給湯器交換でリモコンそのままは損?費用と注意点を解説
給湯器の交換を検討する際、「今使っているリモコンはそのまま使えるの?」と疑問に思う方は少なくありません。給湯器を変えるとリモコンも変わるのか、それともガス給湯器のリモコンはそのまま使えますか?という質問は、費用を少しでも抑えたいと考える上で当然の疑問です。特に国内で人気のノーリツ製の給湯器をお使いの場合、ノーリツの給湯器とリモコンの互換性や、ノーリツのリモコン対応表の確認方法が気になることでしょう。また、突然給湯器のリモコンが壊れた場合、どうしたらいいですか?と慌ててしまうケースも考えられます。給湯器リモコンだけ交換することは可能なのか、その場合の給湯器リモコン交換費用、とりわけノーリツ給湯器リモコン交換費用はいくらですか?という金額面も大きな関心事です。中には、費用節約のために給湯器リモコン交換を自分で試みたいと考え、ノーリツの給湯器リモコンの外し方やノーリツの給湯器リモコン交換方法を調べる方もいるかもしれません。この記事では、これらの「給湯器交換でリモコンをそのまま使えるか」という疑問に対し、専門的な観点から分かりやすく解説していきます。
- 給湯器交換時にリモコンの同時交換が原則である理由
- ノーリツ製給湯器におけるリモコンの互換性と確認方法
- リモコン交換にかかる費用の内訳と相場
- リモコン交換を自分で行うことのリスクと正しい対処法
目次
給湯器交換でリモコンはそのまま使える?基本原則を解説
- 原則は「給湯器とリモコンの同時交換」が必要
- なぜリモコンの同時交換が推奨されるのか?
- 例外的にリモコンをそのまま使えるケースとは
原則は「給湯器とリモコンの同時交換」が必要

まず結論からお伝えすると、ガス給湯器の本体を交換する際は、リモコンもセットで新しいものに交換するのが基本原則です。長年使っているリモコンに愛着があったり、まだ使えるのにもったいないと感じたりするかもしれませんが、安全かつ快適にお湯を使い続けるためには同時交換が強く推奨されます。
給湯器とリモコンは、人間でいうところの「頭脳」と「手足」のような関係です。両者が正しく連携することで、初めて正常に機能します。そのため、片方だけを新しくしても、うまく情報伝達ができずに不具合を起こす可能性が高くなります。
ポイント
給湯器本体とリモコンは、常にセットで交換するものと覚えておきましょう。費用を抑えたい気持ちも分かりますが、結果的にトラブルの原因となり、余計な出費に繋がる可能性があります。
なぜリモコンの同時交換が推奨されるのか?

給湯器とリモコンの同時交換が推奨されるのには、主に3つの明確な理由があります。これらを理解することで、なぜ「そのまま」が推奨されないのかが分かります。
1. 給湯器の性能を最大限に引き出すため
近年の給湯器は、省エネ性能が非常に向上しています。エコジョーズに代表される高効率給湯器の性能や、自動お湯はり、追いだき、配管クリーン機能といった便利な機能は、それらに対応した新しいリモコンがあって初めて利用できます。古いリモコンのままでは、せっかくの最新給湯器が持つポテンシャルを全く活かせず、「宝の持ち腐れ」状態になってしまうのです。
2. 通信方式や制御プログラムの違い
給湯器とリモコンは、専用の通信ケーブルで繋がっており、互いに情報をやり取りしています。この通信方式(プロトコル)は、給湯器の世代やシリーズによって異なります。そのため、古いリモコンと新しい給湯器では、そもそも言葉が通じない状態になり、全く動作しない、あるいは誤作動を起こす原因となります。
3. メーカー保証の対象外になる可能性
給湯器メーカーは、本体と指定のリモコンをセットで使用することを前提に製品の設計・製造を行っています。そのため、異なる組み合わせで使用した場合、故障や不具合が発生してもメーカー保証の対象外となる可能性があります。万が一の際に保証が受けられないのは、非常に大きなデメリットと言えるでしょう。
例外的にリモコンをそのまま使えるケースとは

