エコウィルの交換費用はいくら?寿命の目安やエコジョーズ移行の注意点をプロが徹底解説

エコウィルの交換費用はいくら?寿命の目安やエコジョーズ移行の注意点をプロが徹底解説

こんにちは。給湯器修理.comです。

濱本 孝一

この記事の監修者

濱本 孝一

株式会社 生活水道センター 代表取締役

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号

株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。

この記事でわかること

  • エコウィルの寿命と10年以降も使い続けるリスク
  • エコウィルのメンテナンスや定期点検にかかる費用
  • エコウィルの交換・撤去にかかる費用の全体相場
  • エコジョーズへ交換するメリットと費用の詳細

エコウィルをお使いの方で、「そろそろ10年経つけど、交換した方がいいのかな?」「交換するとしたらいくらくらいかかるんだろう?」と悩んでいませんか。実は、エコウィルはすでに新規製造が終了しており、修理したくても部品がないというケースが急増しています。

本記事では、給湯器の設置や修理を日々行っている現場のプロの視点から、エコウィルの交換費用の相場や、多くの方が選んでいるエコジョーズへの移行について詳しく解説します。この記事を読めば、今のエコウィルをどうすべきか、最適な判断ができるようになります。

エコウィルの寿命はいつまで?10年以降も交換せずに使えるの?

エコウィルの寿命(設計標準使用期間)は約10年です。10年を超えてもすぐに使えなくなるわけではありませんが、メーカーの部品保有期間が終了しているため、故障すると修理できない可能性が高いです。突然お湯が出なくなるリスクを避けるため、10年を過ぎたら早めの交換を検討をおすすめします。

エコウィルの設計標準使用期間(寿命)は約10年

エコウィル(ガスエンジンコージェネレーションシステム)は、都市ガスやプロパンガスを燃料にしてガスエンジンを動かし、その動力で発電を行うと同時に、エンジンの排熱を利用してお湯を沸かすという非常に画期的なシステムです。しかし、その内部には文字通り「エンジン」が搭載されているため、一般的なガス給湯器とは構造が全く異なります。

車やバイクを想像していただくとわかりやすいのですが、エンジンを長期間動かし続けるためには、定期的なオイル交換や点検が欠かせません。エコウィルも同様で、メーカーが定めている設計標準使用期間(安全にトラブルなく使用できると想定される期間)は約10年、またはエンジンの累積稼働時間が約2万時間と設定されています。

現場で数多くのエコウィルを見てきましたが、やはり設置から10年を過ぎたあたりで、エンジン周りの異音や発電エラー、水漏れなどの不具合が発生するケースが急激に増えます。これは製品の欠陥ではなく、物理的に駆動する部品(ピストンやベルトなど)が摩耗し、寿命を迎えるためです。一般的な壁掛けの給湯器と比べても、可動部品が多い分、どうしても寿命の目安がはっきり出やすい機器だと言えます。

10年以降も使える?使い続ける場合のリスクと注意点

「10年経ったからといって、今日明日すぐに壊れるわけではないですよね?」とお客様からよく聞かれます。結論から言うと、エラーコードが出ず、正常に動いているのであれば、10年以降もそのまま使い続けること自体は可能です。実際、12年や13年目でもなんとか動いているエコウィルに出会うこともあります。

しかし、プロの視点からすると、10年を超えたエコウィルを使い続けることには大きなリスクが伴います。最大の懸念は、真冬などの一番お湯を使いたい時期に突然故障し、長期間お湯が使えなくなるリスクです。

以前、年末の寒波が到来した時期に「エコウィルがエラーで止まってお湯が出ない」というSOSをいただいたことがあります。お伺いして点検したところ、エンジンユニット内の基盤とインバーターが完全にショートしていました。お客様は「まだ使えるから」と騙し騙し使っていたそうですが、結果的にお正月休みを挟んでしまったため、新しい給湯器への交換工事が完了するまでの約2週間、銭湯通いを余儀なくされてしまいました。

