給湯器のリモコン交換の値段は?業者費用の相場と自分で修理するリスクをプロが徹底解説
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給湯器のリモコン交換の値段は?業者費用の相場と自分で修理するリスクをプロが徹底解説
こんにちは。給湯器修理.comです。
株式会社 生活水道センター 代表取締役
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス機器設置スペシャリスト
2級管工事施工管理技士 第04910号
株式会社生活水道センター 代表取締役。創業32年の節目を迎え、全国に水道局指定工事店のネットワークを広げる水回りのスペシャリスト。「日本の住宅寿命を延ばす」という使命感のもと、早期メンテナンスの重要性を提唱し続けている。現場の叩き上げでありながら、メーカー事業「ドットデザイン」での製品開発や、次世代の職人育成など、業界の近代化に尽力。
この記事でわかること
- 給湯器リモコンの故障症状と自分でできる確認方法
- リモコンのみを交換できる条件と注意すべきポイント
- 給湯器のリモコン交換にかかる値段・費用の相場
- メーカー別の交換費用の傾向とDIYに潜むリスク
給湯器のリモコンが壊れた?液晶が映らないなどの症状とまず確認すべきこと
給湯器のリモコンが突然使えなくなると、お風呂にも入れず本当に困ってしまいますよね。私たちプロの業者の元にも、毎日数多くのお問い合わせが寄せられます。しかし、すぐに業者を呼んで交換の値段を心配する前に、まずはご自身で確認していただきたいポイントがいくつかあります。
液晶が映らない・ボタンが反応しない場合のチェックポイント
結論:まずはリモコンの電源が入っているか、チャイルドロック機能が作動していないか、ご自宅のブレーカーが落ちていないかを確認してください。
リモコンの液晶画面が真っ暗になったり、ボタンを押してもピッと音が鳴らず全く反応しなかったりすると、「ついに寿命で壊れてしまったか!」と焦ってしまう方がほとんどです。しかし、私たちが現場に急行して確認すると、実は故障ではなく、非常に単純な原因だったというケースが少なくありません。
例えば、台所リモコンの電源ボタンが、お掃除の際などに何かの拍子でオフになっていたというケースです。給湯器は台所リモコンがメインの電源を兼ねていることが多く、ここが切れていると浴室のリモコンも連動して真っ暗になってしまいます。また、小さなお子様のいたずらを防止するための「チャイルドロック」機能がオンになっていると、一切のボタン操作を受け付けなくなります。
以前、冬場の凍てつくような寒さの中、「お風呂の準備ができない!早く来て!」と悲鳴のようなお電話をいただき急行した現場がありました。到着してリモコンを拝見すると、画面の隅に小さく鍵のマークが点灯していました。取扱説明書を見ながらロック解除のボタンを長押ししたところ、ピピッと音が鳴り、無事にお湯が出るようになりました。お客様は「こんなことで呼んでしまって恥ずかしい…でも本当に助かりました!」と安堵の表情を浮かべていらっしゃいました。まずは落ち着いて、説明書を引っ張り出し、ロック機能やご自宅のブレーカーを確認してみてください。
リモコンの故障か給湯器本体の故障かを見分ける目安
結論:台所と浴室の「どちらか一方だけ」が使えないならリモコンの故障、「両方とも」使えないなら給湯器本体の故障である可能性が高いです。
給湯器のシステムは、屋外にある給湯器本体(頭脳)と、屋内にある台所・浴室の2つのリモコン(手足)が通信線で繋がって成り立っています。トラブルが起きた際、どこに原因があるのかを切り分けることが重要です。
もし「お風呂のリモコンは真っ暗でウンともスンとも言わないけれど、台所のリモコンは普通に液晶が点いていて、キッチンのお湯もちゃんと出る」という状態であれば、給湯器本体は正常に稼働しています。この場合、浴室リモコン自体の基板がショートして壊れているか、浴室リモコンから本体へと繋がる壁の中の配線が断線している可能性が極めて高いです。これはリモコン交換や配線修理で直る症状です。
