給湯器交換 手順はこれで安心!費用と時間を抑えるコツ

【プロ解説】給湯器交換の手順はこれで安心!費用と時間を抑えるコツと業者選び

こんにちは。給湯器修理.comです。

濱本 孝一

この記事の監修者

濱本 孝一

株式会社 生活水道センター 代表取締役

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号

株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。

毎日当たり前にお湯が使える生活、突然お湯が出なくなると本当に困ってしまいますよね。給湯器の故障は予兆なく訪れることも多く、いざ交換となると「どんな手順で進めればいいの?」「費用はどれくらいかかるの?」「何日もお風呂に入れないのは困る」と不安になる方がほとんどです。

この記事でわかること

  • 給湯器交換の問い合わせから完了までの具体的な手順
  • 工事にかかる日数と即日対応してもらうための条件
  • 交換費用を安く抑えるための賢い見積もり術と選び方
  • 実際の工事当日の流れと失敗しない優良業者の見極め方

【はじめに】給湯器交換の全体的な流れと日数がかかる目安

給湯器の交換は、一生のうちにそう何度も経験するものではありません。だからこそ、いざお湯が出なくなるとパニックになってしまうお客様が非常に多いです。現場に出ていると、特に真冬の夜に「お湯が出ないんです!子供が風邪をひいてしまいます、今日すぐ来てくれませんか!?」という切羽詰まったお電話をよく受けます。お気持ちは痛いほどわかるのですが、給湯器の交換は「電話して1時間後に完了」というわけにはいかないのが現実です。

まずは、落ち着いて全体の手順を把握することが、結果的に費用と時間を抑える一番の近道になります。ここでは、業者への問い合わせから工事完了までの全体像と、日数の目安について詳しく解説していきます。

業者への問い合わせから見積もり・契約までの手順

給湯器の交換を思い立ったら、まずは業者に問い合わせて見積もりをもらうところからスタートします。一般的な流れは以下の通りです。

結論から言うと、問い合わせから見積もりの確定までは、スムーズにいけば半日〜1日程度で完了します。

最初のステップは、インターネットや電話、LINEなどを使った業者へのコンタクトです。この時、ただ「お湯が出ない」と伝えるだけでなく、現在お使いの給湯器の情報を正確に伝えることが、その後の手順を劇的に早めるコツです。具体的には、給湯器本体の正面に貼られている「銘板シール(型番シール)」の写真を撮って送るのが最も確実です。

現場でのちょっとした小話ですが、この銘板シール、南向きのベランダなどに設置されていると、長年の直射日光で印字が完全に消えてしまっていることがあります。お客様が「シールが真っ白で読めない!」と焦って電話をかけてこられることも少なくありません。そんな時は、リモコンに表示されている型番を教えていただいたり、給湯器全体の形や配管の様子を写真で送っていただいたりすることで、私たちプロは「あ、これはノーリツの24号オートタイプだな」と大体の見当をつけることができます。

業者に現状を伝えると、多くの場合、現地調査(下見)を行うか、送っていただいた写真をもとに「オンライン見積もり」が提示されます。見積もりの内容(本体代、工事費、処分費など)を確認し、金額や保証内容に納得できれば正式に契約(工事の依頼)となります。

交換工事にかかる日数は?即日対応できる条件とは

契約が済んだら、次はいよいよ工事です。ここで皆さんが一番気になるのが「いつお風呂に入れるようになるのか?」という点なります。

結論をお伝えすると、業者の倉庫に適合する給湯器の在庫があり、かつ職人のスケジュールが空いていれば「即日交換」も可能です。しかし、状況によっては1週間から、特殊なケースでは1ヶ月以上待たなければならないこともあります。

即日対応が難しくなる主な理由は以下の通りです。

  • 特殊な設置タイプの給湯器を使っている場合:一般的な壁掛けタイプや据え置きタイプなら在庫が豊富ですが、マンションのパイプシャフト(PS)に埋め込まれているタイプや、排気の方向が特殊(上方排気や後方排気など)な機種は、メーカーへの受注生産や取り寄せになることが多く、納期に数日〜数週間かかります。
  • 繁忙期(冬場)の場合:給湯器は水温が下がり、お湯を沸かすためにフルパワーで稼働する10月〜2月頃に一斉に壊れ始めます。この時期は業者のスケジュールがパンパンに埋まっており、在庫があっても「工事に行けるのが1週間後」という事態が頻発します。
  • 半導体不足などの社会的要因:数年前に起きた世界的な半導体不足の際は、給湯器の納期が半年待ちという異常事態になりました。現在は解消されていますが、メーカーの生産状況に左右される側面があります。

どうしてもお湯が使えなくて困った時は?