エコウィルは故障すると、発電だけでなく給湯機能もストップしてしまうことがほとんどです。特に冬場は水温が低く、お湯を沸かすために機器に大きな負荷がかかるため、寿命ギリギリの機器が悲鳴を上げやすい季節なのです。無理をして使い続けるよりも、壊れる前に計画的に交換を進めることが、結果的にご家族の負担を減らすことにつながります。

エコウィルの新規製造は終了している点に留意

エコウィルの今後を考える上で、絶対に知っておかなければならない重要な事実があります。それは、エコウィルは2017年9月をもって新規の製造・販売が完全に終了しているということです。つまり、今お使いのエコウィルが壊れたからといって、「新しいエコウィルに交換する」という選択肢はすでに存在しません。

さらに深刻なのが「修理部品の枯渇」です。メーカー(ノーリツや長府製作所など)が修理用の部品を保有する期間は、法律や業界の自主基準により「製造終了から10年」と定められています。2017年に製造が終了しているということは、遅くとも2027年にはすべての部品供給がストップすることになります。実際には、それ以前に特定の基盤やエンジン部品の在庫がなくなり、「直したくても部品がないから直せない」という事態が全国の現場で多発しています。

注意:修理不可による突然の交換に備える

「とりあえず修理して延命しよう」と考えてメーカーのサービスマンを呼んでも、「部品がないため修理不可です。交換してください」と言われるケースが非常に増えています。出張点検費だけがかかってしまい、結局すぐに交換業者を探さなければならないという二度手間を防ぐためにも、製造終了の事実は心に留めておいてください。

このように、エコウィルはすでに「過去の機器」となりつつあります。だからこそ、寿命のサインを見逃さず、次世代の給湯器(エコジョーズやエネファームなど)への移行を前向きに検討するタイミングが来ているのです。

給湯器の寿命や交換のサインについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

給湯器の寿命サイン|交換費用と時期を専門家が解説

費用は機種・設置状況で変わります

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エコウィルを使い続けるとメンテナンスや定期点検の費用はいくらかかる?

10年経過後にエコウィルを使い続ける場合、定期点検や有償メンテナンスに1回あたり1万〜3万円程度の費用がかかるのが一般的です。また、エンジンオイルや冷却水の交換など維持費もかさみます。さらに経年劣化による大規模な故障が起きると、数万円〜10万円以上の修理費用が発生するリスクがあります。

10年経過後の保守契約や定期点検にかかる費用の目安

エコウィルを導入した際、多くの方はガス会社(東京ガスや大阪ガスなど)と「フルメンテナンスサポート」などの保守契約を結んでいたはずです。これは、一定期間内の定期点検やオイル交換、さらには故障時の修理費が無償になるという非常に手厚いサポートでした。しかし、この保守契約の有効期間は、エコウィルの設計標準使用期間と同じく「設置から10年(または稼働時間2万時間)」で終了してしまいます。

10年を過ぎて保守契約が切れた後もエコウィルを使い続ける場合、それ以降のメンテナンスや点検はすべてお客様の全額実費負担(有償)となります。ガスエンジンを搭載しているため、一般的な給湯器と違って放置するわけにはいかず、定期的なプロの手による点検が推奨されています。

有償での定期点検(エンジンオイルの補充・交換、冷却水のチェック、点火プラグの確認など)を依頼した場合、1回あたりおよそ15,000円〜30,000円程度の費用がかかるのが一般的な相場です。車検や車の法定点検をイメージしていただくとわかりやすいなります。発電して電気代を節約できたとしても、このメンテナンス費用が定期的にかかってしまうと、トータルのコストメリットはどんどん薄れていってしまいます。

経年劣化により故障時の修理費用が高額になる可能性

定期点検の費用だけでなく、実際にどこかが故障してしまった場合の「修理費用」も、10年目以降は全額自己負担となります。エコウィルはシステムが複雑なため、一つの部品が壊れただけでも修理費が高額になりがちです。

現場での経験上、10年を超えたエコウィルでよく発生するトラブルと、その概算の修理費用(部品代+作業費+出張費)は以下のようになります。

  • 点火プラグやイグニッションコイルの劣化:約20,000円〜40,000円
  • 冷却水ポンプ(ウォーターポンプ)の故障:約30,000円〜50,000円
  • インバーターやメイン基盤の故障:約70,000円〜150,000円
  • 排気系の詰まりやセンサー異常:約20,000円〜50,000円