逆に、台所も浴室も両方のリモコンが同時に真っ暗になり、家中のどこからもお湯が一切出ない場合は、リモコンの故障を疑うよりも、屋外の給湯器本体に問題があると考えた方が自然です。本体内部のメイン基板が落雷などでショートしてしまったか、本体の電源プラグが抜けている、あるいは漏電ブレーカーが作動して本体への電源供給が絶たれている状態です。台風の翌日などに、「風で飛んできた物が給湯器のコンセントに当たって抜けていただけだった」という現場を何度も経験しています。両方使えない場合は、屋外の給湯器本体の様子も安全な範囲で確認してみてください。
修理や交換を検討する前に試しておきたいリセット方法
結論:給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜き、10秒ほど待ってから挿し直すことで、システムがリセットされて復旧することがあります。
パソコンやスマートフォンの動きがフリーズしてしまったとき、とりあえず再起動をすると元通りに直ることがありますよね。実は、現代の給湯器も内部にマイコン(小さなコンピューター)を搭載しているため、全く同じように「再起動」が有効なケースがあるのです。
給湯器における再起動とは、一時的なシステムエラーをリセットする操作を指します。やり方は非常に簡単です。屋外に設置されている給湯器本体の近くに、防水コンセントが設けられているはずです。そこから給湯器の電源プラグを一度抜き、10秒から20秒ほど待って、内部の放電が終わってから再度しっかりとプラグを挿し直します。
先日も、「リモコンの画面に『111』という数字が点滅してお湯が出ないんです!」とパニック状態でお電話をいただいたお客様がいらっしゃいました。このエラーコードは点火不良を意味するのですが、強風などの影響で一時的に安全装置が働いただけの可能性もありました。そこで、電話口でこのリセット方法をお伝えして試していただいたところ、「あ、画面の数字が消えました!お湯も出ました!」と、パッと明るい声が返ってきました。私も自分のことのようにホッと胸をなでおろした瞬間です。
ただし、何度も同じエラーコードが出たり、頻繁にリセットしないと使えなかったりする場合は、根本的な部品の寿命や故障です。その状態を放置すると重大な事故に繋がる恐れがあるため、無理をせず速やかに専門業者へご相談ください。
給湯器のリモコンだけを交換することは可能?条件と注意点
「給湯器本体はまだ使えるから、壊れたリモコンだけを交換して安く済ませたい」と考えるのは当然のことです。給湯器のリモコン交換の値段は本体交換に比べて格段に安いため、私たちも条件さえ合えばリモコン単体の交換をご提案しています。
給湯器本体が正常ならリモコンのみの交換ができる場合がある
結論:設置から年数が浅く、給湯器本体が正常に稼働しており、適合するリモコン部品がメーカーに存在していれば、リモコンのみの交換は十分に可能です。
リモコンが故障する原因は様々です。経年劣化による内部基板の寿命だけでなく、物理的な破損によるトラブルも多く見受けられます。例えば、「お風呂掃除中にシャワーヘッドを滑らせてしまい、浴室リモコンの液晶画面に直撃して割れてしまった」「台所リモコンの『運転/入切』ボタンだけを毎日強く押しすぎて、陥没して戻らなくなってしまった」といったケースです。
このような物理的破損の場合、屋外にある給湯器本体には何の問題も起きていません。設置から3年〜5年程度の比較的新しい給湯器であれば、迷わずリモコン単体の交換をおすすめします。リモコンだけを新しいものに付け替えれば、これまで通り快適にお湯を使うことができますし、作業時間も1時間から1時間半程度でスピーディーに完了します。お客様にとっても、費用と時間の両面で最も負担が少ない解決策となります。
- 給湯器本体の設置からまだ3〜5年程度しか経っていない
- 物をぶつけて液晶を割ってしまったなど、明らかな物理的破損
- 給湯器本体からは異音や水漏れなどの異常が全く見られない
古い機種は互換性のあるリモコン部品が生産終了しているリスク
結論:設置から10年以上経過している古い給湯器の場合、適合するリモコンがすでにメーカーで生産終了(廃番)となっており、手に入らないことがほとんどです。