新しい給湯器が届くまでの間、お湯が使えないのは非常に辛いですよね。優良な給湯器交換業者の中には、工事日までの間、一時的にお湯だけを出せるようにする「代替給湯器の無料レンタルサービス」を行っているところがあります。もし納期がかかると言われたら、代替機の貸し出しがないか相談してみることを強くおすすめします。

マンションやアパート特有の手続きの流れと注意点

戸建て住宅にお住まいなら、ご自身の判断でいつでも給湯器を交換できますが、マンションやアパートなどの集合住宅の場合は、特有の手続きやルールが存在します。これを無視して進めると、後々大きなトラブルになるため注意が必要です。

まず、賃貸アパートや賃貸マンションにお住まいの場合です。給湯器は物件の「設備」にあたるため、勝手に交換してはいけません。お湯が出なくなったら、まずは管理会社や大家さんに連絡をしてください。基本的には貸主側の費用負担で修理・交換の手配をしてくれます。(※ただし、入居者の過失で壊した場合は自己負担になることがあります)

次に、分譲マンションにお住まいの場合です。給湯器は各部屋の所有物(専有部分)であることが多いですが、設置されている場所(玄関横のパイプシャフトやベランダ)は「共用部分」にあたります。そのため、交換工事を行う前には必ずマンションの「管理組合」または「管理会社」への事前申請や承認が必要です。

現場で実際にあった冷や汗もののエピソードを紹介しましょう。ある分譲マンションのお客様から依頼を受け、新品の給湯器を積んで意気揚々と現場に到着しました。いざ作業を始めようとしたところ、マンションの管理人さんが飛んできて「工事の申請書が出ていないから今日は作業させられないよ!」とストップをかけられてしまったのです。お客様は「自分の持ち物だから勝手に替えていいと思っていた」とのこと。結局その日は作業ができず、申請が通った1週間後に改めて出直すことになりました。

また、マンションによっては「外観の統一感を保つため、給湯器の本体色は指定のカラー(特注色)でなければならない」という厳しい規約がある物件もあります。標準のアイボリーホワイトではなく、外壁に合わせたブラウンやグレーに塗装された給湯器を発注する必要があり、この場合は納期が通常より長くかかります。マンションにお住まいの方は、見積もりを取る前に必ず管理規約を確認するか、管理人に一声かけておくことが、時間を無駄にしないコツです。

給湯器交換の費用相場と安く抑えるための3つのコツ

給湯器の交換でもう一つ頭を悩ませるのが「費用」の問題です。現場で見積もりをお客様にお見せすると、「えっ、こんなにするの!?ネットの広告ではもっと安かったのに…」と驚かれることがよくあります。しかし、ネットの「最安値」の広告は、最低限の機能の機器本体だけの価格であったり、必要な工事費が含まれていなかったりするケースが少なくありません。

ここでは、現場のプロの視点から、費用の内訳と一般的な相場、そして安全性を担保した上で費用を賢く抑えるコツを解説します。ただし、ここで紹介する金額はあくまで一般的な目安です。正確な情報は必ず複数業者の見積もりで確認してください。

給湯器交換にかかる費用の内訳と一般的な相場

給湯器交換の費用は、大きく分けると「機器本体代+リモコン代」と「標準工事費」の2つで構成されています。まずはこの内訳を理解が必要です。

①料金の内訳

  • 機器本体代:給湯器そのものの価格です。メーカーの希望小売価格から、業者の仕入れ力に応じて割引(50%〜80%OFFなど)が適用されます。
  • リモコン代:台所用と浴室用のリモコンセットです。本体とは別売りになっていることがほとんどです。
  • 標準工事費:既存機器の取り外し、新しい機器の設置、給水・給湯・ガス管の接続、保温材の施工、試運転などの作業費です。
  • 既存機器の廃棄処分費:取り外した古い給湯器を適正に産業廃棄物として処理するための費用です。
  • 諸経費:出張費や駐車場代などが含まれることがあります。

