給湯器交換の工事時間は?費用と流れを専門家が徹底解説

給湯器交換の工事時間は?費用と流れを専門家が徹底解説!失敗しない選び方

こんにちは。給湯器修理.comです。

濱本 孝一

この記事の監修者

濱本 孝一

株式会社 生活水道センター 代表取締役

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号

株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。

突然お湯が出なくなったり、給湯器から変な音がし始めたりすると、「すぐに交換しないと!」と焦ってしまいますよね。いざ交換となると、どれくらいの時間がかかるのか、費用はいくら用意すればいいのか、そもそもどこに頼めば正解なのか、わからないことだらけで不安になる方も多いはずです。

この記事でわかること

  • 給湯器交換にかかる標準的な工事時間と流れ
  • 本体代と工事費を含めたリアルな費用相場
  • 分譲マンションや賃貸物件における費用負担のルール
  • 後悔しないための依頼先の選び方とそれぞれの特徴

私は長年、給湯器の設置や修理の現場に立ち続けてきました。真冬の凍えるような寒さの中でお湯が出なくなり、震えながら到着を待っていたお客様の顔や、新しく設置した給湯器から温かいお湯が出た瞬間の「ああ、よかった!」という安堵のため息を、数え切れないほど見てきました。給湯器の交換は、ただの機械の入れ替えではなく、皆さんの「当たり前の快適な日常」を取り戻すための大切な工事です。

だからこそ、現場のリアルな実態を知らないまま、ネット上の極端に安い広告や、不正確な情報に振り回されてほしくありません。この記事では、私が現場で実際に経験してきた手触り感を交えながら、給湯器交換の工事時間や費用、そして失敗しないための流れを徹底的に解説していきます。

これから給湯器の交換を検討している方が、安心して最適な選択ができるよう、専門家の視点から客観的かつ誠実にお伝えします。ぜひ最後までじっくりとお読みいただき、あなたのお家にとってベストな解決策を見つけてください。

給湯器の交換にかかる工事時間の目安とは?

お客様からお電話をいただいた際、費用と同じくらい頻繁に聞かれるのが「工事は今日中に終わりますか?」「何時間くらい立ち会えばいいですか?」というご質問です。お湯が使えないと、お風呂にも入れず、洗い物も冷たい水でしなければならないため、一刻も早く終わらせてほしいと思うのは当然のことです。

結論から申し上げますと、給湯器の交換工事は、特殊な事情がない限り約半日(3〜4時間程度)から1日以内には完了します。ここでは、具体的な作業の流れや、時間が変動するケースについて、現場の裏話を交えながら詳しく解説していきます。

一般的な給湯器交換にかかる時間(約半日〜1日が目安)

標準的な壁掛けタイプの給湯器(戸建ての外壁やマンションのベランダに設置されている一般的なもの)を、同タイプの新しいものへ交換する場合、作業時間は概ね3時間から4時間程度が目安となります。では、その数時間の間、現場では一体どのような作業が行われているのでしょうか。順を追ってご説明します。

1. ご挨拶と現場の確認・養生(約15分〜30分)
現場に到着したら、まずはお客様にご挨拶し、給湯器の設置場所や搬入経路を確認します。このとき、室内を通ってベランダに出る場合などは、床や壁を傷つけないようにしっかりと養生マットを敷きます。現場の職人にとって、この「準備」こそが後の作業をスムーズに進めるための要です。

2. 既存給湯器の取り外しと撤去(約30分〜45分)
ガス、水道、電気の供給を一時的に止め、古い給湯器に繋がっている配管(給水・給湯・追い焚き・ガス)と配線を慎重に外していきます。10年以上使われた給湯器の配管は、サビで固着していることが多く、無理に回すと配管そのものを破損してしまう危険があります。私はいつも、レンチを握る手に全神経を集中させ、「頼むから素直に回ってくれよ」と心の中で念じながら作業をしています。

3. 新しい給湯器の設置と配管接続(約1時間〜1時間半)
古い機械を撤去したら、いよいよ新しい給湯器を壁に固定します。給湯器は水が入ると30kg近い重さになることもあるため、壁の強度をしっかり確認しながらビスを打ち込みます。その後、各種配管を接続していくのですが、ここが腕の見せ所です。古いパッキンは必ず新品に交換し、水漏れやガス漏れが絶対に起きないよう、規定のトルク(締め付ける力)で確実に接続します。

