ノーリツ給湯器の燃焼ランプ点滅は何の合図?原因と対策まとめ
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ノーリツ給湯器の燃焼ランプ点滅は何の合図?原因と対策まとめ
ノーリツ給湯器の燃焼ランプ点滅は、必ずしも故障の合図ではありません。「888」表示なら点検時期のお知らせ、天候不良による一時的な着火不良のケースもあります。しかし、ガス臭や異音がする場合、赤色点滅や特定のエラーコードが頻発する場合は注意が必要です。本記事では、点滅の意味から安全な確認手順、エラー別の対処法まで客観的に解説します。
株式会社 生活水道センター 代表取締役
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号
株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。
【まず最初にご確認ください】あなたの状況に合わせた最適な行動
- 賃貸物件(アパート・マンション)にお住まいの方:
自己判断で業者を呼ぶと費用トラブルになるおそれがあります。まずは管理会社や大家さんへご連絡ください。 - ガス臭・焦げ臭・異常な音がする方:
直ちに使用を中止し、窓を開けて換気(換気扇は使用厳禁)を行ってください。その後、ガス会社または専門業者へ連絡してください。 - 今すぐお湯を使いたい持ち家の方:
本記事の「自分でできるリセット手順」や「エラーコード別の対処法」をご確認いただき、安全な範囲で復旧をお試しください。 - 使用開始から10年以上経過している方:
寿命(設計標準使用期間)のサインこともあります。本記事後半の「修理・交換の判断基準と費用の目安」を参考に、業者への点検・交換依頼をご検討ください。
株式会社 生活水道センター 代表取締役
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号
株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。
1. まず確認を!ノーリツ給湯器の燃焼ランプ点滅時に注意すべき危険なサイン
給湯器の燃焼ランプが点滅してお湯が出ないとき、多くの方は「早く直したい」と焦ってしまいがちです。しかし、給湯器はガスと火を扱う精密機器です。無理に操作を続けると、一酸化炭素中毒やガス爆発、火災といった重大な事故につながる恐れがあります。まずは深呼吸をして、周囲の状況を冷静に確認することから始めましょう。
ガス臭や異音・異臭はないか?直ちに使用を中止すべきケース
給湯器の周辺や室内で以下のような異常を感じた場合は、非常に危険な状態(不完全燃焼やガス漏れ)に陥っている可能性が高いです。いかなる操作も中止し、安全確保を最優先してください。
- ガス臭い(腐った玉ねぎのようなニオイ):ガス漏れが発生しているサインです。
- 焦げ臭い・酸っぱいニオイ:機器内部の配線がショートして焦げている、または不完全燃焼による一酸化炭素が発生しているおそれがあります。
- 異常な音がする:「ボンッ」という小さな爆発音(異常着火)や、「ピー」「ゴーッ」という金属が擦れるような異音、あるいは唸るような音が続く場合は、ファンモーターや燃焼バーナーの致命的な故障が疑われます。
- 黒いススが付着している:給湯器の排気口周辺や外壁に黒いスス(カーボン)が付着している場合、酸素不足による不完全燃焼が日常的に起きている証拠です。放置すると一酸化炭素中毒の危険があります。
- 大量の水漏れ:給湯器本体の下部からポタポタではなく、勢いよく水が噴き出している場合は、内部配管の破裂が疑われます。漏電の危険もあるため注意が必要です。
換気扇のスイッチは触らない!窓を開けて安全を確保する手順
もしガス臭を感じた場合、慌てて換気扇のスイッチを入れたり、照明をつけたりしてはいけません。電気のスイッチをオン・オフする際に発生する微小な火花(スパーク)が、室内に滞留したガスに引火し、爆発事故を引き起こす危険性があるからです。