給湯器のリモコンなら、家電量販店で売っているテレビの汎用リモコンのように「どれでも適当に繋げば動く」と思っている方が意外と多くいらっしゃいます。しかし、それは大きな誤解です。給湯器本体とリモコンは、メーカー独自の専用の通信規格でやり取りをしており、必ずその給湯器の型番に適合した「専用リモコン」を用意しなければ絶対に動作しません。
ここで大きな壁となるのが、メーカーの「部品保有期間」のルールです。給湯器メーカーは、製品の製造を終了してからおよそ10年間は修理用の部品(リモコン含む)を保管しておく義務がありますが、10年を過ぎると順次廃棄してしまいます。
現場でよくあるのが、お客様から「リモコンだけ替えてほしい」とご依頼を受け、給湯器本体のシールに記載されている型番をメーカーの在庫システムで照会する場面です。設置から12年経っている機種だと、画面には無情にも「生産終了・在庫なし」の文字が表示されます。こうなると、私たち業者でも新品のリモコンを取り寄せることは不可能です。結果として、お客様には「リモコンの部品がもう存在しないため、給湯器本体ごとの全交換になってしまいます」と、心苦しいご提案をせざるを得ないのです。
リモコンだけ交換してもすぐに本体が故障する可能性に注意
結論:古い給湯器で運良くリモコンだけを交換できたとしても、直後に給湯器本体が寿命を迎え、結果的に二度手間と無駄な出費になるリスクがあります。
仮に、設置から8〜9年経過している給湯器で、メーカーにギリギリ部品の在庫が残っていたとしましょう。あるいは、ネットオークションなどで運良く中古の適合リモコンを見つけて、業者に交換してもらったとします。「これで給湯器のリモコン交換の値段だけで安く済んだ!」と喜ぶのは、少し早いこともあります。
給湯器の設計上の標準使用期間は「10年」と定められています。つまり、8〜9年経過している時点で、屋外の給湯器本体の内部(お湯を沸かすバーナー、水を循環させるポンプ、熱交換器など)も、確実に経年劣化が進み、いつ悲鳴を上げてもおかしくない状態なのです。
これは私が実際に経験した苦いエピソードですが、お客様の「どうしても今は予算がないから、リモコンだけ替えて!」という強いご要望に押し切られ、8年モノの給湯器のリモコンを新品に交換したことがありました。しかし、そのわずか半年後。今度は「お湯の中から黒いススが出るし、変な音がする」とご連絡があり、点検すると本体の熱交換器が完全に寿命を迎えていました。
結局、そのタイミングで「給湯器本体+リモコン」のセットで全交換することになり、半年前に交換したばかりの新品リモコンも、新しい本体には適合しないため泣く泣く廃棄することになりました。お客様は「こんなことなら、最初から全部替えておけば交換費用が無駄にならなかったのに…」と深く肩を落とされていました。この経験からも、古い機種の場合は目先の値段の安さだけでなく、数年先までの長期的なコストを見据えて判断することが絶対に必要だと痛感しています。
給湯器の寿命サイン|交換費用と時期を専門家が解説
費用は機種・設置状況で変わります
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給湯器のリモコン交換にかかる値段・費用の相場目安
いざ業者に依頼するとなると、一番気になるのが「結局、いくらかかるの?」という値段の部分ですよね。給湯器のリモコン交換にかかる費用は、大きく分けて「部品代」「工事費」「出張費」の3つから構成されています。ここでは、現場のプロの視点から、適正な相場レンジと追加料金のカラクリについて詳しく解説します。
リモコン本体の部品代の目安(台所用・浴室用)
結論:リモコン本体の部品代は、単機能のシンプルなもので1万円台、多機能なものでは2〜3万円台が一般的な目安となります。
給湯器のリモコン交換の値段を計算する上で、ベースとなるのが部品そのものの価格です。リモコンの機能性やデザインによって、値段は大きく変動します。あくまで一般的な目安ですが、以下のような価格帯になります。
| リモコンの種類・機能 | 部品代の相場目安(単体) |
