給湯器追い焚きなしを選ぶ前に知るべき基礎知識

給湯器には追い焚き機能付きと給湯専用(追い焚きなし)の2種類があります。本記事では、追い焚きなしタイプの特徴や選び方、設置条件、費用相場、メリットとデメリットを整理し、家庭ごとのライフスタイルに適した給湯器選びをサポートします。

  • 給湯専用と追い焚きなしの基本仕組み
  • 追い焚きなしの長所短所と適する家庭像
  • 号数やガス種など失敗しない選定基準
  • 交換費用の目安とメンテナンスの要点

給湯器追い焚きなしの基礎

給湯専用の仕組みと特徴

給湯専用の仕組みと特徴

給湯器には大きく分けて「追い焚き機能付き」と「給湯専用(追い焚きなし)」の2種類があります。追い焚きなしタイプは浴槽に張ったお湯を再加熱する機能がなく、必要に応じて新しくお湯を足す方式です。仕組みとしては水道から給水された水を瞬間的に加熱し、蛇口やシャワーへ供給する構造となっており、内部に貯湯槽を持たないため待機中のエネルギーロスが少ないのが特徴です。このため本体の構造がシンプルで価格も比較的抑えられ、設置スペースもコンパクトに収まります。さらに、追い焚き配管が不要なためマンションや賃貸住宅など配管制約がある物件でも導入しやすい点も利点です。一方で、一度お湯が冷めてしまうと再び浴槽に新しいお湯を入れなければならず、人数の多い家庭や入浴時間がバラバラな家庭ではやや不便さを感じることがあります。このように、追い焚きなし給湯器は「必要な分だけ効率よくお湯を作る」点で合理的ですが、家庭の生活スタイルとの相性を考えて選ぶことが重要です。

高温差し湯の特徴と注意

高温差し湯の特徴と注意

追い焚き機能がない給湯器でも、浴槽のお湯を温め直す方法として「高温差し湯」という仕組みがあります。これは通常の給湯温度よりも高めに設定されたお湯を浴槽へ追加で注ぎ足す方法で、冷めたお湯を短時間で温度調整できる点が利点です。一般的に40℃前後の浴槽に対して60℃以上のお湯を注ぐことで、全体の温度を上昇させる仕組みになっています。ただし、高温差し湯はあくまでお湯を「かき混ぜる」ことで温度を上げるため、浴槽全体の温度が均一になるまで時間がかかる場合があります。また、浴槽のお湯が大きく冷めてしまった場合には十分に温まりきらず、結局お湯の入れ替えが必要になることもあります。さらに、小さな子どもや高齢者が入浴中に高温のお湯が直接流入するとやけどのリスクがあるため、使用時には必ず浴槽内に人がいない状態で注ぐことが推奨されています。導入を検討する際には、利便性と安全性のバランスを理解して使いこなすことが大切です。

オートとフルオート比較

オートとフルオート比較

給湯器を選ぶ際によく見かけるのが「オートタイプ」と「フルオートタイプ」という分類です。オートタイプは浴槽への自動湯はり機能を備えており、設定した湯量と温度で自動的にお湯を張ってくれるのが特徴です。ただし、保温や自動足し湯機能は制限されることが多く、冷めてしまったお湯を自動で温め直すことはできません。一方、フルオートタイプは自動湯はりに加え、浴槽内の温度をセンサーで検知して自動的に追い焚きや足し湯を行う高度な機能を持っています。そのため、入浴時間が不規則な家庭や複数人が順番に入浴する家庭では便利さが大きく向上します。ただし、追い焚き配管を必要とするケースが多く、配管が設置できない浴室では利用できない点に注意が必要です。追い焚きなし給湯器を検討する場合は、オートタイプであっても浴槽の温度維持はできないため、家族のライフスタイルに合うかどうかを慎重に判断することが求められます。