あるお客様のお宅で、エンジンが全くかからなくなったエコウィルを点検したところ、メイン基盤と発電用インバーターの両方がショートしており、修理見積もりが12万円を超えてしまったことがありました。お客様は「あと何年使えるかわからない機械に12万円も払うなら、いっそ新しい給湯器に交換した方がマシだ」と判断され、そのままエコジョーズへの交換工事をご依頼いただきました。このように、高額な修理費用が交換の決定打になるケースは非常に多いのです。

部品供給の終了によって修理できないケースも

そして最も恐ろしいのが、お金を払って修理したくても「部品がないから直せない」というケースです。前述の通り、エコウィルの新規製造は2017年に終了しており、メーカーの部品在庫は年々減少しています。

現場のリアルな声

私たち修理業者がメーカーの部品センターに在庫確認の電話を入れると、「あー、その型番の基盤は先月で全国の在庫がゼロになりました。今後の生産予定もありません」とあっさり言われることが最近本当に増えました。お客様に「申し訳ありません、部品がもう作られていないので直せません」とお伝えするときの、お客様の落胆した顔を見るのは私たちも非常に心苦しいものです。

部品がない以上、どんなに優秀な技術者でも直すことは不可能です。特に、冬場の繁忙期にこの宣告を受けてしまうと、そこから新しい給湯器を選び、業者の工事枠を確保するまでに数週間かかってしまうことも珍しくありません。10年を過ぎたエコウィルは、「いつ修理不可になってもおかしくない時限爆弾」のような状態であることを、ぜひ知っておいていただきたいと思います。最終的な判断は専門業者にご相談いただくのが確実ですが、無理な延命はおすすめできません。

エコウィルを交換・撤去する費用の全体相場はいくら?

エコウィルの交換・撤去にかかる費用の全体相場は、エコジョーズへ交換する場合で約35万〜50万円が目安です。内訳は新しい給湯器本体と標準工事費で15万〜25万円、エコウィル特有の撤去・処分費(基礎コンクリート撤去含む)で5万〜15万円程度です。設置環境や時期により費用は大きく変動します。

エコウィル本体の撤去費用の目安

エコウィルから新しい給湯器へ交換する際、費用の大きなウェイトを占めるのが「既存のエコウィルの撤去・処分費用」です。一般的な壁掛け給湯器の撤去費が数千円〜1万円程度で済むのに対し、エコウィルの撤去には約5万円〜15万円というまとまった費用がかかります。なぜこれほど高額になるのでしょうか。

その理由は、エコウィルの「異常な重さ」と「基礎コンクリートの存在」にあります。エコウィルは、ガスエンジンが内蔵された「発電ユニット」と、お湯を貯めておく「貯湯ユニット」の2つの巨大な箱で構成されています。発電ユニットは約80kg以上、貯湯ユニットも水を抜いた状態で約70kg近くあります。これを、家屋の脇の狭い通路や、段差のあるお庭から運び出すのは、大人2〜3人がかりの重労働になります。

現場でのエピソードをお話しします。あるお宅では、エコウィルが家の裏手の非常に狭いスペースに設置されており、搬出経路にはエアコンの室外機や植木鉢がひしめいていました。クレーン付きのユニック車も入れないため、すべて人力で運び出すしかありません。スタッフ3人で汗だくになりながら、壁に傷をつけないよう慎重にミリ単位でカニ歩きをして搬出しました。こうした特殊な搬出作業には、どうしても追加の人件費がかかってしまいます。

さらに厄介なのが「基礎コンクリート」です。重量物のエコウィルが倒れないよう、地面には分厚いコンクリートの土台が打たれています。新しい給湯器(エコジョーズなど)は壁掛けやコンパクトな据え置き型になるため、この巨大な基礎は不要になります。基礎を残したままにするお客様もいらっしゃいますが、見栄えやスペースの有効活用のために撤去を希望される場合、電動ハンマー(ハツリ機)を使ってコンクリートを粉砕・解体する作業(ハツリ工事)が必要になります。このハツリ工事とコンクリート片の産業廃棄物処分費が、撤去費用を押し上げる大きな要因となっています。

