給湯器の復帰ボタンが点滅しない原因と自分でできる対処法まとめ

「給湯器の復帰ボタンが点滅しない」「押しても反応しない」「お湯が出ない」といった現象は、ガスメーターの遮断や電源の不具合、点火不良、凍結やフィルター詰まりなど複数の要因が重なって起きることがあります。本記事では安全を最優先にしつつ、ガス→電気→本体の順で切り分ける実践手順を整理します。メーカーを問わず通用する初期確認、ガスメーターの復帰操作、停電復帰時のリセット、凍結や吸排気の対策、エラー111(点火不良)への考え方まで、家庭で無理なく試せる範囲に限定して解説します。

  • 復帰ボタンが点滅しない時の初期確認と安全確保
  • ガスメーター遮断の見分け方と復帰手順の要点
  • ブレーカーやコンセント周りの通電チェック方法
  • 点火不良や凍結 詰まり 吸排気不良の対処と再発防止

給湯器 復帰ボタンが点滅しない

反応しない時の初期確認

反応しない時の初期確認

安全最優先:ガス臭や焦げ臭、バチッという異音、発煙・発熱などの異常が少しでもあれば復旧操作は中止し、窓を開けて換気のうえ、ガス事業者やメーカーサポートに連絡してください。火気・電気スイッチの操作は避けます。

復帰ボタンが点滅しない(あるいは押しても反応しない)からといって、直ちに給湯器本体の「故障」と決めつけるのは早計です。多くの家庭で起きるのは、ガスメーター(マイコンメーター)の安全遮断、停電やプラグ抜けによる無通電、吸排気口の塞がり、あるいはリモコンの一時的な状態不良といった「周辺要因」です。まずは家全体の状況を落ち着いて整理しましょう。最初に行うのは(1)家中のガス機器をすべて停止し、可能なら元栓も閉めること、(2)給湯器のリモコンを「切→入」で再起動すること、(3)屋外や玄関脇にあるガスメーターの表示・ランプの状態確認、(4)分電盤のブレーカー位置と屋外コンセントの差し込み状態の確認、(5)屋外機まわりの吸気・排気の通り道の目視点検、の5点です。ここまでで変化がない場合、次の切り分けとして「コンロも点かないか」「シャワー・洗面など複数箇所で症状が同じか」を見ます。コンロを含む他のガス機器も使用不能であれば、ガスメーター遮断や供給停止の可能性が高く、メーター側の復帰手順が優先です。逆にコンロは使えるが給湯器だけ動かない場合、電源供給・配線・吸排気・水量不足(フィルター詰まり)・凍結など機器側の要因に絞っていきます。なお、復帰操作中は焦ってボタンを連打しがちですが、マイコンメーターは安全確認の待機時間を要するため、規定手順を一度だけ実施し、約3分の待機を厳守するのが鉄則です。こうした初期確認を順序立てて行うことで、無用な再遮断や二次トラブルを避け、必要なときに的確に専門業者へ引き継げます。

ガスメーター遮断の見分け方

ガスメーター遮断の見分け方

給湯器の復帰ボタンが点滅しない背景に、マイコンメーターの遮断が潜んでいることは珍しくありません。マイコンメーターは、地震・強い衝撃・連続使用や急な消し忘れ、異常な流量変化、屋外配管の損傷などを検知すると「安全側」に倒し、ガスの供給を自動的に止めます。この状態では給湯器側でどれだけ操作しても点火できません。遮断の可能性を見分ける手掛かりは主に3つです。第一に「コンロや暖房機など他のガス機器も同時に使えない」こと。家庭内で複数機器が同時不調なら、個別機器より上流(メーターや供給側)に原因がある蓋然性が高いといえます。第二に「メーター前面の表示やLEDランプ」。機種により表示は異なりますが、ガス止・エラーコード・赤色点滅など、平常とは違う明確なサインが出るのが一般的です。第三に「復帰ボタンを押しても(もしくは押せない状態で)機器側に変化がない」こと。ここで注意したいのは、メーターの復帰手順には必ず安全確認の待機時間が含まれる点で、点滅中にガス機器を動かすと再遮断を招くということです。なお、マンションなど集合住宅ではメーターがパイプスペース内に設置され、カバー越しでは表示が見えにくい場合があります。懐中電灯などで照らし、キャップ内のボタン位置と表示ランプを確認してください。強風・降雪・地震後、長期不在明けでの復帰トラブルは特に多く、まずメーターの状態を把握することが、遠回りに見えて最短の復旧につながります。