4. リモコンの交換作業(約45分〜1時間)
屋外での作業と並行して、あるいは前後して、浴室と台所のリモコンを交換します。実は、お客様が一番変化を感じるのはこのリモコンです。古いリモコンを外すと、裏側に水垢やカビが溜まっていたり、壁紙の色が変わっていたりすることがあります。私たちは、新しいリモコンを取り付ける前に、見えなくなる部分の汚れも専用のクリーナーで可能な限り綺麗に落とします。また、浴室リモコンの周囲には防水のためのコーキング(シリコン材)を打ち直しますが、これをいかに真っ直ぐ、美しく仕上げるかがプロの矜持です。

5. 試運転と使い方の説明(約30分)
すべての接続が終わったら、ガスと水を開栓し、試運転を行います。お風呂の自動湯張り機能が正常に作動するか、お湯の温度は設定通りか、配管からの漏れはないかを入念にチェックします。問題がなければ、お客様に新しいリモコンの操作方法をご説明し、作業完了となります。

このように、一つひとつの工程を確実に行うため、どうしても3〜4時間は必要になります。もし「1時間で終わらせますよ!」という業者がいたら、必要な工程を省いている可能性があるので注意が必要です。

設置場所や種類によって工事時間が変動するケース

基本は半日程度で終わる給湯器交換ですが、現場の状況によっては予想以上に時間がかかってしまうケースがあります。私たち職人も、現場に到着して状況を見た瞬間に「おっと、これは手強いぞ…」と気合を入れ直すことがあります。

エコジョーズへの切り替えに伴うドレン配管工事
従来の給湯器から、省エネ性の高い「エコジョーズ」に交換する場合、通常の作業に加えて「ドレン排水の処理」という工程が追加されます。エコジョーズは、排気熱を再利用する仕組み上、稼働中に酸性の結露水(ドレン水)が発生します。これを垂れ流しにするわけにはいかないため、専用の配管を新設して、雨水桝や排水溝まで誘導しなければなりません。このドレン配管のルート確保や固定作業に、プラス1〜2時間程度かかることがあります。

狭小スペースや高所での作業
戸建て住宅でよくあるのが、隣の家との境界線ギリギリに給湯器が設置されているケースです。人ひとりがカニ歩きでやっと通れるような隙間(幅30〜40cm程度)での作業は、工具を振るスペースすらなく、非常に難航します。また、地面から2メートル以上の高い位置に設置されている場合は、脚立や足場を組んでの作業となり、安全確保のために慎重に進めるため、通常よりも時間がかかります。

以前、都内の密集地で、隣家のブロック塀との隙間がわずか35センチ、しかも少し高い位置にある給湯器の交換を担当したことがあります。重い本体を抱えながら隙間に潜り込み、腕をつりそうになりながら配管を繋いだのは、今でも語り草になっています。こうした特殊な設置環境の場合、半日では終わらず、ほぼ1日がかりの作業になることも珍しくありません。

マンションと戸建てにおける作業時間の違いの傾向

給湯器の交換時間は、お住まいが「マンション」か「戸建て」かによっても傾向が異なります。

マンションの場合(移動や規約による時間ロス)
マンションでの作業は、本体の交換作業そのものよりも、付随する手続きや移動に時間を取られることがよくあります。例えば、高層階の作業では、工具や新しい給湯器を台車に乗せてエレベーターで何度も往復する必要があります。タワーマンションなどでは、防災センターでの入館手続きや、搬入経路の厳重な養生が義務付けられており、作業を開始するまでに1時間近くかかることもあります。

また、マンションの廊下にある「パイプシャフト(PS)」と呼ばれる扉の中に給湯器が収まっている場合、専用の「金枠(取り付け枠)」を使用して固定します。既存の枠と新しい給湯器のサイズが微妙に合わない場合、現場で金枠の加工や調整を行う必要があり、ここで時間がプラスされることがあります。

戸建ての場合(配管の劣化や外壁の状況による影響)
一方、戸建ての場合は、駐車スペースがすぐそばにあることが多く、搬入・搬出は比較的スムーズです。しかし、戸建てならではの落とし穴もあります。それは「配管の経年劣化」です。地面から伸びている水道管やガス管が、風雨にさらされてボロボロになっていることがあり、そのまま新しい給湯器を繋ぐと水漏れを起こす危険があります。その場合、傷んだ配管を一部切断し、新しい管に繋ぎ直す「配管の切り回し工事」が必要になります。