原則として同時交換が必要ですが、ごく稀にリモコンをそのまま使用できる例外的なケースも存在します。それは、故障した給湯器と全く同じ型番の製品、またはメーカーが公式に互換性を認めている後継機種に交換する場合です。
しかし、給湯器のモデルチェンジは頻繁に行われるため、数年経つと同じ型番の製品を見つけることは困難です。また、互換性があるかどうかを個人で正確に判断するのは極めて難しいでしょう。
【重要】自己判断は絶対に避けてください
互換性のないリモコンを接続すると、給湯器本体の基盤がショートするなど、重大な故障に繋がる危険性があります。リモコンをそのまま使えるかどうかは、必ず給湯器交換を依頼する専門業者に確認してもらってください。
ノーリツ給湯器のリモコン互換性と対応表の見方
- ノーリツ給湯器とリモコンの互換性の基本
- ノーリツ公式のリモコン対応表の確認方法
- 互換性のないリモコンを使用するリスク
ノーリツ給湯器とリモコンの互換性の基本

給湯器メーカーの中でも高いシェアを誇るノーリツですが、同社の製品であってもリモコンの互換性はシビアです。基本的に、給湯器のシリーズ(例:「GT-C**シリーズ」など)とリモコンのシリーズ(例:「RC-J***シリーズ」など)が対応している必要があります。
古い給湯器に最新の高機能リモコンを接続しても機能しませんし、その逆も同様です。また、同じシリーズでも給湯器の細かい型番によって対応するリモコンが異なる場合があるため、注意が必要です。
筆者
「ノーリツ製だから大丈夫だろう」という安易な考えは禁物です。必ず型番レベルでの確認が不可欠になります。
ノーリツ公式のリモコン対応表の確認方法

ノーリツでは、公式サイトで給湯器とリモコンの組み合わせに関する情報を提供しています。ご自身の給湯器に対応するリモコンを知りたい場合は、以下の方法で確認することが推奨されます。
ノーリツの公式サイトにアクセスします
「商品情報」や「サポート」などのメニューから、お使いの給湯器の型番を検索します
製品ページの仕様一覧や関連部材の項目に、対応するリモコンの型番が記載されています
また、「リモコン対応表」として一覧で公開されている場合もあります。しかし、情報が多岐にわたるため、見慣れていないと正確な情報を探し出すのは難しいかもしれません。
補足:業者への確認が最も確実
公式サイトの情報を確認するのも一つの手ですが、最も確実で安全な方法は、交換を依頼するプロの業者に現地調査をしてもらい、最適なリモコンを選定してもらうことです。業者は専門的な知識と経験から、間違いのない組み合わせを提案してくれます。
(参照:ノーリツ公式サイト)
互換性のないリモコンを使用するリスク

もし、互換性のないリモコンを無理に接続してしまった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。これは安全に関わる重要な問題ですので、しっかりと理解しておく必要があります。
- 全く動作しない:給湯器がリモコンを認識せず、お湯が出ない、電源が入らないなどの状態になります。
- 一部機能が使えない:お湯は出るものの、温度設定ができない、追いだきができないなど、機能が著しく制限されます。
- エラー表示が頻発する:通信異常を検知し、常にエラーコードが表示され続けることがあります。
- 給湯器本体の故障:最悪の場合、リモコンからの異常な信号によって給湯器内部の電子基板が損傷し、高額な修理費用が発生する可能性があります。
- 安全装置の不作動:不完全燃焼や空焚きなどを防止する安全装置が正常に働かず、火災や一酸化炭素中毒といった重大な事故に繋がる危険性も否定できません。
これらのリスクを避けるためにも、リモコンは必ず給湯器に対応したものを使用することが絶対条件です。
給湯器リモコンの交換費用はいくら?費用相場を解説
- リモコン本体の価格相場
- 交換工事の費用相場
- 給湯器本体とセットで交換する場合の総額目安
- 費用を抑えるためのポイント
リモコン本体の価格相場

