃焼のための空気も屋外から取り入れ、排気も屋外へ出す仕組みです。給排気用の2重構造になった筒(給排気トップ)を壁に貫通させて設置します。室内の空気を汚さないため、FE式よりも安全性が高く、現在の屋内設置型給湯器の主流となっています。現場で交換工事を行う際も、可能であれば安全性の高いFF式への移行をご提案することが多いです。ただし、建物の構造上、壁への穴あけが難しい場合は既存の方式を踏襲することになります。
屋外設置型との違いと室内に設置される理由
一般的な戸建て住宅や新しいマンションでは、給湯器はベランダや外壁、パイプシャフト(玄関横の設備スペース)など「屋外」に設置されるのが基本です。では、なぜわざわざ室内に給湯器を設置するのでしょうか。

最大の理由は「建物の構造上、屋外に設置スペースが確保できないから」です。特に昭和から平成初期に建てられた公団住宅やアパート、都心部の密集したマンションでは、ベランダがない、あるいは外壁に機器を取り付けるスペースがないといった事情があります。そのため、台所や洗面所などの水回りのすぐそば(室内)に設置せざるを得ないのです。
屋外設置型との構造的な違いとしては、排気筒の有無が挙げられます。屋外型は機器の正面や上部から直接排気ガスを空気中に放出しますが、屋内型は排気ガスを安全に外へ逃がすための金属製の煙突(排気筒)が必須となります。この排気筒の接続や取り回しが、後述する設置費用の注意点や、安全上の重要なポイントに直結してきます。
どのような住宅(マンション・寒冷地など)で選ばれやすいか
室内用給湯器が選ばれる(あるいは最初から設置されている)住宅には、いくつかの共通した特徴があります。代表的なのが、先ほども触れた都市部の古いマンションや団地です。これらの物件では、設計段階から台所内に給湯器の設置スペースが設けられており、排気筒を壁の穴から外へ出す構造になっています。

また、もう一つ非常に多いのが寒冷地の住宅です。北海道や東北地方、甲信越などの冷え込みが厳しい地域では、冬場に給湯器内の配管が凍結して破裂する事故が多発します。屋外の気温が氷点下を大きく下回る環境では、機器本体のヒーターだけでは凍結を防ぎきれないことがあるため、あえて室内の暖かい空間に給湯器を設置して凍結リスクを回避するのです。
私が以前、長野県の寒冷地エリアの現場に応援で行った際、戸建て住宅でも大きなボイラー室や洗面脱衣所に立派な屋内型給湯器が鎮座しているのを何度も目にしました。地域特有の気候や建物の歴史的背景によって、室内用給湯器は今でも重要な役割を担っているのです。
給湯器を室内に設置するデメリットと注意すべきポイントは何ですか?
室内に給湯器を設置する最大のデメリットは、稼働時の騒音や振動が生活空間に響きやすい点です。また、機器本体や排気筒が室内のスペースを占有するため、圧迫感を感じることもあります。さらに最も注意すべきは、換気不良や排気筒の劣化による一酸化炭素中毒のリスクです。定期的な点検と換気が絶対に欠かせません。
設置スペースが必要になることによる圧迫感
室内に給湯器を設置する際、お客様からよくお伺いする不満の一つが「場所を取って邪魔になる」「見た目に圧迫感がある」という点です。屋外型であれば外壁に同化して気になりませんが、室内型の場合は台所の壁面や洗面所のスペースを物理的に占有してしまいます。

給湯器本体のサイズは、号数(お湯を作る能力)にもよりますが、高さ60cm、幅35cm、奥行き20cmほどの金属の箱です。これに加えて、本体の上部からは直径10cm前後の銀色の排気筒(煙突)が伸びており、壁の穴に向かって這うように設置されます。この無骨な金属の筒がむき出しになっている状態は、インテリアの観点から見ても決して美しいとは言えません。
実際に現場で交換工事をした際、「少しでも小さい機種にできないか?」とご相談を受けることがあります。しかし、給湯能力を落とすと冬場にお湯の出が悪くなるため、サイズダウンはあまりおすすめできません。室内に設置する以上、ある程度のスペースと圧迫感は受け入れざるを得ないのが、室内用給湯器の避けられないデメリットと言えます。
稼働音(騒音)が室内に響きやすい傾向
室内用給湯器のデメリットとして、圧迫感以上に日常生活に影響を与えるのが「音」の問題です。給湯器は、お湯を沸かすために内部でガスバーナーに火をつけ、強力な送風ファンを回して燃焼と排気を行います。この一連の動作音が、ダイレクトに室内に響いてしまうのです。