【ポイント】立ち会い時間について
工事中は基本的にご在宅をお願いしていますが、ずっと作業につきっきりで見ていただく必要はありません。最初の確認と、最後のリモコン操作説明・完了確認のときだけお時間をいただければ、作業中は別のお部屋で普段通りお過ごしいただいて大丈夫です。ただし、作業中は水やガスが一時的に使えなくなりますので、その点だけご注意ください。

給湯器交換の費用相場と工事費のみの目安

工事時間と並んで、皆様が最も不安に感じるのが「費用」についてなります。給湯器の交換は決して安い買い物ではありません。「見積もりを見たら想像以上に高かった」「ネットで『最安!』と書いてあったのに、追加費用を請求された」といったトラブルも耳にします。

この章では、現場の最前線で数多くの見積もりと請求を見てきた私の経験をもとに、①料金の内訳、②一般的な相場レンジ、③時期・繁忙期による変動、④設置環境による差、という4つの視点から、費用について包み隠さず解説します。

※なお、ここでお伝えする金額はあくまで一般的な目安です。正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認いただくか、最終的な判断は信頼できる専門業者へ直接ご相談ください。

給湯器の交換工事費のみの相場はいくら?

最近、インターネットで給湯器本体を安く購入し、設置工事だけを業者に依頼する「施主支給(せしゅしきゅう)」という方法を検討される方が増えています。この場合、「工事費のみ」を支払うことになります。

給湯器の交換工事費のみの相場は、概ね35,000円〜60,000円程度が一般的です。この金額には、以下の作業が含まれていることが多いです。

  • 既存給湯器の撤去作業
  • 新しい給湯器の取り付け
  • 給水・給湯・ガス・追い焚き配管の接続
  • リモコンの交換(台所・浴室)
  • 試運転およびガス漏れチェック
  • 古い給湯器の処分費(廃棄費用)

一見すると、本体をネットで格安で仕入れれば総額が安く済みそうに思えます。しかし、現場の人間としては、施主支給には大きなリスクがあることをお伝えしておかなければなりません。

最大の懸念は「万が一、故障や不具合が起きたときの責任の所在」です。設置直後にお湯が出ないなどのトラブルが発生した場合、本体を販売したネットショップは「施工業者の取り付けミスのせいだ」と言い、施工業者は「持ち込まれた本体の初期不良だ」と主張する、いわゆる「責任のなすりつけ合い」に発展するケースが少なくありません。お客様が板挟みになり、結局どちらも保証してくれず、泣き寝入りになってしまうという悲しい事例を何度も見てきました。

少しでも費用を抑えたいお気持ちは痛いほどわかりますが、給湯器のようなインフラ設備は、本体の購入と設置工事を同じ業者にセットで依頼するのが、最も安全で確実な方法だと私は確信しています。

本体代を含めた総額費用の目安と内訳

では、本体代と工事費をすべて含めた総額は、一体いくらになるのでしょうか。給湯器の費用は、主に「給湯器の機能(種類)」と「号数(お湯を作る能力)」によって大きく変わります。

一般的なご家庭でよく使われる給湯器の総額相場(本体+リモコン+標準工事費+処分費)を、わかりやすく表にまとめました。

給湯器の種類(機能) 従来型(非エコジョーズ)の相場 エコジョーズ(省エネ型)の相場 特徴
給湯専用
(お湯を出すだけ)
60,000円 〜 100,000円 90,000円 〜 130,000円 単身用アパートなどで多い。追い焚き機能なし。
ふろ給湯器
(追い焚き機能付き)
120,000円 〜 180,000円 150,000円 〜 220,000円 一般的なファミリー向け。自動湯張りや保温が可能。
給湯暖房熱源機
(床暖房・浴室乾燥対応)
200,000円 〜 300,000円 250,000円 〜 350,000円 分譲マンションや高機能な戸建てに多い。

時期・繁忙期による費用の変動について
給湯器の価格は、実は季節によって変動することがあります。給湯器が最も壊れやすいのは、水温が急激に下がる「冬場(11月〜2月)」です。この時期は修理や交換の依頼が殺到し、業者は超繁忙期を迎えます。

需要が爆発的に増えるため、一部の業者では割引率が渋くなったり、特急料金のような名目で費用が割高になることがあります。また、最悪の場合はメーカーの在庫が底をつき、「交換したくても商品がないので1ヶ月待ちです」という事態に陥ることも。過去の大寒波の際には、本当にお湯が出なくて困っているお客様に「申し訳ありません、在庫がありません」とお伝えしなければならない辛い日々がありました。