エコジョーズで選ぶ理由

エコジョーズで選ぶ理由

給湯器の中でも近年普及が進んでいるのが「エコジョーズ」と呼ばれる高効率タイプです。従来のガス給湯器では排気熱の一部がそのまま大気に放出されていましたが、エコジョーズはその熱を再利用することで効率よく水を温める仕組みを採用しています。そのため、従来型に比べてガス使用量を約10〜15%削減できるとされ、結果的に光熱費の節約につながります。追い焚きなし給湯器を導入する場合でも、エコジョーズタイプを選ぶことで「少ないガス量で効率よく必要なお湯を供給する」点が大きな魅力になります。また、エコジョーズはCO2排出量も減らせるため、環境配慮の観点からも注目されています。ただし、排熱を利用するためにドレン排水が発生する構造上、設置場所に排水設備が必要となる点は確認しておく必要があります。マンションなどで設置条件が限られている場合には、管理会社や施工業者に事前相談を行うと安心です。初期費用は従来型より高めですが、ランニングコストの削減で長期的には十分に回収できる可能性があるため、コストパフォーマンスを重視する家庭には適した選択肢といえます。

追い焚きなしのメリット

追い焚きなしのメリット

追い焚きなしの給湯器を選ぶ最大のメリットは「シンプルで導入しやすい」点にあります。まず、配管工事が不要なため設置条件に左右されにくく、マンションや賃貸住宅でも導入できるケースが多いのが特徴です。また、本体価格が比較的安く、工事費用も抑えられるため、初期投資を軽く済ませたい家庭に向いています。さらに、追い焚き配管がないことで雑菌や汚れが溜まりにくく、衛生的な面でも利点があります。特に小さな子どもや高齢者のいる家庭では、清潔さを重視して追い焚きなしを選ぶ人も少なくありません。構造がシンプルであるため故障のリスクが低く、長期間安定して使えるのも魅力です。加えて、使用する分だけ瞬間的にお湯を作る方式なので、無駄なガス消費が少なく、結果的に省エネにもつながります。入浴スタイルが「一度に家族全員が入る」「浴槽はあまり使わずシャワー中心」といった家庭であれば、追い焚き機能がなくても不便を感じにくく、むしろ合理的な選択肢となります。

追い焚きなしのデメリット

追い焚きなしのデメリット

一方で、追い焚きなし給湯器にはいくつかのデメリットも存在します。最も大きな点は「お湯が冷めてしまった場合に再加熱ができない」ことです。特に冬場は浴槽のお湯が短時間で冷えやすく、入浴時間がずれる家庭では不便さを感じることが多いでしょう。高温差し湯である程度の温度調整は可能ですが、浴槽全体を十分に温め直すことは難しく、大きく冷めた場合にはお湯を入れ替えるしかありません。また、人数の多い家庭では次に入る人がぬるいお湯に浸からざるを得ず、快適さを損なう場面が出てきます。さらに、光熱費の面でも注意が必要です。追い焚き機能があれば同じお湯を繰り返し使えますが、追い焚きなしではぬるくなった際にお湯を追加する必要があるため、水道代とガス代の負担が増える場合があります。加えて、自動保温機能が使えないため、入浴前に毎回浴槽を準備する手間も発生します。このような点から、ライフスタイルによっては使い勝手に差が出やすく、選ぶ際には家庭の入浴習慣を十分に考慮することが大切です。

追い焚きなし給湯器の選び方

号数の目安と同時使用

号数の目安と同時使用

給湯器を選ぶ際に欠かせないのが「号数」の確認です。号数とは1分間にどれだけの水量を25℃上昇させられるかを示す能力の指標で、家庭の人数や使用状況に応じて適切な容量を選ぶ必要があります。例えば16号は単身者や2人暮らし向けで、主にシャワー利用が中心の家庭に適しています。20号は2〜3人世帯に標準的で、シャワーと台所の給湯を同時に使える程度の能力があります。そして24号は4人以上の家庭や、複数の場所で同時にお湯を使用する場合に選ばれることが多いです。同時使用の有無は非常に重要で、例えばお風呂にお湯を張りながら台所や洗面でお湯を使うといった状況では、号数が不足すると水圧が下がったり温度が安定しないといったトラブルが発生します。特に冬場は給水温度が低いため、必要な給湯能力も増える点に注意が必要です。一般的には世帯人数+利用シーンを考慮し、余裕を持った号数を選ぶのが安心です。過小な容量を選んでしまうと快適性を損なうため、将来のライフスタイル変化も視野に入れて検討すると良いでしょう。