②一般的な相場レンジ

給湯器の機能(給湯専用、オート、フルオート)や、従来型か省エネ型(エコジョーズ)かによって、総額の相場は大きく変わります。

給湯器のタイプ 機能の特徴 交換費用の目安(工事費込)
給湯専用(従来型) 蛇口からお湯を出すだけのシンプルな機能。追いだきは不可。 約70,000円 〜 120,000円
ふろ給湯器(オート) お湯張り、追いだき、保温が自動。 約130,000円 〜 180,000円
ふろ給湯器(フルオート) オートの機能に加え、足し湯や配管洗浄まで全自動。 約150,000円 〜 200,000円
エコジョーズ(省エネ型) 排熱を利用してガス代を節約できる。ドレン排水工事が必要。 約160,000円 〜 250,000円

③時期・繁忙期による変動

給湯器の価格は一年中同じではありません。需要が爆発する10月〜2月の冬場は、業者の割引率が渋くなる傾向があります。逆に、需要が落ち込む春から夏(4月〜8月)にかけては、在庫をさばくために「夏の大感謝祭」などのキャンペーンが行われ、比較的安く交換できるチャンスが多くなります。

④設置環境による差

現場に行くと「標準工事費」の枠に収まらないケースも多々あります。例えば、給湯器が手の届かない高所(外壁の2階部分など)に設置されていて足場を組む必要がある場合や、人が一人やっと入れるような狭小スペースでの作業は、追加の作業費が発生します。また、排気が隣の家の窓に直接当たらないようにするための「排気カバー」や、配管の延長が必要な場合も、部材代が追加となります。これらが「ネットの広告より高くなる」主な原因です。

費用を抑えるコツ①:複数業者での相見積もり

給湯器交換の費用を適正価格に抑えるための鉄則は、必ず2〜3社から相見積もりを取ることです。1社だけの見積もりでは、その金額が高いのか安いのか、必要な工事がすべて含まれているのか判断できません。

相見積もりを取る際のポイントは「総額表示(コミコミ価格)になっているか」を確認することです。悪質な業者の場合、見積もり上は本体代を異常に安く見せておき、工事当日に「配管の劣化が激しいので交換が必要」「古い機器の処分費は別途です」と言って、高額な追加費用を請求してくるトラブルが後を絶ちません。見積もりに「追加費用一切なし」と明記してくれる業者を選ぶのが安心です。

私たち現場の人間からしても、お客様が相見積もりを取っていることは全く失礼なことではありません。むしろ「他社さんはこの金額だったんだけど、おたくはどう?」と率直に相談していただける方が、自社の強み(アフターサポートの手厚さや、自社施工による品質の高さなど)をしっかり説明できるのでありがたいです。

費用を抑えるコツ②:給湯器の号数や機能の見直し

意外と盲点なのが、給湯器の「号数」と「機能」の見直しです。これらを最適化するだけで、本体代を数万円単位で節約できることがあります。

給湯器の「号数」とは、水温+25度のお湯を1分間に何リットル出せるかを示す能力の指標です。一般家庭では「16号」「20号」「24号」の3種類が主流です。

  • 16号:単身世帯向け。シャワーと台所を同時に使うとお湯の勢いが弱くなります。
  • 20号:2〜3人家族向け。シャワーと台所の同時使用でも快適です。
  • 24号:4人以上の家族向け。冬場でも複数箇所で同時にお湯をたっぷり使えます。

例えば、10年前に家を建てた時は子供が2人いて4人家族だったため「24号」を設置したとします。しかし現在、子供たちが独立して夫婦2人暮らしになっている場合、24号の能力はオーバースペックです。これを「20号」にダウンサイズするだけで、機器本体の価格を下げることができます。

また、機能面でも「フルオート」から「オート」への変更を検討する価値があります。フルオートは自動でお湯を足してくれたり、配管を自動洗浄してくれたりして便利ですが、その分構造が複雑で本体価格が高くなります。「お湯が減ったら自分でボタンを押して足せばいい」と割り切れるなら、オートタイプで十分快適に過ごせますし、費用も抑えられます。