正しい換気と安全確保の手順は以下の通りです。
- 火の気を絶つ:タバコの火を消し、コンロなど他の火気も絶対に使用しないでください。
- 窓やドアを大きく開ける:自然な風の流れを利用して、室内の空気を外に逃がします。
- ガスの元栓を閉める:安全が確認できる範囲で、給湯器のガス栓やガスメーターのバルブを閉めてください。
- 屋外へ避難し連絡する:安全な場所へ移動してから、ご契約のガス会社または緊急連絡先へ通報してください。
最初に確認すべき電源とガス・水の元栓

危険な兆候(ガス臭など)がない場合は、機器の故障を疑う前に、誰でも安全に行える「一次チェック」を実施します。実は、給湯器本体の故障ではなく、外部からの供給(電気・ガス・水)がストップしているだけでエラーが出ているケースが非常に多いのです。
第一に電源系の確認です。落雷による停電後や、ブレーカーが落ちた後は、給湯器のシステムが一時的に停止していることがあります。コンセントの抜けがないか、延長コードが劣化していないかを確認します。屋外の防水コンセントに雨水が浸入して漏電ブレーカーが作動しているケースもあります。
第二にガスと水の元栓です。引越し直後や、長期間家を空けていた場合、または清掃業者が作業した後に、ガスの元栓や水道の止水栓が閉まったままになっていることがあります。台所下のガス栓、屋外のメーターバルブ、給湯器直近の手動ガス栓が「開(配管と平行の状態)」になっているか確認してください。給水元栓が閉まっていると、水が供給されないため当然お湯も出ず、空焚きを防ぐためにエラーとなります。
ガスメーターの遮断確認と復帰手順

給湯器のエラーで最も多い外部要因の一つが「マイコンメーター(ガスメーター)の遮断」です。マイコンメーターは、以下のような異常を検知すると、安全のために自動的にガスの供給をストップします。
- 震度5相当以上の地震が発生したとき
- お湯の出しっぱなしなど、不自然に長時間ガスが使用されたとき
- ガス管の破損などで、急激に大量のガスが流れたとき
- ガス圧が異常に低下したとき
メーターが遮断されると、給湯器はガスを受け取れないため点火不良のエラー(111など)を出します。他のガス機器(ガスコンロなど)も火がつかない場合は、ほぼ間違いなくメーターの遮断が原因です。
【ガスメーターの復帰手順】
- すべてのガス機器のスイッチを切り、ガスの元栓を閉めます(屋外のメーターバルブは開けたままにします)。
- ガスメーターの左側にある「復帰ボタン」のキャップを外し、ボタンを奥までしっかり押し込み、すぐに手を離します。
- メーターの赤いランプが点滅を始めます。この間、メーターがガス漏れがないか安全確認を行っていますので、約3分間(プロパンガスの場合は約1分間)ガスを使わずに待ちます。
- ランプの点滅が消えれば、安全確認が完了し、ガスが使えるようになります。
もし復帰操作を行っても再びランプが点滅して遮断される場合は、配管のどこかでガス漏れが起きているか、機器に重大な異常があるおそれがあります。この場合は絶対に無理な復帰を繰り返さず、ガス会社へ連絡してください。
2. 燃焼ランプの点滅色と表示されるエラーコードの意味
ノーリツ給湯器のリモコンには、機器の状態を知らせるためのランプや液晶画面が備わっています。点滅の色や、画面に表示される数字(エラーコード)によって、それが「正常な動作の一部」なのか、「点検のお知らせ」なのか、「直ちに対処が必要な故障」なのかを見極めることができます。
点滅の意味と正常時の動作

燃焼ランプ(炎のアイコンや運転表示灯)が点滅しているからといって、必ずしも故障とは限りません。給湯器は非常に賢い制御を行っており、機器を保護したり温度を一定に保ったりするために、意図的に燃焼をストップ・再点火させることがあります。
【故障ではない正常な点滅の例】