|---|---|
| 台所用(給湯専用・シンプル) | 10,000円 〜 15,000円 |
| 浴室用(追い焚き機能付き) | 12,000円 〜 20,000円 |
| 台所・浴室セット(標準タイプ) | 20,000円 〜 30,000円 |
| 高機能タイプ(インターホン・Wi-Fi等) | 35,000円 〜 50,000円 |
お湯を出すだけの「給湯専用」のシンプルなリモコンであれば、部品代は比較的安く抑えられます。しかし、浴室と台所で会話ができる「インターホン機能」や、スマートフォンと連動して外出先からお風呂のお湯はりができる「Wi-Fi連携機能」、床暖房の操作パネルが一体化したものなど、高機能なモデルになると部品代だけで数万円に跳ね上がります。
正確な部品価格については、必ずメーカーの公式サイトや最新のカタログをご確認ください。
業者に依頼した場合の工事費・出張費などの内訳
結論:部品代とは別に、作業スタッフの技術料である「工事費」と、現場に向かうための「出張費」が加算されます。
ネットでリモコンの部品代だけを見て「よし、1万5千円で直るぞ!」と思い込んでいると、業者からの見積もりを見て驚くことになります。プロに依頼する場合、以下の費用が必ず内訳に含まれます。
①工事費(作業費):8,000円〜15,000円程度(1箇所あたり)
これには、古いリモコンを壁から取り外す作業、配線の被膜を剥いて新しいリモコンの端子にしっかりと結線する作業、壁面へのビス打ち固定、そして浴室の場合は水漏れを防ぐためのシリコンコーキング(防水処理)の作業が含まれます。確実な施工と安全を担保するための技術料です。
②出張費:3,000円〜5,000円程度
業者の拠点からお客様のご自宅までの移動にかかる経費です。ガソリン代や駐車料金、移動時間に対する人件費が含まれます。遠方の業者を呼んでしまうと、この出張費だけで1万円近く請求されることもあるため、なるべく地元に密着した業者を選ぶのがコツです。
③時期・繁忙期による変動
給湯器が最も壊れやすいのは、水温が下がり機器に負荷がかかる冬場(11月〜2月)です。この時期は私たち業者も目の回るような忙しさになり、スケジュールがパンパンに埋まります。そのため、夜間や休日の緊急対応を希望される場合、「特急対応費」や「時間外割増料金」として3,000円〜5,000円程度が加算されるケースがあります。
総額費用の目安と追加料金が発生しやすいケース
結論:リモコン単体の交換にかかる総額費用は、25,000円〜40,000円程度が一般的な相場レンジです。ただし、配線の腐食など設置環境による差で追加料金が発生することもあります。
部品代、工事費、出張費をすべて合計すると、標準的なリモコンの交換で大体2.5万円から4万円の間に収まるのが適正な相場です。もし、チラシやネットの広告で「格安!給湯器リモコン交換 9,800円〜!」といった極端に安い金額を見かけたら、少し警戒してください。こういった業者は、部品代を含んでいない単なる作業費だけを大きく見せていたり、現場に到着してから「特殊なネジが使われているから」と理由をつけて高額な追加料金を請求してきたりするトラブルが後を絶ちません。「最安」という言葉に飛びつかず、必ず見積もりの内訳を細かく確認が必要です。
また、正当な理由で追加料金が発生するケースもあります。それは「設置環境による差」です。
現場で古いリモコンを外してみると、壁の中を通っているリモコン線(通信線)自体が、長年の湿気で真っ青に腐食してボロボロになっていたり、屋根裏でネズミに齧られて断線寸前になっていたりすることがあります。この状態のまま新しいリモコンを繋いでも正常に動作しないため、壁の中から配線を新しく引き直す「配線引き直し工事」が必要になります。この場合、作業の難易度にもよりますが、プラス10,000円〜20,000円程度の追加費用がかかります。
壁の中の状況は、私たちプロでも実際に開けてみないと分からない部分があるため、最終的な判断と正確な見積もりは、現場調査を行った専門業者にご相談ください。
給湯器交換の作業内容|時間・費用・流れの疑問を全解決!