費用を抑えるコツ③:補助金やキャンペーンの活用

給湯器の交換費用を大幅に抑える最終兵器が「補助金」の活用です。国や自治体は、二酸化炭素の排出削減を目的として、エネルギー効率の高い給湯器(エコジョーズやエコキュートなど)の導入に対して補助金を出しています。

例えば、国の事業である「給湯省エネ事業」や「子育てエコホーム支援事業」などを活用できれば、数万円〜十数万円のキャッシュバックを受けられるおそれがあります。また、各市区町村でも独自の補助金制度を設けていることがあります。

補助金を活用する際の注意点

補助金は「予算上限に達し次第終了」となることがほとんどです。また、「事前に登録された事業者(施工店)で工事を行うこと」「工事着工前に申請が必要な場合があること」など、厳しい条件が設定されています。ご自身で調べるのは大変なので、見積もりの段階で業者に「今使える補助金はありますか?申請のサポートはしてくれますか?」と直接聞いてしまうのが一番確実です。

さらに、ガス会社や給湯器交換業者が独自に行っている「Web申し込み限定割引」や「まとめ割(コンロとセットで交換すると割引)」などのキャンペーンを見逃さないことも大切です。

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給湯器交換の時間を短縮!スムーズに進めるための準備

「なるべく早くお風呂に入りたい!」というご要望に応えるためには、私たち業者の努力だけでなく、お客様側でのちょっとした事前準備が非常に大きな効果を発揮します。現場で「あちゃー、これでは作業が進まないぞ」と足止めを食らう原因を事前に潰しておくことで、驚くほどスムーズに工事を終わらせることができます。

現地調査の前に確認しておきたいチェックポイント

業者が現地調査に来る前、あるいは工事当日に向けて、ご自宅の環境を少しだけ整えておいていただけると大変助かります。

現場でのよくある「困った!」の第一位は、給湯器周辺の障害物です。給湯器は家の裏手や狭い通路に設置されていることが多いのですが、その前に大量の植木鉢が並んでいたり、冬用タイヤが積み上げられていたり、自転車が何台も停まっていたりすることがあります。給湯器本体は30キロ近くある重い金属の塊です。これを安全に運び出し、新しいものを設置するためには、十分な作業スペースと搬入経路の確保が不可欠です。職人が現場に到着して「まずは植木鉢の移動から…」となると、それだけで30分以上のタイムロスになってしまいます。事前に給湯器周辺を片付けておいていただけると、すぐに作業に取り掛かることができます。

また、工事中はガスの供給を一時的に止めるため、ガスメーターの位置を確認しておいていただけるとスムーズです。戸建ての場合は外壁に、マンションの場合は玄関横のパイプシャフト内にあります。同様に、電源を落とすために室内の分電盤(ブレーカー)の場所も把握しておいてください。

写真を送るだけの「オンライン見積もり」を活用する

最近は、現地調査を省略して、スマートフォンで撮った写真を送るだけで正確な見積もりを出してくれる「オンライン見積もり(LINE見積もりなど)」が主流になりつつあります。これを活用すれば、業者が家に来るための日程調整の手間が省け、数日分の時間を短縮できます。

ただし、適当に写真を撮って送ると「これでは判断できないので、やはり現地調査に行きます」となって逆効果です。一発で正確な見積もりを引き出すための写真撮影のコツをお教えします。

  1. 給湯器の全体像:給湯器本体だけでなく、周囲の壁や地面、天井との距離感がわかるように、少し離れた位置から全体を撮影します。これで作業スペースや排気の方向を確認します。
  2. 銘板シール(型番シール)のアップ:本体の正面に貼られているシールを、文字がはっきり読めるように撮影します。これが最も重要な情報です。
  3. 配管部分のアップ:本体の下から出ている配管(ガス管、給水管、給湯管など)がどのように接続されているか、カバーがついているかなどを撮影します。
  4. リモコンの写真:台所と浴室にあるリモコンの全体像を撮影します。