- 夏場の間欠燃焼:夏場は水道水の温度が元々高いため、設定温度(例えば38度)のお湯を作ろうとすると、少し火をつけただけですぐに設定温度を超えてしまいます。熱くなりすぎるのを防ぐため、給湯器は自動で火を消し、温度が下がるとまた火をつけるという動作(間欠燃焼)を繰り返します。このとき、燃焼ランプが点いたり消えたり(点滅)しますが、これは正常な温度制御です。
- 冬場の凍結予防運転:外気温が下がると、給湯器は内部の配管が凍結して破裂するのを防ぐため、自動的にポンプを回して水を循環させたり、ヒーターを通電させたりします。この動作中にランプが点滅・点灯することがあります。
- 着火準備中:お湯の蛇口を開けてから、実際にバーナーに火がつくまでの数秒間、準備中であることを示すために点滅する機種があります。
これらの場合、エラーコードは表示されず、お湯自体は問題なく(あるいは少し温度が上下しながらも)出ることが特徴です。
「888」や「88」は故障ではなく「点検時期のお知らせ」
リモコンの画面に「888」または「88」という数字が表示され、ランプが点滅している場合、多くの方が「壊れた!」と驚かれます。しかし、これは故障のエラーコードではありません。給湯器の設計標準使用期間である「約10年(業務用は約3年)」が経過したことを知らせる「点検お知らせ機能」です。
かつてガス給湯器は、消費生活用製品安全法に基づく「特定保守製品」に指定されており、法定点検が義務付けられていました。しかし、製品の安全性が向上したことなどから、令和3年(2021年)8月の法改正により、ガス給湯器は特定保守製品から除外されました(※石油給湯器は現在も対象です)。
そのため、現在この表示が出たからといって、法律に基づく罰則や義務があるわけではありません。しかし、10年経過した給湯器は内部の部品(特にパッキンやセンサー、基板など)が経年劣化しており、ある日突然故障したり、最悪の場合は不完全燃焼や水漏れを起こしたりするリスクが高まっています。
ノーリツでは、安全のためにメーカーによる有償の「あんしん点検(目安:約1万円前後)」を受けることを推奨しています。一時的にリモコンのボタン操作(運転スイッチを5回連続で押すなど)で表示を消すことができる機種もありますが、これは根本的な解決ではなく、約1年後に再び表示されます。10年を機に、点検を受けるか、新しい給湯器への交換を検討する重要なタイミングと捉えてください。
緑色と赤色の点滅の違い
ランプの色によっても、緊急度や意味合いが異なります(※機種によって仕様が異なることがあります)。
- 緑色の点滅:主に「お知らせ」や「設定未完了」を意味することが多いです。前述の「888」の点検時期のお知らせであったり、停電復旧後に時計設定がリセットされて未設定状態であることを知らせたり、凍結予防運転中であることを示したりします。緊急の危険性は低い傾向にあります。
- 赤色の点滅:「警告」や「異常検知」を意味します。点火不良、不完全燃焼、温度センサーの異常など、安全に関わる保護装置が作動して運転を強制停止した場合に赤く点滅します。この場合は、必ずリモコンに表示されている2桁〜3桁のエラーコードを確認し、適切な対処を行う必要があります。
リモコン表示の確認とリセット方法

エラーコードが表示された場合、落雷による一時的なノイズや、強風による一時的な着火不良など、「一過性のエラー」であることも少なくありません。そのため、まずは一度「リセット操作」を行って、症状が再現するかどうかを確認するのが基本です。
【基本的なリセット手順】
- 使用中のお湯の蛇口(シャワーや台所など)をすべて確実に閉めます。
- リモコンの「運転スイッチ(電源)」を「切」にします。
- 数十秒(約30秒〜1分)待ちます。
- 再度、リモコンの「運転スイッチ」を「入」にします。
- エラー表示が消えていることを確認し、お湯を出してみます。