【メーカー別】リンナイ・ノーリツ等のリモコン交換費用の傾向
給湯器の2大巨頭といえば、リンナイとノーリツです。国内シェアの大部分をこの2社が占めており、私たちが現場で対応する給湯器も、ほとんどがどちらかのメーカーです。ここでは、メーカーごとのリモコンの特徴と、交換費用の傾向について解説します。
リンナイ製給湯器のリモコン交換にかかる費用の目安
結論:リンナイのリモコン交換費用は、標準的なMBCシリーズ(台所・浴室セット)で総額30,000円〜35,000円程度が目安です。
国内シェアトップクラスを誇るリンナイ。現場でも毎日必ず目にするお馴染みのメーカーです。リンナイのリモコンは、直感的に操作しやすいシンプルなボタン配置と、文字が大きく見やすい液晶画面が特徴で、ご高齢のお客様からも非常に高い支持を得ています。
一般的な追い焚き機能付き給湯器に対応する「MBCシリーズ」のリモコンを、台所と浴室のセットで交換した場合、部品代が約15,000円〜20,000円、工事費と出張費を含めた総額で3万円台前半に収まることが多いです。
最近の現場で増えているのが、リンナイの「無線LAN対応リモコン」への交換依頼です。専用アプリをスマホに入れれば、帰宅途中の電車の中からお風呂のお湯はりを開始できるという非常に便利な機能がついています。ただし、こちらは高機能な分、部品代が高くなり、総額費用としては40,000円〜50,000円程度を見込んでおく必要があります。
ノーリツ製給湯器のリモコン交換にかかる費用の目安
結論:ノーリツのリモコン交換費用もリンナイとほぼ同等で、標準的なRCシリーズで総額30,000円〜35,000円程度が目安となります。
リンナイと双璧をなすノーリツ。こちらも現場での作業件数が非常に多い信頼のメーカーです。ノーリツのリモコン「RCシリーズ」は、インテリアに馴染むスタイリッシュでフラットなデザインが多く、若い世代やデザインにこだわるお客様に人気があります。また、「エネルック機能」という、ガスやお湯の使用量、CO2排出量などをグラフで見える化するエコ機能が充実しているのも特徴です。
費用の相場レンジはリンナイと大きな差はなく、標準的なセット交換で総額3万円台前半が目安です。ノーリツ特有の高機能リモコンとして、浴室に人が入ったことをセンサーで検知し、台所リモコンにランプでお知らせする「見守り機能」が付いたモデルがあります。ヒートショックなどの事故を未然に防ぐための素晴らしい機能ですが、これらを選ぶと部品代が数千円〜1万円程度上がります。
メーカーごとに互換性や対応状況が異なる点に注意
結論:リンナイの給湯器にノーリツのリモコンを取り付けることは絶対にできません。必ず現在お使いの本体と同一メーカーの適合品を選ぶ必要があります。
たまにお客様から、こんなご相談を受けることがあります。
「今、外の給湯器はリンナイなんだけど、ノーリツのリモコンのデザインがすごく気に入ったから、家の中のリモコンだけノーリツに交換してくれない?」
お気持ちはとてもよく分かるのですが、プロとしてお答えするなら、これは「100%不可能」です。
給湯器本体とリモコンは、各メーカーが独自に開発した通信プロトコル(デジタル信号の言語のようなもの)でやり取りをしています。リンナイの本体にノーリツのリモコンを繋いでも、お互いの言葉が通じないため、エラーが出て全く動きません。パロマやパーパスといった他のメーカーでも同様です。
さらに言えば、同じリンナイ製であっても、給湯器本体の型番(エコジョーズか従来型か、給湯専用か追い焚き付きかなど)によって適合するリモコンは細かく指定されています。ご自身でネットオークション等を使って部品を手配しようとする際は、必ず現在お使いの給湯器本体のシールに記載されている正確な型番をメモし、メーカーの公式サイトやカタログで「適合リモコン品番」を隅々まで確認してください。間違った部品を買ってしまうと、完全な無駄遣いになってしまいます。
浴室リモコンと台所リモコンで交換費用や作業は変わる?