ガスメーターの復帰手順

ガスメーターの復帰手順

メーターは屋外壁面・玄関脇・敷地境界のボックス内、集合住宅ではパイプスペース内にあることが一般的です。キャップや小扉の内側に復帰ボタンが隠れている場合があるため、まずは周囲の安全を確保してから位置を確認しましょう。

復帰操作は難しくありませんが、手順どおり「一度だけ」行うことが肝要です。はじめに家中のガス機器(コンロ・暖房機・乾太くん等)をすべて止め、可能であれば各機器の元栓を閉めます。次にメーターの復帰ボタンをしっかり押して離す(多くの機種で長押しは不要)。押下後、ランプが点滅して安全確認の待機に入ります。この待機はおよそ3分が目安で、内部で配管圧や漏えいの有無などをチェックしているものと捉えてください。ここで焦ってコンロの点火を試みたり、再度ボタンを連打したりすると、異常操作として再遮断を誘発しがちです。点滅が止まり通常表示に戻ったら、機器を一つずつ順番に試運転します。まずは屋外換気の良い場所でコンロの小さな火から確認し、問題なければ給湯器のシャワー・洗面・浴槽の順に流量を変えて点火を確認します。復帰後もすぐに止まる、もしくは繰り返し遮断される場合は、吸排気の塞がり、配管の凍結や水量不足、同時使用による容量超過、あるいは機器側の点火・検知系の不調が疑われます。何度も復帰操作を繰り返すのは避け、原因切り分けに進むか、ガス事業者・メーカーへ相談してください。暗所での作業や雨天・積雪時は足元が滑りやすく、転倒・感電の恐れもあります。無理な姿勢での確認や脚立使用は避け、日中の明るい時間帯に家族と声を掛け合いながら実施するなど、安全余裕のある環境づくりも忘れないでください。

ブレーカーとコンセント確認

ブレーカーとコンセント確認

給湯器は都市ガス・LPガスいずれでも、着火制御やポンプ・ファン駆動に家庭用100V電源を必要とします。停電や漏電遮断器の作動、屋外コンセントの緩み、延長コードの容量不足などで無通電になると、復帰ボタン自体が点滅しない、リモコンが無表示のままといった「無反応」に見える症状が起こります。まず分電盤で総元の漏電ブレーカーが落ちていないか、給湯器回路(キッチン・洗面・浴室など水回りと同一系統であることが多い)の小ブレーカーが中途半端な位置で止まっていないかを確認します。落ちている場合はいったん完全にOFFへ倒してからONへ戻すのが基本です。次に屋外の防水コンセントを開け、プラグの差し込みが浅くなっていないか、ゴムキャップやケーブルの被覆に亀裂がないか、コンセント内部に結露や泥・虫の侵入跡がないかを目視します。延長コードやタコ足は電圧降下や接触不良の原因になりやすく、屋外使用に適さない製品も多いため、可能な限り単独回路で直接接続するのが望ましい運用です。また、落雷や瞬時電圧低下(瞬停)の直後は制御基板が不安定化し、誤作動や保護動作が継続することがあります。この場合、ブレーカーを切って30秒〜1分待ってから入れ直し、さらにリモコンの運転ボタンを入切して状態をリセットします。なお、分電盤やコンセント周辺で焦げ跡や異臭、発熱がある場合は通電再開を試みず電気工事士やメーカーサービスに依頼してください。防水コンセントはパッキンの劣化で浸水しやすく、年数が経つほど内部腐食による接触抵抗が増え、過熱・焼損を招くリスクがあります。給湯器の不調が断続的に現れる、特定の時間帯だけ症状が出る、といった場合も、上流の電源品質(大型家電の同時使用による電圧降下など)を疑って切り分けると、無駄な部品交換を避けられます。