新しい給湯器の本体価格と設置工事費の総額イメージ

エコウィルを撤去した後は、新しい給湯器を設置することになります。エコウィルの後継機としては、主に以下の3つの選択肢があります。それぞれの総額イメージ(エコウィル撤去費+新しい給湯器の本体代+標準工事費)は以下の通りです。

交換先の給湯器種類 総額費用の目安(撤去費込) 特徴と傾向
エコジョーズ
(高効率ガス給湯器)
約35万円 〜 50万円 発電機能はないが、初期費用が最も安い。機器がコンパクトになり省スペース。現在最も選ばれている移行先。
エネファーム
(家庭用燃料電池)
約100万円 〜 150万円 エコウィル同様に発電が可能。環境性能は高いが、初期費用が非常に高額。補助金が使える場合がある。
エコワン
(ハイブリッド給湯器)
約60万円 〜 90万円 電気(ヒートポンプ)とガスのいいとこ取り。ランニングコストに優れるが、設置スペースがある程度必要。

※上記はあくまで一般的な目安であり、正確な情報は専門業者のお見積りでご確認ください。

現場の肌感覚として、エコウィルからの交換で圧倒的に多いのは「エコジョーズ」への移行です。エネファームは発電機能を引き継げる魅力がありますが、いかんせん初期費用が100万円を優に超えるため、二の足を踏むお客様がほとんどです。「もう発電はしなくていいから、とにかく安くて壊れにくい普通の給湯器にしてほしい」というご要望が非常に多く、結果的にエコジョーズが選ばれています。

設置環境や基礎の撤去など追加工事で費用が変動する点に注意

給湯器の交換費用を考える上で、①料金の内訳、②一般的な相場レンジに加えて、③時期・繁忙期による変動、④設置環境による差、という要素を忘れてはいけません。

時期・繁忙期による変動:
給湯器業界は、秋口から冬場(10月〜2月)にかけてが超繁忙期となります。寒くなって給湯器が壊れるお宅が急増するためです。この時期は業者のスケジュールが埋まりやすく、価格交渉が難しくなる傾向があります。逆に、春から夏にかけての閑散期であれば、キャンペーン割引などが適用され、相場より安く工事ができるおそれがあります。

設置環境による差:
前述の通り、搬出経路が狭い、階段を何段も上げ下ろししなければならない、といった場合は「特殊運搬費」が追加されることがあります。また、エコウィルはガス管と水道管のほかに、床暖房や浴室乾燥機へつながる温水配管が複雑に絡み合っています。エコジョーズへ移行する際、これらの配管の位置が合わないため、配管の切り回し(延長や結び替え)工事が必要になります。配管の劣化が激しい場合は、新しい管に引き直す費用が追加でかかることもあります。

「最安値でやります!」と謳う業者もいますが、エコウィルの撤去工事は技術と経験が必要です。安さだけで選ばず、基礎の撤去や配管工事までしっかり含んだ「総額の見積もり」を出してくれる信頼できる業者を選ぶことが重要です。最終的な判断は、必ず現地調査を経た専門業者にご相談ください。

エコウィルから「エコジョーズ」へ交換する場合の費用と特徴

エコウィルからエコジョーズへの交換費用は約35万〜50万円が相場で、エネファーム(約100万円以上)への交換と比べて初期費用を大幅に抑えられます。発電機能はなくなりますが、機器がコンパクトになり設置スペースが広がります。ガス代は各家庭の電気・ガス料金プランや使用状況によって変動します。

エコジョーズへの交換費用の相場

エコウィルからの移行先として最も人気のある「エコジョーズ」について、費用の内訳をもう少し詳しく見ていきましょう。エコジョーズは、従来のガス給湯器では捨てていた排気熱を再利用してお湯を沸かす、省エネタイプのガス給湯器です。