これらの写真が鮮明であれば、プロは現地に行かなくても「どんな部材が必要で、どんな工事になるか」を正確に読み取ることができます。

繁忙期を避けて余裕を持ったスケジュールを組む

もっとも根本的な「時間を短縮するコツ」は、完全に壊れてお湯が出なくなる前に交換することです。給湯器の設計上の標準使用期間(寿命)は「10年」とされています。10年を過ぎると、部品の劣化が進み、いつ故障してもおかしくない状態になります。

「まだお湯が出るから大丈夫」と粘って、真冬の最も寒い時期(繁忙期)に突然壊れたとします。慌てて業者に連絡しても「工事は2週間後になります」と言われ、凍えるような思いで銭湯通いを強いられることになります。これは時間的にも精神的にも大きなロスです。

もしお使いの給湯器が10年以上経過していて、「お湯の温度が安定しない」「給湯器から異音がする」「リモコンにエラーコードが頻繁に出る」といった寿命のサインが現れているなら、業者が比較的暇で割引率も高い「春〜夏」の時期に、余裕を持って交換してしまうのが一番賢い方法です。

実際の給湯器交換工事の手順!当日はどんな作業をする?

いよいよ工事当日。「プロはどんな作業をしているの?」「家の中にずっといなきゃいけないの?」と疑問に思う方も多いなります。ここでは、私たちが普段現場で行っている作業の手順を、実況中継のようにお伝えします。

標準的な壁掛けタイプの給湯器交換であれば、工事の所要時間は大体3〜4時間程度です。その間、お客様はご自宅にいていただく必要がありますが、ずっと作業を見張っている必要はありません。テレビを見たり、家事をしたりしてリラックスしてお過ごしください。

工事開始から既存給湯器の取り外しまで

指定の時間に職人が到着したら、まずはご挨拶と、当日の作業手順、終了予定時刻のご説明をします。その後、新しい給湯器や工具を搬入するための経路に、傷や汚れがつかないよう養生シートを敷いていきます。

準備が整ったら、安全確保のために「水・お湯・ガス・電気」を遮断します。止水栓とガスコックを固く閉め、コンセントから電源プラグを抜きます。この瞬間から、ご家庭でのお湯の使用と、場合によってはガスの使用ができなくなります。

次に、古い給湯器の取り外しにかかります。本体下部に接続されている給水管、給湯管、追いだき管、ガス管をスパナなどの工具を使って慎重に切り離していきます。長年使われた配管は固着していることが多く、ここで無理に力を入れると配管自体を痛めてしまうため、プロの力加減が求められる場面です。

配管がすべて外れたら、壁に固定されているビスを外し、古い給湯器を撤去します。先ほども触れましたが、給湯器は中に水が残っていると30キロ以上の重さになることもあります。夏の猛暑の中、足場の悪い場所でこの重い金属の塊を抱えて降ろす作業は、職人にとって一番の重労働です。お客様から「冷たいお茶でもどうぞ」と差し入れをいただいた時は、本当に心に染み渡ります。

新しい給湯器の設置と配管・配線接続の作業

古い給湯器を撤去したら、いよいよ新しい給湯器の設置です。壁の強度を確認し、必要であれば固定用のアンカーを打ち直して、新しい本体を壁に引っ掛け、ビスで強固に固定します。

ここで非常に重要なのが「水平器」を使った確認です。給湯器が少しでも傾いた状態で設置されると、内部のファンやポンプに偏った負荷がかかり、異音の発生や早期故障の原因になります。ミリ単位で水平・垂直を調整しながら固定していきます。

本体が固定できたら、配管の接続です。古いパッキン(ゴム製の水漏れ防止部品)は劣化しているため、必ずすべて新品に交換します。給水管、給湯管、追いだき管を接続し、最後にガス管を接続します。

ガス管の接続は国家資格が必要な重要作業

ガス管(可とう管など)の接続作業は、一歩間違えればガス漏れや爆発事故につながる非常に危険な作業です。そのため、「液化石油ガス設備士」などの国家資格や、「ガス機器設置スペシャリスト(GSS)」などの専門資格を持った人間でなければ作業してはいけないと法律で定められています。DIYでの交換が絶対にNGなのはこのためです。

