給湯 器 安全 装置の仕組みと解除方法を解説
給湯器を使う中で突然お湯が出なくなったり、点火しないといったトラブルに直面すると、不安や疑問を抱く方は多いでしょう。その原因の一つとして挙げられるのが給湯器安全装置です。この装置は利用者の安全を守るために設けられており、異常を感知すると作動します。しかし、実際にどのような原因で作動するのか、どんな種類があるのか、さらにリセットや解除方法について正しく理解している方は少なくありません。
例えば、給湯器安全装置リセットの流れや給湯器安全装置解除方法、ガス給湯器安全装置解除の注意点、そしてリンナイ給湯器安全装置解除方法やノーリツ給湯器安全装置解除の違いなど、メーカーごとに対応が異なるケースもあります。また、ガス安全装置作動原因のように環境や機器の状態によって発生する要素も無視できません。さらに、給湯器の安全装置が働くまでの時間はどれくらいなのか、ボイラーの安全装置の解除方法といった関連情報も知っておくと役立ちます。
この記事では、こうした疑問に一つずつ答えながら、給湯器安全装置に関する理解を深めていきます。安全で快適に給湯器を使うために、ぜひ最後までご覧ください。
記事を読むことでわかること
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給湯器安全装置の仕組みと種類
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安全装置が作動する主な原因
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リセットや解除の正しい方法
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メーカーごとの解除方法の違い
給湯 器 安全 装置の役割と仕組み
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給湯器安全装置種類とその特徴
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ガス安全装置作動原因と対策
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給湯器安全装置原因を確認する方法
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給湯器の安全装置が働くまでの時間は?
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ボイラーの安全装置の解除方法は?
給湯器安全装置種類とその特徴
家庭用および業務用の給湯器には、利用者の生命や財産を守るために複数の安全装置が搭載されています。これらは単なる付属機能ではなく、ガス事業法や建築基準法、さらに日本工業規格(JIS S 2109など)や一般財団法人日本ガス機器検査協会(JIA)の認証基準に則って設計されています。これにより、国内で流通する機器は一定水準以上の安全性を担保していることが保証されています。
安全装置には大きく分けて燃焼に関わるものと機器保護に関わるものがあり、それぞれ異なるリスクに備える設計がされています。以下では代表的な装置の仕組みと特徴を解説します。
不完全燃焼防止装置
燃焼時に酸素不足や排気不良が起きると一酸化炭素が発生する危険性があります。一酸化炭素中毒は毎年死亡事故につながるケースが報告されており、特に冬季に集中します(出典:厚生労働省「家庭用品等による健康被害の発生状況」https://www.mhlw.go.jp/)。不完全燃焼防止装置は燃焼ガス中の酸素濃度や排気の逆流を感知し、異常を検出するとガスを自動的に遮断します。利用者から見ると突然お湯が出なくなる現象ですが、これは重大事故を防ぐために作動している正常な挙動です。
過熱防止装置
給湯器内部には熱交換器と呼ばれる部分があり、水を加熱するために高温にさらされます。この温度が90℃から100℃を超えると、金属疲労や周囲の可燃物への影響が懸念されます。過熱防止装置は内部の温度センサーが一定の閾値を超えた瞬間に燃焼を停止し、火災や部品の損傷を未然に防ぎます。特に長時間の高温運転や水量の不足時に作動しやすく、近年の機器では冗長性を高めるため二重のセンサーを備える場合もあります。
立ち消え安全装置
給湯器は屋外設置が一般的であるため、強風や豪雨などの自然条件で炎が消える可能性があります。立ち消え安全装置は炎の有無をサーモカップルやイオン検知棒で監視し、炎が消失した瞬間にガスを遮断します。これにより、ガスが噴出し続けて爆発に至る事故を防ぎます。特にベランダ設置型の給湯器や戸建ての外壁設置型では必須の装置です。
凍結防止装置
寒冷地や冬季の朝方などでは、水配管が凍結し破裂するリスクがあります。凍結防止装置は外気温が約3℃以下になると作動し、自動的に微弱なヒーターを稼働させたりポンプを循環させる仕組みを持ちます。これにより配管内部の水が凍結するのを防ぎ、破損や漏水を回避します。電源を切ってしまうと作動しないため、長期不在時でもコンセントを抜かないことが推奨されています。
ガス安全装置作動原因と対策
ガス給湯器に搭載される安全装置は、単なる故障ではなく、燃焼環境や供給状況に異常があった場合に作動します。そのため「安全装置が働いた=機器が壊れた」と短絡的に考えるのは誤りです。実際には周辺環境の変化やガス供給条件による影響も大きく関わります。
代表的な作動原因は以下のとおりです。
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給気口や排気口の詰まりによる酸素不足
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強風や建物形状による排気逆流や燃焼不安定化
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ガスメーターの遮断動作(震度5相当以上の地震後に自動遮断されるケースを含む)
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ガス圧力の低下や供給停止など外部要因
これらはすべて安全装置が正しく働いている証拠です。たとえば地震時にガスメーターが遮断されるのは「マイコンメーター安全装置」と呼ばれる仕組みであり、震度5前後の揺れで自動停止する設計が標準化されています(出典:一般財団法人日本ガスメーター協会 https://www.jgma.or.jp/)。
利用者が取るべき対策としては、定期的に給排気口を清掃する、強風地域では専用部材を設置する、ガス会社に供給状況を確認するなどが有効です。原因を把握し、日常的に予防管理を行うことが、不要なトラブルを避けるための鍵となります。
給湯器安全装置原因を確認する方法
安全装置が作動した際には、多くの給湯器でリモコンや本体にエラーコードが表示されます。このエラーコードはメーカーごとに体系化されており、原因特定の第一歩となります。