給湯器のリモコンは、台所と浴室でそれぞれ置かれている環境が全く異なります。そのため、交換にかかる作業の手間や、プロが気を使うポイントも大きく変わり、それが工事費用の差に繋がることがあります。
浴室リモコン交換の費用目安と防水処理の重要性
結論:浴室リモコンの交換工事費は10,000円〜15,000円程度が目安です。水濡れを防ぐためのコーキング(防水)処理が必須となるため、台所よりも作業に手間と技術が求められます。
浴室は、家の中で最も過酷な環境と言っても過言ではありません。シャワーの水しぶきが直接かかり、湯船からはもうもうと湯気が立ち上り、常に高温多湿にさらされています。そのため、浴室リモコンの交換においては、電気的な結線作業よりも「いかに完璧に防水するか」がプロの腕の見せ所になります。
リモコンを壁にビスで固定した後、リモコンの外周と壁の隙間を、シリコンコーキング材というゴム状のパッキンでぐるりと一周塞ぎます。このコーキング作業が甘いと、どうなるか。
以前、他業者が数年前に施工したというお宅に修理で伺った際のことです。浴室リモコンの周囲のコーキングが途切れて隙間が空いており、そこから毎日のシャワーの水が壁の裏側へと侵入していました。リモコンを外してみると、壁の裏の配線が水浸しになり、緑青(ろくしょう)と呼ばれる青緑色のサビがびっしりとこびりついてショートしていました。お客様もその惨状を見て「本当にヒヤッとしました…火事にならなくてよかった」と青ざめていらっしゃいました。
一歩間違えれば漏電の危険もあるため、浴室リモコンの交換は、古いコーキングをカッターで綺麗に剥がし、水分を完全に拭き取り、マスキングテープを貼って真っ直ぐ美しい防水ラインを作るという、非常に繊細で時間のかかる作業が求められます。そのため、台所よりも工事費が少し高めに設定されていることが多いのです。
- DIYでの不完全なコーキングは漏電や壁内腐食の原因になる
- 交換後、コーキング材が完全に乾くまでは触れたりお湯をかけたりしない
- 防カビ剤入りの専用シリコンを使用しているか業者に確認すると安心
台所リモコン交換の費用目安と配線の注意点
結論:台所リモコンの交換工事費は8,000円〜12,000円程度が目安です。防水処理がない分、浴室より少し安価ですが、油汚れなど特有の注意点があります。
台所リモコンは、リビングやキッチンの壁(石膏ボードやクロスの上)に設置されていることがほとんどです。水がかかる心配がないため、浴室のような大掛かりなコーキング処理は不要です。古いリモコンを外し、壁から出ている2本の通信線を新しいリモコンの端子に接続し、水平を取りながら壁にビスで固定するだけなので、作業自体は比較的シンプルです。
しかし、台所には台所特有の「落とし穴」が潜んでいます。それは頑固な「油汚れ」です。
ガスコンロのすぐ近くにリモコンが設置されているお宅の場合、長年の調理で気化した油がリモコンの裏側にまで回り込んでいることがあります。現場で古いリモコンを外すと、壁から出ている配線が油でベタベタになっており、それが原因で接触不良を起こしているケースがあるのです。
プロの作業員は、ただ新しいリモコンを繋ぐだけでなく、油で汚れた配線の先端を数センチ切り落とし、専用の工具で被膜を剥いて、ピカピカの綺麗な銅線を出し直してから確実な結線を行います。こうした細かな気配りが、後々のトラブルを防ぐために非常に重要なのです。
浴室・台所のセット交換で費用が割安になる可能性
結論:どちらか一方が壊れた場合でも、浴室と台所のリモコンをセットで同時に交換した方が、出張費が1回で済むなど、トータルでの費用対効果が高くなります。
お客様から「台所のリモコンはまだ使えるから、壊れたお風呂の方だけ安く交換してよ」と言われることは多々あります。給湯器のリモコン交換の値段を1円でも抑えたいというお気持ちは痛いほど分かります。しかし、もしその給湯器を設置してから5年以上経過しているなら、私はあえて「両方同時のセット交換」を強くおすすめしています。