配管の接続が終わったら、専用のガス漏れ検知器や発泡液を使って、ガスが微量でも漏れていないかを徹底的にチェックします。安全が確認できたら、冬場の凍結を防ぐための保温材(断熱材)を配管にしっかりと巻き付け、キャンバステープで見栄え良く仕上げます。

リモコン交換と試運転・引き渡しまでの流れ

外の作業が一段落したら、今度は家の中にお邪魔してリモコンの交換作業を行います。台所リモコンと浴室リモコンを新しいものに付け替えます。

浴室リモコンの交換時は、防水処理が命です。リモコンの裏側に水が入り込むと故障や漏電の原因になるため、壁とリモコンの隙間をシリコンコーキングでしっかりと塞ぎます。現場の職人の腕の見せ所でもあり、マスキングテープを使って真っ直ぐ綺麗なコーキングラインを引ける職人は信頼できます。

すべての設置作業が終わったら、最終確認の「試運転」です。ガスと水道の栓を開け、電源を入れます。実際にリモコンを操作して、以下の点を確認します。

  • 蛇口から設定した温度のお湯が正常に出るか。
  • 浴槽への自動お湯張りが正しく機能するか。
  • 追いだき機能が正常に作動するか。
  • 外の給湯器本体や配管の接続部から、水漏れやガス漏れ、異音が発生していないか。

無事に試運転が完了したら、お客様に立ち会っていただき、新しいリモコンの基本的な操作方法や、エラーが出た時の対処法などをご説明します。最後に、作業場所の清掃を行い、古い給湯器をトラックに積み込んで撤収となります。これでその日の夜から、ピカピカの給湯器で温かいお風呂に入れるようになります。

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給湯器交換でよくある失敗と後悔しない業者選びのポイント

給湯器交換は決して安い買い物ではありません。だからこそ「少しでも安く済ませたい」と思うのは当然の心理です。しかし、価格の安さだけに飛びついて業者を選んだ結果、後悔するお客様の声を現場で何度も耳にしてきました。

ここでは、悪徳業者に騙されないための見極め方と、長期的な安心を得るための業者選びのポイントを解説します。

安さだけで選ぶと危険?悪徳業者の見分け方

インターネットで「給湯器交換 激安」と検索すると、信じられないような低価格を提示している業者がたくさん出てきます。もちろん、企業努力で安く提供している優良業者もたくさんありますが、中には悪質な手口を使う業者も紛れ込んでいます。

現場で聞いたお客様の失敗談で多いのが、「見積もりが曖昧だった」というケースです。見積書に「給湯器交換工事一式:〇〇万円」としか書かれておらず、内訳が全くわからない。安かったので依頼したら、工事当日に「配管が古すぎるので交換しないと付けられない」「この機種は専用のカバーが必要だから追加で3万円かかる」と、次々と追加費用を請求され、断るに断れず、結局相場よりも高い金額を払わされてしまったというお話です。

優良な業者は、見積もりの段階で「標準工事費に含まれるもの」と「追加費用が発生する可能性がある条件」を明確に説明してくれます。「追加費用は一切かかりません」と書面で約束してくれる業者を選ぶのが、トラブルを未然に防ぐ最大のポイントです。

また、突然家に訪問してきて「お宅の給湯器、そろそろ寿命ですよ。今ならキャンペーンで半額にします!」と契約を急かしてくる飛び込み営業の業者には絶対にその場で依頼しないでください。給湯器の点検商法による詐欺被害は国民生活センターでも注意喚起されています。必ず名刺をもらい、家族に相談するか、他社と相見積もりを取って冷静に判断してください。

保証内容とアフターサービスの違いに注意

給湯器は設置して終わりではありません。そこから10年間、毎日過酷な環境で働き続ける機械です。そのため「保証」の充実度が業者選びの重要な鍵になります。

給湯器の保証には、大きく分けて「製品保証」と「工事保証」の2種類があることをご存知でしょうか。

  • 製品保証(メーカー保証):給湯器本体の初期不良や自然故障に対する保証です。通常は1〜2年ですが、メーカーの有償サービスや、業者が独自に提供する延長保証に加入することで、最長10年まで延ばすことができます。
  • 工事保証(施工保証):業者が行った設置工事の不備(配管の接続不良による水漏れなど)に対する保証です。優良業者は自社の施工品質に自信を持っているため、無料で10年間の工事保証をつけていることが多いです。

