給湯器交換の流れを全解説!費用や工事当日の手順までプロが指南
突然お湯が出なくなり、生活がストップしてしまう不安は計り知れません。給湯器の交換は10年に一度あるかないかの出来事であり、多くの人が「誰に頼めばいいのか」「工事にどれくらい時間がかかるのか」「費用はいくら必要なのか」という疑問を抱えています。特に、見えない部分の工事に対する不安や、業者選びでの失敗を恐れる気持ちは当然のことです。本記事では、長年現場で水回りのトラブルに対応してきた経験をもとに、問い合わせから工事完了までの全プロセスを詳しく解説します。全体の流れを事前に把握することで、急な故障にも冷静に対処し、納得のいく交換工事を実現しましょう。

- 問い合わせから工事完了までの具体的なステップと期間
- 失敗しない業者選びの基準と費用相場の内訳
- マンションや賃貸物件特有の申請ルールと注意点
- 工事当日の立ち会い範囲や事前に準備すべきこと
給湯器交換の流れと業者選びの基礎知識
給湯器交換の費用相場と安く済ませるコツ
給湯器交換にかかる総額は、「商品本体代金」と「工事費」の合計で決まりますが、依頼先によってその内訳と割引率は大きく異なります。一般的に、給湯器本体は定価の20%から80%OFFで販売されており、この割引率の差が総額に直結します。標準工事費の相場は3万円から5万円程度ですが、設置状況によっては追加部材費が発生することも珍しくありません。
費用を抑えるための最大のポイントは、複数の業者から見積もりを取り、総額で比較することです。ただし、単に「安いから」という理由だけで選ぶのは危険です。見積もりに「一式」としか記載されていない場合、後から追加費用を請求されるリスクがあります。詳細な内訳(撤去費、取り付け費、処分費、配管接続費など)が明記されているかを確認しましょう。
最新の補助金制度(給湯省エネ事業など)を活用することで、高効率給湯器(エコジョーズ)への交換費用を実質的に抑えることが可能です。2025年以降も省エネ性能に応じた補助金が出るケースがあるため、契約前に必ず業者へ確認しましょう。
また、リモコンセットや保証料が含まれているかどうかも重要なチェックポイントです。安く見せるために、これらを別料金にしている業者も存在します。10年以上使う機器ですので、初期費用だけでなく、ランニングコスト(ガス代)も含めたトータルコストで判断することをお勧めします。
どこに頼む?ホームセンターやガス会社の比較
給湯器の交換を依頼できる業者は主に「ガス会社」「給湯器専門業者(ネット系含む)」「ホームセンター」の3つに分類されます。それぞれにメリット・デメリットがあり、何を優先するか(価格、スピード、安心感)によって最適な選択肢は変わります。

| 業者タイプ | 費用感(割引率) | スピード | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ガス会社 (都市ガス・プロパン) |
高い (定価〜20%OFF) |
普通〜遅い | 圧倒的な安心感とブランド力があるが、費用は割高になりがちです。 |
| 専門業者 (ネット系) |
最安 (60〜85%OFF) |
最速 (即日〜翌日) |
在庫が豊富で価格競争力が高い一方、業者の質にバラつきがあります。 |
| ホームセンター | 中間 (30〜50%OFF) |
遅め | 対面で相談できポイントも貯まりますが、施工は下請け業者が行います。 |
緊急でお湯を使いたい場合は、在庫を豊富に持ち、即日対応を謳う「専門業者」が有利です。一方で、日頃のガス料金と一緒に支払いたい、とにかく知っている会社に頼みたいという場合は「ガス会社」が安心でしょう。ホームセンターは買い物ついでに依頼できる手軽さがありますが、見積もりから工事完了までに日数がかかる傾向にあります。
現場を知る立場から言えば、ネット系業者は「安かろう悪かろう」と思われがちですが、最近は施工実績や保証内容が充実している優良業者も増えています。重要なのは、会社概要(所在地)や保有資格、そして実際の利用者の口コミをしっかり確認することです。
マンションや賃貸で給湯器交換する流れの注意点
マンションやアパートなどの集合住宅で給湯器を交換する場合、戸建てとは全く異なるルールが存在します。まず大前提として、賃貸物件の場合は入居者が勝手に交換することはできません。給湯器はオーナーの所有物であるため、故障時は速やかに管理会社か大家さんに連絡し、指示を仰ぐ必要があります。無断で交換すると、退去時に原状回復を求められたり、費用を負担してもらえなかったりするトラブルに発展します。
分譲マンションにお住まいの場合は、個人の判断で交換可能ですが、管理規約による制限を厳守しなければなりません。例えば、マンション全体のガス供給能力の関係で「号数アップ(16号から24号への変更など)」が禁止されていることがあります。また、景観維持のために本体の色や配管カバーの設置が義務付けられているケースも少なくありません。