リモコン電源が入らない

リモコン電源が入らない

壁付けの浴室・台所リモコンは、乾電池駆動ではなく多くが本体からの低電圧給電で動作します。そのためリモコンが無表示のとき、単に「リモコンの故障」と断定するのではなく、まず本体側の電源供給と通信配線の健全性を確認するのが近道です。代表的なパターンは(1)本体が無通電でリモコンも落ちている、(2)本体は通電しているがリモコン配線の接触不良や断線で無表示、(3)水濡れや湿気でリモコン内部が短絡し保護停止、の三つです。浴室リモコン周辺は結露しやすく、表面の掃除の際に洗剤や水がスイッチ隙間から侵入すると、一時的に誤作動を起こすことがあります。まずは台所側など複数のリモコンがある場合、どちらも無表示なのか、一方のみなのかを確認しましょう。片側のみ無表示であれば、そのリモコンの故障または配線側の問題に絞り込めます。配線は一般に極性付き2芯〜多芯の細いケーブルで、本体端子台への固定ネジが緩むと断続的な通信エラーが発生します。ただし端子台の確認や増し締めは感電・短絡の危険があるため、素手での作業は避け、通電を落とした上で専門業者に依頼するのが安全です。リモコンのボタン操作に対してクリック音やバックライト点灯だけはする、時刻がリセットされている、などの症状は、瞬停後の状態不良や設定初期化のサインで、いったん主電源を切ってから再投入し、時刻設定をやり直すと復帰することがあります。逆に、表示は出るが温度設定が変更できない、運転ボタンに反応しない場合は、風呂自動・追いだき系統の循環路にゴミ詰まりがあるケースや、リモコン基板のボタンスイッチ劣化も想定されます。水回り設備のため、「強く押し込み続ける」「清掃で大量の水をかける」といった行為はかえって寿命を縮めるため避けましょう。

点火不良とエラー111

点火不良とエラー111

多くのガス給湯器で「111」は点火不良系の代表的なエラー番号として用いられます(番号体系はメーカー・機種で一部異なることがあります)。着火時には、ファンの予備運転→点火プラグのスパーク→ガス電磁弁の開→炎検知という順で制御が進みますが、どこか一つでも条件が満たされないと、初期燃焼が成立せずエラー検知→安全停止となります。原因の大枠は(A)燃料側:ガス圧の一時低下・メーター遮断・元栓の開度不足、(B)空気側:吸気口や排気口の塞がり・強風によるフレームアウト、(C)点火・検知側:点火プラグの劣化や電極距離ズレ・炎検知センサー(フレームロッド)の汚れ、(D)熱交換器やバーナーのスス堆積・目詰まり、(E)制御側:基板や配線の接触不良に整理できます。ユーザーが安全に試せる一次切り分けは、同時使用を控えて流量を安定させる(シャワー・台所の同時開栓を避ける)、吸排気経路を清掃して十分なクリアランスを確保する、フィルターや循環金具の清掃で流量センサーの検出条件を満たす、といった範囲に留めることです。むやみに連続で運転ボタンを押す、短い間隔で電源の入切を繰り返すと、未燃ガスの残留や自己診断の再遮断を誘発し、かえって復旧が遠のきます。着火音(カチカチ)すら聞こえない場合は、電源・メーター・基板系の問題が疑わしく、着火音はするが「ボッ」という立ち上がりが不安定で消えるなら、風や排気閉塞、流量不足が典型です。何度かの試行でエラーが消えても、再発する場合は部品劣化が進行している可能性が高く、点火プラグと炎検知部の点検・清掃、バーナー・熱交換器のスス除去など専門メンテナンスを計画するのが賢明です。安全装置や燃焼系に直結する作業は資格・計測器を要するため、一般ユーザーの分解・調整は避け、症状の発生条件(気温・風・同時使用・エラー表示時刻)を記録してサービス窓口に伝えると診断が早まります。

