マンションの給湯器交換費用はいくら?誰が払うか・安くするコツを現場のプロが徹底解説

マンションの給湯器交換費用はいくら?誰が払うか・安くするコツを現場のプロが徹底解説

こんにちは。給湯器修理.comです。

濱本 孝一

この記事の監修者

濱本 孝一

株式会社 生活水道センター 代表取締役

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号

株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。

毎日当たり前のようにお湯を使っていると、ある日突然シャワーがお湯にならなかったり、お風呂の追い焚きができなくなったりしたときの焦りは計り知れません。特にマンションにお住まいの場合、戸建て住宅とは勝手が異なり、「この給湯器の交換費用はいったい誰が払うの?」「そもそも勝手に業者を呼んで交換していいの?」といった疑問が次々と湧いてくるのではないでしょうか。

マンションの給湯器交換は、設置場所が限られていたり、マンション独自の規約があったりと、特有の注意点がいくつも存在します。費用に関しても、選び方や依頼先によって数万円単位で差が出ることも珍しくありません。

この記事でわかること

  • マンションの給湯器交換費用を誰が負担するのか
  • 給湯器本体と工事費を含めた具体的な費用相場
  • 交換費用を少しでも安く抑えるコツと補助金情報
  • 失敗しない業者の選び方と交換時の注意点

マンションの給湯器交換費用は誰が払う?分譲と賃貸の違い

マンションにお住まいで給湯器が故障した際、まず最初に確認しなければならないのが「誰が交換費用を負担するのか」という点です。これは、お住まいのマンションが「分譲」なのか「賃貸」なのかによって明確に異なります。焦ってすぐに業者を手配してしまう前に、まずはご自身の状況を確認しましょう。

賃貸マンションの場合は原則として大家さん・管理会社が負担

結論から言うと、賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、給湯器の修理や交換にかかる費用は、原則として物件の所有者である大家さん、あるいは管理会社が負担することになります。給湯器は物件に最初から備え付けられている「付帯設備」という扱いになるため、経年劣化や自然故障であれば入居者が費用を支払う必要はありません。

賃貸マンションの場合は原則として大家さん・管理会社が負担

ただし、ここには重要な注意点があります。それは「勝手に業者を呼んで交換してはいけない」ということです。お湯が出ないと不便なため、ついインターネットで検索して見つけた業者に直接依頼したくなりますが、事前の許可なく入居者が手配した場合、その費用を大家さんに請求できず、自腹になってしまうおそれがあります。

以前、私が現場に急行した際のエピソードをお話しします。真冬の夜、「お湯が出なくて本当に困っているんです!」と切羽詰まったお電話をいただき、急いで駆けつけました。お見積もりを提示して作業に入ろうとしたところ、ふと「こちらは賃貸ですか?」とお聞きしました。すると「はい、賃貸です」とのお答え。私は慌てて作業の手を止め、「お客様、まずは管理会社さんに連絡してください。今ここで私が交換してしまうと、お客様が全額支払うことになってしまいます」とお伝えしました。翌朝、管理会社経由で正式に弊社へご依頼をいただき、無事にお客様の負担ゼロで交換することができました。あのまま作業を進めていたらと思うと、今でも冷や汗が出ます。

賃貸にお住まいで給湯器が壊れたら、まずは契約書を確認し、管理会社や大家さんに連絡を入れるのが鉄則です。ただし、入居者の過失(例えば、ベランダに置いた物をぶつけて壊してしまった、凍結防止の電源を意図的に抜いていて破裂させた等)による故障の場合は、入居者負担となることが多いので注意が必要です。

分譲マンションの場合は原則として所有者(自分)が負担

一方、分譲マンションにお住まいで、ご自身がその部屋の所有者である場合、給湯器の交換費用は原則としてご自身の自己負担となります。マンションの給湯器は玄関横のパイプシャフト(PS)やベランダに設置されていることが多いですが、これらは「専有部分(あるいは専用使用権のある共用部分)」の設備とみなされるため、管理費や修繕積立金から費用が出ることは基本的にありません。