都市ガスとプロパン比較

都市ガスとプロパン比較

給湯器を選ぶ際には、ガスの種類が都市ガスかプロパン(LPガス)かによっても条件が変わります。都市ガスは主に都市部で供給されており、ガス料金が安定しているのが特徴です。一方でプロパンガスはボンベで供給されるため地域や業者によって料金差が大きく、都市ガスに比べると1.5〜2倍程度のコストになることもあります。ただしプロパンガスは火力が強く、寒冷地や湯量の多い家庭では短時間でお湯を供給できるという利点があります。給湯器自体も都市ガス用とプロパン用では仕様が異なるため、購入や交換の際には必ずガス種を確認する必要があります。また、光熱費の比較では都市ガスの方が一般的に安価ですが、プロパンガスの供給エリアでは料金交渉や契約先の見直しによってコストを抑える方法も存在します。いずれの場合も、給湯器本体の性能に差はないため、重要なのはガスのランニングコストと地域事情を考慮し、長期的に負担の少ない選択を行うことです。

自動湯はりの可否と条件

自動湯はりの可否と条件

給湯器の便利な機能として「自動湯はり」があります。設定した温度と湯量で浴槽に自動的にお湯を張ってくれる機能で、入浴準備の手間を省けるのが魅力です。ただし、すべての給湯器に搭載されているわけではなく、特に追い焚きなしタイプの場合はモデルによって可否が分かれます。自動湯はりが可能な給湯器でも、追い焚き配管が不要のタイプではあくまで一度の湯はりのみで、冷めたお湯を自動的に温め直す機能は備わっていないことが一般的です。また、自動湯はりを利用するには浴槽に専用の湯口やリモコンが設置されている必要があり、既存の設備状況によっては追加工事が必要になる場合もあります。賃貸物件やマンションでは管理規約の制約で設置できないケースもあるため、事前に確認が欠かせません。自動湯はりが利用できれば利便性は格段に向上しますが、機能を過信せず、家庭の入浴スタイルに合うかどうかを見極めることが大切です。

交換費用相場と工期

交換費用相場と工期

追い焚きなし給湯器の交換費用は、機種や設置条件によって幅がありますが、おおよその相場は本体代と工事費を合わせて10万円〜20万円程度とされています。号数が大きい機種やエコジョーズタイプを選ぶ場合は20万円を超えることもありますが、標準的な20号クラスであれば比較的リーズナブルに交換可能です。工事内容としては既存の給湯器を取り外し、新しい機種を設置・配管接続するのが基本で、作業時間は2〜4時間程度で完了するのが一般的です。ただし、設置場所の条件やガス種の切り替え、排気設備の追加などが必要な場合は半日以上かかることもあります。工事は必ずガス機器設置スペシャリストや有資格業者に依頼する必要があり、DIYや無資格施工は法令違反となるため注意が必要です。また、見積もりを依頼する際には本体価格だけでなく工事費用や保証内容も含めて総額を比較することが重要です。さらに、メーカー保証に加えて施工業者独自の工事保証やアフター点検が付帯するプランもあるため、保証年数と対応範囲を確認して選ぶと安心です。