凍結時の症状と対処

凍結時の症状と対処

外気温が氷点下に近づくと、給湯器の内部配管や屋外の給水・給湯配管、風呂循環配管のいずれかが凍結し、水が流れないために点火条件を満たせず無反応に見えることがあります。復帰ボタンが点滅しないのは、そもそも機器が点火フェーズに入れていないためで、燃焼系の故障とは限りません。まず確認したいのは「どの系統が止まっているか」です。台所や洗面の水(低温側)が細くでも出るか、温度をぬるめに設定して少量吐水で点火するか、浴室の自動湯はりや追いだきが始まるかなどを個別に試し、完全無流か一部のみ不良かを切り分けます。完全に水が出ない場合は給水側の凍結が濃厚で、シャワーだけが極端に弱い/風呂だけ循環しないなどの症状なら、枝配管や循環経路の凍結・詰まりの可能性が高まります。対処は「自然解凍が基本」です。直火・熱湯の散布・ドライヤーで長時間あぶると、配管の樹脂部やパッキンが劣化し、解凍後に漏水を招くおそれがあります。寒波到来時は、屋外機の下部や配管露出部の風当たりを減らし、玄関土間や床下に冷気が回り込む戸建では、外気が直接当たる換気口を一時的に閉じるなど、家全体の通風バランスも配慮します(燃焼機器のある室内で過度な密閉は避ける)。夜間の凍結予防としては、就寝前にわずかな水量で「糸状の通水」を確保する、屋外配管の保温材の切れ目やテープの剥がれを補修する、凍結防止ヒーターを配管の勾配や継手部に沿って適切に巻く、といった対策が有効です。集合住宅ではパイプスペースの扉が開いていたり、共用部で防寒材が脱落しているケースもあるため、管理会社に状況を共有すると改善が早まります。解凍後は必ず配管接続部・本体下部のドレン穴周辺を目視し、にじみや滴下がないかを点検します。微小漏れは時間差で現れることが多く、タオルを当てて湿り具合を確認すると早期に気づけます。繰り返す凍結は設備側の保温不良や露出長過大が原因であることが多く、恒久対策としての保温強化・ルート見直しを検討してください。

フィルター詰まりの清掃

フィルター詰まりの清掃

給水ストレーナーや風呂循環金具(吸込み口)のメッシュ詰まりは、流量センサーの検出条件を満たせず着火に至らない典型原因です。症状としては、吐水を強くすると一瞬点火するがすぐ消える、シャワーの温度が不安定、浴槽の自動湯はりが途中で止まる、追いだきが始まらない/すぐ止まる、などが挙げられます。清掃前に必ず止水栓を閉め、万一の水跳ねに備えて受け皿と雑巾を用意します。給水ストレーナーは本体下部や壁内配管の手前にキャップ付きで設置されていることが多く、キャップを緩めると円筒状のメッシュフィルターが現れます。取り外したメッシュはブラシで優しく汚れを落とし、水道水で流して異物を完全に除去します。パッキン(Oリング)の傷や変形、向きの誤装着は漏水の原因になるため、清掃後はゴミ噛みがないよう薄く水で濡らし、まっすぐ確実に戻しましょう。風呂循環金具のフィルターは浴槽内の吸込み口にあり、ヘアキャッチャーの奥に細かなメッシュが重なっている場合があります。入浴剤の残渣や皮脂、繊維クズが層状に付着しやすく、目視で綺麗に見えても水通りが悪化していることが少なくありません。歯ブラシや柔らかいスポンジで傷を付けないように清掃し、必要に応じてぬるま湯に中性洗剤を薄めて浸け置きすると効果的です(十分なすすぎを徹底)。復旧後は止水栓を開け、ゆっくり通水してエア噛みを抜き、各接続部の滲みを確認します。清掃後に改善が見られない場合、流量センサー自体の劣化や電磁弁の動作不良、循環ポンプの能力低下など、部品レベルの不具合が背景にあることもあります。無理な分解は禁物ですが、定期清掃を習慣化するだけで再発率は大きく下げられます。水質が硬い地域や井戸水利用ではスケール(炭酸カルシウム)堆積も進みやすいため、年1回以上のメンテナンスを目安にしましょう。