分譲マンションの場合は原則として所有者(自分)が負担

「毎月高い修繕積立金を払っているのに!」と思われる方もいらっしゃることもありますが、修繕積立金は外壁塗装やエレベーターの更新など、マンション全体の共用部分の維持管理に使われるものです。各住戸の給湯器は個人の持ち物という扱いになります。

ただし、例外として、マンション全体で一斉に給湯器の交換工事を行うプロジェクトが立ち上がっている場合や、特定のリース契約をマンション全体で結んでいるような特殊なケースでは、個別の手配が不要なこともあります。また、分譲マンションを「借りて」住んでいる(分譲賃貸)の場合は、部屋の所有者(貸主)が費用を負担します。

分譲マンションでご自身が所有者の場合は、費用負担は自分になりますが、その分、業者を自由に選ぶことができます。相見積もりを取って費用を抑えたり、より機能の充実した給湯器にグレードアップしたりと、選択の幅が広がるのは一つのメリットと言えるなります。

マンションの給湯器交換にかかる費用相場と内訳

費用を自分で負担することになった場合、最も気になるのが「いったいいくらかかるのか」ということなります。給湯器の交換費用は、単に本体の価格だけでなく、工事費や古い給湯器の処分費などが複雑に絡み合っています。ここでは、現場のプロの視点から、費用の内訳と相場を包み隠さず解説します。

①給湯器交換にかかる料金の内訳

給湯器の交換費用は、大きく分けると以下の4つの要素から成り立っています。

①給湯器交換にかかる料金の内訳
  • 給湯器本体の代金:定価から大幅に割引(50%〜80%OFFなど)されることが多いですが、号数や機能(追い焚き、床暖房対応など)によって価格が大きく変わります。
  • リモコン代金:台所用、浴室用のリモコンです。本体とは別売りになっていることが多く、セットで交換するのが一般的です。
  • 標準工事費:既存の給湯器の取り外し、新しい給湯器の取り付け、給水・給湯・ガス管の接続、リモコンの交換、試運転などの基本的な作業費です。相場は3万円〜5万円程度とされることが多いです。
  • 追加工事費・部材費:マンション特有の設置環境に合わせるための特殊な金枠(アダプター)、排気カバー、配管の延長などが必要な場合にかかる費用です。

広告などで「給湯器交換が激安!」と謳っていても、よく見ると「本体代のみ」で工事費が含まれていなかったり、リモコンが別料金だったりすることがあります。必ず「総額(コミコミ価格)」で比較が必要です。

②機能・号数別の一般的な相場レンジ

マンション用の給湯器交換にかかる総額(本体+リモコン+標準工事費+処分費)の一般的な相場レンジをまとめました。※あくまで一般的な目安であり、実際の費用は業者や設置状況によって変動することがあります。

②機能・号数別の一般的な相場レンジ
機能・タイプ 16号(単身〜2人向け) 20号(2〜3人向け) 24号(4人〜向け)
給湯専用
(蛇口からお湯を出すのみ)
約6万〜9万円 約7万〜10万円 約8万〜12万円
オート
(自動湯張り・追い焚き)
約11万〜15万円 約12万〜16万円 約13万〜18万円
フルオート
(自動足し湯・配管洗浄付き)
約13万〜17万円 約14万〜18万円 約15万〜20万円
温水暖房熱源機
(床暖房や浴室乾燥機対応)
約20万〜25万円 約22万〜28万円 約25万〜35万円

ガス代を節約できる「エコジョーズ」を選ぶ場合は、上記の相場にプラス2万〜4万円程度かかる傾向にあります。

③時期・繁忙期による費用の変動

給湯器の価格や工事費は、1年を通じて常に一定というわけではありません。給湯器業界には明確な「繁忙期」が存在します。それは水温が下がり、給湯器に最も負荷がかかる10月から2月にかけての冬場です。