設置タイプも多様で、玄関横のパイプスペース(PS)に設置するタイプ、扉の中に隠れているタイプ(扉内設置)、ベランダ壁掛けタイプなどがあります。特に扉内設置の場合は、排気ガスを外に逃がすための特殊な枠やカバーが必要になるため、適合機種の選定には専門的な知識が求められます。
給湯器交換は自分でDIYできるか資格を確認
「交換費用を節約したい」という思いから、インターネットで本体を購入し、自分でDIY交換を行おうと考える方がいらっしゃいますが、これは非常に危険であり、法律違反になる可能性が高い行為です。給湯器の交換には、ガス、水道、電気という3つのインフラに関わる専門的な工事が含まれています。

特にガス配管の接続工事は、「ガス可とう管接続工事監督者」や「液化石油ガス設備士」といった国家資格が必要です。無資格者が施工を行うことは法律で固く禁じられており、違反した場合は処罰の対象となります。ガス漏れによる爆発事故や、不完全燃焼による一酸化炭素中毒事故は、自分だけでなく近隣住民の命をも脅かす重大なリスクです。
資格を持たない人が設置した場合、メーカー保証の対象外となります。また、万が一の水漏れで階下に損害を与えた場合、火災保険や賠償責任保険が適用されないケースもあります。数万円の節約のために、数千万円のリスクを背負うことになりかねません。
水道配管の接続に関しても、シールテープの巻き方やパッキンの選定を誤ると、壁の中や床下での水漏れ(漏水)を引き起こします。マンションであれば階下への水漏れ事故に直結します。安全と安心を買うという意味でも、必ず有資格者が在籍する正規の業者に依頼してください。
問い合わせから給湯器交換工事までの契約フロー

故障でお湯が出ない時の即日交換やレンタルの活用
真冬に給湯器が故障し、お湯が使えない状況は緊急事態です。多くのユーザーが「とにかく今日中になんとかしたい」と考えますが、希望する機種の在庫がない場合や、特殊な設置条件の場合は、工事までに数日から数週間かかることもあります。このようなダウンタイム(お湯が使えない期間)を解消するための手段として、一部の専門業者が提供している「即日対応」や「仮設給湯器レンタルサービス」があります。
即日交換は、業者が主要な機種の在庫を車両に積んでおり、現地調査と同時に工事を行うスタイルです。一方、希望の機種が取り寄せになる場合に有効なのが「仮設給湯器」の設置です。これは、本工事までの間、お湯を使えるようにするための一時的な給湯器を設置するサービスです。
レンタルと言っても、多くの業者は「交換工事を成約すること」を条件に、無料で設置してくれるケースが増えています(部材費やガス代は実費等の場合あり)。ただし、仮設給湯器は機能が限定されることが多く、シャワーや蛇口からのお湯は使えても、自動湯張りや追い焚き機能は使えないことが一般的です。それでも、自宅でお風呂に入れる安心感は非常に大きいため、問い合わせの際は「在庫がない場合の仮設対応は可能か」を確認することをお勧めします。
写真見積もりで現地調査を省略する流れ
かつては業者が自宅を訪問して現地調査を行うのが一般的でしたが、現在はスマートフォンで撮影した写真を送るだけの「写真見積もり(WEB見積もり)」が主流になっています。これにより、現地調査の日程調整にかかる時間を短縮し、スピーディーに確定見積もりを受け取ることが可能になりました。
正確な見積もりを出してもらうためには、撮影する写真の質が重要です。業者が確認したいポイントは主に以下の5点です。

- 給湯器の全体像:設置場所の周囲の状況(壁、地面、障害物など)がわかる写真。
- 銘板(型番ラベル):現在の品番、製造年月、ガス種(都市ガス/プロパン)が記載されたシール部分のアップ。
- 配管部分:本体の下から出ている配管の接続状況。配管カバーがある場合は、可能であればカバーを外した内部の写真。
- リモコン:台所と浴室のリモコンそれぞれの写真。
- 浴槽の循環金具:追い焚き機能がある場合、浴槽内のお湯が出てくる金具の写真。
これらの写真をメールやLINEで送付することで、経験豊富なスタッフであれば適合機種と必要な追加部材を正確に判断できます。写真だけでは判断がつかない特殊なケース(高所設置や狭所作業など)を除き、多くの場合はこのフローで契約まで進むことができます。撮影時は手ブレに注意し、明るい時間帯に撮影するかフラッシュを使用してください。
給湯器交換工事の当日の流れと所要時間
工事前の準備と片付けや近隣への配慮
工事日程が決まったら、当日スムーズに作業が進むよう、簡単な準備をしておくことが大切です。まず、給湯器本体の周りに荷物や植木鉢などが置かれている場合は、作業スペース確保のために移動させておきましょう。特に狭い場所での作業では、職人が安全に動けるスペースがあるかどうかが作業時間を左右します。
また、工事車両の駐車スペースについても確認が必要です。自宅に駐車場がある場合は使用可能か、ない場合は近隣のコインパーキングの位置を伝えておくとスムーズです。マンションの場合は、管理組合への届出済証の掲示や、搬入経路(エレベーターや廊下)の養生が必要になることもありますので、事前に管理人の指示を仰いでおきましょう。
給湯器交換では、リモコンの交換作業のために職人が室内(キッチンと浴室)に入ります。脱衣所やキッチン周りの片付けをしておくと、見られたくないものを隠す慌ただしさを避けられます。
近隣への配慮としては、ドリルなどを使用する際に多少の騒音が発生することや、工事車両の出入りがあることを、隣接するお宅に一声かけておくとトラブルを防げます。特に集合住宅では、配管を通す際の打撃音が響くことがあるため、事前の挨拶がマナーとして推奨されます。
工事当日の立ち会い範囲と所要時間の目安
給湯器交換工事にかかる所要時間は、設置状況によりますが、一般的な単機能給湯器や追い焚き付き給湯器であれば2時間から4時間程度が目安です。床暖房機能付きの給湯器や、配管の修正が必要な複雑な工事の場合は、半日から1日かかることもあります。
「工事中はずっと見ていなければならないのか?」という疑問をよく耳にしますが、基本的には最初と最後、そして途中の室内作業時のみ立ち会えば問題ありません。