吸排気口の塞がり解消

吸排気口の塞がり解消

ガス燃焼は「燃料・空気・点火」の三要素が整って初めて成立します。強風・大雪・落ち葉・虫の巣・洗濯物の近接などで吸気口や排気口が阻害されると、着火しても炎が安定せず消炎(フレームアウト)し、結果的にエラー停止や無反応に見える状態を招きます。まず屋外機の設置位置を確認し、前面排気・側面/背面吸気のタイプでそれぞれの開口部に異物がないか点検します。防雪フードや鳥よけネットを装着している場合、保護目的の部材そのものが目詰まりしていることも多く、季節の変わり目に清掃するだけで改善するケースは少なくありません。また、物干しや収納ラック、植木鉢が排気の流路に入り込むと、排気の巻き込みで酸素濃度が局所的に下がり、燃焼が不安定になります。可燃物はもちろん、ビニールや布類も排気熱で劣化・変形するため、必要離隔を守りましょう。風が強い日の着火不良は、機器の想定風速を超える外乱で火炎が吹き飛ばされる「風倒れ」現象が原因です。簡易対策としては、風下側に仮設の風除けを置いて直撃を和らげる、排気口に直に風が当たらないよう設置角度や周辺レイアウトを見直す、屋根雪やつららの落下が排気カバーを塞がないよう対策する、などが有効です。ただし、排気の再循環を起こす囲い込みは逆効果になり得るため、風除けは過度に密閉せず、吸気経路を広く確保してください。火傷防止のため、運転直後の排気カバーには素手で触れない、清掃は停止・冷却後に行う、といった基本も重要です。清掃後は着火の安定性(点火後に温度が滑らかに上がるか、燃焼ランプが安定点灯するか)を観察し、改善が一時的で再発する場合は、内部のバーナーや熱交換器の汚れ、ファンモーターの回転不良など、専門診断が必要な段階に移行します。周囲環境の整備はユーザーができる最も効果的な予防策であり、月1回の目視点検を習慣にするとトラブルの未然防止につながります。

給湯器 復帰ボタン 点滅しない時の修理判断

メーカー別リセットの要点

メーカー別リセットの要点

給湯器の表示・ボタン名称はメーカーや機種で異なりますが、復旧の基本思想は共通です。「安全装置が働いて止まっている可能性を排除し、状態をいったん初期化してから、燃焼条件を整えたうえで単発で試運転する」という流れを守ることが重要です。一般的には、台所または浴室のリモコンで運転を停止→数十秒待機→再度運転を開始、という入切操作が最小のリセットに相当します。リンナイ、ノーリツ、パロマ、パーパスなど主要各社でも、運転(ON/OFF)ボタンや戻る・取消・リセットに相当するキーの組み合わせで同様の挙動が得られることが多いですが、機種特有の「エラー解除」や「試運転モード」に無闇に入るのは避けます。繰り返しの連打や短間隔の入切は、自己診断上の再遮断や未燃ガス残留の懸念を高めるため逆効果です。再起動前には、他のガス機器を止めて流量・ガス圧の安定をはかり、吸排気口の塞がりを目視点検し、吐水を中〜強程度にしてから着火を試みると成功率が上がります。また、機種によってはエラーコードが履歴として残り、一定回数以上の失敗でロックがかかる設計もあります。この場合はユーザー操作で解除できないことがあり、無理に操作を続けるよりも、エラー番号・発生時刻・操作手順の記録をそろえてサービス窓口に相談すると診断が早まります。複数リモコンがある家庭では、片側のみの無反応や表示異常がリセットの妨げになることもあるため、両方の入切を試す、親機(台所側)から指示する、といった手順も有効です。最後に、取扱説明書の紙面・PDFの「安全上のご注意」「異常時の対処」の章は、ボタン名称や表示記号の違いを埋める上で最も確実な参照先です。必ず最新の版を確認し、表記が不明確なまま試行錯誤を重ねることは避けてください。