③時期・繁忙期による費用の変動

この時期は「お湯が出ない!」というSOSが殺到し、業者のスケジュールはパンパンになります。需要が供給を上回るため、極端な値引きがされにくくなったり、深夜や休日の緊急対応費用が加算されたりすることがあります。逆に、春から夏にかけての閑散期であれば、業者のスケジュールにも余裕があり、キャンペーン等で費用を抑えやすい傾向があります。「まだ完全に壊れていないけれど、最近お湯の温度が安定しない」といった10年以上の機器をお使いの場合は、閑散期に余裕を持って交換を検討をおすすめします。

④設置環境(PS設置・ベランダ設置など)による差

マンションの給湯器交換で、戸建て以上に費用を左右するのが「設置環境」です。マンションの給湯器は、主に以下の場所に設置されています。

④設置環境(PS設置・ベランダ設置など)による差
  • ベランダ壁掛け設置:比較的作業スペースが広く、標準的な工事で済むことが多いです。
  • PS(パイプシャフト)標準設置:玄関横の扉のないスペースに設置されているタイプです。
  • PS扉内設置:玄関横の鉄扉の中に隠れているタイプです。

現場でよくお客様が驚かれるのが、この「PS設置」に関する追加費用です。例えば、今まで使っていた給湯器のメーカーがノーリツで、新しくリンナイの給湯器を取り付ける場合、本体の寸法が微妙に異なります。PSという限られた枠内に新しい給湯器をしっかり固定するためには、「PS金枠(取り付けアダプター)」という専用の部材が必要になります。これが数千円〜1万円程度かかります。

さらに厄介なのが「排気方向」です。PS内に設置されている給湯器の中には、排気ガスを前ではなく、上(上方排気)や後ろ(後方排気)に逃がす特殊な構造のものがあります。これらは本体自体の価格が標準タイプより高く、配管の接続作業も難易度が上がるため、工事費が割高になる傾向があります。

ある日、築25年のマンションに伺ったときのことです。お客様は「ネットで10万円ポッキリって見たから、それでお願い!」とおっしゃっていたのですが、現場を確認するとPS扉内設置の「後方排気タイプ」でした。排気筒を壁の裏側に接続しなければならず、さらに古い機種と現行機種でサイズが全く合わないため特注の金枠が必要でした。状況を丁寧に説明し、どうしても追加の部材費と特殊工事費がかかることをお伝えしました。最初は「えっ、話が違う!」と戸惑われていましたが、実際の排気筒の構造を一緒に見ていただき、「なるほど、これは素人じゃ無理だわ。適当な工事をされて一酸化炭素中毒になるより、プロにしっかりやってもらった方が安心ね」とご納得いただけました。マンションの給湯器は、外から見ただけではわからない複雑な事情が隠れていることが多いのです。

マンションの給湯器交換費用を安く抑えるコツと補助金の活用

決して安くない給湯器の交換費用。分譲マンションで自己負担となる場合、少しでも出費を抑えたいと思うのは当然のことです。ここでは、品質や安全性を犠牲にすることなく、賢く費用を抑えるための具体的な方法を現場目線でお伝えします。

複数の業者から相見積もりを取る

費用を適正価格に抑えるための基本中の基本が、最低でも2〜3社から相見積もりを取ることです。給湯器の交換費用は、業者によって仕入れの割引率や工事費の設定が全く異なります。A社では15万円だったものが、B社では12万円でできるということも珍しくありません。

複数の業者から相見積もりを取る

ただし、安さだけで選ぶのは危険です。見積もりを見比べる際は、以下の点を必ずチェックしてください。

  • 本体代、リモコン代、工事費、古い機器の処分費がすべて含まれているか
  • 追加工事が発生する可能性がある場合、その条件が明記されているか
  • 工事後の保証(商品保証と工事保証)は何年ついているか

見積もりの段階で「現場を見ないとわかりません」とだけ言って、概算すら出そうとしない業者は後から高額な追加請求をしてくる可能性があるので要注意です。優良な業者であれば、現在の給湯器の型番と設置場所の写真をメールやLINEで送るだけで、かなり正確な見積もりを出してくれます。