屋外型であれば、窓を閉めていれば音はほとんど気になりません。しかし、台所や洗面所に設置されている場合、お湯を使うたびに「ブォーッ」という燃焼音や、「キーン」「ブーン」というファンの回転音が鳴り響きます。特に夜間や早朝、家族が寝静まっている時間帯にお湯を使うと、想像以上に音が大きく感じられます。
私が担当したお客様の中には、「キッチンで洗い物をしていると、給湯器の音がうるさくてリビングのテレビの音が聞こえない」とお困りの方もいらっしゃいました。生活空間のすぐそばで機械が稼働するという特性上、騒音はある程度妥協しなければならないポイントになります。
換気不良による一酸化炭素中毒リスクへの配慮
室内用給湯器において、デメリットというよりも「最も警戒すべき重大な注意点」となるのが、一酸化炭素中毒のリスクです。ガスを燃焼させる機器を密閉された室内に置くということは、常に排気ガスとの隣り合わせであることを意味します。

特にFE式(強制排気式)の場合、室内の空気を吸って燃焼するため、換気扇を回さずに長時間使用したり、部屋の密閉度が高すぎたりすると、酸素不足に陥ります。酸素が足りないと「不完全燃焼」を起こし、無色無臭で猛毒の一酸化炭素(CO)が発生してしまうのです。一酸化炭素は気づかないうちに吸い込み、頭痛や吐き気、最悪の場合は死に至る非常に恐ろしいガスです。
また、機器本体だけでなく、排気筒に亀裂が入っていたり、接続部が外れていたりすると、そこから排気ガスが室内に漏れ出します。過去に私が点検に伺ったお宅では、地震の揺れで排気筒のジョイント部分がわずかにズレており、危うく排気漏れを起こす寸前だったことがありました。室内に給湯器がある場合は、常に「換気」と「排気筒の異常がないか」に気を配る必要があります。
インターネット上には給湯器を自分で交換・修理する動画などがありますが、室内用給湯器の排気筒接続は「ガス消費機器設置工事監督者」などの国家資格が必要です。わずかな隙間からの排気漏れが命に関わるため、絶対に無理をせず専門業者へ依頼してください。
室内用給湯器の稼働音はうるさい?騒音の原因と防ぐための対策は?
室内用給湯器の稼働音は、内蔵された送風ファンの回転音やバーナーの燃焼音が原因です。特に設置から10年近く経過すると、部品の摩耗により「ブーン」「キーン」といった異音が大きくなる傾向があります。防音シートの活用やこまめな清掃で多少は軽減できますが、異常な音が続く場合は早めの点検や交換が必要です。
「ブーン」という稼働音が気になりやすい理由
給湯器が稼働する際に出る音は、主に3つの要素で構成されています。1つ目は点火時の「チチチチ、ボッ」というスパークと着火の音。2つ目はガスが燃える「ゴォー」という燃焼音。そして3つ目が、空気を送り込み排気を押し出すためのファンモーターが回る「ブーン」「ウイーン」という回転音です。

特に室内用給湯器で耳障りに感じやすいのが、このファンモーターの音です。屋外型に比べて、室内型は排気筒を通して遠くまで排気ガスを押し出す必要があるため、強力なファンが搭載されています。このファンが高速回転する際のモーター音や風切り音が、室内の壁や天井に反響し、低周波の「ブーン」という音となって生活空間に響き渡るのです。
また、給湯器が設置されている壁の材質(薄いベニヤや石膏ボードなど)によっては、機器の微細な振動が壁全体に伝わり、スピーカーのように音を増幅させてしまう「共振」という現象が起きることもあります。これが、室内用給湯器がうるさいと感じる大きな要因です。
経年劣化によって異音が大きくなる可能性
「昔はこんなにうるさくなかったのに、最近になって音が大きくなった気がする」というご相談を現場でよく受けます。これは気のせいではなく、実際に給湯器の経年劣化によって騒音が大きくなっている可能性が高いです。
給湯器の寿命は一般的に約10年と言われています。長年使用していると、ファンモーターの軸受け(ベアリング)が摩耗してガタつきが生じたり、ファンにホコリやススがこびりついて回転バランスが崩れたりします。すると、正常な時は「ブーン」という滑らかな音だったものが、「ガラガラ」「キーン」「ピーッ」といった不快な金属音や摩擦音に変わってくるのです。
私が以前修理に伺ったお宅では、ファンモーターの軸が完全にブレており、給湯器全体がガタガタと激しく振動していました。ここまで来ると、騒音の問題だけでなく、いつファンが停止して不完全燃焼を起こしてもおかしくない危険な状態です。音の変化は、給湯器からのSOSサイン(寿命のサイン)であると捉えてください。
騒音や振動を軽減するために検討したい対策とメンテナンス