エコウィルからエコジョーズ(24号・フルオート・暖房機能付きを想定)へ交換する場合の、一般的なお見積りの内訳イメージは以下のようになります。

エコウィルからエコジョーズへの交換費用内訳(目安)

  • エコジョーズ本体代(リモコン含む):約150,000円〜200,000円(メーカー希望小売価格の50〜70%OFF程度)
  • 標準設置工事費:約40,000円〜60,000円
  • エコウィル撤去・処分費:約50,000円〜80,000円
  • 基礎コンクリート解体・処分費(希望する場合):約30,000円〜50,000円
  • 配管切り回し・ガス管結び替え工事費:約20,000円〜40,000円
  • 総額目安:約350,000円〜500,000円

※あくまで一般的な目安です。現場の状況により変動します。

エコウィルの撤去や基礎の解体があるため、通常の給湯器交換(15万〜20万円程度)よりは高くなりますが、それでもエネファームの100万円オーバーと比べれば、圧倒的に現実的な金額に収まります。初期費用を抑えつつ、これまで通り床暖房や浴室乾燥機も使えるため、生活の利便性が落ちることはありません。

エコウィルからエコジョーズにした場合のガス代の変化(目安)

お客様から一番よく聞かれるのが、「エコウィルからエコジョーズにすると、発電しなくなるから光熱費がすごく高くなるんじゃないの?」という疑問です。

確かに、エコウィルはガスを使って発電し、その電気を家庭内で使うため、電気代を安く抑えることができました。エコジョーズに交換すると発電機能がなくなるため、電力会社から買う電気の量が増え、電気代は上がります。

しかし、ここで見落としがちなのが「ガス代」です。エコウィルは発電のために大量のガスを燃やしてエンジンを回していました。エコジョーズにすると、純粋にお湯を沸かすため(または床暖房を使うため)だけにガスを使うようになるため、ガス代は大幅に下がります。さらに、エコジョーズ自体も熱効率が95%と非常に高いため、無駄なガスを消費しません。

結果として、電気代の増加分とガス代の減少分が相殺され、トータルの光熱費としては「少し上がるか、ほぼトントン(変わらない)くらい」に落ち着くご家庭が多いです。もちろん、電気とガスの料金プランや、ご家庭のライフスタイル(日中どれくらい電気を使うかなど)によって変動しますが、「目が飛び出るほど光熱費が高くなった」という声は現場ではあまり聞きません。

あるお客様は、エコジョーズに交換した翌月に「電気代は上がったけど、ガス代がガクッと減っててびっくりした。トータルで見たら数千円しか変わらなかったから、エネファームの高いローンを組まなくて正解だったよ」と笑ってお話ししてくれました。

初期費用を抑えたい方に向いている理由

エコジョーズへの交換がおすすめな理由は、初期費用が安いことだけではありません。「機器がコンパクトになり、敷地が広く使えるようになる」という大きなメリットがあります。

エコウィルは、巨大なタンクとエンジンが家の外観を圧迫していました。しかしエコジョーズは、外壁に掛けるタイプや、地面に置くスリムなタイプが主流です。エコウィルを撤去してエコジョーズを設置すると、まるで魔法のように空間が生まれます。

現場での作業後、お客様に仕上がりを確認していただくと、「えっ、こんなに広かったの!? これなら自転車が置けるわ」「裏庭への通路が通れるようになって、草むしりが楽になる!」と、給湯器が新しくなったこと以上に、スペースが空いたことを喜ばれることが多々あります。

また、エコジョーズはエコウィルのような複雑なエンジンを搭載していないため、構造がシンプルで故障リスクが低く、将来的なメンテナンス費用(有償点検や高額な部品交換)の心配がほとんどありません。初期費用、ランニングコスト、設置スペース、メンテナンスの手間、すべてを総合的に判断すると、エコウィルからエコジョーズへの移行は非常に賢明な選択だと言えます。

エコジョーズへの交換について、さらに詳しい選び方を知りたい方は、以下の記事もあわせてお読みください。

エコジョーズ交換で後悔しない!5つの視点と賢い選び方

エコウィルの交換費用や工事に関するよくある質問

エコウィルの交換に関して、現場でお客様からよくいただく質問をまとめました。撤去のみの依頼や、エコキュートへの移行、工事にかかる日数など、いざ交換となると気になるポイントは多いはずです。ここでは、給湯器交換のプロとしての経験をもとに、よくある疑問にわかりやすく結論からお答えしていきます。

エコウィルの撤去だけを業者に依頼することはできますか?