なぜなら、台所と浴室のリモコンは、全く同じ年月、同じ時間だけ稼働し続けてきた「双子」のような存在だからです。片方の基板が寿命を迎えて壊れたということは、もう片方のリモコンも内部の劣化が極限まで進んでおり、明日壊れてもおかしくない状態なのです。
もし今回、浴室リモコンだけを交換して、その3ヶ月後に台所リモコンが壊れたらどうなるでしょうか。再び業者を呼ぶことになり、また新たに「出張費」や「基本作業費」が丸々かかってしまいます。最初からセットで依頼しておけば、業者の訪問は1回で済みますし、「セット割引」を適用して工事費を少しおまけしてくれる良心的な業者も多いです。目先の数千円をケチるよりも、結果的に総額費用を安く抑えられる賢い選択と言えるなります。
給湯器のリモコン交換は自分でできる?DIYの方法と潜むリスク
最近はYouTubeなどの動画サイトで、「給湯器のリモコンを自分で交換して節約!」といったDIY動画を簡単に探すことができます。それを見て「部品代だけで済むなら、自分でもできそう!」と考える方もいらっしゃるなります。ここでは、DIYの基本手順と、プロだからこそ知っている恐ろしいリスクについてお話しします。
リンナイ・ノーリツ等のリモコン交換方法の基本手順
結論:作業の流れ自体は、電源を落とし、古いリモコンを外し、2本の配線を繋ぎ直して壁に固定するというシンプルなものです。
動画などで紹介されている一般的なDIYの手順は、以下のようになります。
- 安全確保:感電やショートを防ぐため、必ず屋外の給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜く。
- 取り外し:古いリモコンのカバーを開け、壁に固定しているビスをドライバーで外す。裏側に繋がっている2本の通信線(リモコン線)のネジを緩めて外す。
- 結線作業:新しいリモコンの端子に、先ほどの通信線を接続する。最近のリンナイやノーリツの機種は、通信線にプラス・マイナスの「極性」がない(無極性)ものが多いため、2本の線をどちらの端子に繋いでも動作するようになっています。
- 固定と防水:壁にビスでしっかりと固定する。浴室の場合は、周囲をマスキングテープで養生し、シリコンコーキング材を充填してヘラで均し、防水処理を行う。
文字にして並べると、「なんだ、意外と簡単じゃないか」と思われることもあります。確かに、日曜大工が得意な方であれば、物理的な作業自体はこなせてしまうこともあります。しかし、プロの視点から言わせていただくと、この作業をご自身で行うことは決して推奨できません。
無資格での配線作業の危険性と法律上の制限
結論:微弱な電流の通信線を触るだけなら無資格でも可能ですが、100Vの電源線を触る場合は「第二種電気工事士」の国家資格が法律で義務付けられています。
よくネット上のDIY記事で「給湯器のリモコン線は微弱な電流(DC12V程度)だから、電気工事士の資格がなくても誰でも触ってOK!」と書かれているのを目にします。これは半分正解で、半分間違いです。
確かに、最新の給湯器の多くは、本体からリモコンへ微弱な電流を送るだけの通信線が使われています。しかし、築年数の古いマンションや、一部の特殊な給湯システム(暖房熱源機など)の場合、リモコン自体に直接100Vの家庭用電源が引き込まれているタイプが稀に存在します。この100Vの配線を無資格の素人がいじることは、「電気工事士法」という法律で明確に禁止された違法行為です。
また、ガスや給湯機器は、一歩間違えればガス漏れや不完全燃焼、火災といった人命に関わる重大な事故に直結する設備です。「たかが通信線だから大丈夫」と安易に手を出した結果、結線が甘くて火花が散ったり、漏電を引き起こしたりする危険性は常に孕んでいます。私たちは、お客様の安全を第一に考える安全スタンスから、DIYでの交換は推奨していません。