室内用給湯器の音を完全にゼロにすることは構造上不可能ですが、いくつかの対策で軽減することは可能です。まず、機器の振動が壁に伝わって響いている場合は、給湯器と壁の間に専用の「防振ゴム」を挟み込むことで、共振を抑えることができます。これは業者に依頼して施工してもらう必要がありますが、低音の響きには効果的です。
また、給湯器の周囲に物を置きすぎないことも大切です。物が密集していると音が乱反射してうるさく感じることがあります。DIYで給湯器の周りを囲うようなカバーを作る方がたまにいらっしゃいますが、これは排気熱がこもったり、給気不足になったりして非常に危険ですので絶対にやめてください。
根本的な対策としては、やはり定期的なメンテナンスと、寿命(10年)を迎えた機器の交換です。最新の室内用給湯器は、昔の機種に比べてファンモーターの静音性が格段に向上しています。「音がうるさくて限界」と感じたら、修理や交換のタイミングこともあります。
- 壁からの振動音には「防振ゴム」の設置が有効(業者へ依頼)
- 給気口や本体のフィルターのホコリを定期的に掃除する
- 10年以上経過して異音が大きくなった場合は、最新の静音モデルへの交換を検討する
室内に給湯器を設置するのは危険ですか?知っておきたい安全対策
室内用給湯器は法令を守り正しく設置されていれば安全ですが、排気筒の亀裂や換気不足が起きると一酸化炭素中毒の危険があります。安全対策として、使用中の換気扇稼働や窓開けを徹底し、年1回以上の目視点検を推奨します。もし使用中に焦げ臭いニオイや目に染みる感覚があれば、直ちに使用を中止し換気を行ってください。
不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクと注意喚起
先ほども少し触れましたが、室内用給湯器において絶対に忘れてはならないのが一酸化炭素(CO)中毒のリスクです。ガスが正常に燃える(完全燃焼する)ためには、新鮮な空気(酸素)が大量に必要です。しかし、換気が不十分な室内で給湯器を使用し続けると、室内の酸素濃度が徐々に低下していきます。
酸素が不足した状態でガスが燃えると、二酸化炭素(CO2)ではなく、猛毒の一酸化炭素(CO)が発生します。一酸化炭素は無色・無臭であるため、発生しても人間の五感では気づくことができません。気づかないうちに吸い込み続けると、軽い頭痛やめまいから始まり、やがて意識を失い、最悪の場合は命を落とすという大変恐ろしい事態を招きます。
現場のプロとして強くお伝えしたいのは、「冬場は特に危険」ということです。寒さから窓を閉め切り、換気扇も回さずにお風呂でお湯を使い続ける……これが最も危険なパターンです。FE式の給湯器をお使いのご家庭では、「給湯器を使う時は必ず換気扇を回す」というルールを家族全員で徹底してください。
安全に利用するための定期的な点検と換気の重要性
室内用給湯器を安全に使い続けるためには、日頃の「換気」と、定期的な「目視点検」が欠かせません。FF式(強制給排気式)の場合は屋外から空気を取り入れるため換気の心配は少ないですが、FE式の場合は換気が命綱です。給気口(壁にある空気の取り入れ口)が家具やホコリで塞がれていないかを定期的に確認しましょう。
また、排気筒(煙突)の点検も重要です。排気筒はステンレスなどの金属でできていますが、長年の使用でサビが発生したり、地震の揺れでジョイント部分のネジが緩んだりすることがあります。月に1回程度で構いませんので、排気筒に「穴が開いていないか」「接続部が外れかかっていないか」「ガムテープなどで応急処置されていないか」を目視で確認してください。
私が過去に遭遇したゾッとする現場では、お客様が排気筒の隙間から風が漏れるのを防ぐために、市販の布ガムテープをぐるぐる巻きにして塞いでいました。排気筒は高温になるため、ガムテープが焦げて火災になる寸前でした。異常を見つけたら、絶対に自分で直そうとせず、すぐに専門業者を呼んでください。
異臭や異音を感じた場合にすぐ取るべき行動
もし、給湯器を使用している最中に「いつもと違うニオイ(焦げ臭い、ガス臭い、酸っぱいニオイ)」を感じたり、目がチカチカするような刺激を感じたりした場合は、ただちに危険信号だと認識してください。これは不完全燃焼や排気漏れが起きている典型的なサインです。
このような異常を感じた場合の正しい行動手順は以下の通りです。
- 直ちにお湯を止める(給湯器の運転を停止する)
- 部屋の窓やドアを全開にして、新鮮な空気を入れる