結論から言うと、撤去のみの依頼を受けてくれる業者は非常に少ないのが実情です。撤去と新しい給湯器の設置はセットで行うのが一般的です。

エコウィルの撤去には、ガス管の閉栓や配管の処理、重量物の運搬、産業廃棄物の適正な処分など、専門的な資格とノウハウが必要です。撤去だけを行うと利益が出にくいため、多くの給湯器交換業者は「新しい給湯器の購入・設置工事」とセットでのみ対応しています。どうしても撤去だけを希望する場合は、地元のガス会社や、産業廃棄物処理の許可を持つ解体業者などに相談する必要がありますが、割高になるケースが多いです。

エコウィルからエコキュート(電気給湯器)への交換は可能ですか?

はい、エコウィルからエコキュートへの交換は物理的には可能です。ただし、ガスからオール電化への切り替えとなるため、大掛かりな電気工事が必要になります。

エコキュートを設置するためには、200Vの専用電源を屋外に引っ張ってくる電気工事や、分電盤(ブレーカー)の交換が必要になることがあります。また、これまで使っていたガスの床暖房や浴室乾燥機をそのまま使いたい場合は、別途ガス熱源機を残すか、電気式のものに交換しなければならず、費用が跳ね上がります。総額で60万〜80万円以上かかることも珍しくないため、現在のガス設備を活かせるエコジョーズへの交換の方が、コストパフォーマンスは高いと言えます。

エコウィルの交換工事には何日くらいかかりますか?

一般的なエコウィルからエコジョーズへの交換工事であれば、基礎コンクリートの撤去(ハツリ工事)を含めても、朝から始めて夕方には終わる「1日(約6〜8時間)」で完了することがほとんどです。

ただし、現場の状況(搬出経路が極端に狭い、配管の切り回しが複雑など)によっては、撤去と設置で1日半〜2日かかるケースも稀にあります。その場合でも、事前にお客様と打ち合わせを行い、お湯が使えない期間が最小限になるよう工夫して作業を進めます。正確な工事日数は、現地調査の際に見積もり担当者にご確認ください。

エコウィルの交換費用と時期についてのまとめ

今回は、エコウィルの寿命や10年以降使い続けるリスク、そして交換・撤去にかかる費用の相場について、現場のプロの視点から詳しく解説してきました。

最後にもう一度、この記事の重要なポイントをまとめます。

  • エコウィルの寿命は約10年。新規製造は2017年に終了しており、部品枯渇による修理不可リスクが高まっている。
  • 10年以降の保守・定期点検は有償(1回1〜3万円程度)となり、故障時の修理費も高額になりやすい。
  • エコウィルの交換・撤去費用の相場は、エコジョーズへ移行する場合で総額35万〜50万円程度。
  • 重量物の搬出や基礎コンクリートの撤去があるため、一般的な給湯器交換より費用と手間がかかる。
  • エコジョーズへの交換は、初期費用が抑えられ、設置スペースが広くなるため最も人気のある選択肢。

エコウィルは当時としては非常に画期的なシステムでしたが、時代の流れとともにその役割を終えつつあります。「まだ動いているから」と安心していると、真冬の寒い時期に突然お湯が出なくなり、部品がなくて数週間お風呂に入れない……という最悪の事態を招きかねません。

設置から10年が近づいている、あるいはすでに超えている場合は、機器が完全にストップしてしまう前に、信頼できる専門業者に現地調査と見積もりを依頼をおすすめします。早めに動くことで、複数業者の比較検討ができ、結果的に費用を抑えて納得のいく交換工事ができるはずです。無理をせず、安全で快適なお湯のある生活を守るための準備を始めてみてください。

佐藤 裕

この記事の執筆者

佐藤 裕

株式会社生活水道センター 本部長

保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405

株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。

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