給湯器リモコンの本体価格は、その機能によって大きく異なります。一般的に、台所用と浴室用の2つがセットで販売されています。
| リモコンの種類 | 特徴 | 価格相場(セット) |
|---|---|---|
| 標準タイプ(シンプルタイプ) | 温度設定や追いだきなど、基本的な機能のみを搭載。 | 10,000円 ~ 25,000円程度 |
| 高機能タイプ(インターホン機能付きなど) | 台所と浴室で会話ができるインターホン機能や、消費エネルギー表示機能などを搭載。 | 25,000円 ~ 40,000円程度 |
| 無線LAN対応タイプ | スマートフォンアプリと連携し、外出先からの遠隔操作やお湯はり予約などが可能。 | 35,000円 ~ 50,000円程度 |
どのリモコンを選ぶかによって、初期費用が変わってきます。ご家庭のライフスタイルに合わせて必要な機能を見極めることが大切です。
交換工事の費用相場
リモコンの交換には、本体価格とは別に工事費用がかかります。「給湯器リモコンだけ交換」する場合の工事費用の相場は、おおよそ8,000円~20,000円程度です。
この費用には、既存リモコンの取り外し、新規リモコンの設置、配線接続、動作確認、出張費などが含まれます。壁の材質や配線の状況によって、追加費用が発生する場合もあります。
給湯器本体とセットで交換する場合の総額目安
給湯器本体とリモコンをセットで交換する場合、工事費はまとめて計算されることがほとんどです。そのため、リモコンだけを後から別途交換するよりも、総額としては割安になるケースが一般的です。
例えば、給湯器本体の交換工事費が30,000円~50,000円だとすると、リモコン交換の作業はその一環として行われるため、リモコン単体で頼むよりも効率的で費用が抑えられます。
費用を抑えるためのポイント
給湯器やリモコンの交換費用は決して安いものではありません。少しでも費用を抑えるためには、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- 複数の業者から見積もりを取る(相見積もり):同じ工事内容でも業者によって料金設定は異なります。最低でも2~3社から見積もりを取り、価格やサービス内容を比較検討することが重要です。
- 不要な機能は選ばない:インターホンや無線LANなど、使わないであろう高機能リモコンを選ぶと、その分価格が上がります。本当に必要な機能に絞って製品を選びましょう。
- 業者のキャンペーンを利用する:給湯器交換業者は、特定の製品の割引キャンペーンや、工事費込みのパック料金などを提供していることがあります。公式サイトなどをチェックしてみましょう。
ただし、あまりに安すぎる業者には注意が必要です。追加料金を請求されたり、手抜き工事をされたりするトラブルも報告されています。価格だけでなく、実績や保証内容もしっかり確認しましょう。
給湯器リモコンの交換は自分でできる?手順と注意点
- 危険!給湯器リモコンのDIY交換が推奨されない理由
- ノーリツ給湯器リモコンの交換方法(専門業者向け)
- ノーリツ給湯器リモコンの外し方(参考情報)
- リモコンが壊れた時の正しい対処法
危険!給湯器リモコンのDIY交換が推奨されない理由
「給湯器リモコン交換を自分で」と考える方もいるかもしれませんが、これは絶対に推奨できません。リモコンの交換作業は、電気配線を扱うため、専門的な知識と技術が必要です。安易なDIYは、以下のような重大なリスクを伴います。
DIY交換に伴う重大なリスク
- 感電の危険性:作業手順を誤ると感電し、命に関わる事故に繋がる可能性があります。
- 漏電・火災のリスク:配線の接続ミスや処理の不備は、漏電やショートを引き起こし、火災の原因となることがあります。
- 給湯器本体の故障:誤った配線は、給湯器の精密な電子基板を破壊し、高額な修理費用が必要になる場合があります。
- メーカー保証の対象外:個人が手を加えた場合、製品はメーカー保証の対象外となります。
リモコン交換は、ガスの資格は直接必要ないものの、電気工事士の資格が必要となるケースも考えられます。何よりも安全を最優先し、必ず専門業者に依頼してください。
ノーリツ給湯器リモコンの交換方法(専門業者向け)
ここでは、専門業者が行う一般的な交換手順を参考として紹介します。この手順を見て簡単そうだと思っても、決してご自身では行わないでください。
安全確保: 給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜くか、関連するブレーカーを落
安全確保:給湯器本体の電源プラグをコンセントから抜くか、関連するブレーカーを落とし、完全に電源が遮断されていることを確認します。
古いリモコンの取り外し: リモコン本体の下部や側面にあるネジを緩め、本体を上にス
古いリモコンの取り外し:リモコン本体の下部や側面にあるネジを緩め、本体を上にスライドさせて壁の取り付けプレートから外します。その後、裏側に接続されているリモコン線を端子から外します。