- 換気扇を回す(ただしガス臭い場合は、換気扇のスイッチの火花で引火する恐れがあるため触らず、窓開けのみにする)
- ガス栓を閉める
- 契約しているガス会社、または給湯器の専門業者に緊急連絡する
「少し様子を見よう」とそのまま使い続けるのは絶対にやめてください。また、最近の給湯器には安全装置がついており、不完全燃焼を検知すると自動で停止してエラーコード(例:11や12など)を表示します。エラーが出て止まった場合、何度も電源を入れ直して無理やり動かそうとする方がいますが、安全装置が働いたということは「危険な状態」である証拠です。必ずプロの点検を受けてください。
ガス給湯器の屋内設置基準とは?法令や条件の確認ポイントは?
ガス給湯器の屋内設置は、消防法や建築基準法、ガス事業法などで厳しく規定されています。特に排気筒の材質、勾配、屋外への出し方には細かいルールがあり、資格を持った専門業者(ガス消費機器設置工事監督者など)でなければ施工できません。基準を満たさない違法な設置は、重大な事故に直結するため大変危険です。
消防法や建築基準法に基づく設置基準の概要
室内に火を扱うガス機器を設置するということは、火災やガス漏れのリスクを伴うため、国が定める様々な法令によって厳格なルールが敷かれています。主に関係してくるのは「消防法」「建築基準法」、そして「ガス事業法(または液化石油ガス法)」です。
例えば消防法では、給湯器本体と周囲の可燃物(木製の壁や家具など)との間に、定められた「離隔距離(安全な隙間)」を確保することが義務付けられています。機器の上部は15cm以上、側方は4.5cm以上といった具合に、機種ごとに細かく指定されています。これを守らないと、機器の熱で壁が炭化し、ある日突然発火する「低温発火」という恐ろしい火災を引き起こすおそれがあります。
また、建築基準法では、室内の換気設備に関する規定があります。FE式の給湯器を設置する部屋には、十分な面積を持った給気口と排気設備(換気扇など)を設けなければならないとされています。現場で私たちが新しい給湯器を設置する際も、これらの法令基準を満たしているか、メジャーでミリ単位の計測を行いながら慎重に作業を進めています。
排気筒(煙突)の設置に関する厳格なルールの存在
屋内設置型給湯器の工事において、最も技術と知識を要するのが「排気筒(煙突)」の施工です。排気筒には、排気ガスをスムーズに、かつ安全に屋外へ排出するための非常に細かいルールが存在します。
まず材質ですが、排気ガスには水分や酸性の物質が含まれているため、腐食に強い「ステンレス製」の専用部材を使用しなければなりません。また、排気筒の「勾配(傾き)」も重要です。排気ガス中の水分が結露して水滴となり、給湯器本体に逆流して故障するのを防ぐため、屋外に向かってわずかに下り勾配(先下がり)をつける必要があります。
さらに、排気筒の曲がり角の数(エルボの数)や、全体の長さ(延長距離)にも制限があります。長くしすぎたり、クネクネと曲げすぎたりすると、排気の抵抗が大きくなり、排気ガスが外へ出きらずに不完全燃焼を起こすからです。これらの複雑なルールをすべて理解し、現場の状況に合わせて適切な部材を選定・施工できるのは、有資格のプロフェッショナルだけなのです。
基準を満たさない設置が引き起こす危険性について
残念なことですが、世の中には法令基準を無視した「違法な設置(手抜き工事)」が稀に存在します。無資格の業者が施工したり、DIYで知識のない方が見よう見まねで設置したりした結果です。
私が以前、別の業者が施工したという現場の修理に呼ばれた際、信じられない光景を目にしました。排気筒の材質が指定のステンレスではなく、安価なアルミフレキ(換気扇などに使う蛇腹の筒)で代用されていたのです。アルミは熱に弱く、排気ガスの酸で簡単に穴が開いてしまいます。案の定、そのアルミフレキには小さな穴が開き、そこから排気ガスが室内に漏れ出していました。
基準を満たさない設置は、単に「法律違反」というだけでなく、お客様やご家族の命を直接脅かす行為です。室内用給湯器の交換や修理を依頼する際は、必ず「ガス消費機器設置工事監督者」や「液化石油ガス設備士」などの国家資格を保有している、信頼できる専門業者を選ぶことが絶対条件となります。
マンションでの給湯器交換における業者選びのポイントについては、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
マンションのノーリツ給湯器交換|費用相場と業者選びの3つのコツ
室内用給湯器の設置や交換にかかる費用の目安と注意点は何ですか?