もし、給湯器から異音がする、お湯の温度が安定しないなど、寿命のサイン(一般的に設置から10年程度)を感じている場合は、繁忙期を避けた春から秋にかけて、早めに相見積もりを取って交換しておくことを強くおすすめします。閑散期であれば、業者もスケジュールに余裕があり、より丁寧な対応と納得のいく価格を引き出しやすくなります。

追加費用が発生する可能性がある条件とは

「ネットで『コミコミ10万円!』と書いてあったのに、実際に見積もりを取ったら15万円になった」というトラブルは、この「追加費用」が原因であることがほとんどです。現場の状況(設置環境による差)によっては、どうしても標準工事費に収まらないケースがあります。

以下は、現場でよく発生する追加費用の例です。

  • 配管の延長や切り回し工事(5,000円〜15,000円程度):
    新しい給湯器と既存の配管の位置が合わない場合、配管を延長したり、取り回しを変えたりする必要があります。
  • ガスコックや強化ガスホースの交換(3,000円〜8,000円程度):
    ガス漏れを防ぐための重要な部品です。サビついていたり、劣化して硬くなっていたりする場合は、安全のために必ず交換します。これをケチって古いものを使い回す業者は信用できません。
  • 排気カバーの設置(10,000円〜20,000円程度):
    給湯器から出る高温の排気が、隣の家の窓やカーポートに直接当たってしまう場合、排気の方向を上や横に逃がすための金属製のカバーを取り付けます。
  • PS(パイプシャフト)金枠の交換・加工(5,000円〜15,000円程度):
    マンションの廊下にあるPS内に設置する場合、新しい給湯器のサイズに合わせて専用の枠を手配する必要があります。
  • 高所作業費や搬入困難な場合の特別費(10,000円〜30,000円程度):
    足場を組む必要がある場合や、特殊な機材を使わないと搬入できない現場で発生します。

【注意】「最安値」を謳う広告の罠
「業界最安値!」「他社より絶対に安くします!」といった極端な価格優位をアピールする広告には注意が必要です。そうした業者の多くは、標準工事費の定義を極端に狭く設定しており、現場に来てから「この配管は別料金」「このパッキンは追加費用」と、どんどん値段を吊り上げていく手法をとることがあります。安いには必ず理由があります。見積もりをもらった際は、総額だけでなく「何が含まれていて、何が含まれていないのか」をしっかりと確認してください。

【マンション編】分譲・賃貸で給湯器交換費用は誰が払う?

マンションにお住まいの方から「給湯器が壊れたんですが、これって私が払うんですか?それとも管理組合(または大家さん)ですか?」というご相談をよく受けます。マンションの場合、給湯器の所有権や管理区分が複雑に絡み合っているため、自己判断で勝手に進めてしまうと、後々大きなトラブルに発展することがあります。

ここでは、分譲マンションと賃貸物件、それぞれのケースにおける費用負担のルールと、現場で実際に起きた失敗談を交えて解説します。

分譲マンションにおける費用負担の基本的な考え方

分譲マンションにお住まいの場合、給湯器は基本的に「専有部分(個人の財産)」とみなされるため、交換費用は所有者(区分所有者)の自己負担となります。玄関のドアの内側にある設備と同じように、ご自身で業者を手配し、費用を支払う必要があります。

しかし、ここで注意しなければならないのが「マンションの管理規約」です。給湯器本体は個人の持ち物でも、それが設置されているベランダや玄関横のパイプシャフト(PS)は「共用部分」にあたります。そのため、マンション全体の景観を守るための厳しいルールが設けられていることが多々あります。

現場での失敗エピソード:景観ルールの罠
以前、お客様がネットで見つけた安い業者に依頼し、標準的な「アイボリーホワイト」の給湯器を玄関横のPSに設置したことがありました。しかし、そのマンションは外壁が落ち着いたブラウンで統一されており、管理規約で「給湯器は外壁と同色の指定色(特注色)にすること」と定められていたのです。後日、管理組合から「規約違反なので元の色に戻すように」と厳重注意を受け、結局そのお客様は、高額な塗装費用を追加で支払う羽目になってしまいました。

このような悲劇を防ぐためにも、分譲マンションで給湯器を交換する際は、業者に見積もりを依頼する前に、必ず管理組合や管理会社に「指定の機種や色、業者の指定はないか」を確認してください。