もしリモコンの電源が入らない、または運転スイッチでのリセットが効かない場合は、給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜き、数十秒待ってから挿し直す方法もあります(※濡れた手で行わないよう感電に注意してください)。
リセット後にお湯が正常に出るようであれば、一時的なエラーだった可能性が高く、そのまま様子を見て使用して構いません。しかし、すぐに同じエラーが再表示される場合や、数日の間に何度も同じエラーが出る場合は、部品の故障や環境的な要因が継続している証拠です。この状態での無理な使用や連続リセットは大変危険ですので、次の章で解説する症状別の原因を確認し、業者へ連絡してください。
3. 【症状別】ノーリツ給湯器の燃焼ランプ点滅の原因と対処法
ここからは、ノーリツ給湯器でよく見られる代表的なエラーコード別に、そのメカニズムと家庭でできる対処法、そして専門業者へ依頼すべき判断基準を詳しく解説します。
エラー11・111(点火不良)

【状態】
エラー11(または111)は「点火不良」を示します。給湯器がガスを出してイグナイター(点火プラグ)で火花を飛ばしたにも関わらず、正常に火がつかなかった場合に表示されます。
【主な原因とメカニズム】
- ガスの供給ストップ:ガスメーターの遮断、プロパンガスの残量不足、ガス元栓の閉め忘れなど。
- 環境要因(強風・豪雨):台風などの強風が排気口から吹き込み、点火直後の小さな炎を吹き消してしまうケース。
- 給排気口の閉塞:屋外機の周囲に積雪、落ち葉、クモの巣などがあり、燃焼に必要な空気が吸い込めない状態。
- 部品の劣化:イグナイターの劣化で十分な火花が飛ばない、ガス比例弁(ガス量を調整する部品)の故障、電装基板の異常など。
【ユーザーができる初期対応】
まずは他のガスコンロなどが使えるか確認し、ガスメーターが遮断されていないかチェックします。次に、給湯器の周囲(特に排気口付近)に障害物がないか目視で確認します。強風や大雨の日は、天候が回復すると自然に直ることもあります。これらに問題がなければリセットを一度だけ試してください。
【業者依頼のサイン】
「チチチチ」という点火の火花音はするのに火がつかない、あるいはガスのニオイが漂ってくる場合は、内部部品の故障が濃厚です。自力での分解・電極調整は引火のリスクがあるため絶対に行わず、業者へ点検を依頼してください。
エラー120(炎検出不良)

【状態】
エラー120は「炎検出不良(立ち消え)」を示します。一度は火がついたものの、途中で火が消えてしまった、あるいは「火がついていることをセンサーが検知できない」状態です。
【主な原因とメカニズム】
給湯器内部には、炎が正常に燃えているかを見張る「フレームロッド」というセンサーがあります。炎が持つ微弱な電流を検知する仕組みですが、このセンサーにスス(カーボン)や汚れ、湿気、サビが付着すると、炎があるのに「火が消えた」と誤認して安全装置を作動させ、ガスを遮断します。雨天後や湿度の高い日に発生しやすいのが特徴です。また、強風で炎が煽られてセンサーから離れてしまうことも原因となります。
【ユーザーができる初期対応】
排気口付近の障害物確認や、強風時の使用を控えるといった環境面の対策が中心となります。リセット操作で一時的に復旧することもあります。
【業者依頼のサイン】
センサーの清掃や交換は、燃焼室の分解を伴うため素人には不可能です。誤った組み立てをすると、ガス漏れや不完全燃焼に直結します。リセットしてもすぐにお湯が水に変わってしまう、点火後に「ボッ」と消える音がする場合は、速やかに点検を依頼してください。
エラー90(燃焼不具合)

【状態】
エラー90は「燃焼異常(燃焼状態が不安定)」を示す総合的なエラーコードです。ガス・空気・排気のバランスが崩れ、設計通りに安定して燃えていない状態を表します。
【主な原因とメカニズム】