強風・大雪時の対策

強風・大雪時の対策

強風や大雪の後に「復帰ボタンが点滅しない」「押しても無反応」という相談は少なくありません。実際には、燃焼が始まる前段階で吸排気条件が満たせず、点火フェーズへ進めていないことが多いのが実情です。強風時は、排気が風に押し戻されて燃焼室周辺が高温の排気で満たされ、酸素濃度が低下して点火が成立しない、あるいは点火しても火炎が吹き飛ばされて検知が途切れる「フレームアウト」が発生します。簡易対策としては、排気口に直撃する風の向きを避けるレイアウト変更、風下側に仮の風除けを置いて乱流を和らげる、洗濯物やシート類が排気の流路に入らないよう距離を取る、などが現実的です。ただし、囲い込みすぎると排気の再循環が起き、かえって不完全燃焼のリスクが高まります。風除けはあくまで開放型で、吸気側のクリアランスを十分に確保してください。大雪時は、排気口や防雪フード、ドレン排水の経路が雪壁で塞がれると、燃焼が止まる・再点火しない・結露水が逆流する、といった不具合を誘発します。まず排気の出口を確保し、機器周辺の雪庇・つららの落下経路を安全に除去します。積雪地では、地面からの跳ね返り雪や凍結で下部吸気が塞がることも多く、定期的な掻き出しと足場の確保が有効です。暴風雪の最中は無理をせず、天候の小康時に点検を行いましょう。また、吸排気系のセンサーは微細な粉雪や黄砂、火山灰でも感度変化を起こすことがあるため、季節イベント後は柔らかいブラシで清掃し、必要に応じて周囲の植栽や物品配置を見直すと再発率が下がります。これらの対策で改善が一時的にとどまる場合、ファンモーターの能力低下や熱交換器の目詰まりなど内因が進行している可能性があるため、専門点検に移行してください。

修理費相場と交換の目安

修理費相場と交換の目安

概ねの判断として 使用10年以上や高額部品交換が必要な場合は交換を検討し、軽微な接触不良や清掃 センサー単体交換などは修理を優先する考え方が一般的です。

復帰ボタンが点滅しない・押しても反応しない事象が、ガスや電源・外因の整備で解決しない場合は、修理か交換の判断が必要です。目安として、使用開始から10年を超えると主要部品の供給や耐用年数の観点から、突発修理の再発リスクが上がります。さらに、熱交換器・メイン基板・ファンユニットなど高額部位の同時不具合が疑われるときは、本体価格に近い費用が見積もられ、更新の方が総コストを下げられるケースが多くなります。一方、配線の接触不良、センサー単体、清掃・調整で回復する軽微な事象であれば、まず修理で十分です。費用レンジのイメージとしては、点検・清掃レベルで数千〜数万円、着火プラグやセンサー類・循環ポンプ交換で数万円、熱交換器や基板を含む複合修理では十万円前後〜と幅があります(出張距離・作業時間・部品在庫で変動)。依頼時は、症状の再現条件(気象・時間帯・同時使用状況)、エラー番号、これまでに試した対処を具体的に伝えると、無駄な作業を省けます。保証面では、メーカー保証(多くは1〜2年)と販売店の延長保証、施工店の工事保証の三層を確認し、保証対象の部品・上限金額・訪問回数制限の有無を把握しておくと安心です。交換を検討する際は、現在の生活パターンに合った「号数」や、同時使用の多い家庭では「給湯能力の余裕」を見直すことが再発防止に直結します。屋外環境が厳しい地域では、防雪・防風のオプションや設置位置の最適化も合わせて設計段階で考慮しましょう。最後に、繁忙期(冬季)は予約が集中し、一時的な仮設機や早期手配が選択肢になる場合もあります。早めの相談と複数見積の比較で、費用・納期・将来の維持コストを総合的に最適化してください。

給湯器 復帰ボタン 点滅しないまとめ

  • 復帰ボタンが点滅しない時はまず全てのガス機器を停止して安全を確保する
  • ガスメーター表示やランプで遮断状況を確認し復帰操作へ進むか判断する
  • 復帰ボタンは一度だけ押して三分程度の安全確認待機を厳守する
  • 待機中はガス機器を操作せず再遮断を避けるため落ち着いて待機する
  • 停電や瞬停の後はブレーカーとコンセントの通電状態を入れ直して確認する
  • 壁リモコンが無表示の時は本体給電と配線の異常を疑い無理な作業は行わない
  • 点火音の有無で電源系か燃焼系かを切り分けて次の対処を選択する
  • 強風や降雪の後は吸気口と排気口の塞がりを最優先で点検して取り除く
  • 給水ストレーナーや循環金具の詰まりは止水のうえでメッシュを清掃する
  • 凍結時は自然解凍を基本に保温材の補修や凍結防止策を検討する
  • 同時使用を控え流量とガス圧の条件を整えてから試運転を行う
  • エラー表示は取扱説明書で意味を確認し不明な場合は記録して相談する
  • 繰り返し遮断される時は操作をやめて専門業者やガス事業者に相談する
  • 使用年数と見積額のバランスで修理か交換かを冷静に判断する
  • 保証や延長保証の条件を確認して自己負担を抑えるための手続きを確認する

迷ったら中止と相談:異常徴候がある場合は復旧操作をやめ、換気のうえ、ガス事業者やメーカーサポートへ連絡してください。

FAQ(よくある質問)

復帰ボタンが点滅しないとき、まず何をすればいい?