号数や機能を生活スタイルに合わせて見直す

今ついている給湯器と全く同じスペックのものを買う必要はありません。家族構成や生活スタイルの変化に合わせて、給湯器の「号数」や「機能」を見直すことで、費用をグッと抑えられるおそれがあります。

例えば、子どもが独立して夫婦2人暮らしになったのに、かつてと同じ「24号(同時に複数カ所でお湯を使っても水圧が落ちにくい大容量タイプ)」を使い続ける必要はありません。これを「20号」や「16号」に下げるだけで、本体価格を数万円単位で安くすることができます。

また、機能面でも「フルオート(自動足し湯・配管洗浄機能付き)」から、基本的な自動湯張りと追い焚きができる「オート」に変更するだけで、費用を抑えられます。「配管洗浄機能がなくなったのは少し寂しいけれど、その分安くなったし、市販の洗浄剤で月に1回掃除すれば十分だった」と満足されるお客様も多くいらっしゃいます。

国や自治体の補助金・助成金制度を活用する

省エネ性能の高い給湯器(エコジョーズやエコキュートなど)を導入する場合、国や自治体の補助金制度を活用できるおそれがあります。これを利用すれば、実質的な負担額を数万円単位で減らすことができます。

例えば、国が実施している「給湯省エネ事業」や「子育てエコホーム支援事業」などがあり、条件を満たせば高効率給湯器の導入に対して補助金が交付されることがあります(※制度の名称や内容は年度によって変更されるため、正確な情報は公式サイトや専門業者にご確認ください)。

現場でのエピソードですが、あるお客様から「エコジョーズにしたいけど、マンションの規約で廊下に排水(ドレン水)を流しちゃいけないって言われて諦めてるの」とご相談を受けたことがあります。エコジョーズは熱を再利用する際、酸性の水(ドレン水)が出ます。戸建てなら地面に流せますが、マンションのPS設置の場合、この処理がネックになります。しかし、私たちは現場のプロです。浴室の排水溝まで専用のドレン配管を這わせる「三方弁方式」という特殊な部材を使い、マンションの規約をクリアしつつエコジョーズを設置しました。結果的に国の補助金申請もサポートさせていただき、「諦めていた最新のエコジョーズにできた上に、補助金でお得になって本当に嬉しい!」と大変喜んでいただけました。補助金の活用は、実績のある業者に相談するのが一番の近道です。

【ポイント】補助金は予算上限に達すると終了します
国の補助金制度は、あらかじめ決められた予算の上限に達した時点で、期限前でも受付終了となってしまいます。給湯器の交換を検討している場合は、早めに業者に補助金の対象になるか確認をおすすめします。

費用は機種・設置状況で変わります

正確な料金は現地確認が確実です。無料見積もり・ご相談を24時間受付中。まずはお気軽にお問い合わせください。

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マンションの給湯器交換はどこに頼む?業者ごとの特徴

「じゃあ、いざ交換しよう!」となったとき、次に迷うのが「どこに依頼すればいいのか」という問題です。給湯器の交換を行っている業者は多岐にわたり、それぞれにメリットとデメリットがあります。ここでは、代表的な4つの依頼先の特徴を客観的に解説します。

ガス会社・メーカー

東京ガスや大阪ガスなどの大手都市ガス会社や、ノーリツ、リンナイといった給湯器メーカーのサービス指定店に依頼する方法です。
メリット:圧倒的な安心感と信頼性があります。対応も丁寧で、万が一のトラブルの際も逃げられる心配がありません。
デメリット:費用が最も高くなる傾向があります。定価に近い価格での販売が多く、専門業者と比較すると数万円〜十数万円の差が出ることも珍しくありません。

給湯器専門業者(ネット系業者含む)