単一の部品故障というよりは、複合的な要因で発生します。例えば、長年の使用で熱交換器のフィンにホコリやススが詰まり、空気の流れが悪くなっている(給気不足)。または、排気口から出た排気ガスが、目の前にある壁や障害物に当たって跳ね返り、再び給湯器に吸い込まれる「リサーキュレーション(排気再吸い込み)」を起こしている場合などです。ファンモーターの回転数異常や、ガス比例弁の劣化も関与します。
【ユーザーができる初期対応】
排気口の前方(最低でも0.5m以上)に、植木鉢、自転車、物置、洗濯物などがないか確認し、あれば移動させます。また、複数のガス機器を同時に使っている場合は、一時的に他の機器を止めてガス圧を安定させてみてください。
【業者依頼のサイン】
環境を改善してもエラー90が頻発する場合は、給湯器内部の深刻な目詰まりやファンモーターの寿命が疑われます。特に設置から10年近く経過している場合は、部品の経年劣化が激しいため、分解清掃や部品交換、あるいは本体の交換が必要となります。
エラー01・02(サーミスタ異常)

【状態】
エラー01や02は「サーミスタ(温度センサー)の異常」を示します。入ってくる水の温度や、沸かしたお湯の温度を測るセンサーが断線・ショートしているか、あり得ない数値を検知した状態です。
【主な原因とメカニズム】
サーミスタ自体の経年劣化による故障のほか、配管内のスケール(水垢やカルシウム成分)がセンサーに付着して正確な温度が測れなくなっているケースがあります。また、給水フィルター(ストレーナ)にゴミが詰まって水量が極端に落ちると、急激に温度が上がりすぎてセンサーが異常と判定することもあります。
【ユーザーができる初期対応】
給湯器の下部にある水抜き栓(ストレーナ)を取り外し、網目に詰まったゴミやサビを歯ブラシなどで水洗いして取り除いてください(※必ず止水栓を閉めてから行ってください)。また、お湯の蛇口を少ししか開けない(微小流量)使い方をしていると温度が安定しないため、ある程度しっかり蛇口を開けて使用してみてください。
【業者依頼のサイン】
フィルター清掃を行ってもお湯の温度が極端に熱くなったり冷たくなったり(温度ムラ)する、またはエラーが消えない場合は、サーミスタ部品の交換が必要です。基板側の故障の可能性もあるため、専門業者による診断が必須となります。
排気不良と排気口の点検

燃焼ガスが適切に屋外へ排出されないと、センサー群は安全を優先して燃焼を強制停止します。これが燃焼ランプ点滅の隠れた大きな原因です。
屋外壁掛け型の場合、排気口の前方・左右・上方に十分な空間(離隔距離)が必要です。隣家の壁が近すぎたり、後から物置を設置したり、冬場に積雪で排気口が塞がれたりすると、排気不良を起こします。また、排気口周辺に鳥が巣を作ったり、クモの巣が張ったりすることもあります。
屋内設置型(FF式やFE式)の場合は、排気筒(煙突)の接続部の外れ、腐食による穴あき、鳥害対策網の目詰まりなどが原因となります。屋内での排気漏れは一酸化炭素中毒に直結するため極めて危険です。排気筒の凹みやズレを見つけた場合は、絶対に使用せず業者を呼んでください。DIYでの排気筒の修理やテープ補修は法令違反となる場合があり、大変危険です。
強風・大雨など設置環境への対策

「風の強い日だけエラーになる」「台風の時だけお湯が出ない」というご相談は非常に多いです。給湯器は建物の角や狭い通路、ベランダの手すり付近など、風の乱流(ビル風のような巻き込み風)が発生しやすい場所に設置されていることが多く、強風が排気口からダイレクトに吹き込むと、中の炎が吹き消されてしまいます(立消え)。
【対策】
一時的な対策としては、強風警報が出ている時は無理にお湯を使わず、天候の回復を待つのが最も安全です。恒久的な対策としては、メーカー純正の「排気カバー(防風板)」を取り付けることで、風の直撃を防ぎ、排気の方向を上や横に逃がすことができます。ただし、排気カバーの選定や取り付けには基準があるため、必ず専門業者に依頼してください。
吸気フィルターの清掃方法