家中のガス機器をすべて停止し、換気を確保してから、ガスメーターの表示・ランプ、分電盤のブレーカー、屋外コンセントの差し込み状態を順に確認します。焦ってボタンを連打せず、手順は一度だけ確実に実施してください。

ガスメーターの復帰は何分待てばいい?

多くのメーターは復帰後に約3分の安全確認待機があります。この間はコンロや給湯器を操作せず、点滅が止まって通常表示に戻るまで待機してください。

復帰ボタンを連打・長押ししてしまった。どうすればいい?

いったん全ガス機器を停止し、1〜2分待ってから手順を最初からやり直します。再遮断を繰り返す場合は操作を中止し、ガス事業者やメーカーへ相談してください。

コンロは使えるのに給湯器だけ動かないのはなぜ?

電源の無通電、リモコンや配線の不良、吸排気口の塞がり、フィルター詰まり、凍結、機器内部の点火・検知系異常など、給湯器単体の要因が考えられます。

停電や落雷のあとに無反応になった

分電盤のブレーカーを一度OFF→ONで入れ直し、屋外コンセントの差し込みを確認。次にリモコンの電源を入切して状態を初期化します。焦げ臭や発熱がある場合は再通電しないでください。

強風・大雪のあと点火しない/すぐ止まる

吸排気の乱れや塞がりが原因のことが多いです。排気口・吸気口・防雪フードの目詰まりや周辺物の近接を清掃・離隔確保し、風の直撃を避けるレイアウトに見直してください。

冬の朝だけお湯が出ない。故障?

配管や循環経路の凍結が疑われます。自然解凍を基本とし、直火・熱湯は使用しないでください。解凍後は漏れの有無を点検し、保温材の補修や凍結防止ヒーターを検討します。

フィルター清掃は自分でできる?

止水の上で給水ストレーナーや風呂循環金具のメッシュを取り外して洗浄します。パッキンの傷・向きを確認し、復旧後は水漏れがないか必ず点検してください。

エラー111など点火不良が出るときの注意点は?

連続再始動は避け、吸排気・流量条件を整えたうえで単発試験に留めます。再発する場合は点火プラグや炎検知部の劣化、熱交換器の汚れなど専門点検の対象です。

復帰ボタン自体がどこにあるか分からない

復帰ボタンは給湯器ではなくガスメーター側にあります。屋外のメーターボックスや玄関脇、集合住宅はパイプスペース内にあることが多く、キャップ内にボタンが隠れている場合があります。

LPガス(プロパン)でも手順は同じ?

基本思想は同じですが、機器構成やメーター表示が異なることがあります。復帰ができない・再遮断する場合は無理をせず、供給事業者へ連絡してください。

復旧後に再発を防ぐコツは?

月1回の吸排気口清掃、フィルター定期洗浄、周囲の離隔確保、延長コードの不使用、冬季の保温強化・微少通水、強風・降雪後の早期点検が有効です。

どの段階で業者に依頼すべき?

ガス臭・焦げ臭・異音・発煙など異常がある、復帰操作で再遮断が続く、電源や配線に焦げ跡がある、凍結や漏水が疑われる、エラーが頻発する——いずれかに該当したら早めの相談が安全です。

修理か交換かの判断基準は?

使用10年以上で高額部位(熱交換器・基板・ファン等)の不具合が疑われる場合は交換有利になることが多いです。軽微な接触不良・センサー単体・清掃で改善する場合は修理優先が一般的です。

マンションでメーターに触れられない/場所が分からない

共用部の管理が必要な場合があるため、管理会社・管理員に確認し、安全確保のうえで対応してください。無断で共用部を開放するのは避けましょう。

 

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