インターネットで集客を行い、給湯器の交換に特化している専門業者です。私たちのような業者もここに含まれます。
メリット:メーカーから大量に直接仕入れているため、本体価格の割引率が非常に高く、費用を最も安く抑えやすいのが最大の特徴です。また、給湯器に特化しているため、職人の経験値が高く、施工スピードが速い傾向があります。
デメリット:業者の数が多いため、中には対応が悪い、施工がずさんな「ハズレ業者」が混ざっているおそれがあります。口コミや実績、資格の有無をしっかり見極める必要があります。

ホームセンター・家電量販店

ビバホームやカインズ、ヤマダ電機などで給湯器を販売し、提携する下請け業者が工事を行うパターンです。
メリット:普段の買い物のついでに実店舗で相談でき、独自のポイント(楽天ポイントや店舗ポイント)が貯まったり使えたりする利点があります。
デメリット:実際に施工に来るのは下請けの業者であるため、店舗の担当者と現場の職人で情報共有がうまくいっていないことがあります。また、マンションの特殊な設置(PS設置など)には対応できない、あるいは見積もりに時間がかかることがあります。

マンションの管理会社・提携業者

分譲マンションの場合、管理会社から定期的に「給湯器一斉交換キャンペーン」などのチラシが投函されることがあります。
メリット:そのマンションの構造や規約を熟知しているため、設置トラブルが少なく、手続きが非常にスムーズです。
デメリット:専門業者に自分で依頼するよりも、中間マージンが発生するため費用が割高になることが多いです。

悪質な業者への注意喚起
残念ながら、給湯器交換の業界にも悪質な業者は存在します。「相場より不自然に安い(激安・最安値など根拠のない最上級表現を多用する)」「飛び込み営業で『今すぐ交換しないと火事になる』と不安を煽る」「見積書に『一式』としか書かれていない」といった業者には絶対に依頼しないでください。安さだけで選ばず、適正な価格と誠実な対応をしてくれる業者を見極めることが大切です。

私自身、他社が施工した現場の手直しに呼ばれることが年に数回あります。ある現場では、「ネットで見つけた一番安い業者に頼んだら、お湯の温度が安定しない」とご相談を受けました。点検してみると、ガス可とう管(ガス管と給湯器を繋ぐホース)が古いまま使い回されており、しかも接続部から微量のガス漏れ反応がありました。お客様にお伝えすると顔面蒼白に。ガス漏れは命に関わる大事故に直結します。安さの裏には「必要な部材をケチる」「無資格のアルバイトに作業させる」といった危険な手抜きが隠れている可能性があることを、現場の人間として強くお伝えしたいです。

マンションでの給湯器交換の手順と絶対に知っておくべき注意点

業者も決まり、いざ交換工事!となる前に、マンションならではの踏むべき手順と、絶対に守るべき注意点があります。これを知らないと、後々ご近所トラブルに発展したり、最悪の場合は命に関わる事故に繋がったりすることがあります。

マンション管理組合への事前申請と確認

分譲マンションの場合、給湯器の交換工事を行う前に、管理組合(または管理会社)への事前申請が必要なケースがほとんどです。給湯器自体は専有部分の設備であっても、工事の際には共用部分である廊下やエレベーターを使用して機材を搬入し、作業中は大きな音が出ます。

「専有部分の工事申請書」を提出し、承認を得るまでに1週間〜2週間程度かかるマンションもあります。お湯が出なくて1日も早く交換したい気持ちはわかりますが、無断で工事を強行すると規約違反となり、後々トラブルになります。優良な業者であれば、この申請手続きのアドバイスや、ご近所への工事の挨拶回り(ポスティングなど)を代行してくれます。

また、マンションによっては「給湯器の色は外観を損なわないように指定の色(特注色)にしなければならない」「号数のアップ(16号から24号への変更など)は、マンション全体のガスの供給容量の制限により認められない」といった独自のルールが存在することがあります。これらも事前に管理会社に確認しておくべき重要ポイントです。