取り付けプレートの交換: 必要に応じて、壁に取り付けられているプレートを新しいリ
取り付けプレートの交換:必要に応じて、壁に取り付けられているプレートを新しいリモコン用のものに交換します。
新しいリモコンの配線接続: 新しいリモコンの裏側にある端子に、壁から出ているリモ
新しいリモコンの配線接続:新しいリモコンの裏側にある端子に、壁から出ているリモコン線を正しく接続します。極性を間違えないよう細心の注意が必要です。
本体の設置と固定: 配線を接続したリモコン本体を、壁のプレートに引っ掛けて固定し
本体の設置と固定:配線を接続したリモコン本体を、壁のプレートに引っ掛けて固定し、ネジでしっかりと留めます。
動作確認: ブレーカーを上げ、給湯器の電源を入れます
動作確認:ブレーカーを上げ、給湯器の電源を入れます。リモコンの電源が入り、時刻設定などの初期設定画面が表示されることを確認します。最後にお湯を出してみて、温度設定通りに動作するかをチェックします。
ノーリツ給湯器リモコンの外し方(参考情報)
リモコンの交換作業ではなく、掃除などで一時的に表面カバーを外したい場合の外し方について参考までにご紹介します。ただし、この場合も内部の配線には絶対に触れないでください。
多くのノーリツ製リモコンは、本体下部にあるネジ(1本または2本)をプラスドライバーで緩めることで、本体を少し上に持ち上げるようにスライドさせると、壁のプレートから取り外すことができます。機種によってはカバーのみが外れるタイプもありますので、無理な力を加えないようにしてください。詳しくは、お使いのリモコンの取扱説明書をご確認ください。
リモコンが壊れた時の正しい対処法
「給湯器のリモコンが壊れた。どうしたらいいですか?」という状況になった場合、慌てずに以下の手順で対処することをおすすめします。
症状の確認: まずは、どのような症状が出ているかを確認します
症状の確認:まずは、どのような症状が出ているかを確認します。「電源が入らない」「画面が表示されない」「ボタンが反応しない」「エラーコードが表示されている」など、具体的な状況を把握します。特にエラーコードが表示されている場合は、数字を必ずメモしておきましょう。
取扱説明書の確認: エラーコードが表示されている場合、取扱説明書にその内容と対処
取扱説明書の確認:エラーコードが表示されている場合、取扱説明書にその内容と対処法が記載されていることがあります。簡単なリセット操作で復旧するケースもあります。
専門業者へ連絡: 取扱説明書を見ても解決しない場合や、物理的に破損している場合は
専門業者へ連絡:取扱説明書を見ても解決しない場合や、物理的に破損している場合は、無理に操作せず、給湯器を設置した業者やメーカーの修理窓口、または信頼できるガス機器専門業者に連絡してください。その際、メモしたエラーコードや症状を正確に伝えると、スムーズな対応に繋がります。
エラーコードは重要な診断情報
リモコンに表示されるエラーコードは、給湯器のどこに問題があるかを示す重要な手がかりです。業者に連絡する際にこのコードを伝えることで、訪問前に故障内容をある程度予測でき、修理部品の準備などが可能になるため、迅速な解決に繋がります。
まとめ:給湯器交換とリモコンに関する重要ポイント
給湯器交換時のリモコン対応の総まとめ
この記事では、「給湯器交換時にリモコンはそのまま使えるのか」という疑問について、費用や安全性、互換性の観点から詳しく解説しました。最後に、本記事の重要なポイントをまとめます。
- 給湯器交換時はリモコンも同時交換が基本原則
- 新しい給湯器の性能を最大限に活かすため同時交換が推奨される
- 古いリモコンでは新機能が使えない可能性がある
- メーカー保証の対象外になるリスクがあるため同時交換が安全
- リモコンをそのまま使えるのは全く同じ型番などに交換する稀なケースのみ
- ノーリツ製であっても給湯器とリモコンのシリーズや世代が異なると互換性はない
- 互換性はノーリツ公式サイトの対応表などで確認できるが専門家への確認が確実
- 互換性のないリモコンの使用は誤作動や故障、重大な事故の原因となりうる
- リモコン本体の価格は機能により1万円から5万円程度が目安
- リモコンのみの交換工事費用は8,000円から2万円程度が相場
- 給湯器本体とセットで交換すると工事費が割安になる場合が多い
- リモコン交換のDIYは感電や火災のリスクがあり非常に危険なため絶対に行わない
- リモコン交換は専門知識と資格を持つ信頼できる業者に必ず依頼する
- リモコンが故障した場合はまずエラーコードを確認し専門業者に相談する
- 最終的な判断や工事は自己判断せず必ずプロの業者に相談することが重要
給湯器とリモコンの交換は、日々の快適な生活と安全を守るための重要な工事です。この記事で得た知識をもとに、ご自身の状況に合った最適な選択をするための参考にしてください。最終的な判断や実際の工事については、信頼できる専門業者に相談しながら進めることをおすすめします。
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