賃貸物件で管理会社やオーナーが負担するケース

アパートや賃貸マンションにお住まいの場合、給湯器は「大家さん(オーナー)の持ち物」であり、物件に付帯する設備という扱いになります。そのため、経年劣化や自然故障でお湯が出なくなった場合、交換費用や修理費用は原則としてオーナーの負担となります。

お湯が出ないと本当に不便ですし、すぐにでも業者を呼んで直してほしくなる気持ちは痛いほどわかります。しかし、ここで絶対にやってはいけないのが「入居者が勝手に業者を呼んで交換してしまうこと」です。

賃貸物件には、オーナーが懇意にしているガス会社や、管理会社が提携しているメンテナンス業者が存在します。もし入居者が無断で外部の業者を手配して交換してしまった場合、「指定業者以外が工事をしたから」という理由で、オーナーから費用の支払いを拒否され、全額入居者の自己負担になってしまう恐れがあります。

お湯が出なくなったら、まずは慌てずに「管理会社」または「大家さん」に電話をしてください。夜間や休日で連絡がつかない場合でも、勝手な判断は避け、連絡がつくまで待つのが鉄則です。

入居者の自己負担になる可能性がある例外的な状況

賃貸物件であっても、給湯器の故障原因が入居者側にあると判断された場合は、例外的に修理・交換費用が「入居者の自己負担」となることがあります。現場でよく遭遇するケースをいくつかご紹介します。

1. 凍結防止の処置を怠ったことによる破裂
冬場に最も多いのがこのケースです。給湯器には、気温が下がると自動的にヒーターが作動して配管の凍結を防ぐ機能が備わっています。しかし、年末年始の帰省や長期の旅行で家を空ける際、「電気代がもったいないから」と部屋のブレーカーを落としてしまう方がいます。ブレーカーを落とすと給湯器のヒーターも切れ、配管内の水が凍って膨張し、内部が破裂してしまいます。これは「入居者の過失(善管注意義務違反)」とみなされ、数十万円の交換費用を請求されるおそれがあります。

2. 故意または不注意による破損
ベランダに設置されている給湯器に、大きな荷物をぶつけてへこませてしまったり、排気口の前に物を置いて排気を塞ぎ、不完全燃焼を起こして故障させてしまったりした場合も、入居者の責任を問われる可能性が高いです。

【専門家からのアドバイス】
賃貸にお住まいの方へ。冬場に数日家を空ける際も、絶対に部屋のメインブレーカーは落とさないでください。もし長期間不在にする場合は、給湯器の「水抜き」という作業が必要になります。やり方がわからない場合は、取扱説明書を見るか、管理会社に相談して正しい処置を行ってください。

マンションでの給湯器交換については、以下の記事でもさらに詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

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マンションの給湯器交換時間と流れを徹底解説!

費用は機種・設置状況で変わります

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給湯器交換はどこに頼むべき?依頼先の選び方と特徴

費用の相場やルールがわかったところで、最後に立ちはだかるのが「で、結局どこに頼めばいいの?」という問題です。現在、給湯器の交換を請け負っている業者は多岐にわたります。それぞれの依頼先にはメリットとデメリットがあり、お客様が何を重視するか(価格、スピード、安心感など)によって最適な選択肢は変わってきます。

ここでは、代表的な3つの依頼先について、現場を知るプロの目線でその特徴を客観的に解説します。

ガス会社やメーカーへの依頼(安心感と費用のバランス)

東京ガスや大阪ガスなどの大手ガス会社、あるいはノーリツやリンナイといった給湯器メーカーのサービス指定店に依頼する方法です。マンションの提携業者として指定されていることも多いです。

メリット:圧倒的な信頼と安心感
ガス漏れや一酸化炭素中毒など、給湯器は一歩間違えれば命に関わる機器です。「とにかく安全第一。お金がかかっても、一番信用できるところに頼みたい」という方には最適です。自社の厳しい研修を受けたスタッフが施工するため、技術力にムラが少なく、万が一のトラブル時の対応も迅速で手厚いです。

デメリット:費用が割高になりがち
最大のネックは費用です。ブランド力と手厚いサポート体制を維持するため、本体の割引率が低く設定されていることが多く、総額費用は他の選択肢と比べて最も高くなる傾向があります。相場よりも数万円〜10万円近く高くなることも珍しくありません。

ホームセンターや家電量販店(身近さとポイント還元)