DIYで失敗した場合の修理代が高額になるリスク
結論:DIYに失敗して配線をショートさせてしまうと、給湯器本体のメイン基板まで壊してしまい、数万円の修理代がかかってかえって高くつきます。
これは、私が実際に緊急対応で駆けつけた現場でのリアルなお話です。
「自分でリモコンを交換しようとしたら、バチッと音がして、それから給湯器が全く動かなくなってしまった」と、お客様から半泣き状態でお電話がありました。
現場に到着して状況を確認すると、お客様は給湯器本体のコンセントを抜かずに、通電したままの状態で配線の被膜をハサミで無理やり剥こうとしていました。その際、ハサミの金属部分で2本の芯線を同時に挟んでしまい、見事にショートさせてしまったのです。
恐る恐る屋外の給湯器本体のカバーを開け、メイン基板(給湯器の頭脳にあたる数万円する高価な部品)をチェックすると、過電流が流れたせいで基板の一部が黒く焦げ付いて、完全に焼き切れていました。
結果として、リモコンの部品代だけでなく、給湯器本体の基板交換費用として追加で約4万円の修理代がかかってしまいました。お客様は「業者に頼む工事費の1万円をケチったばかりに、こんな大出費になるなんて…こんなことなら最初からプロに頼めばよかった」と、深く深く後悔されていました。
ネットには「格安でできた!」「最安値で直った!」という成功体験ばかりが溢れていますが、その裏にはこうした悲惨な失敗例も数多く存在します。「餅は餅屋」という言葉がある通り、確実な動作保証とご家族の安全を買うという意味でも、無理をせず専門業者へ依頼することを強くおすすめします。
給湯器のリモコン交換の値段と注意点まとめ
今回は、現場で数多くの修理に携わってきたプロの視点から、給湯器のリモコン交換の値段の相場や、業者選びの注意点、そしてDIYの危険性について徹底的に解説してきました。
この記事の重要なポイント
- 故障を疑う前に、チャイルドロックやブレーカー、本体コンセントの抜き差し(リセット)を必ず確認する。
- 設置から3〜5年ならリモコン単体の交換が可能だが、10年以上の古い機種は部品の生産終了や本体故障のリスクがあるため、給湯器本体ごとの交換を検討すべき。
- リモコン交換費用の相場は、部品代+工事費+出張費を含めた総額で25,000円〜40,000円程度が一般的な目安。
- 浴室と台所は、別々に依頼するよりも同時にセット交換した方が、長期的なコストや出張費を安く抑えられる。
- DIYでの交換は、基板のショートや漏電、火災のリスクがあり、失敗すると数万円の追加修理代がかかるため絶対に避ける。
給湯器のリモコンが壊れると、温かいお風呂に入れず、日々の生活に大きなストレスがかかります。焦って適当な業者に頼んで高額な請求をされたり、無理なDIYで事態を悪化させたりしないよう、この記事でお伝えした値段の相場や注意点をぜひ参考にしてください。正確な部品の適合や最終的なお見積もりについては、信頼できる専門業者に相談し、ご自宅の状況に合った最善の選択をしていただければ幸いです。
▶ まず読みたい:給湯器交換の完全ガイド|費用相場から補助金まで解説
株式会社生活水道センター 本部長
保有資格:給水装置工事主任技術者
ガス可とう管接続工事監督者 登録番号:13250405
株式会社生活水道センター 本部長。30年間、水回りトラブルの最前線でお客様の「困った」に向き合い続けてきた専門家。数えきれないほどの相談実績から、給湯器トラブルの背後にある不安を汲み取り、迅速かつ的確なアドバイスを行う。近年は全国の協力店・修理業者とのネットワーク構築にも尽力し、日本各地で質の高いサービスが提供できる体制づくりに奔走。「本当に役立つ、嘘のない情報」を届けることをモットーとしている。