メンテと凍結・安全対策

メンテと凍結・安全対策

給湯器を長く安全に使用するためには定期的なメンテナンスと冬季の凍結対策が欠かせません。まず、給湯器内部には水道水由来のスケール(カルシウム成分など)が付着しやすく、これが蓄積すると熱効率の低下や目詰まりの原因になります。数年に一度は専門業者による点検・清掃を行うのが望ましいでしょう。また、給湯温度を高く設定しすぎると小さな子どもや高齢者のやけどリスクが高まるため、通常は40℃前後に設定し、使用直前に必要な温度へ調整するのが安全です。冬場の凍結対策としては、外気温が氷点下になる前に「水抜き栓」を操作して配管内の水を抜く方法が基本です。最近の給湯器には自動凍結防止機能が備わっているモデルもありますが、長期間留守にする際には必ずガス栓と水栓を閉じてから水抜きを行うと安心です。さらに、給湯器周辺に落ち葉やほこりが溜まると燃焼効率が低下したり異常停止の原因になることがあるため、定期的に周囲を清掃することも有効です。このような日常的な配慮によって故障を防ぎ、長期にわたって安定した給湯を確保することが可能となります。

まとめ|給湯 器 追い 焚き なし

  • 追い焚き配管不要で設置自由度が高く導入しやすい
  • 必要な分だけ瞬間加熱するため待機損失が少ない
  • 配管が少なく雑菌の温床を作りにくく衛生的に扱える
  • 浴槽が冷めると再加熱できず入れ替えや差し湯が必要
  • 入浴時間がずれる世帯では温度維持が難しく不便になりやすい
  • 高温差し湯で温度調整可能だが均一化には時間がかかる
  • 号数は人数と同時使用を基準に余裕を持って選定する
  • 都市ガスは料金安定傾向で総コストを抑えやすい
  • プロパンは火力が強く寒冷期でも立ち上がりが速い
  • 自動湯はり対応でも保温追い焚きは不可の機種が多い
  • 交換総額は概ね十万台後半で条件により上下しやすい
  • 工事は有資格業者に依頼し保証と点検体制を確認する
  • 定期点検と周辺清掃で熱効率低下と故障を抑制できる
  • 凍結時は水抜き実施と長期不在時の安全対策が重要
  • 家庭の入浴習慣とコスト感に合わせ最適解を選ぶ

よくある質問(FAQ)

追い焚きなし給湯器でも自動湯はりはできますか?

一部の機種では設定した温度と湯量で自動湯はりが可能です。ただし、追い焚き配管を使わないため、冷めたお湯を自動で温め直すことはできません。

マンションでも追い焚きなし給湯器を設置できますか?

追い焚き配管が不要なため、マンションや賃貸物件でも設置可能なケースが多いです。ただし管理規約や設備条件によって制約がある場合があるため、事前確認が必要です。

追い焚きなし給湯器の寿命はどのくらいですか?

一般的なガス給湯器の耐用年数は10年程度とされています。使用環境やメンテナンス状況によって差が出るため、定期的な点検を受けることが推奨されます。

お湯がぬるいと感じるときの原因は何ですか?

号数不足や同時使用による給湯能力の限界、給水温度が低い冬場の条件などが原因となることがあります。機器の故障が疑われる場合は専門業者に点検を依頼してください。

エコジョーズと通常タイプはどちらがおすすめですか?

長期的に光熱費を抑えたい場合や環境配慮を重視する家庭にはエコジョーズが適しています。初期費用をできるだけ抑えたい場合は従来型でも問題ありません。

給湯器交換・修理・故障対応が9,000円~|給湯器修理センター

24時間・365日間 無料お見積もり・相談受付中!

お申し込みから完了まで

step1 無料相談 故障・交換などについてご相談ください。 step2 訪問・お見積り 最短でご訪問、状況確認、お見積りをご提示しします。 step3 工事 ご希望の日時に施工します。 step4 完了・お支払い 完了後のご確認いただき、お支払いとなります。
お支払いは現金、集金、銀行振込 急な施工に安心のクレジットカードもご利用できます。

対応エリア

全国年中無休30分以内対応可能
Menu
給湯器 修理・交換の費用と対処法がわかる解決サイト