| タイミング | 立ち会いの要否 | 内容 |
|---|---|---|
| 開始時 | 必要 | 作業内容の確認、駐車位置の案内、既設給湯器の確認。 |
| 作業中(外) | 不要 | 屋外での撤去・設置作業中は、自宅内で待機していても大丈夫です。 |
| 作業中(内) | 必要 | リモコン交換のため室内に入室する際は、防犯上も立ち会いが必須です。 |
| 完了時 | 必要 | 試運転、操作説明、ガス漏れ検査の確認、書類の受け渡し。 |
在宅ワーク中などで作業の手を止めたくない場合でも、リモコン交換のタイミングと最後の確認時だけは対応できるよう準備しておきましょう。
給湯器交換の作業内容と騒音や断水の有無
工事当日は、以下のような手順で作業が進められます。まず、ガス栓と止水栓を閉め、電気ブレーカー(給湯器専用)を落とします。その後、既存の給湯器を取り外し、新しい本体を水平に設置して固定します。この固定作業時に、壁に穴を開けるためのドリル音が発生することがあります。
続いて、ガス管、給水管、給湯管、追い焚き配管をそれぞれ接続します。特にガス管の接続は資格が必要な重要工程であり、ニューチタン(フレキ管)などを適切に接続します。エコジョーズの場合は、ここでドレン排水管の設置工事も行われます。
工事中、家全体の水道が止まることは稀ですが、給湯器に繋がる止水栓を閉めるため、お湯は一切使えなくなります。水に関しては、キッチンやトイレなどの水は通常通り使えるケースが多いですが、配管の構造やバルブの位置によっては、一時的に家全体の断水が必要になる場合もあります。トイレなどは事前に済ませておくと安心です。
最後に、室内のリモコンを新品に交換し、配管の隙間をコーキング(防水処理)で埋めます。全ての接続が終わったら、ガス漏れがないか専用の検知器でチェックし、お湯が出るか、お風呂が沸くかの試運転を行って完了となります。
給湯器交換後のトラブル防止と確認ポイント
工事完了後のガス漏れ確認と保証内容のチェック
工事が終わったら、業者が帰る前に必ず一緒に行うべき確認事項があります。最も重要なのがガス漏れ検査の立ち会いです。業者が専用の検知器や検知液を使って接続部分をチェックする様子を、自分の目で確認してください。「検査しました」という言葉だけでなく、目の前で安全を確認することが信頼の証です。

次に、お湯が正常に出るか、設定温度通りになるか、追い焚きやお湯張りが機能するかを実演してもらいます。リモコンの使い方も機種によって変わるため、基本操作を教えてもらいましょう。また、外壁の配管周りのコーキング(隙間埋め)がきれいに施工されているか、外した古い給湯器やゴミが残されていないかもチェックポイントです。
最後に、保証書の受け取りと内容確認を行います。給湯器には「メーカー保証(通常1〜2年)」と、施工店が独自につける「施工保証(工事保証)」があります。さらに、有償で加入できる「延長保証(7年〜10年)」に申し込んだ場合は、その登録手続きが済んでいるかを確認してください。保証書は故障時に必須となるため、大切に保管しましょう。何か不具合があった際の緊急連絡先を聞いておくことも忘れずに。
給湯器交換の流れを理解してスムーズに工事完了へ
給湯器交換は、単に機器を入れ替えるだけでなく、ガスや水というライフラインに関わる重要な工事です。流れを理解し、適切な業者選びと事前準備を行うことで、トラブルのリスクを大幅に減らすことができます。特にマンションなどの集合住宅では、管理組合への申請など事前の手続きが工期を左右します。
万が一の故障時でも、まずは落ち着いて専門業者に相談し、写真見積もりなどを活用して効率よく進めてください。不明な点は遠慮なく業者に質問し、納得した上で工事を依頼することが、長く安心してお湯を使うための第一歩です。