設置場所のサイズと排気バリエーションの確認

前述の通り、マンションのパイプシャフト(PS)に設置する場合、ミリ単位でサイズを合わせる必要があります。現在の給湯器の型番を業者に伝えれば、基本的には適合する後継機種を選定してくれますが、まれにメーカーが統廃合されていたり、特殊な寸法の機種だったりすると、すんなり収まらないことがあります。

私が経験した中でも特に冷や汗をかいた現場があります。事前の写真確認で「標準的なPS設置」と判断して新しい給湯器を持参したのですが、いざ古い給湯器を取り外してみると、PSの奥の配管スペースが異常に狭く、新しい給湯器がどうしてもあと2センチ奥に入りきらないのです。お客様も不安そうに見守る中、私は車に積んでいた様々な種類の金枠やアダプターを引っ張り出し、知恵を絞ってなんとか安全基準を満たしつつ、PSの扉が閉まるように収めました。作業完了後、お客様が安堵の表情で淹れてくださった温かいコーヒーの味は今でも忘れられません。マンションの現場は、開けてみないとわからない「魔物」が潜んでいることがあり、職人の臨機応変な対応力が試されます。

DIYは厳禁!資格が必要な危険な作業

最近は動画サイトなどで何でもDIYでやってしまう方が増えていますが、給湯器の交換を素人がDIYで行うことは絶対にやめてください。

給湯器の交換には、「ガス可とう管接続工事監督者」や「液化石油ガス設備士」、「給水装置工事主任技術者」など、国が定めた国家資格や専門資格が必須です。特にガスの接続作業は、一歩間違えればガス漏れによる大爆発や、不完全燃焼による一酸化炭素中毒など、自分だけでなくマンションの他の住人の命を巻き込む大惨事に直結します。

また、給水管の接続が甘くて水漏れを起こせば、マンションの階下の部屋を水浸しにしてしまい、莫大な損害賠償を請求される可能性もあります。以前、「自分でネットで本体だけ買って取り付けようとしたら、水が噴き出して止まらなくなった!」と泣きそうな声で電話をかけてきた方がいました。駆けつけると玄関周りが水浸しで、階下への漏水ギリギリのところでした。ガスや水道のインフラに関わる工事は、最終的な判断と作業を必ず専門業者に委ねてください。無理をせずプロに任せることが、一番の安全と安心に繋がります。

まとめ|マンションの給湯器交換費用を把握して賢く依頼しよう

今回は、現場で数多くの給湯器を交換してきたプロの視点から、マンションの給湯器交換費用や安く抑えるコツ、注意点について解説しました。

改めて、この記事の重要なポイントをまとめます。

  • 賃貸マンションは大家さん負担、分譲マンションは自己負担が原則
  • 費用の相場は機能や号数により約6万〜35万円と幅広く、PS設置等の環境で追加費用がかかることがある
  • 安く抑えるには、複数業者での相見積もり、号数・機能の見直し、補助金の活用が有効
  • 安さだけで悪質な業者を選ばず、実績と資格を持った専門業者を選ぶことが大切
  • 分譲の場合は管理組合への事前申請を忘れず、危険なDIYは絶対に避ける

お湯が出ないトラブルは本当にストレスが溜まりますが、焦って適当な業者に依頼してしまうと、相場より高い費用を払わされたり、ずさんな工事で後悔したりすることになりかねません。この記事でご紹介した「マンションの給湯器交換費用」の相場と知識を武器にして、ぜひご自身の生活スタイルと予算に合った最適な給湯器選びをしてください。

もし、今まさに給湯器の調子が悪くて悩んでいるのであれば、完全に壊れてお湯が出なくなる前に、信頼できる業者に一度相談してみることを強くおすすめします。私たち給湯器修理.comも、お客様の不安に寄り添い、安全で快適なお湯のある生活を全力でサポートいたします。最終的な判断は、ぜひ複数の専門業者とお話しされた上で、ご自身が最も納得できる形でお決めください。

佐藤 裕

この記事の執筆者

佐藤 裕

株式会社生活水道センター 本部長

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405

株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。

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