例えばリンナイの給湯器では「11」は点火不良、「12」は燃焼中の失火、「14」は過熱防止装置作動を示します。ノーリツ製品では「90」が給排気異常、「16」が過熱防止関連の異常を表すなど、番号と異常部位が対応付けられています。
このコードを確認し取扱説明書と照らし合わせれば、利用者は「燃焼系の異常なのか」「配管や排気系統の問題なのか」といった大まかな切り分けが可能です。修理依頼時に「エラー11が表示されています」と伝えることで、業者は訪問前から必要な部品を準備でき、結果として修理時間の短縮や費用削減につながります。
ただし、エラー表示を見ただけで素人が自己修理を試みるのは非常に危険です。エラー確認はあくまで参考情報であり、最終的な点検と処置はガス消費機器設置工事監督者など有資格者に依頼することが前提となります。
給湯器の安全装置が働くまでの時間は?
安全装置が実際に作動するまでの時間は、装置の種類ごとに異なります。
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不完全燃焼防止装置:数分以内に酸素濃度の低下を検知し、燃焼を停止します。
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過熱防止装置:熱交換器の温度が閾値(おおむね90〜100℃)を超えた瞬間に即座に作動します。
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凍結防止装置:外気温が約3℃以下に低下した時点で自動的に稼働を開始します。
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立ち消え安全装置:炎が消えた瞬間に作動し、ガス供給を即時遮断します。
このように作動時間は「秒単位」「分単位」「外気条件依存」といった具合に大きく異なり、利用環境によって作動頻度も変動します。特に寒冷地では凍結防止装置が頻繁に働き、都市部マンションの高気密住宅では不完全燃焼防止装置が作動しやすい傾向があります。
つまり、作動タイミングは一律ではなく、それぞれの安全装置が対象とするリスクに応じて設計されているため、利用者は「なぜ今作動したのか」を理解し、環境改善や点検につなげる視点が重要です。
ボイラーの安全装置の解除方法は?
ボイラーも給湯器と同様に、燃焼系統や水圧系統に複数の安全装置を備えています。安全装置が作動すると運転が停止しますが、解除方法にはいくつかの基本的な流れがあります。
一般的には以下の手順が取られます。
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電源をオフにし、数分間待機する
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機器本体またはリモコンにあるリセットボタンを押す
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電源を再投入し、エラー表示が消えているかを確認する
ただし、同じエラーが繰り返し表示される場合は注意が必要です。これは安全装置が「正常に作動」している証拠であり、排気系統の詰まり、燃焼部の劣化、センサーの不良といった根本原因が存在する可能性が高いと考えられます。
特に業務用ボイラーや温水暖房併用型では構造が複雑であり、素人判断での操作は事故につながりかねません。取扱説明書を確認することはもちろん、異常が続く場合にはメーカーや認定施工業者に速やかに点検を依頼することが推奨されます。
給湯 器 安全 装置の解除やリセット方法
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給湯器安全装置リセットの手順
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給湯器安全装置解除方法を正しく知る
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ガス給湯器安全装置解除の流れ
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リンナイ給湯器安全装置解除方法の注意点
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ノーリツ給湯器安全装置解除の手順
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給湯 器 安全 装置を理解して安全に使う
給湯器安全装置リセットの手順
給湯器の安全装置が作動して運転が止まった場合でも、軽微な要因であればリセットによって再び運転可能となるケースがあります。リセットはあくまで「再起動操作」であり、原因を解決するものではない点を理解しておく必要があります。
一般的なリセット手順は次のとおりです。
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給湯器の電源を一度オフにする
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30秒から1分程度待機する
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電源を入れ直し、必要に応じてリモコンのリセットボタンを押す
これにより一時的にエラーが解消する場合もあります。ただし、同じエラーが頻繁に発生する場合は機器の劣化や外部要因が潜んでおり、繰り返しリセットで対応するのは非常に危険です。
安全装置は利用者の生命を守るために搭載されている仕組みであるため、リセット後も不具合が続く場合は「無理に使わずに専門業者へ相談する」ことが基本です。
給湯器安全装置解除方法を正しく知る
リセットと混同されやすいのが「解除」です。解除とは、安全装置の働きを一時的に止めて運転を継続させる操作を指す場合があり、誤って行うと安全性を損なう恐れがあります。
特にガス関連の装置については、取扱説明書に「利用者が勝手に解除しないこと」と明記されているケースがほとんどです。これは、原因が解決していない状態で装置を無効化すると、火災や中毒事故につながる危険があるためです。
利用者ができる正しい対応は、以下の2点に集約されます。
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エラー表示や警告ランプを確認し、状況を把握する
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自己判断で解除せず、必ずメーカーや施工業者に連絡する
安全装置は「異常があるから止まった」のであり、解除して無理に動かすことは根本原因を放置したまま危険を拡大させる行為です。利用者にとって重要なのは、解除方法そのものを知ることではなく「解除してはいけない場面を理解すること」にあります。
ガス給湯器安全装置解除の流れ