「うちは10年保証付きで安心です!」と謳っている業者でも、よく見ると「工事保証のみ10年(製品の故障はメーカーの1年保証のみ)」というケースがあります。いざ給湯器が壊れて修理を依頼したら「それは製品の故障なので有償修理になります」と言われてトラブルになるパターンです。

見積もりを比較する際は、金額だけでなく「製品保証と工事保証、それぞれ何年ついているか?それは無料か有償か?」をしっかりと確認してください。また、万が一夜間や休日にトラブルが起きた際、すぐに電話がつながり駆けつけてくれるアフターサービス体制が整っているかも、地元で長く商売をしている業者を選ぶ大きなメリットになります。

DIYでの給湯器交換は絶対にNG!プロに任せるべき理由

最近はYouTubeなどの動画サイトで「給湯器のDIY交換」といった動画を見かけることがあります。ホームセンターやネット通販で給湯器本体だけを安く買い、自分で取り付ければ工事費が浮く、と考える方がいるのも事実です。

しかし、現場のプロとして声を大にして言います。給湯器のDIY交換は絶対にやめてください。命に関わる危険な行為です。

以前、SOSの電話を受けて駆けつけた現場でのことです。お客様がご自身で給湯器を交換しようとしたものの、古い配管を無理に外そうとして給水管の根元を折ってしまい、水が噴き出して止まらなくなってしまったのです。現場は水浸しで、階下への水漏れ被害も出ていました。さらに恐ろしかったのは、ガス管の接続も自己流で行おうとしていた形跡があったことです。もしそのままガスを通していたら、わずかな隙間からガスが漏れ、タバコの火や静電気で大爆発を起こしていたこともあります。

先述の通り、ガス機器の設置やガス管の接続には「液化石油ガス設備士」や「簡易内管施工士」などの公的な資格が必要です。無資格でのガス工事は法律違反(ガス事業法・液化石油ガス法違反)であり、罰則の対象となります。また、DIYで設置した給湯器が原因で火災や事故が起きた場合、火災保険が適用されない可能性が非常に高いです。

数万円の工事費をケチった代償として、家を失ったり、家族や近隣住民の命を危険に晒したりしては元も子もありません。給湯器の交換は、確かな技術と資格を持った専門業者に必ず依頼してください。最終的な判断や疑問点は、無理をせずプロに相談するのが一番の安全策です。

まとめ:給湯器交換の手順を把握して費用と時間を賢く抑えよう

ここまで、給湯器交換の全体の手順、費用を抑えるコツ、時間を短縮するための準備、そして後悔しない業者選びについて、現場のリアルな視点から詳しく解説してきました。

急にお湯が出なくなると焦ってしまうものですが、まずは落ち着いて現状を把握することが大切です。この記事でお伝えしたポイントを最後にもう一度おさらいしておきましょう。

  • 問い合わせ時は、給湯器の「型番シール」の写真を送ると見積もりがスムーズ。
  • マンションの場合は、管理会社や管理組合への事前確認を忘れずに。
  • 費用を抑えるためには、必ず「複数業者で相見積もり」を取り、総額表示か確認する。
  • 家族構成の変化に合わせて「号数」や「機能(オート等)」を見直すのも一つの手。
  • 補助金やキャンペーンが使えないか、業者に積極的に質問する。
  • DIYは法律違反かつ命の危険があるため絶対に行わず、有資格者のプロに任せる。

給湯器は10年という長い期間、私たちの生活を陰で支えてくれる大切なライフラインです。「給湯器交換 手順はこれで安心!費用と時間を抑えるコツ」をしっかりと頭に入れ、価格の安さだけでなく、確かな技術と手厚い保証を持った信頼できる業者を見つけてください。この記事が、あなたが安心して快適な「お湯のある生活」を取り戻すための道しるべとなれば幸いです。正確な情報や最終的な判断については、公式サイトを確認し、専門業者へご相談ください。

佐藤 裕

この記事の執筆者

佐藤 裕

株式会社生活水道センター 本部長

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405

株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。

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