室内用給湯器の交換費用は、本体代・工事費・部材代を含めて約15万円〜25万円が一般的な相場です。屋外型に比べて特殊な排気筒や給排気トップの交換が必要になることが多く、部材費や作業手間がかさむため割高になる傾向があります。また、冬季などの繁忙期は部材の納期が遅れ、費用が変動することもあります。
本体価格と設置工事費用の相場(目安)
室内用給湯器の交換にかかる費用は、「給湯器本体の価格」「標準工事費」「排気筒などの追加部材費」の3つで構成されます。号数(16号、20号など)や、追い焚き機能の有無によって価格は大きく変動しますが、一般的な相場レンジとしては以下のようになります。
| 給湯器の種類・号数 | 機能 | 交換費用の相場(目安) |
|---|---|---|
| 16号(単身〜2人家族向け) | 給湯専用 | 約100,000円 〜 150,000円 |
| 16号 | 追い焚き付き(ふろ給湯器) | 約150,000円 〜 200,000円 |
| 20号(2〜4人家族向け) | 給湯専用 | 約120,000円 〜 170,000円 |
| 20号 | 追い焚き付き(ふろ給湯器) | 約170,000円 〜 230,000円 |
※あくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイト・メーカーをご確認ください。最終的な判断は専門業者にご相談ください。
屋外の壁掛けタイプであれば、10万円前後で交換できるケースもありますが、室内用給湯器の場合は全体的に数万円ほど割高になります。これは、室内用機器自体の流通量が屋外用に比べて少なく、割引率が低いことや、後述する排気筒の部材費・施工費が上乗せされるためです。
特殊な排気筒の工事などで追加費用が発生するケース
室内用給湯器の交換費用が想定より高くなるパターンの多くは、「排気筒(煙突)」や「給排気トップ」の交換に伴う追加費用です。
お客様の中には「今ついている煙突をそのまま使い回せば安くなるのでは?」とおっしゃる方もいらっしゃいます。しかし、給湯器本体を新しくする場合、原則として排気筒も新しいものに交換するのが安全上の鉄則です。古い排気筒は目に見えない金属疲労や腐食が進んでいる可能性があり、使い回すと排気漏れのリスクが高まるからです。
また、メーカーや機種が変わると、排気筒の接続口の径(太さ)や位置が変わることがあります。その場合、壁の穴までの距離を調整するために特殊な曲がり管(エルボ)や延長管を追加しなければならず、部材費が1万円〜3万円ほど追加でかかることがあります。さらに、壁の穴のサイズが合わずに拡張工事が必要になるなど、設置環境による差が費用に大きく影響します。
業者へ見積もりを依頼する際に必ず確認すべきポイント
室内用給湯器の交換を業者に依頼する際、絶対に確認していただきたいポイントがあります。それは「見積もりに排気筒の交換費用や追加部材費が含まれているか」ということです。
インターネット上で「給湯器交換が最安・激安!」と謳っている業者の中には、最初の見積もりを極端に安く見せ、いざ現場に来てから「この排気筒は特殊なので追加で5万円かかります」と高額な請求をしてくる悪質なケースもゼロではありません。(※価格優位をアピールする業者がすべて悪いわけではありませんが、安い理由や条件が明確でない場合は注意が必要です)。
トラブルを防ぐためには、現地調査(下見)をしっかり行ってもらい、現状の排気筒の取り回しを確認した上で「確定見積もり」を出してもらうことが重要です。また、「有資格者が自社施工するかどうか」「万が一のガス漏れや排気漏れに対する工事保証がついているか」も併せて確認しましょう。安さだけでなく、安全と安心を担保できる業者を選ぶことが、室内用給湯器においては特に大切です。
給湯器の電源つけっぱなしはいくらかかる?費用を抑える工夫は?