屋内設置型(FF式など)の一部機種には、燃焼用の空気を取り入れるための「吸気フィルター」が備わっています。室内のホコリ、ペットの毛、衣類の繊維クズなどがここに堆積すると、空気が足りなくなり(酸欠状態)、燃焼不良による点滅エラーを引き起こします。
【清掃手順】
- 必ず給湯器の運転を停止し、コンセントを抜いて電源を切ります。
- 取扱説明書に従い、前面パネルなどの指定箇所を開け、吸気フィルターを取り外します。
- 掃除機でホコリを吸い取るか、柔らかいブラシで軽く払い落とします。
- 汚れがひどい場合はぬるま湯で優しく水洗いし、完全に乾かしてから元に戻します(濡れたまま戻すと故障の原因になります)。
フィルターが破れている場合は交換が必要です。清掃してもエラーが改善しない場合は、内部のファンモーター等の不具合が考えられるため、業者へ点検を依頼してください。
石油給湯機の灯油切れと対策

ノーリツ製の石油給湯機(ボイラー)をお使いの場合、燃焼ランプの点滅や点火不良の最も多い原因は「灯油切れ」と「送油経路のエア噛み」です。
タンクが空になってから慌てて灯油を補充しても、タンクから給湯器までの細い配管(送油管)の中に空気が入ってしまっている(エア噛み)ため、そのままでは着火しません。灯油を補充した後は、必ず機種ごとの取扱説明書に従って「エア抜き作業」を行う必要があります。
また、長期間使用していなかった古い灯油や、タンク内に結露で溜まった水が混入すると、燃焼不良や白煙・黒煙の原因となります。ストレーナ(燃料フィルター)に水やゴミ(スラッジ)が溜まっている場合は、水抜きや清掃が必要です。ただし、灯油の扱いは火災リスクが伴うため、不安な場合は販売店や灯油配達業者にメンテナンスを依頼するのが安全です。
4. 自分でできるリセット手順とやってはいけない注意点
給湯器のエラーが出た際、リモコンの電源を入れ直す「リセット」は有効な初期対応です。しかし、間違った知識でリセットを繰り返すと、給湯器を完全に壊してしまったり、重大な事故を招いたりする恐れがあります。
インターロック機能(再点火防止装置)の危険性
「エラーが出ても、何度も電源をカチカチ入れ直せばそのうち火がつく」と考えている方は非常に危険です。現代のノーリツ給湯器には、重大事故を防ぐための最終防衛ラインとして「インターロック機能(再点火防止装置)」が搭載されています。
不完全燃焼や点火不良など、安全に関わる特定のエラー(111, 140, 901など)が連続して発生した場合(一般的に3回程度)、給湯器は「これ以上着火を試みるのは危険である」と判断し、システムにロックをかけます。これがインターロック状態です。
【なぜ危険なのか?】
点火不良が起きているということは、ガスは出ているのに火がついていない状態です。何度もリセットして点火を試みると、給湯器の内部に未燃焼のガスが充満していきます。その状態で偶然火花が飛ぶと、充満したガスに一気に引火し、「ドカン!」という小爆発(異常着火)を起こし、機器の破裂や火災につながるのです。
【インターロックがかかるとどうなるか】
一度インターロックがかかると、ユーザー自身では絶対に解除できなくなります。ネット上には「裏コマンドで解除できる」といった無責任な情報もありますが、メーカーは安全上の理由からユーザーによる解除を固く禁じています。解除するためには、ノーリツのサービスマンや専門業者を呼び、有償(出張費・点検費で約7,000円〜10,000円程度)で専用の端末を使ってロックを解除してもらうしかありません。無駄な出費を防ぐためにも、リセットは1〜2回までにとどめ、直らなければすぐに使用を中止してください。
5. 賃貸・持ち家別!修理・交換の判断基準と費用の目安

リセットや初期対応を行っても燃焼ランプの点滅やエラーが解消されない場合、業者による修理または本体の交換が必要です。ここでは、お住まいの形態に合わせた連絡先と、費用の目安を解説します。
【賃貸物件の場合】勝手な修理依頼はNG!まずは管理会社へ