ガス給湯器に搭載された安全装置が作動した場合、利用者はまず冷静に状況を確認することが重要です。ガスに関わる異常は重大事故につながる可能性があるため、解除を行う前に必ず安全を確保する必要があります。
基本的な流れは以下のとおりです。
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給湯器の電源を切り、数分間待機する
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ガスメーターの状態を確認し、遮断されていないかをチェックする
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マイコンメーターは震度5前後の地震や異常流量を検知すると自動で遮断します(出典:日本ガスメーター協会 https://www.jgma.or.jp/)
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リモコンや本体に表示されたエラーコードを控える
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取扱説明書に記載された解除手順を確認し、手順通りに操作する
ここで重要なのは「ガス漏れが疑われる場合は絶対に自己判断で解除しない」ことです。ガスのにおいを感じる、異音がする、異常な煙が出ているといった場合は直ちに使用を中止し、窓を開けて換気し、ガス会社やメーカーへ連絡することが最優先です。
解除はあくまでも「一時的な復帰操作」に過ぎません。同じ異常が繰り返される場合は安全装置が正常に作動している証拠であり、専門業者による点検・修理が不可欠です。
リンナイ給湯器安全装置解除方法の注意点
リンナイ製の給湯器は国内シェアが高く、家庭で広く利用されています。そのため安全装置の解除方法に関する問い合わせも多いですが、公式情報によれば利用者自身が頻繁に解除操作を行うことは強く推奨されていません。
リンナイの給湯器では、エラー表示に対応した解除・リセット方法が用意されています。代表的には以下のような操作です。
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電源をオフにして数十秒待機し、再度オンにする
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リモコンのリセットボタンを押す
ただし、型番やシリーズごとに操作が異なることもあり、必ず該当機種の取扱説明書を参照する必要があります。
リンナイ公式サイトの記載によれば、同じエラーが頻繁に発生する場合は「機器の不具合や設置環境の問題が考えられるため、専門業者による点検が必要」とされています。何度も解除を繰り返すと本来の安全機能を軽視することになり、火災や一酸化炭素中毒のリスクが高まるため非常に危険です。
利用者に求められるのは「操作を知る」こと以上に「繰り返すべきではない状況を理解する」ことです。したがって、解除は一時的な応急措置と位置づけ、異常が続く場合は必ず点検を依頼する姿勢が必要となります。
ノーリツ給湯器安全装置解除の手順
ノーリツ製の給湯器もリンナイと並び国内で広く利用されているメーカーであり、各機種に応じた安全装置の解除方法が用意されています。基本的な解除操作はリンナイとほぼ共通していますが、型番や年式によって細かい手順が異なるため、必ず付属の取扱説明書を確認することが前提となります。
一般的な流れは以下のとおりです。
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電源を切り、30秒〜1分程度待機する
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電源を入れ直し、リモコンの表示を確認する
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必要に応じてリセットボタンを押す
ただし、ノーリツ公式サイトの注意事項によれば、エラー解除後に同じコードが再度表示される場合は「機器の内部不具合、配管や排気系統の異常が考えられるため使用を中止し、直ちに点検を依頼してください」と明記されています。
さらに、ノーリツでは消費者が自己判断で解除を繰り返すことに警鐘を鳴らしており、異常の背景にはガス燃焼に関するリスクが潜んでいる可能性があると説明しています。解除操作はあくまで応急措置であり、根本解決ではないという認識を持つことが利用者に求められる姿勢です。
給湯 器 安全 装置を理解して安全に使うには
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安全装置は利用者を守るための必須機能
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種類ごとに役割と作動条件が異なる
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作動原因は換気不良やガス供給不良など多様
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リセットや解除は一時的な対処にすぎない
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リモコンのエラーコードで原因を把握できる
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リンナイやノーリツは解除手順が異なる
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ボイラーの解除方法も基本はリセット操作
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安全装置が働く時間は種類によって違う
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頻繁な作動は機器の不具合が考えられる
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自己判断での修理や解除は避けるべき
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取扱説明書の確認が正しい操作の基本となる
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繰り返し異常が出る場合は業者点検が必要
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換気口や排気口の清掃が予防に役立つ
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ガスのにおいを感じたら直ちに使用を中止する
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給湯器安全装置を理解することが安心につながる