給湯器の電源をつけっぱなしにした場合の待機電力は、1日あたり約2円〜3円、年間でも1,000円程度とごくわずかです。こまめに電源を切っても大きな節約にはなりませんが、外出時や就寝時は安全面を考慮して消すことをおすすめします。光熱費を抑えるなら、お湯の出しっぱなしを防ぎ、設定温度を下げる方が効果的です。
電源を入れたままにした場合の待機電力の目安
現場でお客様から非常によく聞かれる質問の一つが、「給湯器のリモコンの電源は、こまめに消した方が電気代の節約になりますか?」というものです。特に室内用給湯器の場合、台所などにリモコンがあるため、電源ランプが点灯しているのが目につきやすいのだと思います。
結論から言うと、給湯器の電源をつけっぱなしにしていても、電気代はほとんどかかりません。リモコンの電源が入っている状態(お湯を出していない待機状態)で消費する電力は、機種にもよりますが約2W〜5W程度です。これを電気代に換算すると、1日24時間つけっぱなしでも約2円〜3円。1ヶ月で約60円〜90円、年間でも1,000円前後にすぎません。
最近の給湯器は省エネ設計が進んでおり、一定時間操作がないと液晶画面が消灯する「セーブモード」が搭載されているものが主流です。そのため、電気代を気にして神経質に電源をON/OFFする必要はあまりないと言えます。
こまめに消す場合とつけっぱなしにする場合の違い
では、電源は常につけっぱなしで良いのでしょうか。電気代の観点からは問題ありませんが、「安全性」と「使い勝手」の観点からは、状況に応じて使い分けることをおすすめします。
例えば、小さなお子様がいるご家庭の場合、電源が入りっぱなしだと、子供が誤って蛇口をお湯側にひねった際に熱湯が出て火傷をするリスクがあります。また、長期間家を空ける旅行や帰省の際は、万が一の漏電や誤作動を防ぐために電源を切っておくのが安心です。
一方で、冬場の寒冷地では注意が必要です。給湯器には凍結防止ヒーターが内蔵されており、外気温が下がると自動で作動して配管内の水が凍るのを防ぎます。このヒーターは、電源プラグがコンセントに挿さっていればリモコンのON/OFFに関わらず作動する機種がほとんどですが、古い機種などではリモコンの電源を切ると凍結防止機能が働かないものもあります。冬場は取扱説明書を確認し、適切な運用を行ってください。
光熱費を節約するために無理なくできる安全な対策
給湯器の光熱費(電気代・ガス代・水道代)を本当に節約したいのであれば、リモコンの待機電力を気にするよりも、ガスと水の消費量を減らす方が圧倒的に効果的です。
最も簡単で効果が高いのが「設定温度を下げる」ことです。例えば、食器洗いをする際、設定温度を40℃から37℃に下げるだけで、ガス代を大きく節約できます。手荒れを防ぐ意味でも、ぬるま湯での洗い物はおすすめです。
また、「お湯の出しっぱなしを防ぐ」ことも重要です。シャワーを1分間出しっぱなしにすると、約12リットルのお湯を消費します。こまめにシャワーを止める、節水型のシャワーヘッドに交換するといった工夫で、ガス代と水道代のダブルで節約が可能です。安全を確保しつつ、無駄なお湯を使わないことこそが、最大の節約術となります。
マンションや賃貸で室内用給湯器を扱う際の注意点はありますか?