アパートやマンションなどの賃貸物件に最初から設置されている給湯器は、大家さん(貸主)の所有物です。そのため、入居者(借主)が自己判断で勝手に業者を呼んで修理や交換を行うと、重大な契約違反となるおそれがあります。
- 費用負担のトラブル:勝手に呼んだ業者の修理代を大家さんに請求しても、「指定業者ではない」「事前の相談がなかった」という理由で支払いを拒否され、全額自己負担になるケースが多発しています。(※入居者の過失で壊した場合を除き、経年劣化による故障の修理費は原則大家さんが負担します)
- 原状回復のトラブル:勝手に別の機種に交換してしまうと、退去時に元の状態に戻すための費用(原状回復費用)を請求される恐れがあります。
トラブルが起きたら、まずは賃貸借契約書に記載されている管理会社や大家さんに連絡し、症状(エラーコードやランプの点滅状態)を伝えて指示を仰いでください。夜間や休日で連絡がつかない場合でも、緊急のガス漏れ以外は勝手に業者を呼ばず、翌営業日まで待つのが原則です。
【持ち家の場合】修理か交換か?判断の目安は「10年」
持ち家の場合は、ご自身でメーカーや専門業者を手配する必要があります。ここで悩むのが「修理で済ませるか、新品に交換するか」という点です。判断の最大の基準は「給湯器の使用年数」です。
給湯器の設計標準使用期間(寿命の目安)は「約10年」と定められています。10年を超えると、メーカー側での修理用部品の保有期間が終了し始め、そもそも「部品がないため修理できない」というケースが増えます。また、仮に1箇所を修理できたとしても、他の部品も同じように劣化しているため、数ヶ月後に別の場所が壊れて再び修理費用がかかる「修理のイタチごっこ」に陥りやすいのです。
- 購入から7年未満:部品交換による修理が費用対効果が高くおすすめです。
- 購入から8〜9年:修理費用の見積もり額と、新品交換の費用を比較して検討します。修理費が3〜5万円を超えるなら交換も視野に入れます。
- 購入から10年以上:安全性と将来のコストを考慮し、本体の交換を強く推奨します。最新のエコジョーズ等にすればガス代の節約にも繋がります。
修理費用と交換費用の相場目安
以下は、一般的な修理・交換にかかる費用の目安です。実際の金額は機種や設置状況によって変動します。
| 対応内容 | 費用の目安(部品代+工賃+出張費) | 備考 |
|---|---|---|
| メーカーの出張点検のみ | 約 7,000円 〜 10,000円 | 修理を行わなくても発生する基本料金です。インターロック解除もこの範囲。 |
| センサー類(サーミスタ等)の交換 | 約 15,000円 〜 25,000円 | 比較的安価に済む軽微な修理です。 |
| 電装基板・ファンモーターの交換 | 約 30,000円 〜 50,000円 | 高額になりやすく、10年超の機器なら交換を検討すべきラインです。 |
| 給湯器本体の交換(従来型) | 約 100,000円 〜 180,000円 | 本体代・標準工事費・古い機器の処分費込みの相場。 |
| 給湯器本体の交換(エコジョーズ等) | 約 150,000円 〜 250,000円 | 初期費用は高いですが、毎月のガス代が安くなるメリットがあります。 |
悪徳業者に騙されないためのポイント
給湯器が壊れてお湯が出ないと、パニックになって「一番早く来てくれる業者」に飛びついてしまいがちです。しかし、ネット検索で上位に出てくる「格安」「最短10分」を謳う業者の中には、現場で不安を煽って高額な交換契約を迫る悪徳業者も存在します。
【信頼できる業者選びのポイント】
- 相見積もりを取る:急いでいても、必ず2〜3社から見積もりを取り、総額(本体代+工事費+処分費など)を比較してください。
- 資格の確認:ガス機器の交換には「液化石油ガス設備士」「ガス機器設置スペシャリスト(GSS)」「給水装置工事主任技術者」などの国家資格や専門資格が必要です。ホームページに資格保有の記載があるか確認しましょう。