最近では、カインズやビバホームなどのホームセンター、ヤマダ電機やエディオンなどの家電量販店でも給湯器の交換リフォームを大々的に受け付けています。

メリット:窓口の身近さと独自の特典
日々の買い物のついでに店舗のカウンターで気軽に相談できるのが魅力です。また、店舗独自のポイント還元があったり、ショッピングローン(分割払い)が利用しやすかったりするため、初期費用を抑えたい方には大きなメリットになります。

デメリット:下請け業者のスキルにバラつきがある
店舗のスタッフが直接工事に来るわけではありません。実際の工事は、提携している地元の下請け業者が担当します。そのため、どんな職人さんが来るかは当日までわからず、当たり外れ(スキルのバラつき)があるのが実情です。また、店舗と下請け業者の間で連絡のタイムラグが発生し、見積もりから工事完了までに時間がかかることがあります。

インターネットの給湯器専門業者(スピードと価格の優位性)

「給湯器 交換」と検索すると、数多くの給湯器専門業者のサイトがヒットします。キンライサーや正直屋など、テレビCMでお馴染みの企業もここに含まれます。

メリット:価格の安さと対応の早さ
最大の魅力は、なんといっても価格の安さです。メーカーから大量に直接仕入れることで本体価格を大幅に下げ、実店舗を持たないことで固定費を削減しているため、ガス会社などと比べて数万円単位で安く交換できることが多いです。また、「最短当日対応」「在庫豊富」を謳っている業者も多く、お湯が出なくて困っている時のスピード感は圧倒的です。

デメリット:業者選びの見極めが難しい
参入障壁が低いため、中には悪質な業者も紛れ込んでいます。前述したように、現場に来てから不当な追加費用を請求したり、無資格のアルバイトに毛が生えたような作業員を派遣したりする業者も存在します。

【専門家が教える優良業者の見極め方】
ネット業者を選ぶ際は、以下のポイントを必ず確認してください。

  • 資格の明記があるか:ガス工事や電気工事には国家資格(液化石油ガス設備士、ガス機器設置スペシャリストなど)が必要です。HPに有資格者が施工すると明記されているか確認しましょう。
  • 保証内容が明確か:「商品保証」だけでなく、施工ミスに対する「工事保証(10年程度)」が無料で付帯しているかどうかが重要です。
  • 見積もりの透明性:写真判定などで事前に確定見積もりを出し、「当日の追加費用は一切なし」と約束してくれる業者が安心です。

業者選びについては、以下の記事でもプロの視点で徹底比較していますので、迷っている方はぜひご一読ください。

あわせて読みたい:
給湯器交換が安いのはどこ?プロが教える業者選び

まとめ:給湯器交換の工事時間や費用と流れを専門家が徹底解説

ここまで、現場のリアルな経験を交えながら、給湯器交換にかかる工事時間、費用の相場、マンションでの注意点、そして依頼先の選び方について詳しく解説してきました。

最後にもう一度、重要なポイントを振り返っておきましょう。

  • 工事時間の目安:一般的な壁掛けタイプなら約3〜4時間(半日程度)。エコジョーズへの変更や狭小スペース、マンション特有の事情がある場合は1日がかりになることもあります。
  • 費用の相場:工事費のみなら3.5万〜6万円程度。本体代を含めた総額は、給湯専用で6万〜10万円、追い焚き付きで12万〜20万円、エコジョーズや暖房付きなら20万円以上が目安です。
  • マンションの注意点:分譲は自己負担ですが管理規約(色や業者の指定)の確認が必須。賃貸はオーナー負担が原則なので、勝手に手配せずまずは管理会社へ連絡してください。
  • 依頼先の選び方:安心感ならガス会社、手軽さならホームセンター、価格とスピードならネットの専門業者。それぞれの特徴を理解し、相見積もりを取って比較することが大切です。

給湯器は、ガスと水と電気を同時に扱う非常にデリケートな機器です。少しでも安く済ませたいからといって、DIYで交換しようとしたり、極端に安すぎる怪しい業者に依頼したりするのは、火災やガス漏れ、一酸化炭素中毒などの重大な事故に直結する恐れがあり、絶対にやめてください。

無理をせず、確かな技術と資格を持った専門業者へ依頼することが、あなたとご家族の安全を守る唯一の道です。この記事が、皆様の不安を少しでも解消し、温かくて快適な日常を1日でも早く取り戻すための道しるべとなれば、現場の職人としてこれ以上の喜びはありません。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

佐藤 裕

この記事の執筆者

佐藤 裕

株式会社生活水道センター 本部長

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405

株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。

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