賃貸マンションやアパートで室内用給湯器が故障した場合、勝手に業者を呼んで交換してはいけません。給湯器は物件の付帯設備となるため、修理や交換の費用は原則として大家さんや管理会社が負担します。異音や水漏れなどの不具合に気づいたら、まずは管理会社へ連絡し、指定された業者に対応してもらうのが鉄則です。
賃貸物件で故障した場合の連絡先と費用負担の原則
賃貸アパートやマンションにお住まいの方から、「お湯が出なくなったので、今すぐ交換してほしい」と直接弊社にご依頼をいただくことがあります。しかし、賃貸物件の場合、私たちはすぐには作業に取り掛かれません。なぜなら、給湯器の所有権は入居者ではなく、大家さん(貸主)にあるからです。
賃貸契約において、最初から備え付けられている給湯器などの設備は、経年劣化や自然故障であれば、大家さんの費用負担で修理・交換を行うのが原則です。もし入居者が勝手に業者を呼んで交換してしまった場合、後から大家さんに費用を請求しても「指定の業者じゃなかったから」「勝手にやったから」と支払いを拒否され、トラブルになるケースが後を絶ちません。
そのため、お湯が出ない、異音がするなどのトラブルが発生した場合は、どんなに不便でもまずは管理会社や大家さんに連絡し、指示を仰ぐのが絶対のルールです。管理会社が提携している業者が手配され、費用もそちらで処理されるのが一般的な流れとなります。
分譲マンションにおける管理規約の確認と業者選び
一方、分譲マンションにお住まいで、ご自身が部屋の所有者である場合は、給湯器の交換は自己負担で行うことになります。しかし、ここでも注意点があります。マンションの「管理規約」です。
特に室内用給湯器の場合、排気筒を外へ出すための壁の穴(スリーブ)や、外壁に飛び出す給排気トップの形状は、マンションの外観や共有部分に関わるため、管理組合の承認が必要になることがあります。「今の機種と全く同じ後継機種への交換なら連絡不要」というマンションもあれば、「工事の1ヶ月前までに申請書を提出し、指定の色に塗装しなければならない」といった厳しいルールがあるマンションもあります。
現場で工事当日になって、管理人さんから「工事の申請が出ていないから今日は作業させられない」とストップをかけられ、お湯が出ないまま数日待たされる……という悲惨な事態を避けるためにも、分譲マンションで交換を検討する際は、事前に管理組合やフロント担当者にルールを確認しておきましょう。
退去時のトラブルを防ぐための原状回復と日常の管理
賃貸物件にお住まいの場合、日常の管理責任は入居者(借主)にあります。これを「善管注意義務(善良な管理者の注意義務)」と呼びます。
例えば、室内用給湯器の周辺に燃えやすいものを山積みにしていたせいで火災が起きた、冬場に旅行に行く際、ブレーカーを落としてしまったため凍結防止ヒーターが作動せず配管が破裂した、といった場合は、入居者の過失とみなされ、修理費用や損害賠償を請求されるおそれがあります。
退去時に「給湯器を壊した」とトラブルにならないためにも、取扱説明書に記載された正しい使い方を守り、異音や異臭などの異常を感じたら放置せずにすぐ管理会社へ報告することが大切です。日頃から大切に扱うことで、安全かつ快適にお湯を使い続けることができます。
まとめ:給湯器を室内に設置するデメリットと費用の注意点を把握して安全な運用を
今回は、室内用給湯器(屋内設置型)の仕組みやデメリット、設置にかかる費用の注意点、そして安全対策について現場のプロ目線で解説してきました。
室内に給湯器があることで、稼働音や圧迫感といったデメリットは避けられませんが、寒冷地での凍結防止や建物の構造上の制約をクリアするためには不可欠な設備です。特に重要なのは「一酸化炭素中毒を防ぐための換気と点検」です。少しでも異音や異臭を感じたら、決して無理をして使い続けず、専門業者に点検を依頼してください。
また、交換費用については、屋外型よりも排気筒の部材費などがかさむ傾向があります。見積もりを取る際は、総額だけでなく「必要な工事や安全対策がすべて含まれているか」をしっかり確認し、信頼できる有資格の業者を選ぶことが最大のポイントです。
給湯器は毎日使う大切な生活インフラです。正しい知識を持ち、安全で快適なバスタイム・キッチンタイムをお過ごしください。給湯器のことでお困りの際は、お気軽に専門業者までご相談ください。
▶ まず読みたい:給湯器の交換はどこに頼む?費用や寿命、補助金まで解説
株式会社生活水道センター 本部長
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405
株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。
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