- 見積もりの明瞭さ:「一式」とだけ書かれた見積もりではなく、部品代や作業費の内訳を明確に提示し、質問に丁寧に答えてくれる業者を選んでください。
6. ノーリツ給湯器の燃焼ランプ点滅に関するよくある質問
Q. 燃焼ランプが点滅するのは故障ですか?
A. 故障とは限りません。夏場の水温が高い時期の温度制御(間欠燃焼)や、冬場の凍結予防運転に伴う断続的な動作でも点滅します。エラー番号表示の有無、点滅の再現条件(強風・流量・設定温度)を確認し、異臭や異音があれば使用を中止してください。
Q. エラー11(111)が出たときの最初の対処は?
A. 電源の再投入(リセット)、ガス栓・メーターバルブの開状態、他ガス機器の同時使用有無、給気・排気の確保を安全な範囲で確認します。再発する場合や、点火音のみで燃焼に移行しない場合は、内部部品の故障が疑われるため点検依頼が安全です。
Q. エラー120(炎検出不良)は何が原因ですか?
A. 炎は出ていても、センサーが火を検出しにくい状態(汚れ・湿気・配線の接触不良・強風による炎の揺れ)で起きやすいエラーです。内部の清掃や調整は危険を伴うため自己分解は避け、排気口周辺の環境確認後に点検を依頼してください。
Q. エラー90(燃焼不具合)はどう切り分けますか?
A. ガス・空気・排気・水量などの複合的な要因で燃焼バランスが崩れた状態です。排気口前の障害物除去、強風時の運転回避、ストレーナ(フィルター)の清掃、同時使用機器の抑制などを試し、それでも再発するなら専門的な診断が必要です。
Q. 点検お知らせ「88/888」は故障ですか?解除できますか?
A. 故障の通知ではなく、使用開始から約10年が経過したことによる「点検時期の案内」です。直ちにお湯が出なくなるわけではありませんが、安全上は販売店やメーカーへ「あんしん点検(有償)」をご相談ください。リモコン操作で一時的に表示を消すことは可能ですが、勝手な解除や内部設定の変更は推奨されません。
Q. ガスメーターが遮断しているかの見分け方は?
A. メーターの表示窓にある赤いランプの点滅表示や、「ガス止」などの文字表示で判断します。ガス臭がなく、換気が確保できる状況で、公式の表示手順に沿って復帰ボタンを押してください。復帰後すぐに再遮断する場合は、ガス漏れなどの危険があるため使用を控えてガス会社へ相談してください。
Q. リモコンのリセットで直る場合と直らない場合の違いは?
A. 強風や急激な流量変動、一時的な湿気などが要因なら、リセット(再投入)で回復することもあります。しかし、即時に同じエラーが再表示される場合は、部品の劣化や断線など「再現性のある不具合」の可能性が高く、無理な再試行(リセットの繰り返し)はインターロックを招くため避けてください。
Q. 強風の日だけ点滅・停止します。設置の見直しは必要?
A. 建物の角、狭小通路、庇の下など、乱流が起きやすい場所では強風による立消えが再発しやすくなります。周囲の離隔確保や、メーカー純正の防風カバーの設置、機器の向きの見直しが有効です。ただし、素人による排気部材の改造は一酸化炭素中毒の危険があるため絶対に行わず、施工店に現地評価を依頼してください。
Q. 吸気フィルターの清掃は自分でできますか?
A. 屋内設置型などの一部機種では可能です。取扱説明書の手順に従い、必ず電源オフのうえで取り外し、水洗い・完全乾燥・確実な復旧を行えばユーザーでも清掃可能です。破れや変形があれば交換が必要です。ただし、本体内部の分解やダクトの改造は絶対に行わないでください。
Q. 石油給湯機で点滅します。灯油が原因のことはありますか?
A. あります。灯油の劣化(古い灯油)、タンク内の水分混入、灯油切れ後の送油ラインのエア噛みなどで燃料供給が不安定になり、失火が起きます。補給後は取扱説明書に従ってエア抜きとストレーナ清掃を安全に実施し、改善しない場合や黒煙・異臭がある場合は直ちに使用を中止してください。
Q. 何年使用したら交換を検討すべきですか?
A. 一般に設置から10年を超えると、複数の部品が同時に劣化し始め、メーカーの保守部品の供給も終了しやすくなります。そのため、再発率や修理費用の観点から、本体の交換が最も合理的で経済的な選択肢となる場合が多いです。特に安全系エラー(不完全燃焼など)の再発や、修理見積もりが高額な場合は交換を強く検討してください。
Q. どのタイミングで使用を中止し、連絡すべきですか?
A. ガス臭・焦げ臭・黒煙・異常な音(爆発音や金属音)・排気口周辺への黒いスス付着・エラーの連続再発などがある場合は、直ちに使用を中止してください。換気扇は回さず窓を開けて換気し、販売店・ガス事業者・メーカーへ連絡してください。自己判断での分解修理は絶対に行わないでください。
参考・出典
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総務省消防庁「食品工場及び業務用厨房施設等における一酸化炭素中毒事故防止について」
- ガス消費設備使用時の換気義務や不完全燃焼・一酸化炭素中毒事故の事例と注意喚起をまとめた公式資料。 -
日本ガス株式会社「マイコンメーター復帰方法」
- マイコンメーター(ガスメーター)遮断時の一般的な復帰手順と安全上の注意点を図解で解説したページ。 -
ノーリツ「給湯機器:エラー表示【11】が点滅」
- ノーリツ給湯器のエラー11表示の意味、想定される故障部品、修理の必要性や費用の目安を説明するメーカー公式FAQ。
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株式会社生活水道センター 本部長
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405
株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。
株式会社生活水道センター 本部長
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